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学園
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しおりを挟む〈エリア10、アシュリィが確保!〉
「チッ…やられたか。」
テリッカドクが始まり、もう30分程が経過した。予想以上に…苦戦しているな。
「向こうはアシュリィとリリーナラリス嬢以外まともな戦力はいない。ベンガルドは要警戒ではあるが…。」
俺もここいらでベンガルドを探しに行くか?奴の捕獲はパリス含む3人に任せてある。
「アンドレー。全員に伝達しろ、俺とティモはこれより敵大将の捜索に回る。」
『はいっ!』
今のは通信魔法で、我々の不可侵領域に伝令係が待機している。
そもそもアシュリィは杜撰な作戦しか立てていないようだが。
テリッカドクは大将と護衛。全員を繋ぐ伝令要員。エリア攻略隊、防衛隊。敵大将の捕獲要員。遊撃隊…と細かく配置を決める必要がある。作戦や戦力によって人数は変動するが。
エリアを奪われたらどうするか。逃走ルート、アシュリィに遭遇した場合の対処法等…俺のチームは会議を重ねてきた。
だがベンガルドチームは動きからして、十中八九「とにかく攻撃!大将を見つけたら捕まえる!あとは臨機応変!」といった単純なものとしか思えない。
実力はあっても…彼女は司令塔に向いていないんだな。どちらかというと、忠実に任務をこなす方が得意と見た。
ん?考えながら走っていたら、ティモが服を引っ張る。
「どうした?」
ティモはどこかを指差す。んん?遠くに…。
「アシュー。アシュッシュ、アーシュ♪」
「なんだアレ。」
アシュリィの…分身?何か歌いながら、瓦礫の上で足をブラブラさせている。あそこはエリア7だな。ふむ…奪いに行くか。
「シューーーッ!?」
「逃げた、あいつが番人か!」
あんなチビ、すぐに捕まえて…素早っ!?
見失う前に…!チビに手の平を向け、魔力を集中させる。
「『重力反転』!!」
「アッ!?」
チビの身体が浮いた!続けて行くぞ、ティモ!
「……………!」
彼のように、言葉を発せずとも魔法は使える。かなりの集中力と努力を要するが。
言霊を使えない以上…心の中で強く念じ、イメージし、形にしなければならない。
ティモの両手が淡く輝く。光の粒が網のように変化し発射、チビを捕らえて引き寄せた!
「よし。ではこのチビを……。」
「あ…あしゅ~…ぅ。」
「「………………。」」
チビが…ティモの腕の中で、目を潤ませて震えている…。
「……………。」じーーー
「…わかってる、その目をやめろ…。」
俺だってこんなチビに攻撃する趣味はない。たとえ生き物じゃないとしてもな。
番人は倒さずとも、1分以上エリアの外に出してしまえばいいんだ。そのまま中立地点に移動した。
「シュ~ッ!アシュウ!」
「こら、暴れるな。」
責任でも感じているのか、必死に逃れようとする。だが…。
〈エリア7、デメトリアス・グラウム殿下が奪取!権利がアレンシアチームに移行する!〉
「アシューーー!!」
チビががくり…と項垂れた。よし、これでまた引き離した。
これ以上拘束する理由は無い。ティモがそっと地面に下ろすと…。
「アーシュ。」
「「………………。」」
俺の裾を掴む。そしてよじ登り…頭に座った。
「フンシュッ。」
「どうしろと…。」
離れないので、連れて行く事にした。アシュリィに会ったら返そう。
さて、エリア7にゴーレムを配置しとくか。土ではなく瓦礫で作り…よし完成。
どどどどど…
ん?嫌な予感が、近付いてくる…?
「あーっ!!やられたっ、デメトリアスめー!!」
「ふん…来たかアシュリィ!」
「…むむ、ミニアシュ懐いてるな?」
これはミニアシュと言うのか。丁度いい、返すぞ。と差し出す。
「んー…いや、連れてっといて。邪魔はしないと思うからさ。」
「なんでだ!」
「だってミニアシュが貴方と一緒にいたそうなんだもん。」
は…?チビと顔を合わせると、ニコニコと笑った…。
まあ……邪魔しないなら。
〈エリア13、リリーナラリス・アミエルが確保!〉
「おっ!やったねリリー!」
これで4対3か…領地の奪い合いが激しい、これではイタチごっこだ。
「ふん…行くぞティモ!」
これ以上の領地戦は不要だ、大将を探し行く!
「させるかっ!ランスを捕まえる気だな?足止めさせてもらうよ!」
「ほう…?」
アシュリィは不敵に笑い、俺達の前に立ちはだかる。面白い…!
「魔族殿にお相手していただくとは光栄だな!」
「思ってもいない事を!さあ掛かって来い!」
ふん…!見ていろ!
「『強化』!!」
魔法で魔族に勝てるとは思わん!なので…俺達のエリアに誘導する!
当然彼女も気付いているだろうが、誘いに乗って来た。エリア6に到着だ!
「ふふん、どうするデメトリアス?」
「どうもこうも、5分耐えるだけよ。」
「(…?私に10kgの重りなんて効かないのに。何が狙いだ…?)」
ふ…行くぞ!
「『破壊の跡』!」
アシュリィを囲む廃墟を爆発させ、動きを封じる!これで倒せると思ってはいないがな!!落ちる瓦礫を通り抜け迫ってくる、今だ!!
「っ!?な、足が動かない…!?」
「悪いが女とはいえ、魔族に手加減など出来んぞ!!!」
ティモは相手を封じたり、守りの魔法を得意とする。そして俺は物質の操作及び、風を扱う事に長けている!!
「『風神の息吹』!」
ゴオオオォッ!! 轟音と共に、アシュリィを風の中に閉じ込めた。だが…!
「ふふふ。これでも当代魔王の娘…手加減なんて、片腹痛いわね。」
「………!!」
雰囲気が、変わった。風の向こうでも分かる程に…赤い目が妖しく光る…!!
竜巻の中にいるはずなのに、その余裕はなんだ?彼女はゆっくりと両腕を上げると…。
バアンッ! と俺の風が、弾けた!?魔法ではなく、圧倒的な魔力で内側から爆発させたのか…!
…っ!とても耐え切れず後ろに吹っ飛ばされた。まずい、瓦礫にぶつかる…!!
「あっ!危な…!」
「アシューーーッ!!」
「なっ!?」
チビ…ミニアシュが、瓦礫と俺の身体の間に…!何してるんだ馬鹿娘っ!!
「……あしゅぅ。ぁ…。」
「あ…!」
ダメージを受けすぎたのか、ミニアシュが、にっこりと笑って…消え…駄目だ!!
「っと!…ふぃー、これでよし。」
「アシュッ!」
「え…?」
せめて俺の魔力を…!と強く抱き締めたら、横から腕が伸びてきて…ミニアシュの頭を撫でた。
消えかけていた身体は元に戻り、元気よく俺に頬擦りしてくる。
「う…自分の分身ながら恥ずかしい事するなあ。ほら、立てる?デメトリアス。」
ミニアシュを癒した魔王の娘は…先程までの迫力は消え失せ、いつものアシュリィに戻っていた。
伸ばされた手を無意識に取り、立ち上がると…
…は?アシュリィの、服が。ズタズタに…!
「ありゃ。これは見苦しいものを…。」
「ぐああああっ!目が腐るッッッ!!!!」
「どういう意味だゴラァ!!?」
なんで普通なんだお前は!?そりゃ全裸でもないが、胸とか見えそうだぞ!?
モニターに映ってたらどうする気だ!と焦ったが。竜巻の時点で師匠が察し、あらかじめ接続を切っていたと後で知った。助かった…。
「うーんどうしよ。服を直すには上級魔法が必要なんだよな。」
「ああもう、これを着ていろ!!」
どうしようもなく、シャツを脱いで上から被せた。俺が半裸になってしまったが、女をあんな格好のままにさせとくよりマシだ!!!
「おおう…なんだよ、紳士じゃん…。」
俺をなんだと思っているんだ…?
「(ていうか…思ってたより初心?それにミニアシュの為に、泣きそうな顔になってたし。子供、ちっちゃいもの好きか?
