4 / 81
俺っ娘美少女? 高崎 明翔
しおりを挟む
ゴールデンウィークも明けてすぐ、5時間目のホームルームの時間に担任化学教師が白いタンクトップ姿で
「席替えをしまーす! 毎月席替えをするので、みんな周りの人に積極的に話しかけて仲良しクラスを目指しましょうー」
と元気いっぱいに告げた。
げ。毎月席替えとか、超めんどくせ。なんだそのクラス仲良し大作戦は。
高2にもなってそんな友達100人作るんだーって気合い入ってるようなヤツいねーよ。
席替えが終わると同時にチャイムが鳴った。
まだ机運んでるヤツもいるのに、担任は教室を出て行く。マイペースだな、あの教師。
前の席になったヤツがくるっと振り返った。
「……あ!」
一条優――じゃなかった、高崎明翔だ!
うわ、まさか一条優のそっくりさんの後ろの席になるなんて。
高崎明翔はニッコリ笑った。うわ、かわいい……さすがは一条優のそっくりさん。顔面の破壊力やべえ。
「ねえ、君、名前なんて言うの? 俺、高崎明翔!」
「俺?! あ、ごめん、呂久村深月」
そっか、スラックス履いてるくらいだから、俺っ娘でも不思議ねえか。
「深月ね。よろしく!」
「え、よろ……よろしく」
え、いきなり深月とか呼び捨てしてくんの? 俺はなんて呼べばいいんだよ?
「ああ、俺のことも明翔でいいよ、深月」
えらい察しがいいらしい。俺の疑問を秒で解消してくれた。
「お……おう、あ……すか」
言いにく! 言いにくいわ! 一条優と同じような顔してる相手に、いきなり明翔とか呼べねえわ!
「なあ、深月」
「え、何? あ……明翔」
聞こえるか聞こえないかくらいの声になっちゃったな。てか、たぶん聞こえてねえ。
「何か食うもんねえ?」
「は?!」
「俺、腹減っちゃってさー」
「え、5時間目終わったとこなんだけど。昼メシ食ってねえの?」
「食った。けどもう腹からなくなった」
「はえーな!」
明翔の隣の席へとまだ机を運んでいる女生徒に
「ねえ、君なんて名前? ううん、下の名前。莉蘿ね。ねえ莉羅、食うもんねえ?」
と俺に対してと同じように話しかけている。
「食べてる場合じゃないよ。次体育だから急いで着替えなきゃ」
と体操服袋を持って慌ただしく女生徒が教室を出て行く。
「あ、次体育か」
「あー、腹が減って力が出ねえ」
女子は女子更衣室、男子は教室で着替えである。男子の着替えはのぞき放題ってか。
おもむろに明翔がシャツのボタンを外していく。
え?! いくら俺っ娘でも、ここで着替えんの?!
「ちょ待っ……明翔、待て!」
「何?」
明翔が俺の顔を見た時にはすでに、明翔はシャツを脱いでいた。
鍛えられた胸筋があらわになる。
「え……男?!」
「は?!」
驚く俺に驚く明翔。爆笑する周りの男ども。
「呂久村、この1カ月明翔のこと女だと思ってたんだ?」
「分かる分かる、俺もてっきりアスカって名前の女だと思ってた」
男かよ! 名前が違う時点で分かってたけど、やっぱり絶対一条優じゃねえな。いや、分かってたんだけど。
え、じゃあ明翔のヤツ、男なのに女子にもあんな気安く下の名前聞いてたの?
女子が女子に聞いてると思って見てたから違和感なかったけど、この男すげーな!
男相手でも女相手でも何ら態度が変わらない。すげえ、女はめんどくさいって思っちゃう俺には考えらんねーわ。
「席替えをしまーす! 毎月席替えをするので、みんな周りの人に積極的に話しかけて仲良しクラスを目指しましょうー」
と元気いっぱいに告げた。
げ。毎月席替えとか、超めんどくせ。なんだそのクラス仲良し大作戦は。
高2にもなってそんな友達100人作るんだーって気合い入ってるようなヤツいねーよ。
席替えが終わると同時にチャイムが鳴った。
まだ机運んでるヤツもいるのに、担任は教室を出て行く。マイペースだな、あの教師。
前の席になったヤツがくるっと振り返った。
「……あ!」
一条優――じゃなかった、高崎明翔だ!
うわ、まさか一条優のそっくりさんの後ろの席になるなんて。
高崎明翔はニッコリ笑った。うわ、かわいい……さすがは一条優のそっくりさん。顔面の破壊力やべえ。
「ねえ、君、名前なんて言うの? 俺、高崎明翔!」
「俺?! あ、ごめん、呂久村深月」
そっか、スラックス履いてるくらいだから、俺っ娘でも不思議ねえか。
「深月ね。よろしく!」
「え、よろ……よろしく」
え、いきなり深月とか呼び捨てしてくんの? 俺はなんて呼べばいいんだよ?
「ああ、俺のことも明翔でいいよ、深月」
えらい察しがいいらしい。俺の疑問を秒で解消してくれた。
「お……おう、あ……すか」
言いにく! 言いにくいわ! 一条優と同じような顔してる相手に、いきなり明翔とか呼べねえわ!
「なあ、深月」
「え、何? あ……明翔」
聞こえるか聞こえないかくらいの声になっちゃったな。てか、たぶん聞こえてねえ。
「何か食うもんねえ?」
「は?!」
「俺、腹減っちゃってさー」
「え、5時間目終わったとこなんだけど。昼メシ食ってねえの?」
「食った。けどもう腹からなくなった」
「はえーな!」
明翔の隣の席へとまだ机を運んでいる女生徒に
「ねえ、君なんて名前? ううん、下の名前。莉蘿ね。ねえ莉羅、食うもんねえ?」
と俺に対してと同じように話しかけている。
「食べてる場合じゃないよ。次体育だから急いで着替えなきゃ」
と体操服袋を持って慌ただしく女生徒が教室を出て行く。
「あ、次体育か」
「あー、腹が減って力が出ねえ」
女子は女子更衣室、男子は教室で着替えである。男子の着替えはのぞき放題ってか。
おもむろに明翔がシャツのボタンを外していく。
え?! いくら俺っ娘でも、ここで着替えんの?!
「ちょ待っ……明翔、待て!」
「何?」
明翔が俺の顔を見た時にはすでに、明翔はシャツを脱いでいた。
鍛えられた胸筋があらわになる。
「え……男?!」
「は?!」
驚く俺に驚く明翔。爆笑する周りの男ども。
「呂久村、この1カ月明翔のこと女だと思ってたんだ?」
「分かる分かる、俺もてっきりアスカって名前の女だと思ってた」
男かよ! 名前が違う時点で分かってたけど、やっぱり絶対一条優じゃねえな。いや、分かってたんだけど。
え、じゃあ明翔のヤツ、男なのに女子にもあんな気安く下の名前聞いてたの?
女子が女子に聞いてると思って見てたから違和感なかったけど、この男すげーな!
男相手でも女相手でも何ら態度が変わらない。すげえ、女はめんどくさいって思っちゃう俺には考えらんねーわ。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説

なんか金髪超絶美形の御曹司を抱くことになったんだが
なずとず
BL
タイトル通りの軽いノリの話です
酔った勢いで知らないハーフと将来を約束してしまった勇気君視点のお話になります
攻
井之上 勇気
まだまだ若手のサラリーマン
元ヤンの過去を隠しているが、酒が入ると本性が出てしまうらしい
でも翌朝には完全に記憶がない
受
牧野・ハロルド・エリス
天才・イケメン・天然ボケなカタコトハーフの御曹司
金髪ロング、勇気より背が高い
勇気にベタ惚れの仔犬ちゃん
ユウキにオヨメサンにしてもらいたい
同作者作品の「一夜の関係」の登場人物も絡んできます

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?


ニケの宿
水無月
BL
危険地帯の山の中。数少ない安全エリアで宿を営む赤犬族の犬耳幼子は、吹雪の中で白い青年を拾う。それは滅んだはずの種族「人族」で。
しっかり者のわんことあまり役に立たない青年。それでも青年は幼子の孤独をゆるやかに埋めてくれた。
異なる種族同士の、共同生活。
※過激な描写は控えていますがバトルシーンがあるので、怪我をする箇所はあります。
キャラクター紹介のページに挿絵を入れてあります。
苦手な方はご注意ください。

目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。
彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。
……あ。
音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。
しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。
やばい、どうしよう。

転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。

【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。

王様は知らない
イケのタコ
BL
他のサイトに載せていた、2018年の作品となります
性格悪な男子高生が俺様先輩に振り回される。
裏庭で昼ご飯を食べようとしていた弟切(主人公)は、ベンチで誰かが寝ているのを発見し、気まぐれで近づいてみると学校の有名人、王様に出会ってしまう。
その偶然の出会いが波乱を巻き起こす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる