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1章
ごめんね
しおりを挟む私が公爵邸を出て約3週間。カリアとの顔合わせも久しぶり…だけど。どうしてここに?彼女は謹慎中だと聞いているのに。
「姉上!」
「わっ!?」
びっくりした!カロンが突然現れ、私の前に背を向けて立った。
「父上、母上。これはどういう事だ?」
え、公爵夫妻もいるの?カロンの後頭部しか見えないけど、彼らと顔を合わせたくないからじっとしていよう…
「カリアが何をしてきたのか…僕は全部説明したはずだ。アルフィー様からも、カリアを外に出すなと言われていたじゃないか」
カロンは握った拳を震わせており、怒りを噛み殺したように低い声で発言する。
それに反論するのは公爵だ。
「ああ…お前の言う通りだ。だがカリアは反省した。今日だって「お姉様に謝罪したい」と泣き腫らした顔で懇願されたんだ。
それと確かに殿下にはそう命じられたが、外に出すかの判断は私に委ねられた。ならば何も問題なかろう」
「そうなのよお兄様。ねえお姉様!私達きっと、誤解があったと思うの。だから…全部忘れて、仲直りしましょ!ね?」
う…鳥肌が。見えないけどカリアは今、一筋の涙を流して、胸の前で両手を組んでいる気がする…(※正解)
「カリアが反省…?…は、ははは…
そんなの…する訳ないだろうが!!
僕だって…何度繰り返しても、何も変われなかった!!真実を知らなければ、いや知った後だって!それでも、僕は…!」
…カロン?まさか、泣いてる?
貴方は本気で私の味方なの?それとも…こうして庇ってくれているのは、やっぱり演技?
「…注目されている。事情は分からないが、一旦ここから移動したほうがいい」
あ、私ヒューバート様と手を繋いだままだった。
彼の言う通り、私達は会場のほぼ中央にいる為、かなり目立っているわ。音楽も止み、みんな何事かと顔を見合わせている。
カロンにも聞こえていたのか、クルっとこっちを向いてヒューバート様に頭を下げた。
「皇弟殿下。お見苦しい姿を見せてしまい、深くお詫び申し上げます。重ねて無礼を承知ですが、僕達は御前を失礼致します」
「…ああ、気にしないでくれ(なんだこの空気は…家族仲が悪い、という問題じゃない。それに彼は、どうして私が皇弟ヒューバートだと知っている…?)」
とにかく会場の端へ…その前に。
「ヒューバート様、巻き込んでしまい申し訳ございません。どうぞ皆様のところへお戻りください」
「いや、心配だから私も行くよ」
手を離すどころか、逆に強く握られてしまった。いいのかな…?
困惑していたら、ラウル様が近寄って来た。
「殿下。国王陛下がお見えになりました、ご挨拶へ行かないと」
「う…い、いや。後で…」
「いけません」
彼らはお仕事でここにいる。公爵家の問題に関わっている暇なんて、本来無いはずだわ。
「またお会いしましょう、ヒューバート様。次は私からダンスにお誘いしますね」
「エディットさん…」
ヒューバート様は苦渋の表情を浮かべた。
どうしてこの人はそんな…。まるで大切な人との別れのように、私の手を掴んで離さない…
「(なんだろう、胸騒ぎがする。離れたくない…このまま皇国に連れて帰ってしまいたい。けれど、私には役目がある…くそ…っ!)
分かった。そうだ、近いうちに私の兄と姉を紹介したいんだ、会ってくれるかい?」
「エリオット陛下とクローディア殿下を、私に?」
「うん。よかったら皇国に遊びにおいで」
なんで…?
