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第四章:感じて判る事は心のみを。

動き出した危険人物、決意の意思を。

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ゼスの願いを聞いてから…

私は時々。
ゼスを見ながら想像はする。

でも…

私にしか出来ないと?

それに私も…
想像しようとしても…

どうすれば良いのかも?

皆と同じではないと。
それは判るけれど…

子供…

私も本に書いてあったのを?

ふと、お兄様達を思い出した。

帝国に居た時は…
常に私は逆だった。

望んでなかった事も思い出す。

一応、今日の掃除も終わって…
ゼスを見るけれど。
いつもと同じで書類関係を。

私も考える。

きっと私もゼスの子供なら…

少し考えてる時。

「ユアナ!!
終わったんだろ?
よっしゃ!!
今日は新しい遊びをなぁ!!
教えんぞぉ!!」

すぐに私は笑ってルドにと言う。

「新しい遊びをと?」

いつもルドがだった。

新しい遊びも多くて…
面白いのもある。

でも…

ふと私は思い出した。

ルドは私を恋愛対象外…

まさか…

遊びも8歳だからと!?
子供用にと!?

そんなルドを複雑な気分で見ると…

ルドが不思議そうな顔になるのを見た。

「ありゃ?
どったぁ?
急にだが…」

子供と?
それにと私も考える。

ルドなら大丈夫と思って…
私は目を閉じると、そのまま言う。

「ルド?
これも…
もしかして…
正直に言って欲しいけれど?
私が子供だからと!?
だから遊びだけと!?」

すぐにルドの笑い声が聞こえた。

「ははははははっ!!
まだ…
それを?
ずっとかぁ?
はははははは!!
8歳を…
ユアナが?
気にして…
はははははっ!!」

私が目を開けると…
本当にルドが笑ってるのも判る。

そんなルドも首を横に振った。

「いんや?
暇潰しにとかぁ?
したくても…
この村にと?
なんも?
ねぇしなぁ…」

どうにか笑いを?
堪えてる様子でと…

私もルドが言う事で考える。

確かに…
それもある?

「まぁ…
どっか行くにもかぁ?
今は、まだ良いだろ?
もし行くなら…
ゼスも一緒の方が良いだろ?」

そこで私はゼスも見ると…
気付いた様子で私を見てるのに気付いた。

「ユアナ?
もう少しで終わりだぞぉ!!
ルドの言う通りだし…
また海でも見に行くかぁ?」

いつもの様にゼスが笑って言ってくる。
すぐに私も思い出した。

だから笑って言う。

「うん、判った!!」

私は嬉しくなったのもある。

そのままゼスが終わるまでと。
いつもの様に楽しくルドと遊んだ。

**************************

一方、帝国地下独房。

ネカティア国が崩壊してから…
かなり経ってもいた。

既に帝国管轄とした事でと。
捕縛された三人は帝国の地下独房。

その独房二つを終わらせて…
最後の一つ。

「もう…
本当に…
知らないんだ…
だから…」

三人の一人が血だらけで…
狭い独房の壁にと…

泣く事すら出来ず…
座り込む状態だった。

「おいおい?
そんだけでかぁ?
たかが指が数本だろ?
無くなった程度…
大した事でもねぇよ。
でもなぁ。
肝心な事がだ。
全く判らねぇって…
どんだけ馬鹿だぁ?
俺が最初からとだぁ?
また言うが…
ゼスが保護してるってなぁ。
ヤラリス侯爵家の女。
ユアナって名前と?
くらだねぇ美貌だぁ?
それしか判らねぇし?
他の情報が欲しいんだよ!!」

そう言ってから…
男は小振りなナイフを。

瞬時でと指のみ。
簡単に切り落とす。

「うぁぁぁっ!!
もう…
止めてくれ…
本当に…」

転がった指を踏んで男が溜息を出す。

「もう他の二人はなぁ。
死んだかんなぁ?
お前しか居ねぇ。
んで?
他に知ってる事!!
早く言えっての。
わざわざ独房に?
侵入した意味すらねぇよ…
知らねぇって言うが?
だったら…
どうやって裏側をだぁ!?
纏めんだってぇの!!」

思わず苛立ちで男は…
反対の手をナイフで突き刺す。

「ぐぁぁぁ…
それは…
全部…
裏側は…
公認者にとだ。
だから…
私達は知らないんだぁ!!」

それを聞いて男は嬉しくて笑う。

「おぉ!!
やっと新たな情報が出た!!
そのまま言え?
んで?
その裏側をかぁ?
公認者と?
詳しくなぁ!!」

一応と思って男もナイフを引き抜く。

「そ、それは…
今の裏側…
公認者の名前は…
『ルド』で…
長くて珍しいが…
纏めてた事でだ。
それに…
独自組織もだった。
私達は常に依頼を。
裏側の方が情報も多い…
だから金や待遇をするだけを…
その内容でもだ。
全て公認者が判断する。
だから…
私も詳しくないんだ。」

男は瞬時に理解もするが…
右手を口元に当てながら考える。

「ほぉ…
裏側の独自組織と。
それすら全てを纏めてと?
全部、その『ルド』って奴かぁ?
って事は…
お前も判らねぇってのも?
一応、納得はするが…
いくつか質問すっぞぉ?
答えねぇと一本ずつなぁ…
最初の疑問。
長くと珍しいだぁ?
何が、どう珍しいんだよ?」

「そ、それは…
裏側の公認者は代わり易い。
具体的には判らないが…
危ない事もあるからだと。
私達も、その程度だ…
公認者が代わる事は多いが。
ルドになってからは…
かなり長い。
だから普通に珍しいと。」

頷きながら男は普通に聞く。

「ふむふむ。
かなり長く…
実力があった証拠かぁ?
だったら…
その独自組織も含めてと。
裏側の全てを。
ルドって奴が判断してたと?」

「そうだ…
私達の個別依頼でも…
常にルドが判断する。
指摘も確実だと。
判ってるからこそ…
私達もルドにだ。」

「んん?
何だぁ?
その指摘を外さねぇと?
でも捕まってんだろ…
帝国にだが。」

「それだって…
ルドに言われた事も…
一つのみだ。
それまでも…
ヤラリス侯爵家のユアナ…
常にルドは断ってた。
指名手配にした者か?
手を出すなと。
だから最初…
私達も様子見を。」

すぐに男は判った。

「確かに!!
良い判断してんなぁ!!
俺以外?
ゼスに敵う訳ねぇし…
更に今だと裏側全てだ。
個別依頼ってのかぁ?
受けないのも正解だろ。
だが、一つしたと?
それは何だぁ?」

「それは…
帝国に伝達のみを出せと。
伝達のみだけでは…
ネカティア国を攻められい。
帝国も動けないからとだ。
他にも気付いた様子だったが…
ルドの場合は…
単純だ。
興味が出て…
私達を簡単に裏切っただけだ…」

その話に男は笑いを堪えるが…

「くっ。
あははは…
悪りぃ…
もう…
笑えるだけの話かぁ?
どんだけ馬鹿だぁ?
お前らが単純過ぎるだけ?
あははは…
裏切るもねぇし?
それすら気付いてねぇ…
馬鹿過ぎるなぁ。
更に当たり前過ぎるし?
あはは…」

どうにか痛みを堪えて…
男を睨んで言ってきたのを見た。

「何がだ!!
伝達のみだぞ?
こんな事は…」

笑いながら男は言う。

「うぉ?
元気になったかぁ?
こんなん笑えるだけなぁ…
お前らがだ。
単純に言えば?
そのルドって奴にだろ?
言われた様にかぁ?
常に利用されてたってだけ!!
どうせ伝達のみ!!
安全だ!!
とか言われて安易にだろぉ?
俺からしたらなぁ。
もう馬鹿としか言えねぇよ?
帝国からだって返答はあったろ?
それだけでと…
予測したんだろうなぁ!!
マジで良い判断してるな、おい!!
ルドって奴は実力だけじゃねぇな。
それすら納得したぞぉ!!
だが…
お前らも何か言ったらしい事。
さっき言ってたが…
他にも気付いた様子だったと?
ならば帝国からの返答!!
そっから既に動いたんだろ?
返答をルドって奴かぁ?
読んでだがなぁ。
言ってたんじゃねぇのかぁ?
他にも思い出せる事は言っとけ?
死ぬ前にだな?」

笑いながら言う男が…
簡単にナイフを目の前に出す。

「待て…
思い出す事だと!?
他にだと…
凄く嬉しそうにルドが…
でも何に嬉しいかは…」

男も察した。

「嬉しそうにだと?
そのルドって奴がかぁ?」

「あ、あぁ…
ルドは娯楽好きだ。
だから面白い事には…
喜ぶだろうが?
それでも…
凄く笑ってたんだ。
確か…
逆だと?
だが…
その場でもだ。
個別依頼としてすら断った。
依頼としては受けないと。
それに今は裏側よりも表側を?
帝国の表からは不可能と?
だから私達が帝国にと…」

もう完全に男は笑った。

「あははははっ!!
それは…
もう…
スゲェ…
笑うだけ?
あははははは!!
簡単だろ?
良い性格してんなぁ!!
こんだけ面白いのも?
なかなか?
ねぇよ?
あはははははっ!!
お前にもかぁ?
簡単に言えばなぁ?
既に帝国のかぁ?
表側から裏側へ。
接触不可にと?
されてるんだぞぉ?
んで?
その場ですら依頼としても受けず…
明らかにユアナって女がだぞぉ?
帝国の表側に居る訳ねぇのに?
それなのにかよ!!
あははは…
ルドって奴は裏側よりも表側を?
わざと動かしてなぁ…
帝国と、ゼスの反応をだ!!
両方を一つ、伝達のみ!!
その返答でと予測可能だかんなぁ。
確かに面白かっただろ!!
そうなぁ…
簡単に動く馬鹿を使って?
しかも…
ルドってのは…
完全に予測もしてだ!!
行動すらしてんだぞぉ?
最初っから、お前らをだ。
利用しかなぁ?
してねぇだろう!!」

「な…
だったら…
ルドは伝達を?
する時点で…」

男は判った事よりも…
ルドって奴が面白かった。

だから笑いながら言う。

「お前の話は面白かったぞぉ!!
なら他の二人よりだなぁ?
楽に殺してやるから安心しろ?」

それにと驚く事よりも素早くだった。

一瞬のみ…

首の動脈を的確にナイフで刺し殺す。

そして…
服が血で汚れる前に離れた。

そのまま一気に独房からも…
すぐに外へと移動もする。

安全な距離まで行ってからと。
男は情報を纏める為…
右手を口元に当てる。

そして考える。

ふむ。
別の大陸から戻ってみれば…

まさかなぁ…

あのゼスが完全に裏側を纏めるとかぁ?
完全に予想外だった。

死んでねぇとは思ってたが…
表でもなく裏側かよ!!

意外だったなぁ。

だが…

確かに?
情報規制やら含め裏が早いし?

実力でも余裕だかんなぁ。

ずっと表側でと…
わざと俺もだったし?

普通に末裔として居る方が…
簡単に紛れる事もだし?

誤魔化す事も…
単独すらも容易い。

更に裏側は…
さっきのルドって奴みたいにかぁ?

使える奴も居っかんなぁ…

かなり面白かったが。

それに表は余裕…
だが裏側の情報網は比較にならん!!

ゼスの性格ならば…
どうにでも出来る表よりも裏側をか。

らしいと言えば…
そうだが…

俺を警戒してる可能性だ。

予測だが…
裏側を纏める事で他の問題すらもか。

ゼスは否定してたからなぁ。

頭脳に関して俺よりも上…

思い出すだけでも苛立つが。
あれから実力もだろ?

尚更、裏側を規制したか…

ある程度の法則は判るが更にだ。

裏側を複雑に…
表側すら一切、不可能にしたと。

だからこそ余計に判らん!!

その保護してるって女…
ヤラリス侯爵家のユアナ。

あのゼスがだ…
意味もなく、しねぇだろ?

可能性ならば一番ある。

末裔である俺と同じ…
俺を完全に警戒したか!!

それでも帝国の馬鹿皇帝。
情報を売ってくれて感謝だな。

ヤラリス侯爵家の内情!!

模したから、まだ弱いが…
可能性が高過ぎる!!

美貌は…
まぁ、どうでも良いが?

俺が一族を復権させる為にだ!!

今までの女も…
子供も失敗作ばかり…

証拠にならない様、全部。
殺処分もしてるがなぁ。

男は目を開ける。
大きく息を吐き出した。

この帝国に…
ヤラリス侯爵家の者。

二人が残って居る。

「チッ」

しかも同じ双子でか!?

