5 / 597
2021年 6月
にんじんとメロン
しおりを挟む
今夜、メロンを食べていて、ふと、思い出しました。
子供の頃、ルナールの小説「にんじん」を途中まで読んでやめてしまいました。
なぜかと言いますと、主人公の「にんじん」がものすごくかわいそうだったからです。
主人公は確か「にんじんのような髪」をしているという理由で、家族からも馬鹿にするように「にんじん」と呼ばれている男の子です。本名は他にあるのに、家族が「にんじん」としか呼ばず、差別して不当な扱いを受けています。
ある日、家族でメロンを食べるんですが、
「おまえはメロンが嫌いだろうから食べなくていい」
みたいな理由、だったと思うのですが、とにかく1人だけメロンを食べさせてもらえず、家族が食べ終わったメロンの皮を、
「うさぎ小屋のうさぎにやってくるように」
そう言われてうさぎ小屋に持って行きます。
そこでにんじんはメロンの皮をすぐにうさぎにはやらず、
「ちょっと待ってろ」
と言って、まだ皮に付いている実を食べ、実がなくなったのからうさぎにやるのです。
そのシーンの挿絵があり、うさぎ小屋に何匹かのうさぎがいて、男の子がメロンの皮を持ってせっせと食べているシーンでした。
それがね、なんか子供心になんかすごく嫌で、悲しくて、そこで読むのをやめてしまいました。
メロンやスイカを食べていると時々思い出していたんですが、それを誰かに話したことはありませんでした。でも今夜はふと、話したくなったのでその話をしました。
「児童文学だったらきっとハッピーエンドになったんじゃないの?」
話した相手がそう言ってくれて、私も、
「小公子や小公女もそうだし、にんじんもきっとそうかな」
と、あらためて読んでみようかなと思いました。
それでネットで検索かけてみたんですが、うーん……これ、ハッピーエンドになるのか?
どうやら小説と戯曲の両方があるらしく、なんとなくホッとするようなハッピーエンドにはならないような……
私が読んだのは、おそらく子供用に訳されたものだと思うので、そういうのはハッピーエンドになってるっぽい気もするのですが、大人になった今読んだら、なんとなく逆に考え込んでしまいそうな、そんな嫌な予感もしてます。
にんじん、幸せになってるといいんだが……
子供の頃、ルナールの小説「にんじん」を途中まで読んでやめてしまいました。
なぜかと言いますと、主人公の「にんじん」がものすごくかわいそうだったからです。
主人公は確か「にんじんのような髪」をしているという理由で、家族からも馬鹿にするように「にんじん」と呼ばれている男の子です。本名は他にあるのに、家族が「にんじん」としか呼ばず、差別して不当な扱いを受けています。
ある日、家族でメロンを食べるんですが、
「おまえはメロンが嫌いだろうから食べなくていい」
みたいな理由、だったと思うのですが、とにかく1人だけメロンを食べさせてもらえず、家族が食べ終わったメロンの皮を、
「うさぎ小屋のうさぎにやってくるように」
そう言われてうさぎ小屋に持って行きます。
そこでにんじんはメロンの皮をすぐにうさぎにはやらず、
「ちょっと待ってろ」
と言って、まだ皮に付いている実を食べ、実がなくなったのからうさぎにやるのです。
そのシーンの挿絵があり、うさぎ小屋に何匹かのうさぎがいて、男の子がメロンの皮を持ってせっせと食べているシーンでした。
それがね、なんか子供心になんかすごく嫌で、悲しくて、そこで読むのをやめてしまいました。
メロンやスイカを食べていると時々思い出していたんですが、それを誰かに話したことはありませんでした。でも今夜はふと、話したくなったのでその話をしました。
「児童文学だったらきっとハッピーエンドになったんじゃないの?」
話した相手がそう言ってくれて、私も、
「小公子や小公女もそうだし、にんじんもきっとそうかな」
と、あらためて読んでみようかなと思いました。
それでネットで検索かけてみたんですが、うーん……これ、ハッピーエンドになるのか?
どうやら小説と戯曲の両方があるらしく、なんとなくホッとするようなハッピーエンドにはならないような……
私が読んだのは、おそらく子供用に訳されたものだと思うので、そういうのはハッピーエンドになってるっぽい気もするのですが、大人になった今読んだら、なんとなく逆に考え込んでしまいそうな、そんな嫌な予感もしてます。
にんじん、幸せになってるといいんだが……
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる