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第三章:言葉が判らなくて感じる想いを。
頑張る私と新たな珍騒動でも。
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村暮らしにも慣れてきた頃。
また私はネックレスを見る。
銀色の飾りまで綺麗な…
青いラピスラズリを。
見る度にあの時すらも…
ゼスは私をと。
私の為にと。
全て私は覚えてる。
『ただの宝石よりも…
ユアナには、その鉱石だぁ!!』
ゼスの言葉も…
ゼスの笑顔も…
思い出すだけでも充分、嬉しい!!
だから私は自然と笑う。
でも…
やっぱり、私ばかり…
私も一生懸命に考える。
最近は特にだった。
私もゼスにと何かを…
でも…
どうすれば良いの?
いつもゼスと一緒なのも変わらない。
朝食の為にと一緒で広場へ向かう…
普段通りに皆と食事もしながら考える。
楽しそうに騒いでる皆を見る。
皆も、そう…
いつも皆は優しいのも変わらない。
私が失敗しても…
怒った事もないし、教えてくれる。
ふと私は気付いた。
皆も私に教えてくれると?
それに…
もしかして、これなら…
多分?
皆の方が?
私は悩んだけれど。
少しだけゼスを見ると…
普段と変わらず食事をしてた。
そんなゼスを私も愛してるのに?
私もゼスにだけと…
何かをしたいのに?
それなのに…
私自身がゼスすら知らない事も多い…
でもゼスが喜ぶ事を…
嬉しそうな笑顔を見ながら決める。
再度、私は皆を見る。
きっと皆だけしか?
違う!!
これは皆にだけ!?
ゼスにだけ言えない事!?
だったら…
**************************
食後。
普段通りにと私は行動もしながら…
いつも皆と一緒を片付けもする。
だから私も片付けをする時にと。
先に私は少しだけゼスを見た。
いつも私が見える場所に居るけれど…
今日も書類関係や指示してる姿を。
確認してからと。
それから私は皆と一緒に片付けを。
でも…
皆を見てからも少し目を閉じて考える。
きっと皆も…
怒らないで教えてくれる筈!!
目を開けてから私は集まってる皆の方へと。
近付いてから、それぞれをと。
しっかりと、見てから…
僅かに皆も気付いた様子で私を見てきた。
勇気を出して私は多い皆に…
「あのね?
皆にと…
少しだけ…
お願いがあるの。」
ゼスには聞こえないぐらいにと。
私は小さく皆にと言う。
そんな私にと皆が、全員がだった。
不思議そうな顔もしたけれど。
すぐにゼスを見る様子をした。
でも皆は周りと目を合わせてから…
私にと頷くだけで見てきた。
その様子も考える。
多分?
皆もゼスが首領だからと?
一番偉いからと…
私も少しだけ同じ様にゼスを見ると。
やっぱり書類関係を読んでる。
でも、これだけは…
すぐに皆の方を私は向いてから…
どうにか小さく皆にと言う。
「その…
もう皆だけしか…
だから教えて欲しいの。
ゼスが喜ぶ物?
他にも…
ゼスが好きそうな事?
それを…
ゼスに気付かれない様にと…」
私が言うと皆は凄く驚いた顔をした。
また皆は、すぐにゼスを見たけれど。
同じ様にと周りの皆は目を合わせてから…
それぞれ皆は小さく私にとだった。
「ユアナ…
意味も判ったかんな?
俺らに首領をだな?」
「ユアナがしたい事も判ったぞ。
それを首領にとだろ?
バレずにしてぇと。」
「首領の場合はだ。
こりゃ簡単じゃねぇ…
だから俺らがユアナに協力すっぞ?」
「ユアナに教えるが…
俺らもだがなぁ…
首領には要注意だかんな?」
「充分に判ったぞ、ユアナ?
特に首領には気ぃ付けろ?
慎重に動くぞ。」
皆が私に言ってくる事が嬉しくて思う。
やっぱり皆も優しい!!
それにと私も笑って頷いた。
皆も笑って頷くのも見た。
そんな時。
「ん?
ユアナ?
いつもと様子が…」
ゼスの声で私は驚く。
咄嗟に私も首を横に振る。
「ゼス!?
ううん?
何もないよ?
すぐに片付けも終わるから…
少しだけ待ってくれる?」
急にゼスは微妙な顔になると…
私よりも周りの皆を見た。
それにも皆は片付けを再開したり…
「首領?
ちっと遅れてたなぁ。
すぐに済ますから問題ねぇぞぉ?」
「首領、大丈夫だ!!
もう片付けも終わるかんなぁ。
先に報告もかぁ?」
「ユアナも、すぐだぜぃ?
片付けも完璧なぁ。
首領にゃあ問題すらねぇよ?」
それぞれ皆も言ってくれて片付けをと。
私も一緒に素早く済ませた。
**************************
それから私もゼスと一緒も変わらない。
いつも通りに住んでる家へと戻る。
同じ様に私は掃除をし始めるけれど。
最近は慣れた事もあって早く終わる。
ゼスを見ると書類関係を読んでた。
そんな時。
僅かに窓の方からだった。
団員が一人がスッと。
紙を置いてから去るのを私は見た。
意味に私は気付いた。
ゼスに注意しながらも私は紙を…
読むと単語だけ書かれてた。
これは…
料理名?
ゼスの食事を私も思い出しながら…
確かに?
ゼスが良く食べてる?
だったら…
これがゼスの好きな料理と?
少しゼスを見るけれど。
まだ書類みたいなのを読んでた。
だから私は片付けのゴミへ。
ふと私も皆が言ってた事も思い出す。
ゼスには…
『要注意』と。
『慎重に動く』と。
考えてから私は気を付ける意味でと…
更に小さく破いてからゴミと一緒に捨てた。
どうにかゼスだけにとバレず数日間。
そうしながらも皆からと。
ゼスの話を。
ゼスに関してを。
もう私は驚くばかりだった。
でも…
だったら必ず私もゼスに!!
必死に考え続けながら…
皆からゼスの情報を聞いてと…
更に私も頑張ろうと思った。
**************************
一方、ゼス。
既に一応、気付いてもいたが。
報告を読む様子をしながらも…
目を閉じて右手を口元に当てる。
そして考える。
最初にしたユアナの僅かな変化…
更に皆の言動…
それだけでも完全に気付くがなぁ!?
だが何を、あのユアナがとだ。
あくまで、これは予測…
ユアナから皆にとだ。
そうなると…
ユアナ自身から皆にと言って動いたと?
それにと…
皆が同意したからこそ動いた事にもなる。
だが、あのユアナからは初めてだろう。
自発的な行動を…
ならばユアナには良い傾向でもある。
俺から止める事も避けるべきだな?
まぁ一応かぁ?
あんな皆の動きも…
すぐに違いすら判ったが…
予測するがユアナにと…
どうにか皆もだぁ?
ユアナに言われて皆も…
してんだろうがなぁ…
それでも…
あの馬鹿共、全員がだぞぉ!?
もう皆がする、あの顔…
明らかに判ってないだろ!?
それでもとかぁ?
ユアナを優先してっからかよ!!
もう、これは単純に…
ユアナのしてる内容すら判ってねぇし!?
そのユアナも?
バレバレでも…
確かに動いてっけどなぁ…
今回は初めてだし?
皆すらだが…
俺も迂闊に言えん!?
そもそも?
ユアナは村の中だけだぞぉ?
更に行動範囲すらもだし?
どうやっても出来る事すら…
無理な事ばかりな筈なのにかぁ?
随分と続けてる様子だし?
わざと俺も…
どうにか時間だけをと。
ユアナには出来ても…
そのユアナがだぞぉ!?
何をしてるのか…
全く俺すら判らん!?
いくら危険がないとしても…
いや、これも単純にと。
この村には誰も近付けねぇ様にと。
俺が気ぃ付けてるかんなぁ。
見てるが料理とも違う様子だし?
