色んなことが、ふと、気になって

小椋夏己

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2023年  6月

前半最高の回のあまちゃん

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 再放送している朝ドラの「あまちゃん」が次回から東京編に入ります。
 その北三陸編のラストの今回が、本当にいい話なんです。

 知らない方のためにかいつまんでお話を。

 架空のローカル鉄道「北三陸鉄道」に24年前にこの町を出ていった天野春子が娘の天野アキを連れて戻ってきます。帰ってきたのには理由があるんですが、今回は割愛します。

 実家には母の天野夏さんが一人暮らし、24年ぶりに会った母と子は険悪ですが、孫のアキは「北の海女」の祖母夏、通称「夏ばっぱ」の姿に「かっけぇ~」と好意を持ち、なんやかんやあって「おらも海女になりてえ」と新人海女になります。

 東京で生まれ育ったアキですが、東京では友達もなく「いいことなんか一つもなかった」と東京が嫌い。北三陸を大好きになり、「東京さ帰りだくねえ」と、またこれも色々あって転校し、母の生まれ故郷で母と共に生活を始めます。

 そのアキが「ミス北鉄」ことユイちゃんという親友と、これまた色々あって「潮騒のメモリーズ」というユニットを限定で組んでご当地アイドルになるんですが、今日、ついに本物のアイドルになるために東京へと旅立ちました。

 実は、母の春子はこの時から25年前、「北三陸鉄道」の開通の日、観光客を呼ぶために海女になってくれと言われるのですが、いつかアイドルになりたいと思い、家出をして東京へ行ったのです。

 そのためにアイドルになりたいというアキに猛反対するのですが、自分の時は反対をした母の夏に「どうしてアキには東京へ行けと言うのか」と思いをぶつけ、母の思いを知ります。そして春子もアキが東京へ行くことに賛成をするのです。

「自分の時には見送りに来てくれなかった」
 
 と思っていた春子ですが、実は母は春子が東京へ行くことを心の中では応援し、海から大漁旗を振って見送っていたのです。ですが、春子はこれまた色々あってそれを見ていませんでした。

「夏さんは春ちゃんの見送りをしていた」
 
 25年後、春子はそのことを初めて知ります。

 そしてアキはまた色々あって、一人で東京へ行くことになります。
 心さびしく、本当は東京へは行きたくないアキですが、今度は母の時と同じく大漁旗を振っている祖母の姿に気づき、笑顔で手を振って東京へ旅立ったのでした。

 このシーンがね、もう最高なんです。
 このドラマ、ヒロインはアキなんですが、祖母、母、孫の3人がヒロインと言っていい!
 25年前と同じで同じではない、そのシーンを描くことですべてのわだかまりが解け、新しく前に向いて進んでいける、そんな回になっています。

 10年前に見てしっかり覚えていて、今日の再放送を楽しみに、楽しみにしてました。
 
 やっぱり「かっけぇ~」と言ってしまう、前半一番の回でした。
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