男は思い出すだけで苛立つ。
でも、すぐに振り払った。

実力は大した事もねぇ…
これだけ規制されてっと…

唯一の女。
肝心のユアナがだ!!

全ての情報すら不明確。

表じゃ大して意味がない…
それすら、もう…
常に裏側をゼスにだ!!

今更、仕方ねぇ…
ある程度は予測してだ。

もう直接にと接触する方法しか…

他の方法はゼスに邪魔される!!

瞬時に男も判断した。
それから帝国で潜伏する方を選んだ…

**************************

一方、アランとリアン。

普段通り二人でと作業部屋。

ネカティア国も全て済ませてからも。
何も変わってなかった。

常に二人で話し合いをする。

そんな中でもアランは…
大きな溜息を出す。

複雑な顔でリアンにと言う。

「リアン?
もう俺はだ。
そのまま言うぞ?
全く…
嬉しくない…
更にだ。
今頃ネカティア国の馬鹿三人か!!
暗号があって判った事。
その警戒すら解いてだぞ?」

すぐにリアンも理解する…
判るからこそ…

リアンも複雑な顔でアランにと言う。

「アラン?
だから祝ってないだろう?
俺も複雑だからな。
一応、先に言うぞ?
産まれてからの教育選択は選べ。
既に用無しになった皇族の女は…
任せるが。
それよりも…
またネカティア国の件か?」

すぐにアランも理解する。

どうにか目を閉じて…
そのままリアンに言う。

「リアン。
判ってる…
あんな女は要らん!!
もうユアナを思い出すのみ…
教育選択も既に済んでる。
俺が関わる事もない。
だが…
ネカティア国の方だ。
帝国の独房だぞ?
それに俺も見たがな…
何かあるとしか判らん。」

すぐにリアンも理解する。

一応、頷くと…
考えながらアランに言う。

「アラン。
全て同意する。
問題ないなら構わないが。
俺も独房を見たがな…
あれは…
どんな拷問をしたんだ?
ここからは俺の予測だ。
何かを調べてる事でとだろう。
だが、既にゼスも含め…
暗号でとネカティア国の公認者。
もう全て終わってる。
更に他国すら表では問題ない事。
逆に不安要素しかないぞ?
可能性としてもユアナだ。」

すぐにアランも理解する。

目を開けてから頷く…
考えながらリアンに言う。

「リアン。
全て同意する。
問題もない。
暗号でも判ってる事だからな。
ネカティア国の公認者もか?
詫びも兼ねてと情報提供もあった。
ここからは俺の予測だ。
裏でも表でも問題がない事。
俺もユアナをだ。
だか、やはりゼスが居れば…
問題になる前にと。
表に関してのみ。
何かしらある筈だ。
裏側でも問題が…」

その声を自然に遮る様にだった。

「表では一切、問題すらない。
更に言うならば今は裏側もだ。」

二人共に驚きながらも…
咄嗟に剣だけを持った。

そして声がした方を向いたが…

「ネカティア国の三人は俺がだ。
だが…
俺も意外な事も聞けたかぁ?
裏側の公認者とも既にとなぁ。
迅速な対応も含めてだろう。
更に判断も間違ってないぞ?」

全く気配すらなく…
作業部屋の中でと…
一人の男が笑って言ってくる。

二人共が更に驚く。

現れた男の容姿を見てだった。

それでも違う違和感にと…
すぐに気付いたアランが先にと言う。

「ゼス…
でも、ないだろう?
だが、その容姿は…」

リアンも言わないが違和感を察した。
だから、すぐに攻撃を出来る態勢のみ…

現れた男は…
明らかに嬉しそうな様子で言ってきた。

「あははははは!!
そこそこって感じだなぁ。
充分、表では出来るのも判るぞぉ?
それに俺をだ!!
僅かで察してゼスとも間違えない。
それだけは褒めれるかぁ?
確かに…
模造品の割に出来も悪くない!!」

アランは再度、男を良く見る。

珍しい濃い赤みのあるブロンド。
瞳は濃いヴァイオレット。
色白な肌…
更に顔立ちすらも全て。

見た目は全くゼスと同じ…
だが明らかに違う雰囲気を纏ってた。

アランも剣を僅かに構える時。

また自然に男が笑った。

「やめておけ…
俺には勝てねぇよ?
それに単純な理由だ。
充分、判ると思うが…
俺も末裔だぁ。
すぐに察した事でかぁ?
気分も悪くねぇし?
ゼスの兄で『レス』だ。
ヤラリス侯爵家の二人。
既に内情も知ってる。
だから一応、俺からの提案かぁ?
何度か聞いてたし?
これなら楽だなぁ!!」

