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第三章:言葉が判らなくて感じる想いを。

予測と対策、娯楽でなど許さん。

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最近、気付いたけれど…

時々?
ゼスは目を閉じて考える?

皆も少し違う?

交代制には詳しくないけれど…
人数も増えたよね?

今日の私は掃除も終わった。

それからゼス見ると…
また書類関係をだった。

私が近付くと…
いつも先にゼスは気付いた様子で笑う。

「ん?
ユアナ、掃除は終わったのかぁ?」

ゼスも…
いつもと変わらない?

私は少しだけ首を傾げる。

「うん。
掃除は終わったけれど…
少し?
何かあったの?
私には判らないけれど。
ゼスも、皆も…
いつもと違う?
でも…
変わらない?」

ゼスは少し驚いた顔をしたけれど。
すぐに笑った。

「あぁ…
人数が増えたからかぁ?
ユアナには言ってないからなぁ。
心配ねぇぞぉ!!
理由は単純だ!!
ユアナの見つけた翡翠ひすいがあったろ?
あれ、今は鑑定にもかぁ?
集めさせてっかんなぁ。
それの運搬も必要だし?
一時的に人数を増やしてんだ!!
人数を増やした方が皆も楽だろ?」

それを聞いて思い出す。

翡翠ひすいをと?
それの鑑定と?
あれを運ぶからと?

確かに…

私は納得して頷いて笑う。

「そうだね!!
ここの場所は判らないけれど。
運ぶのも大変でしょう?
その方が皆も良いと思うよ!!」

そう言うとゼスも嬉しそうに笑う。
すぐに抱き締めてきた。

「ユアナは優しいなぁ…
皆を考えてるだけじゃねぇし?
俺もだぞぉ?
それにユアナを…
皆だって考えてっかんなぁ。」

そのまま私は笑って言う。

「ゼスも、皆もだよ!!
優しいでしょう?
でも、やっぱり!!
ゼスが一番だね!!」

ゼスは腕を緩めて笑ってた。
だから私も笑う。

きっとゼスが…
また、皆を考えて…

そんな優しいゼスだから!!
私は嬉しい!!

やっぱりゼスは安心も出来る。

そのまま私はゼスの側でと。
仕事が終わるまで待つ事にした。

**************************

一方、ルド。

ユアナに関して考えながら…
情報を先に精査していた。

その時。
ふと帝国からの返答を思い出す。

どうしても笑う。

少し俺の方が侮ってたかぁ?

これならば頭脳は、まぁ…
そこそこだなぁ?

だったら楽しめるぞ!!

その上で、やっぱりユアナかぁ?
ゼスすらユアナだが…

ルドは再度、目を閉じて考える。

あの帝国二人は…
同意したからの動きをした筈。

だからこそ。
ユアナはゼスの側だ。

そのゼスも…
ユアナにだからこそ。
ザザラの件とも繋がる。

なら…
今ですらだろう?
ユアナはゼスの側だぞ?

それなのに帝国二人は…
ユアナが側に居ないのにかぁ?

ゼスが守る事は理解してる筈。

それでもと?
今ですらと?

つまり…
今ですらユアナをかぁ?

ゼスは裏側だ。

だから表側でと?
そこまでして守るだと?

側に居る訳でもねぇ…

ただの女一人にと?

だが…
あの返答…

明らかに帝国は動かずだろう。
他国の軍部まで使うと?

そこまでする理由が判らねぇが…

どっちも…
全部がユアナの為にと動いてる?

ルドは目を開けた。

ユアナって女は有名だがなぁ?
美貌だけでもねぇのかぁ?

まぁ…
捕まえれば判るかぁ?

取り敢えず、今は…

それから移動の為に動いた。

ルドは先にと。
独自組織の皆に伝達済みだった。

指定場所に行くと…
広い雑談室が狭くなってたが。

その各自でだ。
更に纏めてる皆しか居ないと。
確認もした。

俺は嬉しくて笑って皆を向いた。

「集まったかぁ?
今からなぁ…
俺は既に楽しみかぁ?
ちょっと俺は単独するし?
皆への理由なら…
やっぱりゼスだなぁ…
俺も単独行動の方が動き易いし?
更に皆も問題ねぇし?
だから、まぁ…
俺の予測を先に言うぞ?
帝国は動かない。
だが他国からと軍が動いてかぁ?
ネカティア国にとだ!!
そうだなぁ…
約3週間あれば問題ないかぁ?
その間は表側にと潜め。
裏側にはゼスが居るからだ!!
単純にかぁ?
取り締まられるだろうし?
それでも帝国の二人は所詮…
裏側には詳しくねぇ。
だからこそ逆だ。
裏側は危険だがなぁ?
表側でと一般民を装ってかぁ?
しばらく他国に避難してと。
ついでに表の三人馬鹿なぁ…
あれは放置で良いぞ!!
落ち着く頃、新たにで充分!!
あの三人馬鹿よりもだ。
この場に居る皆なら判んだろ?」

すぐに皆も同意を示して…
動き出すのを見た。

これで終わりっと。

さて…
一応かぁ?

居る場所の予測は出来たし…
先に確認はしてぇがなぁ?

安易に長く居るより…
こっから先は俺が単独の方が楽だろ。

拐うのは無理かぁ?

いんや…
やり方次第だろうなぁ。

そして行動を始めた。

既にルドの中ではネカティア国を…
切り捨てていた。

**************************

一方、ゼス。

相変わらず報告書を注意して読む。

でも、まさか…
あの帝国に居る馬鹿二人がなぁ。

既に気付いてた事は驚くが?
だが、この動きは…

表側を明らかにか…
裏側では俺が対応するとかぁ?

そう判断した動きだろうが。

それよりも気になるのが…
ネカティア国の方だなぁ?

明らかに、もう…
動きすら変だろう?

ゼスは目を閉じた。
右手を口元に当てる。

そして考える。

帝国への接触…
それから返答…

あれは完全に敵意もだがなぁ?
一応かぁ?
表側の連中には気付かれねぇが。

アイツならば…
すぐに判った筈。

それから動きを変えた?

帝国二人の判断をと…
したからこそだろうが…

あれだと…
ネカティア国は他国からだ。

帝国ではなく…
外交も含めてネカティア国を。

それの動きがだぞ?

まさか!!

ゼスは僅かに気付いた。
目を開けてと、また報告書を読む。
すぐに判るからこそ怒りも湧く。

アイツ…

やはりかぁ!!
ネカティア国を完全に切り捨てたな!?

しかも…
独自の裏側すらも…

あれでは…

わざと表側だ!!
俺を避ける意味でとも判るが…

これだと…
まさか本当にユアナのみを!?

なぜ急に変えた!?

今まですら…
単純にネカティア国がだろう?

だからユアナをだった筈。
その依頼も受ける気配すら…

またゼスは目を閉じた。
右手を口元に当てる。

考える為にと集中する。

アイツがネカティア国をだ。
切り捨てたのは明らかだろう。

ならば…

そうか!!
帝国からの返答でだな!!

あれだけで全ての予測を!?

ヤラリス侯爵家の内情は…
既に知ってた筈だ。

その後した帝国の状況と…
更に俺がザザラにした行動。

つまり、これは…
俺がユアナに向けている事を!?

保護ではないと…
確信したからこそか!!

それと帝国に居る馬鹿二人も…
ユアナの為に動く傾向のみをだ。
明らかに示してる。

だからこそ…
逆に興味対象として『ユアナ』を!?

まだ接触してないが…
明らかにユアナに興味でと!!

その上でアイツの性格だぁ…

単純に周りを使って…
楽しんでるだけだろうがぁ!!

帝国二人は対象外だが。
動機の理由がユアナだと。
判ったからこそ…

そして俺すらユアナだからと…

完全にゼスは怒りが湧き上がる。

もう今なら…
ネカティア国は意味すらねぇ!!

ユアナだけを狙って動くのみ!!

あのユアナを使ってと…
遊ぶ為だけにかぁ!!

ふざけんじゃねぇ!!

すぐに全コードも…
いや…
裏側全てを使ってでも…

ユアナをだぁ!!

どうにか怒りを抑えてからと。
ゼスは目を開けた。

すぐ側でだった。

ユアナが寝てるのを見てから…
大きく息を吐き出す。

そんなユアナを見て簡単にと。
抱き上げてベッドへ。

それから少しユアナの寝顔を眺める。

ユアナの癖だかんなぁ…

安心するとかぁ?
こんなにも無防備にと。

俺だけを信じてるからこそ…
俺だけを愛してるからこそ…

そのユアナをだとぉ!!