ならば一体、ユアナは何を…
これだと俺すらもかぁ!?
全く予測不可能だと!?
目を開けてから報告を見る様子でと。
視線のみ。
ユアナを見ると…
普段よりも急いで掃除をしてるのが判る。
もう動揺すら隠して思う。
俺すら判らねぇとか…
どんだけだぁ!?
ユアナ!!
そんな日々でもあった。
**************************
私は皆からの紙情報。
それだけでもなかった。
常にある食事の片付け中もと。
僅かな時間もと。
そんな皆も嬉しそうに教えてくれた。
小声で私に話しながらも…
ゼスに関してなら良いと。
皆がと。
全員からだった。
そのおかげもあって…
初めて私はゼスについてと。
驚きながらも知った事をと。
私は考えながらも…
ゼスについて纏め始める。
最初は簡単な紙情報でと。
好きな料理から…
嫌いな食べ物も…
他にも様々ある。
けれど皆の話を聞いて…
もう私は何度も驚いた。
どうにか私もゼスの事をと纏めた。
ゼスの年齢は24歳と。
私の場合…
正確な日数は判らないけれど。
今なら多分?
随分経つから18~19歳ぐらい?
それに…
全部いきなりだったと?
ゼスが急に現れてと?
盗賊団の首領になってからと?
ここから私も想像しながらと考える。
そんなゼスが真っ先にした事。
それが盗賊団の体制変更。
実際には約8年以上前になると。
けれど…
ゼスは過去を誰にも言わないと?
だから誰も判らないとも聞いた。
しかも盗賊団の加入時にと?
前の首領にゼスが、いきなりと?
勝負でゼスが勝ったと!?
その後にゼスが首領になったと。
驚きながら聞く私にと。
皆が同じ事を言ってた…
今のゼスや皆を私は思い出しながら…
皆が言った事。
『ゼスは常に仲間を見捨てたりしない』と。
『ゼスは凄く頭が良い』と。
もう一つ…
『ゼスが首領になってから…
皆は怪我すら減って任せられる』と。
どれだけゼスが皆を…
考えてしてるかだけは充分。
私でも判った。
更に私が驚いたのが…
皆の名前に関してだった。
皆は普通に笑って教えてくれたけれど…
名前すら最初から無いと!?
皆には名前が、無かったからと!?
そんな皆にとゼスの言った事も…
名前すら必要ないと!?
でも皆はゼスから名前は貰ったと!?
それでも普段から変わらず…
ゼスすら皆を名前で呼ばない理由。
あくまでゼスが皆にと…
付けた名だからと…
自分の名前ぐらい自由だと…
だから好きに名乗れば良いだけと!?
それからは皆は場合に合わせてと。
常に名前すら変えると!?
私は思う事もあった。
目を閉じてゼスの言葉を思い出す。
『本当に愛する者をと。
それがユアナの本心だった筈だ。』
『ずっとユアナは望んでた筈だ。
本当の自由を。
本当に愛する者をだ。』
『ユアナの本心だったからこそ出たんだ。』
あぁ…
だから…
あの時すらも私に同じ事を!?
ゼスは本当に自由すらも…
私も…
皆すらも…
少し私は笑う。
本当の自由を。
今まで私は…
それすら考えた事もなかったと。
その時だった。
更に私は昔を思い出した。
私は思い出した事で閃く。
これなら!?
私にも出来る!?
それに…
これはゼスにだけ!!
すぐに私は作業の為にと。
思い出しながらゼスだけにと。
ゼスの為に作り始めた。
**************************
真っ先に私は皆へと。
準備の為に、その必要な物をと。
どうにか用意して欲しいと。
一生懸命、お願いをした。
皆は複雑な顔もしたけれど。
でも皆は…
すぐに私にと渡してくれた。
そう…
これは『ゼスだけ』の為に!!
皆から聞いたゼスについてと。
その中にもあった事を思い出す。
それは色に関してだった。
どうやらゼスは淡い色を好むと!!
ゼスを思い出しながら私が考えた時も。
確かに?
いつも、そうでしょう?
華美でもない…
けれど普段から着てる服も?
清潔感すらある印象しかない!!
私が出来る事も少ないけれど。
それでも…
これだけは私がと。
ゼスだけしたい!!
どうにか思い出しながら…
私はゼスが寝てる時だけにと…
一生懸命にと…
頑張って作っていく。
時間も、日数も、勿論かかる。
でも…
ゼスのを…
失敗したくない!!
ふと作業途中で私は気付く。
淡い色と?
それに、これなら…
僅かに自分の長い髪を見た。
組み合わせを考えながら少しだけ切る。
それに、ずっと気になってる物もあった。
多分?
あれを最後に付ければ…
きっと私でも手に入る!?
どうにかゼスが寝てる時。
綺麗に完成した。
ただ…
後は、あの石だけ!?
白い様な?
青い様な?
緑の様な?
凄く不思議な淡い色も。
それに大きさも小さめで丁度に!?
あの石で完成させられる!?
でも…
そうなると…
ゼスに見つからない様にと!?
いつもゼスは私と一緒に居るけれど。
勿論、私も一緒に居たいのも変わらない。
でも私は完成したのを見て思う。
絶対に最後の仕上げとして欲しい!!
また私も考える。
これだと時間も?
やっぱり朝?
私は完成した物を。
見つからない様に小袋へ入れる。
時間も?
また皆に相談すれば?
考えながらもゼスの横でと。
すぐに私は安心する。
そのまま寝た…
**************************
翌朝。
いつもと同じ様に皆と一緒で食事をする。
その片付けへ行くけれど。
気を付けながら私はゼスも見る。
ゼスも同じ様子を確認した。
片付けにと私も行くけれど。
既に集まってる団員の皆にと。
嬉しくて私は笑った。
「あのね!!
やっと出来たの!!
後一つだけでと…
完成もするよ!!」
そう言うと皆は凄く驚いた顔をした。
私は笑いながら皆に小さく続ける。
「だから多分?
5分程度?
片付けが終わる前に…
絶対に戻るから…
私が取って来れるの!!
その間だけゼスを…
少しだけ、お願いね?」
急に皆が凄く慌てながらもゼスを見た。
すぐに私も音だけ出さずにと走る。
前から気になってた物…
あれを見つけてから。
私は気になって場所も覚えてた。
だから、すぐに走って向かう。
あの不思議な石を!!
それさえ付ければ完璧に!!
広場から少し離れるけれど…
村からも出ない場所だった。
そのまま私は目的地に着いて探す。
崖下にと様々な石がある。
多分?
昔は川か何か?
今は何もないけれど。
すぐに私は見つけた!!
私は手に入った不思議な石を。
小袋からも出してから仕上げに付ける。
その場で完成した。
眺めながら思う。
これなら…
私には判らない。
でもきっと…
ゼスの『願い事』も…
急いで皆の居る広場に戻る為にと。
また私は走った。
**************************
一方、ゼス。
普段通りにはしてたが。
僅かに目を離した時。
すぐに気付いた。
ユアナが居ないだと!?
だが、村から出れない筈。
ならば…
すぐに動こうとした瞬間。
団員全員が包囲してきた。
「な…
ユアナは…
どこに行ったんだぁ!!
それにお前らも居た筈だぞ!!」
僅かに怒りとして怒鳴ったが…
すぐに全員が持ってた武器を。
暗器すらも含めて武器類をと。
全て放り投げたのを見た。
意味に気付く。
これは…
単純に俺の足留めのみを!?
まさか…
ユアナが言ったと!?
そんな中で皆の方からだった。
「首領…
悪りぃが僅かで良いし?
俺らがだぁ。」
「首領…
怪我すらねぇが。
俺らも本気でと…」
「首領…
ユアナにならゼッテェだぁ。
僅かでも必ず。」
「首領…
今の俺らなら数分程度…
どうにかするのみ。」
全員が真剣な目を見せたが…
すぐに理解も出来た。
大きく息を吐き出す。
「なるほど。
ユアナにとだな?
