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ミズキさんに覚えてほしい
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「では、これにて新入社員の紹介を終わりまーす」
と締められた所で、水城さんが両手いっぱいに何かを抱えて戻って来て、脇に寄せられてるテーブルの1つに置いた。
みんな解散して出入口へと人が流れる。頼野さんが
「3人ともこちらに来てくれるかな」
と水城さんの立つテーブルへと呼ぶ。
「これ、靴です。社内ではこの靴に履き替えて下さい。これ作業着です。こっちの事務棟は服でいいんですけど、向かえにある工場に入る時は作業着で入って下さい。尾崎さんは私と同じ総務だから、そんなガッツリ工場に入ることもないので後で作業着代わりの白衣を置いてあるロッカー教えますね」
やっぱり水城さん総務の人だったんだ。さっきの天然っぷりが嘘みたいにしっかり説明してくれる。採用の連絡きた時に靴と服のサイズ聞かれたのはこのためだったんだな。会社って色んなルールがあるんだなあ……。
「片橋くん」
と水城さんが俺と片橋の顔を見る。僕です、と片橋が受け取る。
「シミズくん。はい、尾崎さん」
ありがとうございます、と受け取ったけど、作業着の入った袋と靴の入った箱には漢字で清水としか書いていない。キヨミズですって訂正したかったけど、流れを止めるのははばかられた。
「靴もらった? じゃあ高橋くん、片橋くんと清水くんに営業の更衣室教えてあげて」
と頼野さんが言った。いつの間にか、すぐそばに若い男と50代くらいそうなさっき営業部長だと紹介されたおじさんが立っていた。多分俺、おじさんはみんな50代に見えてるな、これ。
「尾崎さん、総務の更衣室教えるね」
と、平和の女神のように穏やかな笑顔で水城さんが声を掛けている。あー、水城さんに覚えてほしい。俺の名前はキヨミズだって。
と締められた所で、水城さんが両手いっぱいに何かを抱えて戻って来て、脇に寄せられてるテーブルの1つに置いた。
みんな解散して出入口へと人が流れる。頼野さんが
「3人ともこちらに来てくれるかな」
と水城さんの立つテーブルへと呼ぶ。
「これ、靴です。社内ではこの靴に履き替えて下さい。これ作業着です。こっちの事務棟は服でいいんですけど、向かえにある工場に入る時は作業着で入って下さい。尾崎さんは私と同じ総務だから、そんなガッツリ工場に入ることもないので後で作業着代わりの白衣を置いてあるロッカー教えますね」
やっぱり水城さん総務の人だったんだ。さっきの天然っぷりが嘘みたいにしっかり説明してくれる。採用の連絡きた時に靴と服のサイズ聞かれたのはこのためだったんだな。会社って色んなルールがあるんだなあ……。
「片橋くん」
と水城さんが俺と片橋の顔を見る。僕です、と片橋が受け取る。
「シミズくん。はい、尾崎さん」
ありがとうございます、と受け取ったけど、作業着の入った袋と靴の入った箱には漢字で清水としか書いていない。キヨミズですって訂正したかったけど、流れを止めるのははばかられた。
「靴もらった? じゃあ高橋くん、片橋くんと清水くんに営業の更衣室教えてあげて」
と頼野さんが言った。いつの間にか、すぐそばに若い男と50代くらいそうなさっき営業部長だと紹介されたおじさんが立っていた。多分俺、おじさんはみんな50代に見えてるな、これ。
「尾崎さん、総務の更衣室教えるね」
と、平和の女神のように穏やかな笑顔で水城さんが声を掛けている。あー、水城さんに覚えてほしい。俺の名前はキヨミズだって。
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