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幼少期
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しおりを挟むぐうっっ…!この程度の事でダメージを受けている場合じゃない…!
立て!アシュリィ、アシュレイ!!まだスタート地点にも立ってないぞ…!
「まさか、こちらにまでその不本意な異名が伝わっているとは想像もしてませんでしたが…はい、私が殺人タックラーです…。最近はしてません…。」
「多分…ヘタレ大将のアシュレイです…。その呼び方は勘弁してもらえませんか…?」
アシュレイのヘタレ大将ってのは初めて聞いたな。まあ、なんか分かるけど。
私達に大ダメージを与えた奥様は「邪魔したわね~」と言って去っていった。なんだったの…!
ついでにいつの間にか旦那様もいない。いや、見てたけどさ。むっちゃ笑い堪えながら出て行かれましたね!!
「こほん。…そろそろいいかしら?今日のあれは大目に見ますが…侯爵家の従者を目指すならば、何が起きても動揺を見せてはいけません。よろしいですね?」
「「はい…。」」
ああ、早速ダメ出し…道のりは険しい…。
「ところで…異名の由来を聞いても?」
興味あるんかいっっ!!
かくかくしかじか
「そうですか…アシュリィ、貴女は騎士にも向いてるかもしれませんね。」
「ありがとうございます、ヴァニラさん。」
向いていないと思います。私に騎士道精神とかありませんので。なんなら後ろからサクッと刺しますよ。…傭兵とか向いてそう?
「でも私はリリー様…いえお嬢様の側にいたいんです。護衛でも近くにはいられるかもしれませんが、今のお嬢様にはお世話をする者もいません。
…なんとなく、ですが。私がお側にいるのはそう長くないと思うんです。でもいつか離れ離れになるその時まで、あの方の力になりたいんです。」
「では、貴女はここで何を学びたいのでしょう?侍女としての一通り、でいいのかしら?」
「いえ——全てを。
まず、私は侍女になりたいと希望しましたが、変わりました。私は執事を目指します。」
「ほう?」
今反応したのはハロルドさんだ。無理だとは言わせない。…あ、ちょっとむちゃでしたかね。
「なので!!私におふたりの知識を授けてください。お嬢様のお世話やマナーはもちろん、執事に必要なスキル、美味しいお茶の淹れ方、あと勉強魔法家事格闘暗殺剣術学ぶ事は山程あります!
しかし時間は少ないので、全部はとても出来ません。お世話、マナー、勉強を重点的にお願いしますっ!!」
要求が多いって?そんなこん分かってるわい!それでも私は勢いよく頭を下げる。最悪護衛の方はアシュレイにひとまず丸投げして、私はお嬢様の身の回りを重視しよう。
「何やら物騒な項目が含まれていましたが…いいでしょう。そこまで言うのであれば、貴女は私が徹底的に扱いて差し上げます。」
こうして私は1ヶ月間、ヴァニラさんに教育される事になったのでした。とはいえ普段の業務もあるし忙しい人なので、他のメイドさん、侍女さん、執事さん達から教わる方が多かったりする。
…アシュレイは大丈夫だろうか…?
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