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2022年 12月
2022年のクリスマス
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平成の御世には12月23日は天皇誕生日、祝日でお休みなのでその日にクリスマスパーティーやっちゃう人も多かったなあ。
「天皇誕生日がある頃はよかったのになあ」
年末に1日休日が多いというのはかなりかなり、助かるのだ。だから1日ぐらいクリスマスに回そうかという気分にもなったし、町に繰り出すこともできた。
でも今はこういうご時世で、無理を押して人混みの町に出る気にもならない。やるべきことはやっているが、それでもどこでどう流行病をもらうかも分からない。
休みが減った、プラス、自分の健康保持のために出かけないことにしたのだ。
「それでも今年は暦がよかったわよね」
そう、今年のクリスマスはイブの24日が土曜日、本番の25日が日曜日と連休だ。
これを利用して遊びに行く人もいるだろうけど、上記の理由で私は部屋ごもりをする道を選んだ。
もしも今の時代じゃなかったら、それでもせっかくの連休だからと、イブの土曜日は一日遊んで日曜日に休むという選択肢もあったかも知れないが、今はまだまだそんな気にはなれない。
「さて、と、昨日の続きをしますかね、っと」
昨日は朝一番で出かけてケーキとチキンとサラダ、バゲット、そしてちょっとしたつまみになりそうなお惣菜と、奮発してちょっといいシャンパンを2本買ってきた。クリスマスの準備を全部済ませて、それからずっとコタツに入ってのんびりと過ごしている。
お一人様のクリスマス、もしかしてわびしいかなとも思ったけど、案外そんなこともなかった。
ごちそうとケーキを食べ、ちびちび飲みながらノートパソコンでサンタの行き先なんぞを追っていたら、なんだかとっても楽しかった。
私がこうして引きこもりのクリスマスを迎えようと思ったのには、ある友人の影響もあった。
会社で同僚の夕湖は実家が居酒屋だとかで、クリスマスに限らず年末は両親が忙しく、とっても相手をしてもらう余裕なんかなかったとか。
「だからクリスマスにはお金を渡されてね、これで好きな物を買っておいでって言われてた。それで私は好きなケーキやごちそう、おもちゃなんかを買って帰ってね、一人で家でクリスマス。つまりセルフサンタさんってわけ」
そう言って夕湖は清々しく笑った。
小さい子がそうして一人でクリスマスを過ごすって、さびしくて嫌な思い出となってても不思議ではないのに、自分で自分をもてなしていたと、いい思い出に変えてしまった夕湖にハッとさせられたのだ。
本心はどうかは分からない。だけど、今はそうやって笑える夕湖が、セルフサンタさんがなんだかいいなと思ってしまったのだ。
「さあて、私もセルフサンタさんだど、っと」
昨日は一応きれいに盛り付けたチキンやサラダ、カットしてお皿に乗せたケーキなんかを、今日はそのままパックのまま、ケーキ屋さんのトレイのまま、どーんとコタツの上に並べて一人酒盛りだ。
ちびちびともう1本のシャンパンを飲みながら、パソコンの画面を見ると、25日の夕刻になり、サンタはアメリカ大陸までぐるりと地球を回ってきている。ポイントでそりから降りては煙突からどさどさとプレゼントを投げ入れている姿がかわいらしい。
サンタを見て笑っていたら、スマホが電話の着信を知らせてきた。故郷の母だ。
「はあい、うん、めりくり~! 元気してるよー、うん、いや、今年は一人で部屋で過ごしてるけん、うん、うん、また妖精さんが増えてきたけん、お正月は帰るのやめとくよ。うん、うん、だ~いじょうぶやって。ちゃんと注射もうけとるし、手洗いうがいにマスクもしとるって。うんうん、うん、分かった。うん、そっちも気をつけてね、そんじゃまた」
やれやれ、相変わらず心配性な母だ。でも一人こうしていると、そんな気持ちがいつもよりももっとうれしくなってしまう。
友人たちとはリモートでつなぎを取ってはおしゃべりしてるから、特に孤独は感じないけど、やっぱりこういうのはまた別ですな。
そうしてふっと気がついた。
「クリスマスは土日でよかったけど元旦が日曜日か~なんか、こっちは損した気がする~」
そのままパラパラと来年のカレンダーをめくっていくと、2月11日の「建国記念の日」は土曜日で振替休日にもなりゃしない。
「ありゃ、ゴールデンウイークも!」
4月29日の「昭和の日」がやっぱり土曜日で1日損だ。
さらに9月23日の「春分の日」もやっぱり土曜日!
「これはこれはどうなっていると言うのでしょ~おか、っと」
そうして12月まで見ていったら、クリスマスはイブが日曜日で25日は月曜日の普通の日。
「だけど、ほらほら、いいことあるよ」
来年の大晦日は日曜日、前日の30日が土曜日なのでそこから4日まで6連休ではありませんか!