すぐに二人共が意味も理解した。

警戒を高めながらリアンは…
そのまま言う。

「やはりか…
レスと?
提案もある様だが。
更に言ったな?
何度かとだ。
完全に気配を消してか…」

レスは普通に笑いながらだった。

「正解だぞ、リアン?
完全に気配のみなぁ。
頭脳もだ!!
先に俺の提案もあったが…
二人共にだぞぉ!!
俺からも話がある事だし?
だからアランも良いかぁ?」

警戒度は下げずにアランも…
すぐ察して剣のみを下げて言う。

「あぁ、レス。
実力ならば…
俺達では不可能だろう。
だが、提案だと?」

「勿論だぞぉ!!
アランの方が冷静にと。
分析もかぁ?
まぁ、そんな警戒すんなって!!
もし俺が攻撃をすんならなぁ?
いつでも出切る事。
提案内容はユアナの件だし?
悪い話でもねぇよ!!」

二人共が瞬時に動揺を隠す。

リアンはアランに視線のみ。
アランも察した。

それでも…
二人共が警戒だけは残す。

察したアランはレスを…
注意深く見ながら言う。

「警戒するなと?
不可能だろう?
レス…
俺達を既に見てる。
判る筈だ。
ましてユアナにと…」

「アラン?
ユアナとの子供。
欲しくないかぁ?」

いきなり言ってきたレスの言葉に…
どうにかアランは動揺を隠すが…

目にのみ。

怒りだけ湧き上がる。

「あぁ…
当たり前だ。
だが、レス。
まさかだが…
ユアナを?」

レスは嬉しそうに笑った。

「そうだよなぁ!!
俺もだ!!
でもなぁ…
正直に言うが…
俺の後でも良いかぁ?」

アランは意味も理解するが…
僅かに警戒を高めた。

けれどリアンがだった。

「待て、レス?
既に決まってる様な言い方だが…
まさかユアナを!!」

全く動じずレスも笑う。

「そう!!
俺はユアナが欲しいんだ!!
その為に、こうしてかぁ?
接触した訳だが。
リアンも欲しくないかぁ?
ユアナとの子供。
ゼスから聞いてねぇよなぁ。
俺とゼスは唯一の末裔。
その意味も判んだろ?
ゼスは否定してっけどなぁ?
俺は逆に一族を!!
もう一度してぇんだ!!
まぁ…
今更だし?
これは二人だけに言える事。
近親婚の時点で明らかに弱い。
だが、最も可能性のある女…
それがユアナだろ?
だからこそ!!
俺が一番、欲しい女だ!!」

すぐにアランは意味も…
本質にも気付く。

明らかにゼスと真逆!?

それに、レスの場合…

でもリアンは思い出す。
あんな姿になったユアナを。

抑えられずリアンは怒鳴る。

「ふざけるなぁ!!
あのユアナを…
また苦しめる気か!!
愛してるユアナを。
絶対に俺は反対だ!!」

その瞬間。
レスは短剣を投げた。

すぐにリアンも弾くが…

「リアン!!」

咄嗟にアランは叫んで右腕で…
どうにかリアンへの攻撃を防ぐ。

そして、すぐにリアンを背にする。

アランはレスに怒りの目でと…
確信もした。

「止めろ!!
レス!!」

「アラン!?
な…
二重にと!?」

すぐにリアンも理解する。
死角の様に二本の短剣をか!!