だが…
僅かだろうが俺は変えねぇぞ?
ユアナを一人にする訳もねぇんだ。」
言うと同時に皆が複雑に動いた。
冷静に分析しながらと全員を避ける。
同時にユアナの行く可能性も考えるが…
「首領にとだぁ!!
あのユアナが必死にと!!」
「そうだぁ!!
首領の為にと、あんだけ!!」
「ユアナがだぁ!!
首領を今だけゼッテェ止めるんだぁ!!」
「俺らが首領をと!!
必ず止めるだけにと動いてやらぁ!!」
僅かに驚きながらも皆を見ると…
更に全員での連携までか!?
だが…
「こんの馬鹿共がぁ!!
それでもユアナは…
まだ知らねぇ事すら多過ぎる!!
僅かだろうが…」
言う途中でと全員が…
明らかに連携しながら動き出した。
すぐに気付いて全てを避けながら対処する。
だが僅かに逸らして、すぐに離れた。
そこから他の団員達も動く中でだった。
「俺達でも首領を僅かにと!!
それでもユアナを守るんだぁ!!」
「こんなん当たり前だぁ!!
ユアナが俺達にと信じてるなら尚更だぁ!!」
「ユアナがとだぁ!!
首領を今だけはゼッテェにとなぁ!!」
「俺らが首領をと!!
ユアナの為にこそ止めるだけだぁ!!」
俺が動きを僅かに止めた時。
全員が更にだった。
皆の意味は判るが…
ユアナは知らん!!
だからこそ!!
予測すら…
**************************
私が急いで広場に戻ると…
もう驚くだけだった。
「良い加減にしやがれぇ!!
こんの馬鹿共がぁ!!
ユアナを一人に出来るかぁ!!」
ゼスの怒鳴り声にと…
「首領は駄目だぁ!!
今だけは待って貰うしかねぇ!!
それにユアナも村から出ねぇ!!」
「首領も判るだろぅがぁ!!
あのユアナがだぞぉ!!
もう少しって言ったんだぁ!!」
「首領!!
あんなにユアナが頑張ってんのにだぁ!!
だったら俺らも全力に決まってらぁ!!」
「首領にと判ってんだぁ!!
すぐだってユアナも言った!!
それならゼッテェだかんなぁ!!」
皆が全員でゼスを必死にと…
どうにか、しがみ付くけれど。
「こんの…
大馬鹿共がぁ!!
僅かでも変わらねぇだろうがぁ!!
ユアナにと…
何かあってからでは遅い!!」
ゼスが皆を投げ飛ばしながら…
それでもと…
皆は着地してから素早く動く。
またゼスにと…
「一応それも判っけど…
首領にと!!
あのユアナが…
ずっと、続けてだったのにかぁ!!」
「首領にと必ずだぁ!!
俺らにと…
もう頼まれたんだぁ!!
ユアナの為なら首領でも通さねぇ!!」
「そうだぁ!!
首領には手加減も要らねぇ!!
全員で俺らが全力でなら…
ユアナの為にと、必ずしてやらぁ!!」
「あのユアナがと…
必死で首領にと頑張ってるんだぁ!!
ゼッテェだかんなぁ!!
俺らも連携もすんぞぉ!!」
私は何も言えず…
既に何十人もとゼスは投げ飛ばして叫ぶ。
「そんなん…
馬鹿共に言われる前に判ってらぁ!!
この村に居ても俺がだと…
ずっと言ってんだろうがぁ!!
こうなりゃ…」
皆は着地してから驚く顔でと。
素早く動きながらも…
「これは…
首領にと連携4と9だぁ!!
気絶防止策もだぁ!!」
「連携4と9、それに体勢もだな!!
必ず首領の動きにと…
すぐだぁ!!」
「判ったぁ!!
皆でも防ぐだけじゃねぇ!!
早さも注意だぁ!!」
「人数でも連携でとだぁ!!
きっと首領なら連携4と9でと!!
どうにかすっぞぉ!!」
ゼスが投げ飛ばしながらも…
更にと着地した皆がだった。
動きを複雑に変えた?
早過ぎて私には判らない。
けれどゼスは息を大きく吐き出した。
「だったらなぁ…
連携4と9の弱点のみだぁ!!」
大きく言ったゼスが更にと早く動くけれど。
私には全く判らない。
でも皆の動きが急に止まった。
「そんなんじゃ…
まだまだ甘過ぎるなぁ?
俺には余裕かぁ?」
皆は気絶もしてないけれど…
一瞬で全員が座り込んで息すら荒かった。
「俺はユアナを…」
ゼスが動いた、その時。
私と目が合った。
**************************
そこでゼスが凄く慌てながらも…
「ユアナ!!
どこに行ってた!?」
急いで言って私の側にときた。
他の皆すら私に気付いた様子でと。
ゼスから離れたまま疲れてる様子でと。
座ったまま笑った。
「ゼ、ゼス?
それに皆も…
数分ぐらいだったけれど。」
どうにか私が言うけれど。
すぐにゼスは私を抱き締めた。
「ユアナ…
何をしてるか…
俺すら判らなかったがなぁ?
頼むから俺の側にだ。
心配したぞ…」
やっぱり…
ゼスは優しい…
「ごめんね?
でも…
どうしても…
ゼスだけなの。
頑張ってね?
私もゼスだけにと…
渡したい物がある。」
そのままで私も言うと…
ゼスは少しだけ腕を緩めた。
いつもと同じ様に私の腰を…
腕だけ回して支えてくるけれど。
不思議そうな顔でだった。
「ん?
ユアナが…
俺だけにと?
渡したい物をだと?」
私は笑いながら小袋から…
完成したばかりの物を出した。
それからゼスにと。
「うん!!
これを私が作ってたの!!
皆からもね?
ゼスの事も色々と聞いたけれど。
昔の事も思い出したから…
だから…
これはゼスだけ!!」
私は淡い糸だけで作った…
『ミサンガ』をゼスに渡しながら言う。
凄く驚いた顔でゼスは…
「ユアナが作ってたのは…
これだったのか?
それに…
俺だけだと?
俺の為だけにと?
ずっと、あんなにも…
それに…
この淡い赤は…」
そう言いながらもミサンガをと…
良く見てるゼスを私は嬉しく思った。
だから私は笑いながら…
ゼスの頬にと触れた。
「ゼスは…
淡い色が好きでしょう?
だからね?
淡い青と白が多いけれど…
でも緑もと。
ゼスは光る海や星よりも…
空や自然が似合うと思うの!!
きっと空なら夕日もある。
だから少しだけ淡い赤もと。
その不思議な石はね?
ずっと前から気になってたからね!!
けれど、その綺麗な不思議な石もと。
結び目から釣り下がれば…
ミサンガをしながらも…
僅かに揺らめくでしょう?」
そう…
私はゼスが好む色でと…
全て淡く、白も多いけれど。
ゼスは強い。
でも光とも違うと。
きっと安心すら出来る優しい…
淡い空の様な自然の方が似合うと。
だから淡い青と緑と白を。
更に僅かにと淡い赤を。
それから結び目に吊り下がる様にと。
あの不思議な小さな石も絡めた。
そう私が言うと…
ゼスは驚きながら私を見た。
「俺には空や自然が似合うと?
だからユアナがこれを…
俺の為だけにと?
ミサンガなら意味すら…
それに…
この淡い赤で僅かに輝く色。
まさか…」
ゼスはミサンガを確認する様にと。
再度、見ながら私にと言ってくる。
「うん!!
そう…
ミサンガの意味は…
ゼスなら知ってるよね?
まだ私は『ゼスの願い』を…
知らないでしょう?
それでもゼスにならと…
空なら淡い青でと。
ゼスの優しい笑顔も似合う。
淡い緑の優しさも似合う。
それでも僅かな赤も白も…
ゼスなら全てがと。
そして切れた時には…
ゼスの願いも叶う様にと。」
私がゼスに笑って言うと…
「ミサンガの意味は判るが…
それすら全て含めてと…
俺だけの為にと!?
それにだ!!
この淡く輝きすらある赤は…
ユアナの…
淡いブロンドだろう!?
僅かでも俺には判るぞ!?
俺の願いにと…
その美しい髪すら使ったのか!?」
すぐにゼスが気付いた事にと。
私は嬉しくて笑った。
「本当に少しだけね?
髪なら自然に伸びるよ?
それに…
そのミサンガはね?
ゼスだけにと。
着けて欲しいの。」
驚いた顔のゼスにと。
目を閉じて私は続けた。
「私がね?
ゼスにと…
前に少し話したでしょう?
ずっと昔の夢を。
その頃にね。
私は作り方を覚えてたの。
一応、理由もあったよ?
私が願ってた事と同じにと…
本当に愛した人を、私も愛したいと。
それを願ってたけれど…
あの頃は家の秘密も。
全て知らなかったからね…
だから小さい頃は…
政略結婚になってもと。
全てを私は受け入れて…
『相手を愛する』と。
でも私が…
どれだけ愛しても…
その愛した人が…
私を愛するか判らないと。
それでも、もし…
本当に愛した人を見つけたらと。
本当に愛した人の願いもと。
叶えられたらね。
きっと喜ぶだろうと。」
私は目を開けてゼスにと笑う。
「私はゼスをと!!
見つけられたよ?
そんな優しいゼスが願う事。
だったら、きっと…
ゼスだけでもないと判る!!
きっと皆も喜ぶのでしょう?
だからね。
そのミサンガをゼスにと。
ゼスだけにと、渡したかったの!!」
そう言うとゼスは…
凄く驚いた顔もしたけれど。
すぐに嬉しそうに笑いながらも。
優しい声でだった。
「もうユアナの方がだろ?
ずっと俺よりもなぁ…
優しいのが判るかんなぁ…
その上で俺の願いすら…
叶う事すらもだ。
ユアナが願ってくれてんだぞぉ?
もう俺すらなぁ…
こんな贈り物は初めてだし?
それに意味すら充分…
俺は理解もだがなぁ…
でもユアナ?
先に俺の願いをかぁ?
それとも、ちっと違うが。
思いを言うならなぁ?
俺はユアナだけを愛してるんだ。
だからユアナと一緒に居たいと。
その願いはミサンガにじゃねぇ…
俺はユアナにと願いたい。」
ゼスが嬉しそうに笑ってくれた事に…
私も嬉しくて笑う。
「うん!!
私が探してたのはゼス!!
ゼスだけを愛したいの。
そのゼスが言うなら…
私は嬉しいだけだよ!!」
ゼスは凄く嬉しそうに笑い出した。
「あはははは!!
もう…
俺すら…
予想も…
出来ねぇとか…
あはははは!!
それすら?
初めてなのにかよ!!
しかも…
俺の願いを…
その為だけにと…
あははは!!
こんなに嬉しい事!?
もう、ねぇだろうなぁ!!
あはははははっ!!
ユアナはマジで…
スゲェなぁ!!
俺すら勝てねぇ!!
くっ。
あはははははは!!」
側に居た皆すら嬉しそうに笑った。
ゼスが喜んでくれた事も。
皆が協力してくれた事も。
全てが嬉しくて…
私も笑うだけだった。
**************************
ゼスはミサンガの不思議な石を見て…
私にと向いて笑いながらと。
「ユアナ。
この石をマジで知らねぇのかぁ?
良く選べたもんだがなぁ…
これは鉱石の翡翠だ。
その原石みてぇなもんだなぁ。
だからこそ見分けは難しいし?
白い部分すらも多いかんなぁ。」
私は首を傾げた。
「翡翠と?
私は知らないけれど…」
それにとゼスは…
凄く驚いた顔をしたけれど。
すぐに爆笑した。
「本当に!?
知らねぇと?
俺もユアナにと…
鉱石をだったが…
まさかユアナが?
しかも…
これをと!?
俺にかぁ?
あはははははっ!!
翡翠を知らねぇ上にと!?
だったら意味すら…
あはははははは!!
知らねぇのにと?
それでもと?
俺にか!?
くっ。
あはははははは!!
もう…
とんでもねぇ!?
マジでかぁ!!
あはははははっ!!
こりゃ…
スゲェどころじゃねぇ!?
また無自覚で!?
どんだけだぁ?
くっ。
あはははは!!」
私は焦る。
「その…
もしかして…
変な意味もあると?」
不安になりながらも私が聞くと…
ゼスは首を横に振った。
「いんやぁ?
寧ろ逆だろ!!
翡翠の意味は多いがなぁ…
『あらゆる成功と繁栄』をと。
それを、もたらす意味だぞぉ!!
更に言うと…
持ち主に知恵を授け人徳も。
『幸運と守護を象徴する石』とだ!!
しかも白と僅かな青すら…
かなり貴重でもあるし?
それすら完全にユアナは無自覚でと…
とんでもねぇ!!」
私は安堵した。
でも、すぐにゼスは皆に向いた。
「おい!!
馬鹿共すらもだなぁ!!
この翡翠をだぞ?
価値すら判るだろ?
だが…
ユアナは無自覚でと!?
もうスゲェどころじゃねぇな!!
お前らすら予想外だろ!?
あはははは!!
まぁ?
このミサンガは俺だけなぁ?」
大きくゼスが言うと…
皆すら驚いた顔で動かず叫んだ。
「首領!!
もう俺には見分けらんねぇし?
めっちゃズリィよ!!」
「あはははは!!
これはユアナが凄過ぎるだけかぁ!?
首領すらも驚きなぁ!!」
「俺らよりもユアナがヤベェし!?
こんなん首領にと判るかぁ!!
それに俺だけじゃねぇっての!!」
「ユアナ!!
こりゃ想像以上にだぞぉ。
もう大成功だろうなぁ!!」
「くっ、俺らすらも予想外過ぎ!?
だが頑張った甲斐があったなぁ、ユアナ!!
俺らも首領にとだったかぁ?」
「ユアナに負けてるかもしんねぇ!?
考えろ、首領!!
この村だけであり得ねぇ!?」
もう、それにもゼスは嬉しそうに笑う。
「だろうなぁ!!
俺すら予想外過ぎる!?
あははははは!!」
私は驚きながら考える。
そんなにと?
あの石がと?
でも…
「ねぇ、ゼス?
その不思議な石…
翡翠って言うらしいけれど?
もっと他にもあると思うよ?」
私が首を傾げて言うと…
急にゼスは驚きながら首を横に振った。
「何ぃ!?
まさか…
ユアナ!?
その場所が判るのか!?」
素直に私は頷く。
ゼスは目を閉じた。
「これなら、しばらく何もかぁ?」
目を閉じたまま言ったけれど。
すぐに目を開けてゼスは嬉しそうにと。
私を抱き上げた。
凄く嬉しそうに笑いながらだった。
「やっぱユアナは…
スゲェなぁ!!
それに…
これは俺からもだ。
ちゃんと言わねぇとなぁ…
ユアナ?
こんなにも綺麗なミサンガを。
ありがとう。
俺も大切にする。」
それにと私も嬉しくて笑う。
「良いんだよ!!
ゼスが笑うなら!!
それにゼスの願いが叶うなら…
私も嬉しい!!」
そのままでゼスは大きく言った。
「俺は充分!!
もう幸せだろうなぁ!?
あはははは!!
よし、ユアナ?
今日は、このまま家に帰るぞぉ?」
私も頷いて、皆にも笑った。
「皆も本当にありがとう!!
私は優しい皆も凄く嬉しいよ!!」
皆も嬉しそうに笑ったのを見た。
もう、それだけで私は嬉しかった。
それに思う…
頑張って良かった!!
