色んなことが、ふと、気になって

小椋夏己

文字の大きさ
上 下
22 / 597
2021年  8月

けろけろ

しおりを挟む
 今回も前々回の「みんみん」を書いていた時に、ふと、思い出したことです。

 ある時、確か6月だったと思うのですが、何しろ少しばかり前のことで、もしかしたら秋だった可能性もあります。でも気持ち的には梅雨の時期、そんな雨の夕刻だったことは間違いない。

 その日、ある場所から車で家に戻る途中、お天気が悪かったこともあり、まだ夕方ちょっと過ぎぐらいだったのですが、空は暗く、大雨というほどではないですが、結構な雨が降ってました。

 そこから帰るにはいくつか道があります。一番大きな県道はその時刻にはかなり混むので、裏道を通って帰ろうと思いました。
 この「裏道1」は、田んぼや畑の真ん中をくねくねと曲がって走っている道です。あまりいい道ではないので通行する車は少ないのですが、裏道を知ってる人は結構通ってます。街灯も少ないのですが、車のヘッドライトで照らせばあまり問題はないし、対向車がない時にはハイビームでそこそこ先まで照らせばなんの問題もなく走れます。

 そこに通りがかった時、くねくね道の向こうの方からこっちに来る対向車は見えたのですが、まだ遠く、すれ違うまではいいかとハイビームにして走ってました、そしたら、

「ええっ、なにこれ!」

 ライトで遠く照らされた少し先の道を、私から見て右から左、北から南、山の方から海の方へ向かって小さなカエルの大群が道を渡ってる!
 思わず車を止めてしまいました。

 バックミラーには小さく後ろの車のライトが見える。
 2台すれ違えるぐらいの反対車線、前方からも小さくやってくる車のライトが見える。
 そしてカエルを避けようとして方向転換するほどの広さもない。

「ええ、ええ、これ、どうしたらいいの!」

 前方を、小さなカエルが本当に山ほど、数え切れないほどがぴょんぴょん道を渡ってどこかに移動してるんです。
 どう走っても踏まないなんて不可能だ……

 どうしようと思ったんですが、対向車は来る、後ろのヘッドライトもどんどん大きくなってくる。仕方なく再スタートしました。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 心の中でも口に出しても言いながら走ったんですが、絶対私が踏んだのって数十匹ってもんじゃなかったはず。だって、しばらくの間ずっと、カエルの大群のパレード状態だったんですから。

 おそらく、前の車も後ろの車も同じように思ってただろうと思いますが、本当にどうしようもなかったんです。カエルってああいう行動を普通にとるものなのかなあ。

 前々回、みんみんがひかれてたと書いていて、ふと、思い出しました。
 今は通ることのないその道、今も時々カエルの大群が通っているのか、ちょっと気になってます。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

投稿インセンティブで月額23万円を稼いだ方法。

克全
エッセイ・ノンフィクション
「カクヨム」にも投稿しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

榛名の園

ひかり企画
青春
荒れた14歳から17歳位までの、女子少年院経験記など、あたしの自伝小説を書いて見ました。

処理中です...