アランは警戒して見てた事もあるが…
レスは驚いた顔でだった。

「アランが…
なぜ…
リアンを守ったんだ?
今の短剣程度。
致命傷でもないぞ?
それに反対するなら…
除外して良いだろ?」

完全にアランも怒鳴る。

「リアンは俺の大切な弟だぁ!!
守って当たり前な事に…
なぜだと!?
ふざけるなぁ!!
どんなに敵わなくてもだぁ!!
まして愛してるユアナにすら…
同じ事も平気でする気かぁ!!」

急にレスは笑い出すのも見た。

「あはははははっ!!
弟を守るか…
俺には…
全く…
心配する事ねぇし?
それで…
アランが?
あはははははっ!!
そうか…
これが実力差か…
悪りぃ…
あははははっ!!
ゼスは…
その程度…
何ともねぇし…
あはははははははっ!!
そうか、これが…
兄弟ってのかぁ?
後、まぁ…
勘違いすんなよ?
俺がユアナに?
んな事しねぇし?
だが…
愛だの要らねぇ!!
俺が欲しいのはなぁ?
ユアナじゃねぇよ?
だから最初に言ってんだろ?
ユアナにだぁ。
単純だぞぉ?
俺が欲しいのは子供。
ユアナが欲しいのも確かだが…
正確に言えば…
俺とユアナの。
子供が欲しいんだよ。」

すぐにリアンも理解して思う。

ゼスと完全に真逆だ!!
俺が感情的になって…
アランまでが!!

それにユアナを…
道具のみにと!!

アランも咄嗟に右腕で防いだが…
確信もして思う。

やはりか!!

あのユアナすらも…
道具として使うだけだ!!

リアンすらも…
ゼスなら避けたからだと!?
そんな問題でもない!!

投げた短剣の方にと…
レスが動きながら言ってくる。

「はぁ…
笑ったが。
まぁ、落ち着けって?
俺が殺す気なら…
もう死んでるだろ?」

レスの移動に合わせてアランも…
リアンへと視線を…

それのとリアンも判って…
すぐ僅かに二人共が移動もする。

**************************

一方、レス。

短剣も回収っと。

そこで二人共の移動も…
完全な警戒にも気付く。

ふむ…
実力差もあっかんなぁ。

「アラン?
判った。
しねぇって!!
癖みてぇな事かぁ?
表側に居るし?
判らねぇだろうがなぁ…
裏側は普通だぞぉ?
油断したら死ぬだけだ!!」

笑いながら言ってから。
取り敢えず武器も仕舞う。

「レス…
俺にだけ言うが。
それすらだろう?」

アランの声を聞いて見ると…
既に右手からも血が滴ってた。

言った事を思い出しならが…
一応、確認にと言う。

「それって…
短剣かぁ?
裏側の事かぁ?」

アランを見ると動かないが…
明らかに目が変わったのも見た。

「レスならば…
短剣もだ。
ゼスにも…
普通にするのだろう?
俺にだけ言う事もだが。
既にリアンを除外して…
話してるからだろう?」

簡単に判る事だが…
頷きながら普通に言う。

「両方、正解だな。
ゼスなら…
この短剣すら問題ねぇし?
リアンは反対だと言ったろ?
なら除外するのもだ。
だが…
近親婚を当たり前にと?
してるアランすら…
変な事を言うなぁ?
ユアナと子供。
欲しくないのかぁ?
そもそも…
判ってねぇ感じかぁ?」

アランが僅かに…
複雑な顔になるのを見た。

すぐ笑って言う。

「アランもだぞぉ?
変だと思わねぇのかぁ?
常に近親婚を続けるだぁ?
そんなん。
子供が減るだけでもねぇよ!!
確かに?
実力も頭脳も高くと?
だがなぁ。
ずっと近親婚のみ!!
そんだけ続けると…
明らかに劣性もだ!!
不利な事すら多くなるし?
異常すら起こす。
短命だったり…
逆になって弱くなぁ!!
常に強くなる訳じゃねぇよ?
ある程度で良いってかぁ?
常に優秀な子をだなぁ。
常に選抜する事も…
昔はあったらしいが…
一族でとして思うなら尚更だろ?
他の優秀な血筋を。
入れねぇと無理だかんなぁ。
だからこそ!!
近親婚時は早く子供をだろ?」

アランが驚いた顔になった。
僅かにと…

「まさか…
ユアナも…
だから、あんなにも。
それに華奢な事すら…
影響でと…」

それを聞いて思い出す。

「そうだった!?
ユアナ!!
俺の目的だし!?
わざわざ?
その為だった…
まぁ…
美貌?
そんなん、どうでも良いが…
模したからこそだ!!
確実に使えるのにかぁ?
情報が不鮮明でなぁ…
あのゼスがしてっから…
余計にかぁ!?
そのユアナの事をだ!!
俺も聞きてぇんだ!!
どんな情報でも良いが…
俺が欲しいのもユアナだし?
アランもだろ?
リアンもだったがなぁ?
何度も二人共が話してたし?
俺の後になるが…
知ってる事をだ!!
教えてくれよ?」