「いいじゃない、姉上。その時は…僕が皇国まで付き添いをするからさ」
「公子様…?」
その言い方だとまるで。帰りは一緒じゃないって…言ってる風にも聞こえるわ。
いえ…それは後。まずこの状況をどうにかしないと。
ヒューバート様と別れ、カロンは私の手を取り、人の合間を縫って歩く。中央を離れると音楽が再開し、徐々に賑やかさも戻った。
チラッと後ろを見遣ると、カリアもニコニコしながらついて来ている…
「…………っ!」
さっきも感じた、あの笑顔の違和感。
一気に肝が冷えて身震いしてしまった。カロンの手を握っていなければ、倒れてしまったかもしれない。
カリアの、あの笑顔は。恐らく普通に見れば、愛らしい微笑みなのだろうけど…
私は知っている。あれは……私を嬲っている時や。メイドに暴力を命令して、それを優雅に見物している時の…
私を痛め付けようとしている、悪魔の微笑みだ。
「……………」ぎゅう…
「姉上…?」
真っ直ぐ前を向けず、俯いてしまう。
おかしいな、もう痛いのも怖いのも慣れたと思っていたのに。最近は表面上だけでも、優しい人に囲まれていたからかな。
鍛えていつかビンタしてやる!なんて考えも浮かばない程に。
私は…カリアが恐ろしい。正面から相対したら、きっと足が竦んで動けないわ…
「……大丈夫だよ、姉上」ぎゅっ
「え?」
「僕が守る」
カロンが、とても優しい声色で断言した。
反射的に上を向き、彼の顔を見つめると。苦しげに唇を噛みながらも、必死に笑顔を作ろうとしている。
…今更、貴方の言葉を信じろと?貴方は妹が可愛いのでしょう、醜い姉よりも。
いざとなったら、カリアの味方をするんでしょう?そうだ、だから…
私はこの手を振り解いて逃げるべきだ。そう頭では理解しているのに、彼の温もりを信じたい自分がいる……
本当に……守ってくれるの…?
私はもう1度、誰かを信じてもいいのかしら…
パーティーホールはどこも人目がある。どこか部屋を借りませんか?と歩きながら、カロンに提案したが。
「絶対駄目。カリアが何をするか分からない。
…姉上なら、分かるでしょ?」
「それは…公爵夫妻もいるのにですか?」
「あの人達は娘可愛さに、都合の悪い事は揉み消すよ。…これまで散々そうだった…」
「……………」
その言葉に背筋が凍る思いだった。
それからは黙って彼について行った。
カロンが話し合いの場に選んだのは、出入り口も近い壁際。
大体の入場が済んでるので出入りは少なく、比較的人の少ない一角だ。それでもある程度の視線は感じる。
そこでカロンは私を背に隠して、3人と対峙した。
「用があるなら手早く済ませて。終わったら母上は、カリアを連れて先に帰ってくれ」
「カロン…貴方はどうしてそこまで、妹を蔑ろにするの?」
「…………早くして」
夫人は悲しげに目を伏せて、公爵はそんな妻の肩を優しく抱いている。一見すると、息子の反抗期を嘆く両親みたい。
なんてどこか他人事なのは、夫妻が全く私を見ていないからかな。家族じゃないもん、ね。
そんな夫妻を押し退け、カリアがずいっと前に出る。
「お兄様、わたしくしはお姉様とお話があるの。2人きりにしてくれる?」
「断る。ただの謝罪なら、人に聞かれて困る事もないだろ?」
「………どうして…そんな意地悪言うのぉ…っ!」
!カリアは即座に目に涙を溜めて、右手を口元に当てた。
途端に周囲に、軽いどよめきが広がった。会話までは聞こえないギャラリーからしたら、カロンと私がカリアを虐めてるみたいなのだろう。胸が大きく鼓動して、頭が真っ白になってきた。
私が、きっと私が悪いんだ。私が謝れば、この場はすぐ収まるんじゃ…
それでもカロンは怯まず、堂々としている。
「泣けば済むと思うな。
……いや。今まで僕は、お前が泣いたらお前の肩を持っていたか。事情も何も考慮せず。それがいけなかったんだろうな…」
「ぐす…っ、ぐすん…」
「カロン!もっと言い方を考えなさい!お前の妹だぞ!?」
「だからだよ。もう手遅れかもしれないけど…僕はカリアの為に突き放す」
「そんな事言わないで、この子の話を聞いてあげて?」
「だから待っているんだってば。大体僕じゃなくて、姉上に用があるんでしょう?」
「ふええん…お兄様のばかぁ…」
カリアは泣くばかりで話にならない。
私は茶番を眺めながら、カリアの目的を推測する。
謝罪をしたい、は十中八九嘘だろう。彼女は私を姉どころか、同じ人間として見ていないもの。
では真っ先に浮かぶのは、アルフィー殿下。私が彼を誘惑して奪った、とか思っている?
次にカロン。大好きなお兄様の関心が、大嫌いな奴隷に向いているから。
王宮で暮らしている事も。このパーティーに王子様のパートナーとして参加している事も。ことごとく心当たりしかない…
「……だからっ!謝罪する気がないなら帰れ!」
っ!私が思考に耽っていたら、カロンが声を荒げた。カリアは手で顔を覆ってまだ泣いている。
「(…いや。姉上とヒューバート殿下を会わせる、という目的は果たした。一応はエリオット陛下との約束も取り付けたし。ヒューバート殿下は、暫く王宮に滞在している。またの機会はいくらでもある…)
出て行かないならいいよ、僕らが帰る。行こう、姉上」
「あっ…」
ぐっと腕を引かれて、私達は出口へ向かった。
「カリア、もう姉上に付き纏うな」
「………………」
ぞく…っ
カリアの指の隙間から見えた目は、狂気を孕んでいる。に、逃げないと…!
「……待って、お姉様!」
「ひ…っ!」
「姉上、止まらないで!」
後ろから、靴音とカリアの声が近付いて来る。私は恐怖で後ろを向けない、得体の知れない何かに追われているような気分になる。
扉の前に立つと、使用人が開けてくれて。廊下は会場と違ってしん…としている。
隣にカロンがいてくれているのに、嫌な予感が消えてくれない。早く、リーナさんの待つ部屋に帰りたい…!
だが靴音は止んだ、カリアも諦めてくれたかな。ほんの少しだけ落ち着いたわ。
「あ、2人共。もう戻るのか?」
「「!」」
少し廊下を進んだら、どこかの部屋からアルフィー殿下が現れた。
そのせいで。私とカロンは立ち止まってしまった。瞬間…
「お姉様っ!今までごめん───ねっ!」
いつの間に…カリアが真後ろに迫っていた。
彼女の手には、小型のナイフが握られている。両手でしっかりと持ち、満面の笑みで……私に、体当たりのようにぶつかってき──
あ……
「姉上っ!!」
カリアの刃が届く前に。私の視界に…鮮やかな赤色が広がった。それはカロンの髪。
「が…っ………は……」
次いで、カロンが呻くような声を上げて…力を無くして私のほうに倒れてきた。
「きゃあっ!」
「エディット!」
支えきれず倒れてしまったけど、殿下が横から抱き留めてくれた。3人で床に座り込む、一体何が…
「うそ、アルフィー様…!?」
扉が壁になっていて見えなかったのか、アルフィー殿下の姿に青褪めるカリア。
彼女はよく見ると裸足だ。だから足音が途中で消えたのね……え?
貴女。ナイフはどこにやったの?
「げほっ、ぐ…!は、はあ、はあ…!」
「カロン…?」
カロンが私の腕の中で、震えながら荒い呼吸を繰り返す。
何かがぬるっと、私の手を濡らした。赤い……血?
あ…カロンの腹部から…ナイフの柄が飛び出している……
「い……いやああああああっ!!!お兄様ああああ!!!」
「カロン!!?おい、しっかりしろ!!」
静かな廊下に、カリアの絶叫が響く。数秒後、どこからか足音が複数近付いてくる。
「カロン…?貴方、なんで……」
アルフィー殿下がカロンを床に横たわらせて、医者を呼べ!と駆け付けた使用人に指示する。暴れるカリアは取り押さえられるも、まだ大声で何か叫んでいる。
私は、カロンの頬を震える手で撫でて。溢れる涙が頬を伝った。
「……が、……あ、あね、あねう、え」
「喋っちゃだめ!!お願い、死なないで…!」
彼は大きく息を吸って、血を吐いて。それでも私に何かを伝えようとしている…!
「ご……ね、ごめ…ごほっ」
「やめて!や、やだ…」
「…ご…めん……ね……ごめ…」
「え…」
カロンは涙を流しながら…しっかりとそう言葉にして。
運ばれていくまで、何度も繰り返していた…
「お兄様っ、お兄様あ!!!
アンタのせいよ…!アンタがいなければ!!!」
「おい!今すぐカリアを閉じ込めろ!!」
血走った目のカリアが拘束されながらも、床に座る私に向かって叫んでいる。
「私の…せい…?」
「アンタなんか…っ!アンタなんて、独りで惨めに死んじゃえっ!!!誰もアンタなんか愛さない、アンタがいなければうちは平和だったのにっ!!
死ね、死ね!!お兄様を殺したのはお前だっ!!!」
私が…カロンを殺した…
バタバタ…
「なんですか、この騒動は!?」
「ヒューバート殿下!お願いです、エディットの側にいてあげてください!!」
「え…エディット!?ドレスが血塗れだ、怪我をしたのか!?」
誰かが隣に膝を突き、私の肩を優しく抱いた。けど…
「私が……わた、しが…
……私は。誰にも愛されない…」
「!?違う、エディット!君は…私の、私達の愛するいも──」
もう誰の声も、耳に届かない。
目の前の光景が、現実味のない舞台のよう。
私はただ…両手を濡らす赤を呆然と眺めて……
…─── あはは… わあ、あー!
?外から…なんだかとっても楽しそうな声が聞こえるわ。ああ…この家の子どもたちね。会ったことはないけど、双子なのよね。
わたしは部屋の外には出るな、と公爵さまに言われてるけど。少しだけ…窓の外をながめてみよう。
ころころ…
ボールが、お屋敷に向かって転がってくる。追いかけてきたのは…赤い髪の男の子。
「……あ…」
「………」
ボールを拾った男の子は、どうしてか上を向いて。わたしをまっすぐに見つめて…
「……………」
ちょっと泣きそうな顔をして、走っていった。あの子が…
「おにいさま、おそーい!!」
「…ごめんごめん、カリア。いくぞー!!」
「こーい!!」
「2人共、お怪我をしないようにね」
「全く…元気がよすぎるのも考えものだな」
「ふふ、そうですわね」
あはは…
「………たのしそう…」
わたしも…お外で遊びたい…
いいえ。わたしは、たくさんお勉強をして。拾ってくれた公爵さま、奥さまに恩返しをしないと。
そしたらいつか。わたしのことも…誰か愛してくれるかなあ…?
「つかれたー!おにいさま、ボールはもういいわ!カリアはジュースのむー」
「…わかった。お父さま、お母さま。ぼくはおへやに戻ってるね」
「疲れちゃったのかしら?誰か、カロンをお部屋まで…」
「いいよ!1人でだいじょうぶ!!」
「おや、流石はお兄ちゃんだな」
「えへへ…じゃっ」
たたたた…
ふう。算数はこのくらいでいいかな…
コンコン…
「?」
1日に3回しか開かないドアが、叩かれた?まだご飯の時間じゃないし、メイドさんは勝手に開けてくれるのに。不思議に思いながらもドアを開けて…あれ?
「…………」
廊下に立っているのは、さっき窓の下にいた男の子。でも、お名前が分からない。
「だれ?」
「…………」
???男の子は眉毛を寄せて、わたしを見つめる。
「おなかいたいの?だいじょうぶ?」
男の子の頭を、そっとなでると…
「え?」
なんで泣いてるの?ビックリしていたら、男の子がわたしをぎゅっとした。
…あったかい。誰かとぎゅっとするの、初めてだわ。
「…どうしたの?いい子、いい子」
男の子は震えている。ちっちゃいから多分、わたしのがお姉さんね。お返しにぎゅっとしちゃう。
「………え…」
「ん?なあに?」
「あねうえ…あねうえ…!!ごめん…ごめんなさい…ごめんね…あねうえ…」
あね、うえ…?
なんだろう、何も分からないけど。
この子を離してはいけない。どうしてか、そう思ったの。
******
これにて1章完結
次話より2章になります
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