…知れば知るほど、デメトリアスって可愛い…ような?)」
…なんだその目は。っそれより、ティモ!
「大丈夫か!?」
「…………。」こくり
ほ…。
さっきの風で転びはしたが、怪我はしていないな。腕を取って立たせると…。
「眼鏡は…?」
「!?」
いつも、ティモの顔を隠す眼鏡が…。
「あったあった。はいティ…モ…?」
その時。アシュリィが眼鏡を手に、近寄ってきて。
ティモの顔を…正面から見た。
彼女は目を丸くして。俺とティモの顔を見比べ…
「……っ!寄越せ!!!」
急いで奪い、ティモの顔に掛ける。
……見られ、た。まずい、まずい…!
頭が急激に冷えて、全身から汗が流れる。心臓が嫌な音を立てている…!!
「……………。」
ティモが不安そうに俺の頭を撫でた。まずい…ティモの秘密を、知られる訳にはいかないのに…!!
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「………………あんら~。」
「「っ!!!」」
アシュリィの間の抜けた声に、揃って肩を跳ねさせる。拳を握り喉を鳴らし、次の言葉を待つが…。
ティモの顔が、青かったのに赤くなってる?一体後ろで何が。振り向くと…。
「邪魔だな、脱いじゃお。」
「恥じらえメスゴリラ!!!」
アシュリィが普通に足を上げてボロボロの短パンを脱ぎ…下着見えてるぞ!!シャツもずるっと引っこ抜き、その辺に放り投げる。最終的に俺のシャツをワンピースのように着こなし…こいつがチビでよかった…!
ピーーーーーッ
〈アシュリィ=ヴィスカレット=ウラオノス。敵エリアに5分以上滞在しているので、ペナルティ発動します。〉
「おっと忘れてた。でもま、大した脅威じゃ…」
「アシュリィ。魔族のペナルティは2人共…100kgの重りだぞ?」
「──は?」
瞬間。両腕両足と肩に…重りが降って来た。
「なんじゃこりゃあああっ!?ドラ◯ンボールかよ、ここは天下一武道会かっ!?」
うわ…怖っ。ついでに服も降ってこないだろうか。
流石にこれはキツかろう…と思ったら。
「なんちゃってー。このくらいならヨユー。」
ティモと一緒にコケた。なんで平然としてるんだ…!
「うーん、全然応えてねえなあ。次は200kgにすっか。」
「大変だよディーデリック。君も200kg背負わされるよ?」
「200くらいならどうとでもなる。流石に500になるとキツいが…。」
「…魔族すご~い。」
「よし、次から500kgにしよう。」
俺達の知らない所で、魔族のペナルティが増していたようだ。
「でも流石に動きが鈍るな。ではお2人さん、私はこれでっ!」
「ど阿呆が!!その格好で彷徨く気か!?」
「やー、私痴女じゃないし。どっかで監視の目を盗んで直すからお気になさらず……あ。」
あ?視線の先を辿ると…。
「この辺でさっき竜巻起きてたよな…。」
「そうで……あっ。」
「「「「「……………。」」」」」
アシュレイと…アイルが、来てしまった…。
「いたーーーっ!!!」
「まずっ、逃げ…なんだお前その格好!殿下も半裸だし!?」
言ってる場合か!!足止めせねば!
「アシュレイは早く逃げろ!!」
「は、はいっ!」
ティモの封印、俺の念動力で止める。これなら…!
「うわっ、ここにきて100kg+2人の妨害はキツい…!
ではお祖父様直伝、解析からの分解!!」
なっ!?俺達の魔法が無効化されて…こうなったら!!
「わっ!どこ触ってんの変態!!」
「うるさい苦肉の策だ!!!」
物理で止める!アシュリィを羽交い締めにして、どうにか時間を稼ぎ…ん?
ティモが俺の服を引っ張る。なん…?
「うわわわっ!まずいまずいまずい!!」
「ランス様、覚悟っ!!」
「すばしっこいんだから!!」
「逃しませんよー!!」
建物の隙間から…シャリオン嬢、パリス、ララに追われるベンガルドの姿が……
「ティモ、追えーーー!!俺はこのゴリラを抑えつける!!」
「!!」こくん
「ぎゃーーーっ、増えたーーー!!あっアシュリィ様!たすけてー!!!」
「ランスの護衛どこ行ったの!えーいっ、アシュリィ☆フルパワー!!」
なんだと!?よく分からんがこのままでは…あ?
ズン… ズズ… ズシ…ン…
なんだ…?大地を揺るがす、巨人の足音のような…?
頭上に影が落ちる。パラパラと何か降ってきて…ゆっくりと顔を上げると、そこには。
「アシュリィ!さっきアシュレイを見かけたけど逃げられちゃった!」
「リリー!あっち行った、追ってーーー!!」
「分かったわ!」
リリーナラリス嬢が…巨大ゴーレムを操り、通り過ぎる。
ゴーレムは周囲の建物を吸収して歩くので、どんどん大きくなり…遮蔽物も減っていき…。
「ふっ、私のMPは残り5よ。最後に…アシュレイを潰す!!!」
「潰すなーーーっ!!」
こうなったら…!先にベンガルドを捕獲する!!
「よっしゃ自由になった、待ってろアシュレイ!!」
当然アシュリィもアシュレイを追う!重りも外れ…これは時間との勝負だ!…服直せよ!!?
「ララ、シャリオン嬢は回り込め!俺はこのまま追う、ティモは魔法で足止め!パリスはなんでもいいから攻撃しろ!!」
「くっそおおおぉぜってえ逃げ切ってやるあぁっ!!うおおおおおおっ!!!」
「リリー、捕まりそう!?」
「ごめんさっきから避けられる!」
「よし、じゃあこのままエリア14に追い込んで!私が先回りして捕まえるからっ!!」
「了解!!」
「ぎゃああああっ!?やばっ、死ぬ!!」
「アシュレイ様!こちらに…あっ。」ブオンッ
「アイルーーー!!」
ベンガルド、なんという速さ…!魔法で捕まえたくとも、これ以上はMPが底を突く。
だが回り込みに成功した、あと少し!
ひゅーー…ん… どかっ!
「ぐええっ!?」
手を伸ばせば届きそうだったのに…!空からアイルが降ってきた!!
「いてて…無事か!?」
「も…申し訳、ございません。巨大ゴーレムの腕に吹っ飛ばされまして…。」
その割に全然怪我をしていないな?魔国で数年暮らしたと聞くが、どんな生活してたんだ…。
アイルは休ませ追跡を再開する!くそ…捕まるなよアシュレイ!!
ミニアシュが俺の顔に付いた泥を拭ってくれた…勝つぞ!
途中で何度かエリアを奪った奪われたの放送があるが、一切無視してひたすら走る!!
「あはははっ!今年の4年生は面白いね~!」
「去年は違ったのか?」
「もっとアッサリ終わったよ。こんなに…一生懸命にフィールドを駆け回るなんてなかった。大将も見つかったらすぐ降参でさ。
でも…こっちのが断然いいよね。デメトリアスもすっごく楽しそう、声しか聞こえないけど!」
「ああ…。私達も本気で掛からねばならんな。」
「おー、頑張ろう!」
観衆は大盛り上がりだったそうだ。まあ俺やアシュリィが半裸だった為、映像は制限されていたがな。
…アシュリィ。彼女は…なんなんだろう。
俺は幼少期からずっと、ティモ以外…誰も信じられない生活を送ってきた。母…陛下すらも。
たまに会うアルバートは…違ったけど。ジェイドも、ベルディ兄さんも。
恐らくさっきのやり取りで、アシュリィはティモの秘密を感付いた。その上で、あのような強行策で話題を逸らした。
「アシュー?アシュッ。」
ミニアシュが、俺の顔を覗き込み…頬にキスをしてきた。まさか、慰めているのか?
「…ありがとう。」
「アシュシュ~。」
……イベントが終わったら、アシュリィと話してみよう。
何を、と聞かれても困るが…俺は
ビーーーーーッ!!!
〈ベンガルドチーム、アシュリィ=ヴィスカレット=ウラオノスが敵将、アシュレイ・アレンシアを確保!!
この試合、ベンガルドチームの勝利だ!!!〉
………な。
「何いいいいーーーっ!!?」
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