63 / 74
第63話 約束
しおりを挟む
「これが我々の見た全てです。何者かの力により口で語る事は許されずこの様な形になりました」
努めて冷静な声を装いながらヘルムスが語った。
バイアンはそんなヘルムスの背で顔を拭いていた。
「こんな事があったのか……これでは何も伝わらない訳だ」
レオ陛下が大きな溜息を吐いて椅子に腰を下ろした。
彼の視線を受けて、立ち尽くしていた皆が椅子に座る。
私もそれに倣ってなんとか座った。
流石に自分の死を見るのは中々に……衝撃的だった。
「マリアは……マリアンヌそっくりだったね? ほら、態度も性格も」
レオ陛下がポツリと漏らした一言に、エーゲルさんが苦笑いする。
「いや、流石にマリアンヌの方が幾分かまともな気もしますが……いや、やっぱり大差無いですかね」
男性2人が顔を見合わせて苦笑している所に、ヘルムスが真剣な顔をする。
「変わりないでしょう。恐らく、彼女の中身はマリアでしょうから。我が神に対する言動からも確信致しました」
私もそう思う。アリスだった私がこうしてここに居るのだから、彼女がそうでは無いと言い切れないし……何より今世では身に覚えのない恨みをぶつけられている気がするし……いや、前世のも殆ど逆恨みではあるのだけれど。
「俺達は勇者と魔王様の遺体……聖女様のもな。全てを手厚く葬り、聖女様の復活を待った。あの外道達の遺体は打ち棄てたが」
バイアンの言葉にヘルムスも頷いた。
「それからの長い年月は逃亡と潜伏の連続でした。魔人はあの時に大半を殺されてしまいましたし、魔王の治められていた土地はどんどん人間によって占領されて行き……所謂魔物と呼ばれた者達も駆逐されて行きました」
世界から魔法が殆ど失われた理由も、魔物達が居なくなった理由もこれで理解する事が出来た。
人間の欲によって、魔法使いも魔人も魔物もその数を減らして行ったのだと。
「なるほどなぁ、おっさん達大変だったんだなぁ」
ずっと口を開いて無かったプロイが『おっさん』と呼んだバイアンの肩を叩いた。
ニュクスの方は複雑そうな表情で何かを考え込んでいた。
「私達は待ち続けました。そして200年が経とうかというある日……神を名乗る声を聞いたのです」
「『聖女の目覚めは近い。我が教える秘術を用いて聖女の骨を加工しろ。そして聖女が同じ様に命を落とさぬよう、お前達が聖女教を作り我の導きで世の中に広めて行くのだ』ってな。そして後日聖女はマリアンヌだと告げられたわけだ」
魔人達の説明を聞いて考える。
恐らくその神というのが……あの少年神なのだろう。
(あの神はマリアを使って何かをしようとした。それを老神が私を利用して邪魔した? そして今度はマリアの生まれ変わりであるマリアンヌを使って何かしようとしていて……また邪魔する形になった私を前世の恨みを含めて殺そうとした……という事だろうか)
み……わが……み
「我が神よ、大丈夫ですか?」
「あ、うん。ごめんなさい。少し考え事をしていて」
私の言葉にヘルムスが安心したように微笑む。
その後、少し迷ったような顔をしてから私の目を真っ直ぐに見詰める。
私の前に跪き、あの幼い魔人と同じ目で私を見上げてくる。
「我が神にお尋ねしたい事があります。……貴女は……アリス様……なのですか?」
私の鼓動がひとつ、大きく鳴った。
呼吸を忘れそうになる沈黙と、それぞれの感情が込められた視線が私に集中する。
何と応えれば良いのか?
『はいそうです』と言った所で簡単に信じられるような話では無いし、気でも触れたと思われるかも知れない。
『いいえちがいます』と言ったなら、私の平穏は守られるのだろうか? それはあり得ない。あの少年神は私を敵として認識していた。
それに何より……
こんな縋るような視線を……あの怯えた幼い魔人と変わらない目を向けて来る相手に……嘘なんてつけるものか。
「ごめん……ね。遅くなって、待たせて。覚えて居られなくて……泣かせて」
私がヘルムスの頭を撫でると、見上げていたヘルムスの瞳から涙が溢れる。
「寂しかったです、辛かったです」
「うん」
「魔王様も逝かれてしまい、拠り所になるのは出会って間も無い貴女がくれた約束だけで」
「……うん」
「私もバイアンも、迷ったり悩んだりしながら生きて来て……聖女様の為と思ったのに騙されて間違った道を歩んでいたりして……」
「…………うん」
「ごめんなさい……」
「謝る事なんて、無いよ。私の方こそ、ごめんね。本当に、ごめん」
ヘルムスも、少し遅れて同じように跪いたバイアンもまとめてその頭を抱きしめる。
「お待たせ。約束のお菓子、ちゃんと作ってあげるからね。……美味しいか自信は無いけど、頑張るから」
「大丈夫でしょ。姉ちゃんのお菓子は」
「ああ。姉さんの作るものは世界で一番美味だからな」
弟達の言葉に、魔人達の頭を抱きしめ涙を流していた私も苦笑してしまう。
出来るなら、陛下とエーゲルさんも招いて皆でお茶会をしよう。
これまでの事、これからの事。
皆で、ちゃんと話していこう。
努めて冷静な声を装いながらヘルムスが語った。
バイアンはそんなヘルムスの背で顔を拭いていた。
「こんな事があったのか……これでは何も伝わらない訳だ」
レオ陛下が大きな溜息を吐いて椅子に腰を下ろした。
彼の視線を受けて、立ち尽くしていた皆が椅子に座る。
私もそれに倣ってなんとか座った。
流石に自分の死を見るのは中々に……衝撃的だった。
「マリアは……マリアンヌそっくりだったね? ほら、態度も性格も」
レオ陛下がポツリと漏らした一言に、エーゲルさんが苦笑いする。
「いや、流石にマリアンヌの方が幾分かまともな気もしますが……いや、やっぱり大差無いですかね」
男性2人が顔を見合わせて苦笑している所に、ヘルムスが真剣な顔をする。
「変わりないでしょう。恐らく、彼女の中身はマリアでしょうから。我が神に対する言動からも確信致しました」
私もそう思う。アリスだった私がこうしてここに居るのだから、彼女がそうでは無いと言い切れないし……何より今世では身に覚えのない恨みをぶつけられている気がするし……いや、前世のも殆ど逆恨みではあるのだけれど。
「俺達は勇者と魔王様の遺体……聖女様のもな。全てを手厚く葬り、聖女様の復活を待った。あの外道達の遺体は打ち棄てたが」
バイアンの言葉にヘルムスも頷いた。
「それからの長い年月は逃亡と潜伏の連続でした。魔人はあの時に大半を殺されてしまいましたし、魔王の治められていた土地はどんどん人間によって占領されて行き……所謂魔物と呼ばれた者達も駆逐されて行きました」
世界から魔法が殆ど失われた理由も、魔物達が居なくなった理由もこれで理解する事が出来た。
人間の欲によって、魔法使いも魔人も魔物もその数を減らして行ったのだと。
「なるほどなぁ、おっさん達大変だったんだなぁ」
ずっと口を開いて無かったプロイが『おっさん』と呼んだバイアンの肩を叩いた。
ニュクスの方は複雑そうな表情で何かを考え込んでいた。
「私達は待ち続けました。そして200年が経とうかというある日……神を名乗る声を聞いたのです」
「『聖女の目覚めは近い。我が教える秘術を用いて聖女の骨を加工しろ。そして聖女が同じ様に命を落とさぬよう、お前達が聖女教を作り我の導きで世の中に広めて行くのだ』ってな。そして後日聖女はマリアンヌだと告げられたわけだ」
魔人達の説明を聞いて考える。
恐らくその神というのが……あの少年神なのだろう。
(あの神はマリアを使って何かをしようとした。それを老神が私を利用して邪魔した? そして今度はマリアの生まれ変わりであるマリアンヌを使って何かしようとしていて……また邪魔する形になった私を前世の恨みを含めて殺そうとした……という事だろうか)
み……わが……み
「我が神よ、大丈夫ですか?」
「あ、うん。ごめんなさい。少し考え事をしていて」
私の言葉にヘルムスが安心したように微笑む。
その後、少し迷ったような顔をしてから私の目を真っ直ぐに見詰める。
私の前に跪き、あの幼い魔人と同じ目で私を見上げてくる。
「我が神にお尋ねしたい事があります。……貴女は……アリス様……なのですか?」
私の鼓動がひとつ、大きく鳴った。
呼吸を忘れそうになる沈黙と、それぞれの感情が込められた視線が私に集中する。
何と応えれば良いのか?
『はいそうです』と言った所で簡単に信じられるような話では無いし、気でも触れたと思われるかも知れない。
『いいえちがいます』と言ったなら、私の平穏は守られるのだろうか? それはあり得ない。あの少年神は私を敵として認識していた。
それに何より……
こんな縋るような視線を……あの怯えた幼い魔人と変わらない目を向けて来る相手に……嘘なんてつけるものか。
「ごめん……ね。遅くなって、待たせて。覚えて居られなくて……泣かせて」
私がヘルムスの頭を撫でると、見上げていたヘルムスの瞳から涙が溢れる。
「寂しかったです、辛かったです」
「うん」
「魔王様も逝かれてしまい、拠り所になるのは出会って間も無い貴女がくれた約束だけで」
「……うん」
「私もバイアンも、迷ったり悩んだりしながら生きて来て……聖女様の為と思ったのに騙されて間違った道を歩んでいたりして……」
「…………うん」
「ごめんなさい……」
「謝る事なんて、無いよ。私の方こそ、ごめんね。本当に、ごめん」
ヘルムスも、少し遅れて同じように跪いたバイアンもまとめてその頭を抱きしめる。
「お待たせ。約束のお菓子、ちゃんと作ってあげるからね。……美味しいか自信は無いけど、頑張るから」
「大丈夫でしょ。姉ちゃんのお菓子は」
「ああ。姉さんの作るものは世界で一番美味だからな」
弟達の言葉に、魔人達の頭を抱きしめ涙を流していた私も苦笑してしまう。
出来るなら、陛下とエーゲルさんも招いて皆でお茶会をしよう。
これまでの事、これからの事。
皆で、ちゃんと話していこう。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説

とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。

称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“
瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
だが、死亡する原因には不可解な点が…
数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、
神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

巻き込まれたんだけど、お呼びでない?
ももがぶ
ファンタジー
メタボ気味というには手遅れな、その体型で今日も営業に精を出し歩き回って一日が終わり、公園のベンチに座りコンビニで購入したストロング缶をあおりながら、仕事の愚痴を吐く。
それが日課になっていたが、今日はなにか様子が違う。
公園に入ってきた男二人、女一人の近くの高校の制服を着た男女の三人組。
なにかを言い合いながら、こっちへと近付いてくる。
おいおい、巻き添えなんかごめんだぞと思っていたが、彼らの足元に魔法陣の様な紋様が光りだす。
へ〜綺麗だなとか思っていたら、座っていたベンチまで光に包まれる。
なにかやばいとベンチの上に立つと、いつの間にかさっきの女子高校生も横に立っていた。
彼らが光に包まれると同時にこの場から姿を消す。
「マジか……」
そう思っていたら、自分達の体も光りだす。
「怖い……」
そう言って女子高校生に抱き付かれるが俺だって怖いんだよ。
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる