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第五章 第二部
2 小さな報復
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「ちょちょちょちょ、ちょっと待てよ!」
ベルが鼻をつまんでいたトーヤの手を振りほどく。
「なんか、やな言い方するよな! それって、マユリアのこと疑ってるってことか?」
シャンタルが作る魔法の灯りの中、ベルの顔がゆらゆらと揺れる。
「そうだ」
トーヤの顔も揺れながらきっぱりとそう答える。
「なんでだよ! マユリアだぞ? あの人がそんなことするわけないだろ! それにあの光だってマユリアを助けてくれって言ってたじゃねえか!」
「そのマユリアってのは、どのマユリアだ?」
「え?」
ベルがキョトンとした顔になる。
「あの光が言ったのは、自分の分身ですげえべっぴんの当代マユリアのことか? それともその中に入ってる女神マユリアか? もしかすると先代マユリアのラーラ様かも知れねえな。逆に、割り込みでマユリアになってすぐ当代にそれを譲るうちのシャンタルか? いや、次にマユリアになる当代のことも知れねえな。さて、どのマユリアだ?」
「そ……」
言われてベルが答えに困る。
確かに考えようによると「マユリア」とは一人のことではない。
「まだあるぞ。あの海に眠ってる女神マユリアのことかも知れん。今は体はラーラ様に譲っちまったが、それでもあそこにいるってなこと言ってたよな。色々よく分からんことを言ってたが、それでも今もまだマユリアの心だか命だかは海にいる、ってな話だった」
「そ、そんなこと言われても……」
「確かにあの光はマユリアを助けてくれと言った。だが、あの海から俺を狙った意識は、確かに聖なる湖でシャンタルを引っ張ったやつだし、懲罰房で恨みのかたまりになってた侍女たちの意識だった。だったらそれはなんでだ? なんでマユリアの海からそんなもんが俺を引っ張った」
ベルにはもう何も答えられなかったが、それでも何か言わないと、と思ったように、言葉を絞り出す。
「そ、それはなんでか分かんねえけど、けどさ、今のマユリアとかラーラ様はシャンタルのために、自分たちも湖に沈もうって思うほどの人たちだぜ? それにうちのシャンタルも当代も、絶対にそんなことするような人間じゃない。トーヤだって、それはよく分かってるだろ?」
「俺は」
まだ何か言いたそうなベルをトーヤがそう言って止める。
「俺はな、必要だったらおまえのことも疑う」
トーヤの言葉にベルが息を飲んだ。
そうだ、前にもトーヤはこう言ったことがある。
アルロス号の上、ディレンに秘密を知られてしまい、トーヤは、
『俺のミスだ。だから、俺が片を付ける』
そう言った。
そして、必死に止めるベルにさらにトーヤはこうも言った。
『誰が相手でもな、なんとかしなきゃいけない時はあるんだ』
と。
その言葉にベルが、
『それ、もしもおれが相手でもか?』
と続けて尋ねた時も、
『ああ、そうだ、おまえが相手でもな』
そう迷いなく言ったのだ。
ベルはその言葉が嘘ではないと知っている。もしも、本当にその必要ができたなら、トーヤは苦しみながらも自分のことを「なんとか」するはずだ。だからこそ「死神」なのだと。
だが、その後でトーヤははっきりとこうも言った。
『どうしても必要なら、な。だが絶対にそんなことにはならねえから安心しろ』
ベルはその言葉も本当であると知っている。トーヤは何があっても「そんなことにならねえ」ようにしてくれる。ベルはそう信じている。
だから、だから……
「そう、なんだよな」
ベルは小さくぼそっとそう言った。
「そのためにも、どうなのかちゃんと知らないといけない。そういうことなんだよな……」
ベルの言葉に、
「そうだ、そういうことだ」
と、トーヤは優しくベルの頭に手を置いた。
「信用している相手だからそんなことをするはずがない、調べもせずにそう思い込むのは愚の骨頂だ」
「うん、分かった」
「分かったんならいい」
トーヤはそう言って置いた手を優しくゆさゆさと動かした。
トーヤはずるい。
いつもベルはそう思う。
いつも優しくて、そしてすぐに謝る。
だからいつも、それ以上責められなくなってしまうのだ。
だが、今回はベルも小さな報復を思い浮かべた。
「なあ」
「なんだ?」
「一つだけ聞いてもいいか」
「だからなんだ」
ベルはトーヤの手が乗った頭、男の子に偽装するために短くして黒く染めた髪の下で、固い表情で続ける。
「トーヤは必要だったらおれのことも疑うって言ったじゃん?」
「ああ言った」
「それ、兄貴やシャンタルでも?」
「ああ、アランやシャンタルでもだ」
「じゃあ、ミーヤさんでも?」
一瞬、トーヤの手がベルの頭の上で固まった。
「……ああ、ミーヤでもな」
「そうか、分かった」
ベルの答えを待ちかねるようにして、トーヤはベルの頭から手を放した。
まるで、その手から心の内を知られることを恐れるように。
(もう遅いからな、おれにはちゃんとわかったから)
ベルは少しうつむいた姿勢のまま心の中でざまあみろと思った。
(トーヤの嘘つき。ミーヤさんだけは、何があっても疑ったりなんとかしたりなんかできねえくせにさ)
ベルは小さな報復が成功したことで、少しだけ胸がすっとして、そしてその分だけ重くなったのを感じていた。
ベルが鼻をつまんでいたトーヤの手を振りほどく。
「なんか、やな言い方するよな! それって、マユリアのこと疑ってるってことか?」
シャンタルが作る魔法の灯りの中、ベルの顔がゆらゆらと揺れる。
「そうだ」
トーヤの顔も揺れながらきっぱりとそう答える。
「なんでだよ! マユリアだぞ? あの人がそんなことするわけないだろ! それにあの光だってマユリアを助けてくれって言ってたじゃねえか!」
「そのマユリアってのは、どのマユリアだ?」
「え?」
ベルがキョトンとした顔になる。
「あの光が言ったのは、自分の分身ですげえべっぴんの当代マユリアのことか? それともその中に入ってる女神マユリアか? もしかすると先代マユリアのラーラ様かも知れねえな。逆に、割り込みでマユリアになってすぐ当代にそれを譲るうちのシャンタルか? いや、次にマユリアになる当代のことも知れねえな。さて、どのマユリアだ?」
「そ……」
言われてベルが答えに困る。
確かに考えようによると「マユリア」とは一人のことではない。
「まだあるぞ。あの海に眠ってる女神マユリアのことかも知れん。今は体はラーラ様に譲っちまったが、それでもあそこにいるってなこと言ってたよな。色々よく分からんことを言ってたが、それでも今もまだマユリアの心だか命だかは海にいる、ってな話だった」
「そ、そんなこと言われても……」
「確かにあの光はマユリアを助けてくれと言った。だが、あの海から俺を狙った意識は、確かに聖なる湖でシャンタルを引っ張ったやつだし、懲罰房で恨みのかたまりになってた侍女たちの意識だった。だったらそれはなんでだ? なんでマユリアの海からそんなもんが俺を引っ張った」
ベルにはもう何も答えられなかったが、それでも何か言わないと、と思ったように、言葉を絞り出す。
「そ、それはなんでか分かんねえけど、けどさ、今のマユリアとかラーラ様はシャンタルのために、自分たちも湖に沈もうって思うほどの人たちだぜ? それにうちのシャンタルも当代も、絶対にそんなことするような人間じゃない。トーヤだって、それはよく分かってるだろ?」
「俺は」
まだ何か言いたそうなベルをトーヤがそう言って止める。
「俺はな、必要だったらおまえのことも疑う」
トーヤの言葉にベルが息を飲んだ。
そうだ、前にもトーヤはこう言ったことがある。
アルロス号の上、ディレンに秘密を知られてしまい、トーヤは、
『俺のミスだ。だから、俺が片を付ける』
そう言った。
そして、必死に止めるベルにさらにトーヤはこうも言った。
『誰が相手でもな、なんとかしなきゃいけない時はあるんだ』
と。
その言葉にベルが、
『それ、もしもおれが相手でもか?』
と続けて尋ねた時も、
『ああ、そうだ、おまえが相手でもな』
そう迷いなく言ったのだ。
ベルはその言葉が嘘ではないと知っている。もしも、本当にその必要ができたなら、トーヤは苦しみながらも自分のことを「なんとか」するはずだ。だからこそ「死神」なのだと。
だが、その後でトーヤははっきりとこうも言った。
『どうしても必要なら、な。だが絶対にそんなことにはならねえから安心しろ』
ベルはその言葉も本当であると知っている。トーヤは何があっても「そんなことにならねえ」ようにしてくれる。ベルはそう信じている。
だから、だから……
「そう、なんだよな」
ベルは小さくぼそっとそう言った。
「そのためにも、どうなのかちゃんと知らないといけない。そういうことなんだよな……」
ベルの言葉に、
「そうだ、そういうことだ」
と、トーヤは優しくベルの頭に手を置いた。
「信用している相手だからそんなことをするはずがない、調べもせずにそう思い込むのは愚の骨頂だ」
「うん、分かった」
「分かったんならいい」
トーヤはそう言って置いた手を優しくゆさゆさと動かした。
トーヤはずるい。
いつもベルはそう思う。
いつも優しくて、そしてすぐに謝る。
だからいつも、それ以上責められなくなってしまうのだ。
だが、今回はベルも小さな報復を思い浮かべた。
「なあ」
「なんだ?」
「一つだけ聞いてもいいか」
「だからなんだ」
ベルはトーヤの手が乗った頭、男の子に偽装するために短くして黒く染めた髪の下で、固い表情で続ける。
「トーヤは必要だったらおれのことも疑うって言ったじゃん?」
「ああ言った」
「それ、兄貴やシャンタルでも?」
「ああ、アランやシャンタルでもだ」
「じゃあ、ミーヤさんでも?」
一瞬、トーヤの手がベルの頭の上で固まった。
「……ああ、ミーヤでもな」
「そうか、分かった」
ベルの答えを待ちかねるようにして、トーヤはベルの頭から手を放した。
まるで、その手から心の内を知られることを恐れるように。
(もう遅いからな、おれにはちゃんとわかったから)
ベルは少しうつむいた姿勢のまま心の中でざまあみろと思った。
(トーヤの嘘つき。ミーヤさんだけは、何があっても疑ったりなんとかしたりなんかできねえくせにさ)
ベルは小さな報復が成功したことで、少しだけ胸がすっとして、そしてその分だけ重くなったのを感じていた。
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