また私はネックレスを見る。
銀色の飾りまで綺麗な…
青いラピスラズリを。
見る度にあの時すらも…
ゼスは私をと。
私の為にと。
全て私は覚えてる。
『ただの宝石よりも…
ユアナには、その鉱石だぁ!!』
ゼスの言葉も…
ゼスの笑顔も…
思い出すだけでも充分、嬉しい!!
だから私は自然と笑う。
でも…
やっぱり、私ばかり…
私も一生懸命に考える。
最近は特にだった。
私もゼスにと何かを…
でも…
どうすれば良いの?
いつもゼスと一緒なのも変わらない。
朝食の為にと一緒で広場へ向かう…
普段通りに皆と食事もしながら考える。
楽しそうに騒いでる皆を見る。
皆も、そう…
いつも皆は優しいのも変わらない。
私が失敗しても…
怒った事もないし、教えてくれる。
ふと私は気付いた。
皆も私に教えてくれると?
それに…
もしかして、これなら…
多分?
皆の方が?
私は悩んだけれど。
少しだけゼスを見ると…
普段と変わらず食事をしてた。
そんなゼスを私も愛してるのに?
私もゼスにだけと…
何かをしたいのに?
それなのに…
私自身がゼスすら知らない事も多い…
でもゼスが喜ぶ事を…
嬉しそうな笑顔を見ながら決める。
再度、私は皆を見る。
きっと皆だけしか?
違う!!
これは皆にだけ!?
ゼスにだけ言えない事!?
だったら…
**************************
食後。
普段通りにと私は行動もしながら…
いつも皆と一緒を片付けもする。
だから私も片付けをする時にと。
先に私は少しだけゼスを見た。
いつも私が見える場所に居るけれど…
今日も書類関係や指示してる姿を。
確認してからと。
それから私は皆と一緒に片付けを。
でも…
皆を見てからも少し目を閉じて考える。
きっと皆も…
怒らないで教えてくれる筈!!
目を開けてから私は集まってる皆の方へと。
近付いてから、それぞれをと。
しっかりと、見てから…
僅かに皆も気付いた様子で私を見てきた。
勇気を出して私は多い皆に…
「あのね?
皆にと…
少しだけ…
お願いがあるの。」
ゼスには聞こえないぐらいにと。
私は小さく皆にと言う。
そんな私にと皆が、全員がだった。
不思議そうな顔もしたけれど。
すぐにゼスを見る様子をした。
でも皆は周りと目を合わせてから…
私にと頷くだけで見てきた。
その様子も考える。
多分?
皆もゼスが首領だからと?
一番偉いからと…
私も少しだけ同じ様にゼスを見ると。
やっぱり書類関係を読んでる。
でも、これだけは…
すぐに皆の方を私は向いてから…
どうにか小さく皆にと言う。
「その…
もう皆だけしか…
だから教えて欲しいの。
ゼスが喜ぶ物?
他にも…
ゼスが好きそうな事?
それを…
ゼスに気付かれない様にと…」
私が言うと皆は凄く驚いた顔をした。
また皆は、すぐにゼスを見たけれど。
同じ様にと周りの皆は目を合わせてから…
それぞれ皆は小さく私にとだった。
「ユアナ…
意味も判ったかんな?
俺らに首領をだな?」
「ユアナがしたい事も判ったぞ。
それを首領にとだろ?
バレずにしてぇと。」
「首領の場合はだ。
こりゃ簡単じゃねぇ…
だから俺らがユアナに協力すっぞ?」
「ユアナに教えるが…
俺らもだがなぁ…
首領には要注意だかんな?」
「充分に判ったぞ、ユアナ?
特に首領には気ぃ付けろ?
慎重に動くぞ。」
皆が私に言ってくる事が嬉しくて思う。
やっぱり皆も優しい!!
それにと私も笑って頷いた。
皆も笑って頷くのも見た。
そんな時。
「ん?
ユアナ?
いつもと様子が…」
ゼスの声で私は驚く。
咄嗟に私も首を横に振る。
「ゼス!?
ううん?
何もないよ?
すぐに片付けも終わるから…
少しだけ待ってくれる?」
急にゼスは微妙な顔になると…
私よりも周りの皆を見た。
それにも皆は片付けを再開したり…
「首領?
ちっと遅れてたなぁ。
すぐに済ますから問題ねぇぞぉ?」
「首領、大丈夫だ!!
もう片付けも終わるかんなぁ。
先に報告もかぁ?」
「ユアナも、すぐだぜぃ?
片付けも完璧なぁ。
首領にゃあ問題すらねぇよ?」
それぞれ皆も言ってくれて片付けをと。
私も一緒に素早く済ませた。
**************************
それから私もゼスと一緒も変わらない。
いつも通りに住んでる家へと戻る。
同じ様に私は掃除をし始めるけれど。
最近は慣れた事もあって早く終わる。
ゼスを見ると書類関係を読んでた。
そんな時。
僅かに窓の方からだった。
団員が一人がスッと。
紙を置いてから去るのを私は見た。
意味に私は気付いた。
ゼスに注意しながらも私は紙を…
読むと単語だけ書かれてた。
これは…
料理名?
ゼスの食事を私も思い出しながら…
確かに?
ゼスが良く食べてる?
だったら…
これがゼスの好きな料理と?
少しゼスを見るけれど。
まだ書類みたいなのを読んでた。
だから私は片付けのゴミへ。
ふと私も皆が言ってた事も思い出す。
ゼスには…
『要注意』と。
『慎重に動く』と。
考えてから私は気を付ける意味でと…
更に小さく破いてからゴミと一緒に捨てた。
どうにかゼスだけにとバレず数日間。
そうしながらも皆からと。
ゼスの話を。
ゼスに関してを。
もう私は驚くばかりだった。
でも…
だったら必ず私もゼスに!!
必死に考え続けながら…
皆からゼスの情報を聞いてと…
更に私も頑張ろうと思った。
**************************
一方、ゼス。
既に一応、気付いてもいたが。
報告を読む様子をしながらも…
目を閉じて右手を口元に当てる。
そして考える。
最初にしたユアナの僅かな変化…
更に皆の言動…
それだけでも完全に気付くがなぁ!?
だが何を、あのユアナがとだ。
あくまで、これは予測…
ユアナから皆にとだ。
そうなると…
ユアナ自身から皆にと言って動いたと?
それにと…
皆が同意したからこそ動いた事にもなる。
だが、あのユアナからは初めてだろう。
自発的な行動を…
ならばユアナには良い傾向でもある。
俺から止める事も避けるべきだな?
まぁ一応かぁ?
あんな皆の動きも…
すぐに違いすら判ったが…
予測するがユアナにと…
どうにか皆もだぁ?
ユアナに言われて皆も…
してんだろうがなぁ…
それでも…
あの馬鹿共、全員がだぞぉ!?
もう皆がする、あの顔…
明らかに判ってないだろ!?
それでもとかぁ?
ユアナを優先してっからかよ!!
もう、これは単純に…
ユアナのしてる内容すら判ってねぇし!?
そのユアナも?
バレバレでも…
確かに動いてっけどなぁ…
今回は初めてだし?
皆すらだが…
俺も迂闊に言えん!?
そもそも?
ユアナは村の中だけだぞぉ?
更に行動範囲すらもだし?
どうやっても出来る事すら…
無理な事ばかりな筈なのにかぁ?
随分と続けてる様子だし?
わざと俺も…
どうにか時間だけをと。
ユアナには出来ても…
そのユアナがだぞぉ!?
何をしてるのか…
全く俺すら判らん!?
いくら危険がないとしても…
いや、これも単純にと。
この村には誰も近付けねぇ様にと。
俺が気ぃ付けてるかんなぁ。
見てるが料理とも違う様子だし?
ならば一体、ユアナは何を…
これだと俺すらもかぁ!?
全く予測不可能だと!?
目を開けてから報告を見る様子でと。
視線のみ。
ユアナを見ると…
普段よりも急いで掃除をしてるのが判る。
もう動揺すら隠して思う。
俺すら判らねぇとか…
どんだけだぁ!?
ユアナ!!
そんな日々でもあった。
**************************
私は皆からの紙情報。
それだけでもなかった。
常にある食事の片付け中もと。
僅かな時間もと。
そんな皆も嬉しそうに教えてくれた。
小声で私に話しながらも…
ゼスに関してなら良いと。
皆がと。
全員からだった。
そのおかげもあって…
初めて私はゼスについてと。
驚きながらも知った事をと。
私は考えながらも…
ゼスについて纏め始める。
最初は簡単な紙情報でと。
好きな料理から…
嫌いな食べ物も…
他にも様々ある。
けれど皆の話を聞いて…
もう私は何度も驚いた。
どうにか私もゼスの事をと纏めた。
ゼスの年齢は24歳と。
私の場合…
正確な日数は判らないけれど。
今なら多分?
随分経つから18~19歳ぐらい?
それに…
全部いきなりだったと?
ゼスが急に現れてと?
盗賊団の首領になってからと?
ここから私も想像しながらと考える。
そんなゼスが真っ先にした事。
それが盗賊団の体制変更。
実際には約8年以上前になると。
けれど…
ゼスは過去を誰にも言わないと?
だから誰も判らないとも聞いた。
しかも盗賊団の加入時にと?
前の首領にゼスが、いきなりと?
勝負でゼスが勝ったと!?
その後にゼスが首領になったと。
驚きながら聞く私にと。
皆が同じ事を言ってた…
今のゼスや皆を私は思い出しながら…
皆が言った事。
『ゼスは常に仲間を見捨てたりしない』と。
『ゼスは凄く頭が良い』と。
もう一つ…
『ゼスが首領になってから…
皆は怪我すら減って任せられる』と。
どれだけゼスが皆を…
考えてしてるかだけは充分。
私でも判った。
更に私が驚いたのが…
皆の名前に関してだった。
皆は普通に笑って教えてくれたけれど…
名前すら最初から無いと!?
皆には名前が、無かったからと!?
そんな皆にとゼスの言った事も…
名前すら必要ないと!?
でも皆はゼスから名前は貰ったと!?
それでも普段から変わらず…
ゼスすら皆を名前で呼ばない理由。
あくまでゼスが皆にと…
付けた名だからと…
自分の名前ぐらい自由だと…
だから好きに名乗れば良いだけと!?
それからは皆は場合に合わせてと。
常に名前すら変えると!?
私は思う事もあった。
目を閉じてゼスの言葉を思い出す。
『本当に愛する者をと。
それがユアナの本心だった筈だ。』
『ずっとユアナは望んでた筈だ。
本当の自由を。
本当に愛する者をだ。』
『ユアナの本心だったからこそ出たんだ。』
あぁ…
だから…
あの時すらも私に同じ事を!?
ゼスは本当に自由すらも…
私も…
皆すらも…
少し私は笑う。
本当の自由を。
今まで私は…
それすら考えた事もなかったと。
その時だった。
更に私は昔を思い出した。
私は思い出した事で閃く。
これなら!?
私にも出来る!?
それに…
これはゼスにだけ!!
すぐに私は作業の為にと。
思い出しながらゼスだけにと。
ゼスの為に作り始めた。
**************************
真っ先に私は皆へと。
準備の為に、その必要な物をと。
どうにか用意して欲しいと。
一生懸命、お願いをした。
皆は複雑な顔もしたけれど。
でも皆は…
すぐに私にと渡してくれた。
そう…
これは『ゼスだけ』の為に!!
皆から聞いたゼスについてと。
その中にもあった事を思い出す。
それは色に関してだった。
どうやらゼスは淡い色を好むと!!
ゼスを思い出しながら私が考えた時も。
確かに?
いつも、そうでしょう?
華美でもない…
けれど普段から着てる服も?
清潔感すらある印象しかない!!
私が出来る事も少ないけれど。
それでも…
これだけは私がと。
ゼスだけしたい!!
どうにか思い出しながら…
私はゼスが寝てる時だけにと…
一生懸命にと…
頑張って作っていく。
時間も、日数も、勿論かかる。
でも…
ゼスのを…
失敗したくない!!
ふと作業途中で私は気付く。
淡い色と?
それに、これなら…
僅かに自分の長い髪を見た。
組み合わせを考えながら少しだけ切る。
それに、ずっと気になってる物もあった。
多分?
あれを最後に付ければ…
きっと私でも手に入る!?
どうにかゼスが寝てる時。
綺麗に完成した。
ただ…
後は、あの石だけ!?
白い様な?
青い様な?
緑の様な?
凄く不思議な淡い色も。
それに大きさも小さめで丁度に!?
あの石で完成させられる!?
でも…
そうなると…
ゼスに見つからない様にと!?
いつもゼスは私と一緒に居るけれど。
勿論、私も一緒に居たいのも変わらない。
でも私は完成したのを見て思う。
絶対に最後の仕上げとして欲しい!!
また私も考える。
これだと時間も?
やっぱり朝?
私は完成した物を。
見つからない様に小袋へ入れる。
時間も?
また皆に相談すれば?
考えながらもゼスの横でと。
すぐに私は安心する。
そのまま寝た…
**************************
翌朝。
いつもと同じ様に皆と一緒で食事をする。
その片付けへ行くけれど。
気を付けながら私はゼスも見る。
ゼスも同じ様子を確認した。
片付けにと私も行くけれど。
既に集まってる団員の皆にと。
嬉しくて私は笑った。
「あのね!!
やっと出来たの!!
後一つだけでと…
完成もするよ!!」
そう言うと皆は凄く驚いた顔をした。
私は笑いながら皆に小さく続ける。
「だから多分?
5分程度?
片付けが終わる前に…
絶対に戻るから…
私が取って来れるの!!
その間だけゼスを…
少しだけ、お願いね?」
急に皆が凄く慌てながらもゼスを見た。
すぐに私も音だけ出さずにと走る。
前から気になってた物…
あれを見つけてから。
私は気になって場所も覚えてた。
だから、すぐに走って向かう。
あの不思議な石を!!
それさえ付ければ完璧に!!
広場から少し離れるけれど…
村からも出ない場所だった。
そのまま私は目的地に着いて探す。
崖下にと様々な石がある。
多分?
昔は川か何か?
今は何もないけれど。
すぐに私は見つけた!!
私は手に入った不思議な石を。
小袋からも出してから仕上げに付ける。
その場で完成した。
眺めながら思う。
これなら…
私には判らない。
でもきっと…
ゼスの『願い事』も…
急いで皆の居る広場に戻る為にと。
また私は走った。
**************************
一方、ゼス。
普段通りにはしてたが。
僅かに目を離した時。
すぐに気付いた。
ユアナが居ないだと!?
だが、村から出れない筈。
ならば…
すぐに動こうとした瞬間。
団員全員が包囲してきた。
「な…
ユアナは…
どこに行ったんだぁ!!
それにお前らも居た筈だぞ!!」
僅かに怒りとして怒鳴ったが…
すぐに全員が持ってた武器を。
暗器すらも含めて武器類をと。
全て放り投げたのを見た。
意味に気付く。
これは…
単純に俺の足留めのみを!?
まさか…
ユアナが言ったと!?
そんな中で皆の方からだった。
「首領…
悪りぃが僅かで良いし?
俺らがだぁ。」
「首領…
怪我すらねぇが。
俺らも本気でと…」
「首領…
ユアナにならゼッテェだぁ。
僅かでも必ず。」
「首領…
今の俺らなら数分程度…
どうにかするのみ。」
全員が真剣な目を見せたが…
すぐに理解も出来た。
大きく息を吐き出す。
「なるほど。
ユアナにとだな?
だが…
僅かだろうが俺は変えねぇぞ?
ユアナを一人にする訳もねぇんだ。」
言うと同時に皆が複雑に動いた。
冷静に分析しながらと全員を避ける。
同時にユアナの行く可能性も考えるが…
「首領にとだぁ!!
あのユアナが必死にと!!」
「そうだぁ!!
首領の為にと、あんだけ!!」
「ユアナがだぁ!!
首領を今だけゼッテェ止めるんだぁ!!」
「俺らが首領をと!!
必ず止めるだけにと動いてやらぁ!!」
僅かに驚きながらも皆を見ると…
更に全員での連携までか!?
だが…
「こんの馬鹿共がぁ!!
それでもユアナは…
まだ知らねぇ事すら多過ぎる!!
僅かだろうが…」
言う途中でと全員が…
明らかに連携しながら動き出した。
すぐに気付いて全てを避けながら対処する。
だが僅かに逸らして、すぐに離れた。
そこから他の団員達も動く中でだった。
「俺達でも首領を僅かにと!!
それでもユアナを守るんだぁ!!」
「こんなん当たり前だぁ!!
ユアナが俺達にと信じてるなら尚更だぁ!!」
「ユアナがとだぁ!!
首領を今だけはゼッテェにとなぁ!!」
「俺らが首領をと!!
ユアナの為にこそ止めるだけだぁ!!」
俺が動きを僅かに止めた時。
全員が更にだった。
皆の意味は判るが…
ユアナは知らん!!
だからこそ!!
予測すら…
**************************
私が急いで広場に戻ると…
もう驚くだけだった。
「良い加減にしやがれぇ!!
こんの馬鹿共がぁ!!
ユアナを一人に出来るかぁ!!」
ゼスの怒鳴り声にと…
「首領は駄目だぁ!!
今だけは待って貰うしかねぇ!!
それにユアナも村から出ねぇ!!」
「首領も判るだろぅがぁ!!
あのユアナがだぞぉ!!
もう少しって言ったんだぁ!!」
「首領!!
あんなにユアナが頑張ってんのにだぁ!!
だったら俺らも全力に決まってらぁ!!」
「首領にと判ってんだぁ!!
すぐだってユアナも言った!!
それならゼッテェだかんなぁ!!」
皆が全員でゼスを必死にと…
どうにか、しがみ付くけれど。
「こんの…
大馬鹿共がぁ!!
僅かでも変わらねぇだろうがぁ!!
ユアナにと…
何かあってからでは遅い!!」
ゼスが皆を投げ飛ばしながら…
それでもと…
皆は着地してから素早く動く。
またゼスにと…
「一応それも判っけど…
首領にと!!
あのユアナが…
ずっと、続けてだったのにかぁ!!」
「首領にと必ずだぁ!!
俺らにと…
もう頼まれたんだぁ!!
ユアナの為なら首領でも通さねぇ!!」
「そうだぁ!!
首領には手加減も要らねぇ!!
全員で俺らが全力でなら…
ユアナの為にと、必ずしてやらぁ!!」
「あのユアナがと…
必死で首領にと頑張ってるんだぁ!!
ゼッテェだかんなぁ!!
俺らも連携もすんぞぉ!!」
私は何も言えず…
既に何十人もとゼスは投げ飛ばして叫ぶ。
「そんなん…
馬鹿共に言われる前に判ってらぁ!!
この村に居ても俺がだと…
ずっと言ってんだろうがぁ!!
こうなりゃ…」
皆は着地してから驚く顔でと。
素早く動きながらも…
「これは…
首領にと連携4と9だぁ!!
気絶防止策もだぁ!!」
「連携4と9、それに体勢もだな!!
必ず首領の動きにと…
すぐだぁ!!」
「判ったぁ!!
皆でも防ぐだけじゃねぇ!!
早さも注意だぁ!!」
「人数でも連携でとだぁ!!
きっと首領なら連携4と9でと!!
どうにかすっぞぉ!!」
ゼスが投げ飛ばしながらも…
更にと着地した皆がだった。
動きを複雑に変えた?
早過ぎて私には判らない。
けれどゼスは息を大きく吐き出した。
「だったらなぁ…
連携4と9の弱点のみだぁ!!」
大きく言ったゼスが更にと早く動くけれど。
私には全く判らない。
でも皆の動きが急に止まった。
「そんなんじゃ…
まだまだ甘過ぎるなぁ?
俺には余裕かぁ?」
皆は気絶もしてないけれど…
一瞬で全員が座り込んで息すら荒かった。
「俺はユアナを…」
ゼスが動いた、その時。
私と目が合った。
**************************
そこでゼスが凄く慌てながらも…
「ユアナ!!
どこに行ってた!?」
急いで言って私の側にときた。
他の皆すら私に気付いた様子でと。
ゼスから離れたまま疲れてる様子でと。
座ったまま笑った。
「ゼ、ゼス?
それに皆も…
数分ぐらいだったけれど。」
どうにか私が言うけれど。
すぐにゼスは私を抱き締めた。
「ユアナ…
何をしてるか…
俺すら判らなかったがなぁ?
頼むから俺の側にだ。
心配したぞ…」
やっぱり…
ゼスは優しい…
「ごめんね?
でも…
どうしても…
ゼスだけなの。
頑張ってね?
私もゼスだけにと…
渡したい物がある。」
そのままで私も言うと…
ゼスは少しだけ腕を緩めた。
いつもと同じ様に私の腰を…
腕だけ回して支えてくるけれど。
不思議そうな顔でだった。
「ん?
ユアナが…
俺だけにと?
渡したい物をだと?」
私は笑いながら小袋から…
完成したばかりの物を出した。
それからゼスにと。
「うん!!
これを私が作ってたの!!
皆からもね?
ゼスの事も色々と聞いたけれど。
昔の事も思い出したから…
だから…
これはゼスだけ!!」
私は淡い糸だけで作った…
『ミサンガ』をゼスに渡しながら言う。
凄く驚いた顔でゼスは…
「ユアナが作ってたのは…
これだったのか?
それに…
俺だけだと?
俺の為だけにと?
ずっと、あんなにも…
それに…
この淡い赤は…」
そう言いながらもミサンガをと…
良く見てるゼスを私は嬉しく思った。
だから私は笑いながら…
ゼスの頬にと触れた。
「ゼスは…
淡い色が好きでしょう?
だからね?
淡い青と白が多いけれど…
でも緑もと。
ゼスは光る海や星よりも…
空や自然が似合うと思うの!!
きっと空なら夕日もある。
だから少しだけ淡い赤もと。
その不思議な石はね?
ずっと前から気になってたからね!!
けれど、その綺麗な不思議な石もと。
結び目から釣り下がれば…
ミサンガをしながらも…
僅かに揺らめくでしょう?」
そう…
私はゼスが好む色でと…
全て淡く、白も多いけれど。
ゼスは強い。
でも光とも違うと。
きっと安心すら出来る優しい…
淡い空の様な自然の方が似合うと。
だから淡い青と緑と白を。
更に僅かにと淡い赤を。
それから結び目に吊り下がる様にと。
あの不思議な小さな石も絡めた。
そう私が言うと…
ゼスは驚きながら私を見た。
「俺には空や自然が似合うと?
だからユアナがこれを…
俺の為だけにと?
ミサンガなら意味すら…
それに…
この淡い赤で僅かに輝く色。
まさか…」
ゼスはミサンガを確認する様にと。
再度、見ながら私にと言ってくる。
「うん!!
そう…
ミサンガの意味は…
ゼスなら知ってるよね?
まだ私は『ゼスの願い』を…
知らないでしょう?