ただ…
もう怒りばかりが湧き上がる。

そのままゼスは家の外から出た。
すぐに巡回の皆すら無言でと集まる。

そこでも息を吐き出すと。
目には怒りのみ…

すぐに皆も首領しゅりょうの目に気付いた。
怒りを抑えてるだけと判る。

ユアナを起こさない様にと。
声は荒げず…

それでも怒りを…
抑えられん!!

「もう…
ネカティア国は無視して良いぞ?
アイツは…
完全にネカティア国をだぁ。
切り捨てやがった…
そして、必ずだぁ。
完全にユアナを狙って動いてる筈。
その理由も…
ふざけた理由でとなぁ…
単純に興味本位のみだぁ?
ユアナを使ってと…
楽しむ為だけにとかぁ?
帝国や他国すら…
巻き込んでんのも同じ理由だぁ。
ただ…
俺や皆が…
ユアナにしてるからと。
興味のみでと…
そんでかぁ?
ユアナに、まだ接触してねぇが。
だからこそだぁ…
単純に興味対象のみでと…
遊んで動いてるだけだぁ。
そんなアイツがユアナを見てかぁ?
もし完全にユアナになれば…
更にと…
捕まえる為に動くのみ。
アイツは手段すら選ばねぇ…
それからユアナの意思すら…
関係ねぇかんなぁ?
捕まえたら…
犯して遊ぶだけかぁ?
ふざけんじゃねぇぞ…
ようやくユアナが…
普通に笑ってだぁ。
安心して暮らす事が出来てんのに…
お前らも充分、判んだろ?
全コードも、裏側全てでと。
確実にユアナは守るがなぁ?
先に注意もだぁ。
アイツは実力も…
厄介な頭脳も…
かなりある。
最悪、皆すら人質に使って…
ユアナへ迫る可能性もだぁ。
僅かにでも…
油断すら、すんじゃねぇ。
それから俺へと全情報を…
判ったな?」

皆も理解した様子でと。
すぐに怒りの目を僅かにした。

そして音も出さずに動くのを見た。

ゼスは首を横に振ってからと。
家の中に戻ってユアナの側に座る。

寝顔を眺めながら…

「ユアナは優しいかんなぁ…
アイツが何をしようと。
全てユアナを傷付けるだけに…
そんな事は絶対させねぇ…」

小さく起こさない様に言う。

一番、最悪な事にと…
ならない為にゼスは策を。

ルド相手ならば俺すら油断出来ねぇ。

だからこそゼスはユアナだけをと。
必死に考えてた…

**************************

一方、ルド。

既に1週間…

裏側へ接触しない様にと。
移動もしていた。

でも、すぐに気付いた。

だからこそ…
すぐに予測した場所から離れた。

僅かに考えてから反対側…
更に距離もある場所へと向かう。

反対側の山の斜面、木々の上でと。
周りを簡単に見渡して確認もする。

それから考える。

何だ…
あんだけの人数すら!?

既に居るだと!?

おい、マジかよ!?
信じられねぇ数だぞ!!

まさか…

それすら全部を!?
ユアナって女の為にとかぁ!?

ゼスが動かしてると!?

あんな人数なら…
もう予測した場所にすらだ!!

絶対に近付けねぇだろ!?

だが…
逆に考えれば…

ユアナが居るからこその警戒!!

だとしたら…
予測場所は正解だなぁ。

最近、急に翡翠ひすいが出回った…

そこから可能性をと。
場所を数カ所、特定も出来たが…

これは確実だ!!

そんなルドすら違和感を感じ取る。

だから目を閉じた。
集中して考える。

ゼスなら確かに…
裏側の全部は可能だ。

動かせる事は判る。

だが…
あの巡回中らしい皆がだ…

明らかに…
警戒度が高過ぎるだろう?

もし…
指示を受けていてもだが…

あの警戒度は変だぞ?

ふと、ザザラの件を思い出す。

まさか!!

ゼスが裏側を纏めてるのが…
だが…

裏側全てがユアナの為にと!?

ゼスの指示もあるだろうが…
裏側の全てがと…

ユアナへと積極的にしてる!?
守る為に行動をしてるからだと!?

そんな馬鹿な!!

女一人にかぁ?

いや、もっとだ…
良く考えろ…

そもそもだぁ。

側に居ない筈の…
帝国二人もだろう?

完全にユアナだ…

更に裏側の警戒度…
勿論、ユアナはゼスの側でもだ。

それすら守ろうとしてる行動を…

つまり…
美貌のみじゃねぇ!!

