【完結】勘当されたい悪役は自由に生きる

雨野

文字の大きさ
上 下
99 / 224
学園1年生編

79

しおりを挟む


「ふう…この改造したベッド、やっぱ買い取りかな…。んもう、寮の備品なのに…!」

 今日は午前中から、寮の荷造りだ。
 まあ僕は私物がそんな多くも無いのですぐ終わる。

 ただしこの大物を運び出さねば…ヘルクリス、自分でやってよ!

「ふむ。よかろう!」

 よし。一度壊して窓から出しヘルクリスに運ばせて…このままタウンハウスの僕の部屋に持って行こうっと。向こうでドワーフ職人に直してもらえばよし。

 
 今日はお父様も仕事をバティストに任せ、一緒に首都に来ているのだ。学園に挨拶とか色々あるからね。
 そっちも終わったようで、僕達は寮監の先生に挨拶をし新しい家に向かう。どんな家だろう…。
 





「ここだ」

「「「おおお~!」」」

 学園から歩いて10分程の場所にその家はあった。
 一言で表すと、可愛い家!あれあれ、ドールハウスみたい!こういう家に住んでみたかったんだよ僕…!


「お待ちしておりました、旦那様、お嬢様方」

 中から現れた老夫婦が管理人さん。なんとお婆さんは、陛下とお父様のお世話係をしていたらしい!

 お爺さんはハンス、お婆さんはレベッカ。これからお世話になりまっす。
 僕達も挨拶をすると、レベッカは目を細めてクスクス笑った。


「ふふ、あんなにも小さかった子が大きくなって。
 普段は大人しいけど、たまに思いもよらぬ行動を取るお方でした。
 愛しい人の為に何もかも捨て…今はこうして、可愛らしいお嬢様方と縁を結ぶとは」

「やめてくれレベッカ…頼むから子供の頃の話は…」

「いやもっと詳しく」

「出来ればその思いもよらぬ行動について…」

「やめろっつーの!!」

 あぐ。お父様はレベッカに詰め寄る僕とロッティの頭を鷲掴みにする。
 いいもんねだ、チャンスはいくらでもあらぁ!




 ベッドを運んで…と。荷物の整理はレベッカがしてくれるらしい。
 僕らは…連れて行きたい場所がある、と言うお父様について行く。バジルは留守番だ。


 その場所とは香水店だった。まさか…。

「ああ。イェシカの実家だ」

 ここが…お父様とお母様が出会った場所。

 
「そこの物陰から俺とバティストは、まず店の中を観察したんだ。
 んで俺がイェシカの事を「可愛いんじゃないか?」って言ったら…俺の腕を引っ張って店に入っちまった。
 当時は何すんだこの野郎!と思ったが…今は、すごく感謝している。あいつに言うなよ?」

 と、お父様は笑った。


 バティストが…数ヶ月前までお父様は、お母様の話をしたがらなかったと言っていた。彼女を連想させるような香水なんかは、徹底して避けていたって。

 多分辛い事、悲しい事を思い出してしまうからだって。命日は特に苦しそうで、見ていられなかったと。
 そんなに苦しんでいたのに…貴方は僕の事を気に掛けてくれていたんだね。
 今は…穏やかな顔で語ってくれている。春になったら、一緒に墓参りに行ってくれないか?とすら。
 

 お父様にどんな心境の変化があったかは知らないけれど。その変化が嬉しくて…僕とロッティはこっそりと笑い合った。



 お母様の伯父夫妻に挨拶し、お父様が僕らに似合う香水を見繕ってくれと頼む。
 ここは首都だから、知り合いと遭遇するかもしれない。なので僕は男装中だが、ちゃんと「この子は女の子だ」と紹介してくれた。

「訳あってこんな格好をしていますが、この2人は俺の娘です。イェシカの事も…母だと認めてくれました」

「はい!姉のシャルティエラ・ラウルスペードです!」

「妹のシャルロット・ラウルスペードです。こちら、見てもよろしいですか?」

「はい…もちろんです」

 夫妻の目に涙がうっすら滲んでいるのを…僕達は気付かない振りをした。
 僕とロッティと伯母様で、この瓶可愛いね!とか、これ良い匂い~、と盛り上がる。お父様はそんな僕らを、どんな顔して見ていたんだろうね?

 最終的に伯母様がお勧めですよと言ってくれた物を購入し、お店を後にする。また来ます!と手を大きく振って。



 帰り道、歩きながら香水の瓶を見つめる。
 僕がこれを付けたら…パスカルは、なんて言ってくれるかな?




 ※※※




 新学期が始まり、今日は始業式。
 全生徒が集まる式の途中で…お父様が壇上に立った。退職の挨拶をする為にだ。


「あー…すでに聞いてる奴もいるかもしれんが。俺こと養護教諭のオーバン・ゲルシェは退職する。
 4月には正式に次が赴任して来るが、それまでは他の先生方が医務室を見てくれるはずだ」

 お父様の突然の話に生徒達が騒つく。
 次か…そういえばルゥ姉様も3月で寿退職するんだよね。魔術教師もどんな人が来るのかなあ。

「で…今日公表される話だが。
 俺はまあ皇弟だ。そんで今はラウルスペード公爵だ。そんでもってラサーニュ兄妹は俺の養子になった。
 詳しくは親に聞け!以上!!」


「「「「ええええええええっっっ!!?」」」」


 全く事情を知らなかった生徒達の絶叫など無視し、お父様はぴゅーっと壇上から去った。
 当然周囲の視線は僕らに集まるが…曖昧に笑って誤魔化した。


 すぐにラサーニュ伯爵の罪、僕らの現状が社交界に知れ渡るだろう。今後僕は公爵令息扱いされるのか…大変そう…。

 生徒達の動揺はすぐには収まらなかった。騒然とする中で式が終わると同時に、多数の生徒が講堂を飛び出す。家に報告するんだろうなー。
 僕達も、生徒に囲まれる前に逃げた。今日は式だけで終わりだし、向かった先はもちろん医務室!
 



「セレス!話には聞いていたが…本当に先生の養子になっていたんだな!ってか髪伸びたな?」

「お、一番乗りはエリゼか」

 僕とロッティ、バジルは医務室で…友人達が来るのを待っていた。特に待ち合わせもしていないが、全員来るだろうと思ってね。


「エリゼ…少しお話し、いいかしら…?」

「え、何、ボクなんかした?というかずっと気になっていたんだが…シャルロット、なんで普通にバズーカ背負ってるんだ?」

「なんででもいいでしょう?ちょっとこっちへ」

 ロッティは困惑するエリゼを医務室の奥に連れて行った。ああ…あの話か…。
 2人の会話がボソボソ聞こえる。段々とその声は大きくなってきたぞ。


「…うわあああ!!だから、本当に事故だったんだってば!!悪気は無かった、そうだよなセレス!?」

 やっぱりい。エリゼが赤い顔で逃げて来た。どうして僕の性別を知ったか、ですね!

「うん…だからやめてあげてね?」

「お姉様…分かってるわ。私は許すわ。ただし、バズーカこいつが許すかしら?」

 ロッティはバズーカをすちゃっと構えた。
 エリゼはその様子に「誰がそのバズーカに魔力を溜めてやったと思ってる!」と…僕の背中に隠れながら叫ぶ。
 暫く睨み合いをし…ロッティはようやく落ち着き、バズーカを下ろした。

「はあ…次やったら、ぶち抜くわよ」

「し、死ぬかと思った…!!」

 
 そんなやり取りをしていたら、今度はパスカルが現れた。


「…!シャ、セレスタン!その、話が…!」

 ただ僕は…まだ恥ずかしくて、彼の顔をまともに見れない…!

 今度は僕がエリゼの背中に隠れる。ロッティはというと…僕があの件を嫌がっていなかったという事で、パスカルの行為は不問にしてくれた。僕の命の恩人でもあるしね。
 そうでなかったら今頃、パスカルは廊下の先に吹っ飛んでいるだろう。


「エリゼエェ…やはり、お前え…!!」

「待て待て!なんだ一体、本当にボクが何をしたって言うんだ!!?」

 あらら?エリゼがパスカルに引き摺られて行った。2人はそのまま医務室を出て行くが…なんでエリゼ…?


「やはりお前もライバルだったのか!!そういえばお前…以前シャーリィの裸見たよな…その程度でいい気になるなよぉ…!!羨ましすぎる!!!」

「やめろ思い出させるな!!まあ確かにいいモン見たとは思ってるが…ボクは婚約者一筋だって言ってんだろうが!!」

 
 うーん?なんか小声で言い争ってる。パスカルがエリゼを揺さぶってるが…おっと、そこにジスランが現れた!!

「お前ら、何してるんだ…?」

「知らん!パスカルが暴走してんだよ!」

「ジスラン……」

「「?」」

 ?パスカルが…ジスランの肩をポンッと叩いた。その視線はとても優しいものだった…。

「今度…なんか奢るよ…」

「お、おう…?」

 よく分からんが、争いは終わったようだ。
 パスカルは医務室に戻って来て…こっちを向き「近いうちに、2人きりで話したい」と言われた…。彼はそのまま、椅子に座って落ち着く。

 ロッティは「告白かしら…!?」と、少し興奮気味。っいや、告白!?ナイナイナイナイ!!!
 

「お、やはり全員揃っているな」

「セレスちゃん、ティーちゃん、バジル君!おめでとうございます!」

 おお、ルシアンとルネちゃんが揃ってやって来た。
 
「話はルシアン様から聞きましたわ。先生ならきっとセレスちゃんとティーちゃんを守ってくださいます、今度遊びに行きますわ!!」

「うん!いつでも来てね、いっぱい話したい事があるから!」

 ルネちゃんは僕とロッティの手を取って、笑顔でそう言ってくれた。本当に、色々話したい事があるんだ!
 

「…おいパスカル。お前的にルネ嬢はライバルじゃ…?」

「ふ?(ふむー。シャーリィは男が好きだって言ってたから…ルネ嬢とデュラン嬢は除外していいだろう。…ん?じゃあシャーリィの失恋相手って…結局誰なんだ…!?まさか……!!)」

「おい!!!今の会話の流れでなんでボクを睨み付ける!!?」


 話が弾む女子3人の脇で、パスカルがエリゼの胸ぐらを掴んでいる。
 ルシアンは呆れ顔で見守り、ジスランはバジルと盛り上がっている。
 うーん、いつもの日常に戻って来たって感じ!これからも…このメンバーで沢山の思い出を作りたい…そう願う。



「うお…やっぱ全員いる…」

「あ、お父様!」

 騒がしいところにお父様が現れた。お話も終わったようで、後は帰るだけだって。
 …この医務室で先生の姿を見るのも、これで最後か…。お茶を淹れてくれたので、皆椅子やベッドに腰掛ける。

 はあ…このマグカップも回収するかあ。新任がどんな人か知らないけど、ゲルシェ先生がいなきゃ意味無いもの。


「もう先生じゃないんだな。これからはどうお呼びすればいい?閣下か?」

「やめろ、ブラジリエ…。閣下は駄目だ、むず痒いから。それに今まで通りに話してくれて構わん」

「では義父上と呼ばせ」

「マクロンは公爵様と呼べ!!」

 という微笑ましい?やり取りの後、皆はこれからも「先生」と呼ぶ事に決まった。
 お父様が公爵になっても、変わらず皆と接してくれるから…僕は嬉しくて、つい口元が緩んでしまうよ。



「…ん?先生香水付けてるのか?」

「お前よく気付いたなー…」

 いつもの放課後のように、僕達は雑談をしていた。
 そんな時にお菓子を取ろうと席を立ったエリゼが、お父様の変化に気付く。
 普段は付けないが、こういう出掛ける時だけ付けるようになったのだ。


 すんすんと嗅いだ後、エリゼは…



「なんだ、加齢臭対策か?」



 と言い放った。
 次の瞬間、彼の足は宙を浮いているのであった…。


「いだだだだだだ!!!なんだ、ボクは何か間違えたか!?」

「あー、やっぱこの頭掴みやすいわー」





 この日家に帰ったお父様は…自分のジャケットの匂いを嗅ぎながら、落ち込んでいるのであった。
 


「まだ臭くねーし…」


しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

治療係ですが、公爵令息様がものすごく懐いて困る~私、男装しているだけで、女性です!~

百門一新
恋愛
男装姿で旅をしていたエリザは、長期滞在してしまった異国の王都で【赤い魔法使い(男)】と呼ばれることに。職業は完全に誤解なのだが、そのせいで女性恐怖症の公爵令息の治療係に……!?「待って。私、女なんですけども」しかも公爵令息の騎士様、なぜかものすごい懐いてきて…!? 男装の魔法使い(職業誤解)×女性が大の苦手のはずなのに、ロックオンして攻めに転じたらぐいぐいいく騎士様!? ※小説家になろう様、ベリーズカフェ様、カクヨム様にも掲載しています。

逃げて、追われて、捕まって

あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。 この世界で王妃として生きてきた記憶。 過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。 人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。 だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。 2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ 2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。 **********お知らせ*********** 2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。 それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。 ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。

新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、

【完結】記憶が戻ったら〜孤独な妻は英雄夫の変わらぬ溺愛に溶かされる〜

凛蓮月
恋愛
【完全完結しました。ご愛読頂きありがとうございます!】  公爵令嬢カトリーナ・オールディスは、王太子デーヴィドの婚約者であった。  だが、カトリーナを良く思っていなかったデーヴィドは真実の愛を見つけたと言って婚約破棄した上、カトリーナが最も嫌う醜悪伯爵──ディートリヒ・ランゲの元へ嫁げと命令した。  ディートリヒは『救国の英雄』として知られる王国騎士団副団長。だが、顔には数年前の戦で負った大きな傷があった為社交界では『醜悪伯爵』と侮蔑されていた。  嫌がったカトリーナは逃げる途中階段で足を踏み外し転げ落ちる。  ──目覚めたカトリーナは、一切の記憶を失っていた。  王太子命令による望まぬ婚姻ではあったが仲良くするカトリーナとディートリヒ。  カトリーナに想いを寄せていた彼にとってこの婚姻は一生に一度の奇跡だったのだ。 (記憶を取り戻したい) (どうかこのままで……)  だが、それも長くは続かず──。 【HOTランキング1位頂きました。ありがとうございます!】 ※このお話は、以前投稿したものを大幅に加筆修正したものです。 ※中編版、短編版はpixivに移動させています。 ※小説家になろう、ベリーズカフェでも掲載しています。 ※ 魔法等は出てきませんが、作者独自の異世界のお話です。現実世界とは異なります。(異世界語を翻訳しているような感覚です)

ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~

紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。 毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

転生した世界のイケメンが怖い

祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。 第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。 わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。 でもわたしは彼らが怖い。 わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。 彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。 2024/10/06 IF追加 小説を読もう!にも掲載しています。

【完結】番である私の旦那様

桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族! 黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。 バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。 オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。 気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。 でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!) 大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです! 神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。 前半は転移する前の私生活から始まります。

処理中です...