それでもゼスにならと…
空なら淡い青でと。
ゼスの優しい笑顔も似合う。
淡い緑の優しさも似合う。
それでも僅かな赤も白も…
ゼスなら全てがと。
そして切れた時には…
ゼスの願いも叶う様にと。」
私がゼスに笑って言うと…
「ミサンガの意味は判るが…
それすら全て含めてと…
俺だけの為にと!?
それにだ!!
この淡く輝きすらある赤は…
ユアナの…
淡いブロンドだろう!?
僅かでも俺には判るぞ!?
俺の願いにと…
その美しい髪すら使ったのか!?」
すぐにゼスが気付いた事にと。
私は嬉しくて笑った。
「本当に少しだけね?
髪なら自然に伸びるよ?
それに…
そのミサンガはね?
ゼスだけにと。
着けて欲しいの。」
驚いた顔のゼスにと。
目を閉じて私は続けた。
「私がね?
ゼスにと…
前に少し話したでしょう?
ずっと昔の夢を。
その頃にね。
私は作り方を覚えてたの。
一応、理由もあったよ?
私が願ってた事と同じにと…
本当に愛した人を、私も愛したいと。
それを願ってたけれど…
あの頃は家の秘密も。
全て知らなかったからね…
だから小さい頃は…
政略結婚になってもと。
全てを私は受け入れて…
『相手を愛する』と。
でも私が…
どれだけ愛しても…
その愛した人が…
私を愛するか判らないと。
それでも、もし…
本当に愛した人を見つけたらと。
本当に愛した人の願いもと。
叶えられたらね。
きっと喜ぶだろうと。」
私は目を開けてゼスにと笑う。
「私はゼスをと!!
見つけられたよ?
そんな優しいゼスが願う事。
だったら、きっと…
ゼスだけでもないと判る!!
きっと皆も喜ぶのでしょう?
だからね。
そのミサンガをゼスにと。
ゼスだけにと、渡したかったの!!」
そう言うとゼスは…
凄く驚いた顔もしたけれど。
すぐに嬉しそうに笑いながらも。
優しい声でだった。
「もうユアナの方がだろ?
ずっと俺よりもなぁ…
優しいのが判るかんなぁ…
その上で俺の願いすら…
叶う事すらもだ。
ユアナが願ってくれてんだぞぉ?
もう俺すらなぁ…
こんな贈り物は初めてだし?
それに意味すら充分…
俺は理解もだがなぁ…
でもユアナ?
先に俺の願いをかぁ?
それとも、ちっと違うが。
思いを言うならなぁ?
俺はユアナだけを愛してるんだ。
だからユアナと一緒に居たいと。
その願いはミサンガにじゃねぇ…
俺はユアナにと願いたい。」
ゼスが嬉しそうに笑ってくれた事に…
私も嬉しくて笑う。
「うん!!
私が探してたのはゼス!!
ゼスだけを愛したいの。
そのゼスが言うなら…
私は嬉しいだけだよ!!」
ゼスは凄く嬉しそうに笑い出した。
「あはははは!!
もう…
俺すら…
予想も…
出来ねぇとか…
あはははは!!
それすら?
初めてなのにかよ!!
しかも…
俺の願いを…
その為だけにと…
あははは!!
こんなに嬉しい事!?
もう、ねぇだろうなぁ!!
あはははははっ!!
ユアナはマジで…
スゲェなぁ!!
俺すら勝てねぇ!!
くっ。
あはははははは!!」
側に居た皆すら嬉しそうに笑った。
ゼスが喜んでくれた事も。
皆が協力してくれた事も。
全てが嬉しくて…
私も笑うだけだった。
**************************
ゼスはミサンガの不思議な石を見て…
私にと向いて笑いながらと。
「ユアナ。
この石をマジで知らねぇのかぁ?
良く選べたもんだがなぁ…
これは鉱石の翡翠だ。
その原石みてぇなもんだなぁ。
だからこそ見分けは難しいし?
白い部分すらも多いかんなぁ。」
私は首を傾げた。
「翡翠と?
私は知らないけれど…」
それにとゼスは…
凄く驚いた顔をしたけれど。
すぐに爆笑した。
「本当に!?
知らねぇと?
俺もユアナにと…
鉱石をだったが…
まさかユアナが?
しかも…
これをと!?
俺にかぁ?
あはははははっ!!
翡翠を知らねぇ上にと!?
だったら意味すら…
あはははははは!!
知らねぇのにと?
それでもと?
俺にか!?
くっ。
あはははははは!!
もう…
とんでもねぇ!?
マジでかぁ!!
あはははははっ!!
こりゃ…
スゲェどころじゃねぇ!?
また無自覚で!?
どんだけだぁ?
くっ。
あはははは!!」
私は焦る。
「その…
もしかして…
変な意味もあると?」
不安になりながらも私が聞くと…
ゼスは首を横に振った。
「いんやぁ?
寧ろ逆だろ!!
翡翠の意味は多いがなぁ…
『あらゆる成功と繁栄』をと。
それを、もたらす意味だぞぉ!!
更に言うと…
持ち主に知恵を授け人徳も。
『幸運と守護を象徴する石』とだ!!
しかも白と僅かな青すら…
かなり貴重でもあるし?
それすら完全にユアナは無自覚でと…
とんでもねぇ!!」
私は安堵した。
でも、すぐにゼスは皆に向いた。
「おい!!
馬鹿共すらもだなぁ!!
この翡翠をだぞ?
価値すら判るだろ?
だが…
ユアナは無自覚でと!?
もうスゲェどころじゃねぇな!!
お前らすら予想外だろ!?
あはははは!!
まぁ?
このミサンガは俺だけなぁ?」
大きくゼスが言うと…
皆すら驚いた顔で動かず叫んだ。
「首領!!
もう俺には見分けらんねぇし?
めっちゃズリィよ!!」
「あはははは!!
これはユアナが凄過ぎるだけかぁ!?
首領すらも驚きなぁ!!」
「俺らよりもユアナがヤベェし!?
こんなん首領にと判るかぁ!!
それに俺だけじゃねぇっての!!」
「ユアナ!!
こりゃ想像以上にだぞぉ。
もう大成功だろうなぁ!!」
「くっ、俺らすらも予想外過ぎ!?
だが頑張った甲斐があったなぁ、ユアナ!!
俺らも首領にとだったかぁ?」
「ユアナに負けてるかもしんねぇ!?
考えろ、首領!!
この村だけであり得ねぇ!?」
もう、それにもゼスは嬉しそうに笑う。
「だろうなぁ!!
俺すら予想外過ぎる!?
あははははは!!」
私は驚きながら考える。
そんなにと?
あの石がと?
でも…
「ねぇ、ゼス?
その不思議な石…
翡翠って言うらしいけれど?
もっと他にもあると思うよ?」
私が首を傾げて言うと…
急にゼスは驚きながら首を横に振った。
「何ぃ!?
まさか…
ユアナ!?
その場所が判るのか!?」
素直に私は頷く。
ゼスは目を閉じた。
「これなら、しばらく何もかぁ?」
目を閉じたまま言ったけれど。
すぐに目を開けてゼスは嬉しそうにと。
私を抱き上げた。
凄く嬉しそうに笑いながらだった。
「やっぱユアナは…
スゲェなぁ!!
それに…
これは俺からもだ。
ちゃんと言わねぇとなぁ…
ユアナ?
こんなにも綺麗なミサンガを。
ありがとう。
俺も大切にする。」
それにと私も嬉しくて笑う。
「良いんだよ!!
ゼスが笑うなら!!
それにゼスの願いが叶うなら…
私も嬉しい!!」
そのままでゼスは大きく言った。
「俺は充分!!
もう幸せだろうなぁ!?
あはははは!!
よし、ユアナ?
今日は、このまま家に帰るぞぉ?」
私も頷いて、皆にも笑った。
「皆も本当にありがとう!!
私は優しい皆も凄く嬉しいよ!!」
皆も嬉しそうに笑ったのを見た。
もう、それだけで私は嬉しかった。
それに思う…
頑張って良かった!!
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