二人共が驚いた顔をした。

すぐに気付く。
僅かに二人共が視線を合わせた事に。

それからアランがだった。

首を横に振ると…
更にしっかり俺を見て言ってきた。

「悪いが、レス。
俺達はな。
ユアナを愛してる!!
だからこそ、ゼスにと…
更に帝国でと表を!!
その為にしてる事だ。
ユアナに関して…
俺達が言う事は一切ない。」

少し驚くが。
そのまま二人共を見て考える。

だが…

「なぜだ?
アランも急に変わったな?
明らかに目もだが…
二人共がだぞ?
俺も聞いてたんだぞ?
ユアナが欲しかった筈。
俺が先だからか?」

それにはリアンが言ってきた。

「アランが言っただろう?
愛してるからだと…
俺達を殺す事すら簡単に出来る。
そんなレスと…
一切、ユアナの事をだ。
言う事はない。」

僅かに考える。
試しに武器を手に持って言う。

「おい…
確かに?
殺す事は簡単だぁ。
今、ユアナの事を…
僅かにアランは言ったな?
ゼスにと?
言え!!
なぜ、ゼスにとだぁ!?」

二人共に目が変わるのも見た。

同時で言う事も…

「「一切、話す事すらない!!
俺達はユアナの為にと決めてる!!」」

二人共を見ながら考える。

この目は…
明らかに違う!?

今、殺すのは簡単だが…
理由は…

ユアナの為にだと!?

つまり…
ただ、女一人を守る為だけに…
命すらもだと!?

しかも…

想像するだけで苛立つ。
もう抑えられず怒鳴った。

「答えろ!!
なぜだ!!
ゼスにと?
たかが一人の女にとだぁ?
この場で死にてぇのかぁ!!」

それにも一切、何も変えず…
二人共が答えないのを見る。

すぐに首を横に振る。

俺が冷静にだろう!?

二人共を見ながら…
そのまま考える。

なぜだ?
あんなにもユアナをだぞ?

欲しがってた筈なのに…

今すら変えず…

命までも?

それなのにか!?
本気で言わない方を選んだ!?

ユアナの為だけにと?

そこまでする女だとも…

目を閉じる。
右手を口元に当ててから…
更にと考える。

これは…
明らかに決意の目だろう。

二人共が出した事。

さっきアランが言ったな…

『俺達はな。
ユアナを愛してる!!』

リアンもだ。

『アランが言っただろう?
愛してるからだと…』

愛だぁ?
んなの要らねぇだろ?

俺には無縁だが。

そんな理由でと?

女一人の為だけに…
死ぬ事すら厭わない程に!?

もう…
こんなん美貌だけじゃねぇ…

二人共が強い意志だけとだ。

『ユアナ』だけを!!

それなのに…
またゼスか!?

二人共が…
ゼスを認めて…

怒りが湧き上がるが抑え付ける。

落ち着け、俺。

この場で殺すのも簡単だ。

だが…
それは後回しでも可能。
他にも使える事にすら…

ならば…

目を開ける。

二人共が変わってなかった。

苛立ちもあるが…
そのまま言う。

「判った…
今は殺さないでやる…
お前達を殺す事は簡単だぁ。
帝国すら俺一人でもなぁ?
だが…
明確にある。
ユアナだけの為にと…
命すらも厭わない程。
それだけの女。
だからこそだろ?
俺は見た事すらねぇが…
もう美貌だけじゃ…
ねぇって事も。
更にゼスの側へと…
確実に居る事もだぁ。
それが裏側だとも確信した。
絶対に手に入れる為の…
人質程度には役立つ。
俺がユアナを。
ゼスから必ずだ!!」

言ってから俺が見ても…
一切、変わらねぇか。

決定的だ!!
ユアナって女!!

他の手を使ってでも…

二人共を生かす事を。
次を考えながら選択した。

すぐに足捌きを使ってと…
移動して去る中でもだった。

美貌だけじゃねぇ…

それだけは確信も出来た!!

俺がだ…
絶対『ユアナ』を手に入れてやる!!

**************************

一方、アランとリアン。

レスが去ってから…
すぐにリアンは動く。

アランの腕が!!
こんな…

「アラン!!
すまない…
俺がだ!!
感情的になった事でと!!」

急いで応急処置をしながら言う。

アランも服を簡単に破くが。
レスを考えながらリアンにと言う。

「俺は平気だ、リアン。
弟を…
更に大切なユアナすら…
あのレスには…
絶対に駄目だ!!
許せる筈もない!!」

かなり右腕にと深く刺さり…
血が流れる中でも…

もうアランは怒りの方が。
痛みより強かった。

すぐに考えるが…
僅かにリアンを見て言う。

「リアンも気付いたな?
あれはゼスと真逆だ。
更にユアナをと…
狙うだけだろう!?」

リアンも応急処置を。
どうにか済ますが…

アランの傷を見て尚更…
怒りが湧き上がるばかり。

「アラン…
あぁ、俺も判った。
ゼスと真逆だと…
それに…
あんなのがユアナを!!
しかも道具にとだぁ!!
それにしか使う事だけを!!
簡単にとする!!
更にアランにまで!!」

もう怒りを抑えられず…
首を横に振ってリアンは怒鳴る。

すぐにアランも理解する。

判るのもあるが…
先にとリアンを見て言う。

「リアン、落ち着くんだ。
俺ならば問題ない。
だが…
あのユアナが…
レスにと!!
確実に狙われてるんだぞ!!」

すぐにリアンも理解する。

どうにか抑え付ける。
考えながらアランを見て言う。

「アラン…
判ってる。
すまない。
更に…
あのユアナが!!
だが…
あれは実力の問題でもない!!
明らかに違うだろう!?
どうにか…」

そんなリアンを見て…
すぐにアランも理解する。

また考えながらリアンを見て言う。

「そうだ、リアン。
確実にだ。
あのレスは…
最悪どころでもないぞ?
ユアナすら…
傷付けるだけでもない!!
いや…
これはユアナに限らない事。
さっき言った意味で明確だろう?
俺達すら人質にと…
これだと、どんな手段すら使う。
もう何をするかも判らん!!」

すぐにリアンも理解する。
必死に考えながらアランへと言う。

「アラン。
全て同意する。
俺の攻撃後もだ…
笑ってた事すら…
ゼスなら防ぐからだと!?
それ以前の問題だろう!!
完全に実力だけでもない。
一族をだと?
その為にと、どんな事すらもだ。
どうにかゼスだけには…
だが、暗号すら不可能か。
明らかに頭脳もある事が判る。
俺達からの方法すら…」

すぐにアランも理解する。
考えながらリアンにと言う。

「リアン。
確かに方法手段もないが…
ここからは俺の予測だ。
実力のみならばゼスより上か…
ギリギリか?
だが…
あの様子に違和感があった事。
ゼスを敵視すらしているだろう?
何か理由がある筈。
そして可能性だが。
実力はレスが上でも…
ゼスには頭脳では負けてる事。」

すぐにリアンも理解する。
考えながらアランにと言う。

「アラン。
全て同意する。
更に末裔の事すら言っていた事。
俺達では防げないが…
だが…
ここからは俺の予測だ。
既にゼスも対処してる事。
理由ならば情報が不鮮明と。
レス自身が言っていた事。
だからこそだろう。
俺達に接触すらしてでも…
ユアナの情報を欲してた事。
そしてゼスがだ。
既にしている意味にも取れる事。」

すぐにアランも理解する。
考えながらリアンにと言う。

「リアン。
全て同意する。
既にゼスが動いてるならだ。
俺達も下手に動かないが…」

ふとアランは自分の腕を見て気付く。

「そうか、リアン!!
皇帝暗殺未遂としてだ。
ゼスへ僅かにでも情報のみを!!
判り易い形にとだ。
すぐに帝国の情報ならば…
あのゼスは常にだろう!?」

どうにかアランが言う。

すぐにリアンも理解した。

「アラン、判った!!
今は先にゼスにとだ!!」

「リアン、すぐに動くぞ!!
ゼスならば必ずユアナをだ!!」

二人共に目を合わせて頷いた。
そして思う事も同じだった。

あの大切なユアナを!!
絶対にゼスならば守る筈!!

大至急として…
すぐに実行した。
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