ルドは目を開けて笑う。

こんなに楽しい事すら久々だぁ!!
ユアナを!!

絶対に手に入れる。

でも…
最初は会話のみ。

情報も知りてぇが…
これだけユアナって女にだぁ。

犯すのは簡単だが…
何かある!!

その為にする策を。
まず考えないとだが…

ゼスが居る!!

ならば近付く事もさせてねぇ筈。
その上で、あれだけの人数を。

だったら…

ルドは目を閉じてと。
完全にユアナを…

捕まえる為の最善策を。
考え始め、また予防すらもだった。

**************************

一方、ネカティア国。

既に混乱しかなかった。

帝国からの返答から約1週間後。
様々な他国から一斉にとだった。

内部調査を受け入れない場合。
国内への宣告すら受けていた…

表側の三人は動揺すら隠せず…

「どうなっているんだ!!
帝国ではないが…
更にルドとの連絡どころか…
独自組織の全てだ!!
誰も居ないだと!?」

「まさか…
ルドが裏切ったのか!?
なぜ急に…
ユアナの件すら受けなかった筈だ!?
それよりも各国の対応を!!」

「いや、それよりもだ!!
先に研究の…
実験がバレた場合は最悪だ!!
隠すにしても独自組織が居ないんだぞ?
そうなれば国内調査以上にだろう!?」

既に三人は混乱していたのもある。

今まで常に裏側がと…
独自組織が対応していた事も大きい。

それと同時に帝国でもない。
他国の多くが一斉に動く状況にと…
対応など出来る筈もなかった。

結局、内部調査で済む筈もなく…
他国の軍部が動いた。

すぐに表側の三人は捕縛を。
そして内部調査の結果。

人体実験も明らかになり…
ネカティア国は事実上、すぐに崩壊した。

表側で他国にと交渉全てを。
先に物証や記録を出しながらと…
内部調査の指揮をした帝国皇帝アラン。

それと同時に他国の軍部責任者からと…
承認すら得て軍部統括した帝国侯爵リアン。

ネカティア国は解体もあるが…
今後の為にと功績のある帝国が…

約2週間後には完全に領地すら全てを。

帝国管理下に置かれる形でと。
全てを動かした結果でもあった。

二人はユアナに関して…
娯楽でなど絶対に許せなかった。

表側では一切、容赦する必要もないと!!

だからこそ。
他国を使って完全にネカティア国を!!

完全に約2週間で滅した…

勿論、一般民には危害なく監視下のみ。
裏側ならばゼスが対応可能だと判断した。

そして警戒する為に一番の危険な公認者。

その後も常にと継続しながら…
情報規制のみを優先させた。

**************************

それぞれが動く中で…

ゼスはネカティア国の状況も判っていたが。
それでもルドだけの警戒度を下げず…

皆へと伝達も忘れず対策を。
それでもルドには油断すらしない。

ルドはユアナを狙いながらも常に情報を。
更に全てゼスからの対策すら避け続けた。

それでも諦めず対策を。
今までの経験も含めて罠すら練り続ける。

どちらも『ユアナ』をだった。

表側よりも裏側での攻防は…
常にゼスとルドの間で続いていた。

ネカティア国の完全崩壊から約1週間が経つ…

どちらも平行線の様子が続く中。
ルドが先にとだった。

**************************

一方、ルド。

目を閉じて更にと考える。

綿密にと計算も…
準備も整えた事を再度、確認した。

あの崖、その地形も。
人数、ルートパターン。

それからネカティア国でだ。
拷問用にと使うが国内では無理!!

だから他国へと常に隠してたが。
どうにか帝国の情報からも避けられた。

改良し続けてた闘鶏とうけい10匹の配置を。
同時にと…
調教済みの大鷲おおわし4匹で誘導を。

証拠も残さない様にと薬品調合も済ませた。

一度、使えば…
一日で全部死ぬ上に…

闘鶏とうけいも、大鷲おおわしも…
全て失う。

だが、ゼスの性格分析も。
行動パターンの予測を念入りにした。

これならばユアナも…
僅かに危険もあるが。
それはゼスが守るだろう?

あのゼスから一瞬のみ奪えば…
後は俺が他からをだ。

そしてユアナのみ!!

細心の注意で避けながらだ。
その場はユアナを…

俺が守りながら移動してみせる!!
もし失敗したら意味すらないんだ!!

大きく息を吐き出してから…
決行にと踏み切った。
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