色んなことが、ふと、気になって

小椋夏己

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2023年  6月

息子にほしい

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 毎日、

「大谷選手」

 という言葉を聞かない日はありません。

 野球にあまり興味がなく、詳しくない私でも、なんだか色々なことを知らないうちに知ってしまうぐらい、テレビでは始終大谷選手の話題をやっています。
 そして、それだけのことを言われて、話題に出て、それが不思議じゃないぐらいすごい人なんだな、ということも理解しています。
 やってたら、私もついつい見てしまいますし。

 先日、「紙兎ロペ」でもそのことを取り上げていました。
 
 アキラ先輩が、

「今、日本中で大谷が自分の息子だったらって言われてるんだろうな」

 そう言ってるのを聞いて笑いました。

 そしてその続きがロペらしい。

「こっちからしたら、そんな息子に育てたかーちゃんほしかった」

 これにも笑いました。
 確かに逆の立場から考えると、そういうことにもなりますよね。

 そして、うちの母親もそんなことを言っていたのを思い出しました。

 多分、テレビで甲子園の話題をやっていた時のことです。

「こういうところで優勝した選手のおかあさんです、ってインタビューとか受けたいと思ってた」

 みたいなことを母親が言い出しました。

 うん、言われても、どこからどう見ても全くかすりもしないので、言われたからってどうにもできないんですけどね。
 よく、親が自分ができなかったことを子どもに託す、というのがありますが、うちの母親の場合はそういうのじゃなく、なんでもいいから子どもがそういう晴れがましいことになり、「お母さんです」と紹介されたかった、みたいなことをちょこちょこと言っていたのです。

 なので、うちの母親の場合は、大谷選手ではなく、

「ヌートバー選手の母になりたかった」

 な気がします。

 あの楽しいお母さん、息子と一緒にメガネのCMにも出てましたもんね。
 大谷選手のお母さん、というかご両親、他の家族、私は一切見たことがないです。もしかしたらマスコミにも紹介されてたのかも知れませんが、それよりやっぱり、お母さんというとヌートバー母がまっさきに浮かびます。

 なのできっと、日本の母の中には、

「大谷選手みたいな息子が欲しかった」

 じゃなく、

「ヌートバーみたいな息子が欲しかった」
 
 みたいな人もいるに違いない、そう思いました。

 みなさんはどっちの息子がほしいですか?
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