「今年をこうして乗り切ったら、来年はきっといい年になりそう」
そう、来年の、2023年のクリスマスはきっとみんなでワイワイ騒げる。そして再来年の長いお正月休みには、
「母ちゃん、ちょっと長く帰るけん、待っとってよね」
きっと今年の分もにぎやかなクリスマスがやってくる。
だから今年は、昨日は、今日は、
「楽しく一人でめりくりー!」
空中の見えない誰かとグラスをぶつけ、勢いよくシャンパンを流し込んだ。
「天皇誕生日がある頃はよかったのになあ」
年末に1日休日が多いというのはかなりかなり、助かるのだ。だから1日ぐらいクリスマスに回そうかという気分にもなったし、町に繰り出すこともできた。
でも今はこういうご時世で、無理を押して人混みの町に出る気にもならない。やるべきことはやっているが、それでもどこでどう流行病をもらうかも分からない。
休みが減った、プラス、自分の健康保持のために出かけないことにしたのだ。
「それでも今年は暦がよかったわよね」
そう、今年のクリスマスはイブの24日が土曜日、本番の25日が日曜日と連休だ。
これを利用して遊びに行く人もいるだろうけど、上記の理由で私は部屋ごもりをする道を選んだ。
もしも今の時代じゃなかったら、それでもせっかくの連休だからと、イブの土曜日は一日遊んで日曜日に休むという選択肢もあったかも知れないが、今はまだまだそんな気にはなれない。
「さて、と、昨日の続きをしますかね、っと」
昨日は朝一番で出かけてケーキとチキンとサラダ、バゲット、そしてちょっとしたつまみになりそうなお惣菜と、奮発してちょっといいシャンパンを2本買ってきた。クリスマスの準備を全部済ませて、それからずっとコタツに入ってのんびりと過ごしている。
お一人様のクリスマス、もしかしてわびしいかなとも思ったけど、案外そんなこともなかった。
ごちそうとケーキを食べ、ちびちび飲みながらノートパソコンでサンタの行き先なんぞを追っていたら、なんだかとっても楽しかった。
私がこうして引きこもりのクリスマスを迎えようと思ったのには、ある友人の影響もあった。
会社で同僚の夕湖は実家が居酒屋だとかで、クリスマスに限らず年末は両親が忙しく、とっても相手をしてもらう余裕なんかなかったとか。
「だからクリスマスにはお金を渡されてね、これで好きな物を買っておいでって言われてた。それで私は好きなケーキやごちそう、おもちゃなんかを買って帰ってね、一人で家でクリスマス。つまりセルフサンタさんってわけ」
そう言って夕湖は清々しく笑った。
小さい子がそうして一人でクリスマスを過ごすって、さびしくて嫌な思い出となってても不思議ではないのに、自分で自分をもてなしていたと、いい思い出に変えてしまった夕湖にハッとさせられたのだ。
本心はどうかは分からない。だけど、今はそうやって笑える夕湖が、セルフサンタさんがなんだかいいなと思ってしまったのだ。
「さあて、私もセルフサンタさんだど、っと」
昨日は一応きれいに盛り付けたチキンやサラダ、カットしてお皿に乗せたケーキなんかを、今日はそのままパックのまま、ケーキ屋さんのトレイのまま、どーんとコタツの上に並べて一人酒盛りだ。
ちびちびともう1本のシャンパンを飲みながら、パソコンの画面を見ると、25日の夕刻になり、サンタはアメリカ大陸までぐるりと地球を回ってきている。ポイントでそりから降りては煙突からどさどさとプレゼントを投げ入れている姿がかわいらしい。
サンタを見て笑っていたら、スマホが電話の着信を知らせてきた。故郷の母だ。
「はあい、うん、めりくり~! 元気してるよー、うん、いや、今年は一人で部屋で過ごしてるけん、うん、うん、また妖精さんが増えてきたけん、お正月は帰るのやめとくよ。うん、うん、だ~いじょうぶやって。ちゃんと注射もうけとるし、手洗いうがいにマスクもしとるって。うんうん、うん、分かった。うん、そっちも気をつけてね、そんじゃまた」
やれやれ、相変わらず心配性な母だ。でも一人こうしていると、そんな気持ちがいつもよりももっとうれしくなってしまう。
友人たちとはリモートでつなぎを取ってはおしゃべりしてるから、特に孤独は感じないけど、やっぱりこういうのはまた別ですな。
そうしてふっと気がついた。
「クリスマスは土日でよかったけど元旦が日曜日か~なんか、こっちは損した気がする~」
そのままパラパラと来年のカレンダーをめくっていくと、2月11日の「建国記念の日」は土曜日で振替休日にもなりゃしない。
「ありゃ、ゴールデンウイークも!」
4月29日の「昭和の日」がやっぱり土曜日で1日損だ。
さらに9月23日の「春分の日」もやっぱり土曜日!
「これはこれはどうなっていると言うのでしょ~おか、っと」
そうして12月まで見ていったら、クリスマスはイブが日曜日で25日は月曜日の普通の日。
「だけど、ほらほら、いいことあるよ」
来年の大晦日は日曜日、前日の30日が土曜日なのでそこから4日まで6連休ではありませんか!
「今年をこうして乗り切ったら、来年はきっといい年になりそう」
そう、来年の、2023年のクリスマスはきっとみんなでワイワイ騒げる。そして再来年の長いお正月休みには、
「母ちゃん、ちょっと長く帰るけん、待っとってよね」
きっと今年の分もにぎやかなクリスマスがやってくる。
だから今年は、昨日は、今日は、
「楽しく一人でめりくりー!」
空中の見えない誰かとグラスをぶつけ、勢いよくシャンパンを流し込んだ。
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