メンタル病んでる事は判るが、歴史までは判らねぇよ!!

蒼真 空澄(ソウマ アスミ)

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第一章:深い闇からも必ず。

01.大切な宝物を探して。

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いつもと同じ様に一人で昼食を食べ終わって席を立った。
それが私には普段通りでもある。

食事も軽く簡単に理由もだった。
一人の方が気ままに動けて楽だから…
それだけなのだが。
普通に校内を歩いてたら知らない大柄な男にと、いきなり道を阻まれた。

少し私が不思議に思って男も見てると…

「俺と付き合って下さい!!」

そう言いながら手を差し出された。

私は呆れる。
そんな男を見てると、どうしても思う。

マジで男って馬鹿だろ!?
こんな男と話した事も無ければ?
私は全く知らん!!

既に大学校内の共同スペースで多い皆すら静まる。

まさに傍迷惑って奴かぁ?

そして私は、いつもの文言を大きく言うのみ。

「全て断る!!
私より弱い男は眼中にない!!
一切、私に近付くな!!」

告白擬きを言ってきた男が驚いた顔をしたが…
すぐ慌てる様にだった。

「な…
俺は絶対、女に!?
負ける筈もない!!」

冷静に私は頷きながらでも相手の実力程度。
判断も出来る。
それすら私には、いつもの事である。

また、それかぁ?
いっつも同じだぞ?

だから私も同じ事を言う。

「だったらなぁ…
私が今から攻撃すっから避けろよぉ?」

言ってから私は素早く回し蹴りを。
相手の身長に合わせて胸元を狙って蹴り出す。

そのまま受けて相手は後ろへ、倒れ込んで咽せた。

やっぱりかと私は思いながら…
どうにか苛立ちも抑えて睨んでから見下す。

「なぁ…
私は先にかぁ?
避けろって言ったよなぁ?
それすら何で避けねぇんだよ…
あんな一撃すら避けれねぇ雑魚が!!
そんで女には負けねぇだと?
良く言えるよなぁ?」

周りが更に騒めく中、咽せてた男が一応、私を。
一度だけ見たが何も言わず…
まるで逃げる様に走って去る様子もだった。

もう私はウンザリする。
集まる皆の視線も邪魔で移動しようとした時。

「またか!?」

そんな騒めきの中でも大きな声に私も振り向いた。

「んん?
 俊介しゅんすけかぁ?
悪りぃが場所を変える。
ここじゃ…」

私が言ってる間にだった。
すぐ俊介も近付いて来て複雑な顔で言ってくる。

「判ってる。
今は移動が優先だろ!!」

周りは人が多い、意味も判って私は頷く。
そのままサークルの部室にしてる部屋へと向かった。

**************************

部室に入って、すぐだった。

「また…
どうして話よりだ!?
すぐ攻撃すんだよ、こんの馬鹿がぁ!!
この大学だからなぁ?
まだ、どうにか済んでるのにか!!」

俊介に怒鳴られたが…
その意味も一応、理解してる私は何も言わず。
煙草に火を付けてから視線も逸らす。

「それで?
理由もか?
また同じでだろ…」

流石に良く判ってんなぁと。
私も煙草を吸いながら頷く。

それに…

「つうか俊介なら判ってんだろぉ?
かなり前から、ずっとだし?
私と関わってっから充分。
もう知ってんだろうが…
それに俊介の親にもだぞ。
私が助けられた事すら今もだからなぁ。
判ってっから…
だから迷惑かけたくねぇんだが。
これは…
俊介にもだな。
私の場合、もう親にすら負けん。
でも、まぁ…
もう会う事すらねぇし?
離れてからも長いだろ。
全く問題ないがなぁ。
でも、さっきの雑魚…
また下らない理由でかぁ?
いきなり言われたんだぞ?
私も同じで事前にだ。
言ってからした…」

それ程、広くもないサークルの部室。

だから近い距離に居る俊介が微妙な顔を。
僅かにしたのを私も見るが…
それでも昔から俊介は容姿以外、変わらない。

「まぁ…
 春香はるかとは小学生の頃からなぁ。
俺も理由は聞いて知ってるし。
それでも今なら俺より…
俺の親がだぞ?
大学の理事長とも懇意にしてるから一応か?
春香の事は理解済みだがなぁ。
だから済んでる事にも判るだろ?
更に俺は何度も言った筈だぞ?
攻撃の前に会話だ、会話!!」

そんな事を言いながら俊介も軽く溜息をした。

「私も一応なぁ。
判ってんよ。
んでも、あんの雑魚…
また私に同じ事をだぞぉ?
何が女には負ける筈もないだぁ?
呆れるの次すら私には判らんが?」

私も言いながら思い出して苛立つのを抑える。
そんな俊介も少し首を振ってから…
また私を見て言ってくる。

「充分、俺も判ってる!!
どうせ話した事もない奴だったんだろ?
見た目と真逆だからなぁ…
もう話せば春香の場合、すぐだ。
でも俺すら理由も言ったぞ!!
既に目立つのに…
その髪か!?
更に目立つだろうがぁ!?」

気付いてくれた事は私も嬉しくて笑って俊介を見た。

「おぉ!!
流石だ、俊介は良く判ってんなぁ!!
そうだぞ?
最近はかぁ?
どうも赤系やピンク系。
ストロベリーっぽい女子が増えただろ?
私は真逆にと、アッシュ系でなぁ!!
更にブリーチをして、シルバーをだ!!
そんでバイヤレースもしたから居ねぇし?
このカラーは私も気に入ってるぞ!?」

「こんの馬鹿!!
だから何度も言ってんだろうがぁ!!」

笑って言う私は、なぜか俊介に怒鳴られたが…
そのまま微妙な顔で言ってきた。

「春香は充分、そのままでもだ!!
もう美人だから目立つと…
俺は何度も言ってるぞ!?
それなのに…
更に大学内でか?
そんなカラーをしてる奴も居ない!!
余計、目立つに決まってるだろ!!」

美人には興味ない私でも笑う。

「あはははっ!!
俊介も間違えてねぇのかぁ?
美人は知らんが?
同じカラーは居ねぇなぁ!!
だからこそ、私がだぞぉ!!
理由も俊介なら言わなくても判りそうだなぁ?
しかもショートのアメンシトリーにした。」

俊介は私を見ながら頷く。

「春香?
それも、またか?
理由…
『皆と同じ』は嫌い。
そして『つまらない』だな?
でも…」

おぉ、スゲェな!?
だから私は嬉しくて笑って頷きながら言う。

「まさに正解だぞ、俊介!!
流石だなぁ、おい!?
それに全部がシルバーでも?
ねぇからなぁ!!」

「だから…
髪より『美人』を気にしろ!!
俺は何度も言ってるだろうがぁ!?
それには無反応かぁ!!
余計、男がだぞ!!」

怒鳴った俊介に考えながら私も言う。

「んん?
いや、別に美人は関係ねぇよ?
大体、今の私は馬鹿な男に負けん!!
俊介も、まぁ…
お互い避ける程度、余裕だろ?
俊介は空手のみ。
試合なら危ういがなぁ。
私は出ねぇし?
一応、意味もなく使わん。」

俊介は目を閉じて、そのまま言ってきた。

「一応、その理由も判ってる。
だけど春香は、もう『我流』だろ?
剣道、空手、柔道、合気道、他にも多過ぎる程に…
そんな武術系ばかり選んでだ。
護身用でも多過ぎるから余計に我流へ。
それでも…」

目を開けた俊介は複雑な顔でだった。

「なぁ、もう春香に…
あんな事ばかりした家族から…
接触は絶対ない。
最初、俺が気付いて親経由で『保護』した形でも…
充分、今は確実に『安全』だ。」

その言葉で僅かに私は思い出す。
だから目を閉じて言う。

「あぁ、俊介には助けられたし…
俊介の親にもなぁ。
何が世間体だ。
何がエリート一家だ。
ふざけやがって!!
私は絶対、許さねぇ…
今なら負けねぇし、逆にと…
だろ?
あんのクズ共が。
もう私に近付けば勝てねぇ理由もあんぞ?
だから金だけを貰うのは当たり前。
そんでも近付けば…」

目を開けた私は俊介にキッパリ言う。

「私が殺さねぇだけマシだろうがぁ!!」

俊介も判ってる様子で少し眉間に皺を寄せた。

「春香は馬鹿じゃない。
だからの『答え』だろ?
俺だって許す気もないからな?」

私は怒りだけは下げて言う。

「そりゃ、そうだなぁ…
あんなクズ共にと?
そんで私がかよ?
んな馬鹿だけは、しねぇ…
俊介も、そんだけ判ってりゃ大丈夫だ。」

そんな俊介が更にだった。

「あぁ、判ってる。
でも春香?
最近は病院に行ってないだろ?
連絡だけ俺も聞いたぞ?」

「それは…」

私は視線を逸らして黙る。

「嘘も嫌う春香の癖だぞ?
何も言わない方を選ぶのもな。
最近は、してないのも知ってる。
でも薬は必要なくても行ってた筈だ。
それなのに…」

私は何も言わず、目を閉じた。
僅かに気配のみで俊介の動きを避けながら言う。

「もう私には必要ねぇ。
だから行かないだけ…
問題ねぇし?
何も?
してねぇから。」

「それでも定期的に!?
言われてるだろ!?
我流で避けんな、こんの馬鹿!!」

俊介の声だけ聞いてた私は目を閉じたまま…
全ての攻撃を避け続ける。
それでも一応と思いながら言う。

「充分?
一人でも暮らしてる。
問題は…」

「違うだろ!!
俺は知ってるからな!?
春香は食事さえ…
それで一人に出来るかぁ!!」

私の声を遮る様に俊介が言うが。

まぁ…
一応かぁ?
俊介の意味も判るからなぁ?
これだと私は何も言えん!!

だから私は無言で回避のみ。
ふと違う事も思い出す。

「あっ!?
そうだ!!」

私は目を開けて、すぐ俊介を見たら驚いた顔になった。

「なぁ、俊介!?
私のだ!!
いつも大切に持ってた『招き猫』だがな?
知らないか!?」

「えっ、あれか?
いつも春香がだろ?
知らないが…
ないのか?」

首を傾げながら俊介も言うのに…
私は思い出しながらだった。

「そう、必ず私が持ってたのにだ!?
一昨日から…
いくら探しても見当たらないし?
でも…
大学にも来てなかったしなぁ!?
気付いてから探してんだよ。
あれだけは駄目だし?
でも、どこに…」

言いながらも私は考える。

あれは…
唯一の『宝物』なのに!?
優しい祖母だけが『私へ』と残したのに!?

俊介も考える様子でだった。

「俺も探すぞ?
あれは、だって…
春香の。」

「そう、あれだけは絶対…
でも急にかぁ?
俊介も夜はバイトだったよなぁ?
私だけでも探せるし?
どうにか見つけないと…」

私は思い出しながら言う。

今なら…

「俊介!?
私はかぁ?
もう今日は帰る!!
明るければ…
とにかく早く探すだけだ!!」

俊介が驚いた顔をしたのも見た。
でも私は、すぐ動き出す。

「待て、春香!?
俺も探すから…」

声は聞いてたけど私は部室から出て帰り道を。
普段から使う道を探しに向かった。

**************************

既に昼頃から数時間以上。
私の住んでるマンションから普段から使う道を。
全て手探りで探しても見つからず…

「もう夜かぁ?
小さいからなぁ…
見え難いけど、でも、あれだけは…」

僅かにでもと私を助けてくれた…
あの優しい祖母を思い出す。

唯一、私の事をだった。

両親だけでもない、兄貴達も、場合によっては叔父すら…
毎日ずっと私は顔以外ばかり殴られ続ける日々だけの中。

僅かにでも誰かに言えば、更に監禁されて、もっとだった…
だからこそ誰にも言えず、私は外でも誰とも話さない事だけを。

そんな違和感に、きっと察した、あの祖母だけがだ。

まだ小学生になる前…
気付いて、あんな一生懸命に、私の事を!!

祖母の歳では絶対、働けないのに…
それでもと、ずっと庇って私を祖母の家で数年もだ!!
必死に助けてくれてた事を!!

そして祖母が事故で亡くなって、また私は…
でも俊介が気付いて、どうにか私は保護されたけど。

あんなに優しい祖母が言った事も私は覚えてる!!

『幸福が来るように招き猫だよ』と。
『どんな時も強くね』と。
『頑張る者には必ず幸福が来る』と。

それだけじゃない!!

あの祖母が、ずっと大切にしてた物でもあるんだ!!
その古い小さな『招き猫の陶磁器とうじき』を!!

そして『お守り』代わりにしてと私へ…
だから、いつも壊れない様にしてた私の大切な宝物!!

必ず見つける為、私が普段、余り行かない範囲へと広げる。

そうして探す中で小道の石段の上にとだった。
小さな社っぽいのが目に付いた。

私は神様も信じてねぇ…
だから初詣だのも行った事もねぇがなぁ。

でも、こんな場所に…
あったかぁ?
暗いからハッキリ見えねぇし?
あの祖母も『お守り』代わりにだし?

少し私は考えてから一応と思って向かう。

その途中で急に石段が崩れた。
咄嗟に私は受け身を取る為、目を閉じた。
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