色んなことが、ふと、気になって

小椋夏己

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2021年  6月

大きな方をあげる

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 先日、知人と話していて、なぜだったか、

「パンが一つあって分ける時、相手に大きい方をあげる」

 という話になりました。

 私がそう言うと、その知人が自分もそうだと言いながら、

「でも、相手が彼女の時、女の子に大きい方をあげたら失礼かな、と思ってしまう」

 と言うもので、

「その場合は相手がまた食べきれないって分けてくれたりしないか?」

 と言って冷やかしたりしてました。

 かわいいですよね、この知人。

 それでさらに話をしていたら、その知人が、ふと、思い出したようにこんな話をしてきました。

 週に何回か彼女さんが家に来て半同棲状態らしいのですが、彼女さんが来ている時にはコーヒーを2つ買って帰るんだそうです。

「だけど、彼女がいつも半分残すので、コーヒー好きな自分が残してるのを飲んでしまって……」

 えっと、のろけですか? と思ったんですが、

「彼女さん、コーヒー好きなのでわざと残してくれてるんじゃないの?」

 と、また冷やかしたら、

「それが、いつも『まだ飲むつもりで残してるのにどうして人のを飲むの?』と怒られる」

 んだそうです。

 この知人にしたら、買って帰ったのは自分だし、いらなくて残してるのなら、と思ってつい飲んでしまうのだそうですが、まあ一度あげたものですから、黙って飲まず、

「今度から3本買って帰りなさい、そうしたら自分も1本以上飲めるから。もしくは缶コーヒー箱買いしといて、彼女さんの残りには手を付けないように」

 と、アドバイスしておきました。

 いやあ、どっちなんでしょうね? 本当に深刻にケンカになりそうなのか、それともなにげにのろけられたのか?

 なんとなく、そうやってじゃれて楽しんでるような気がします。
 多分パンの半分こと同じ、残ったのをそうしてやり取りして仲良くやってるんだろう、と思ってます、うん。お幸せに!
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