私の可愛い悪役令嬢様

雨野

文字の大きさ
上 下
5 / 164
幼少期

05

しおりを挟む


「え、魔法の勉強?」

「うん、シスター。みんな生活魔法とか使ってるじゃない?私も使いたい!」

「そうねえ…。」


 この世界には、魔法がある。
 全ての人が魔力を持っていて、日常的に使っているのだ。魔力量は大体の人が生活に使う分しか持ってないらしく、貴族だからといって多い訳ではない。
 そして私くらいの歳から魔法の練習を始めるのも少なくない。ただ平民の識字率は低く、魔導書とかを読めないんだよね。
 だから簡単な魔法しか使えない。生きていくには十分だけど。
 そうして私はシスターにお願いして、扱い方を教えてもらう事になった。魔法ってテンション上がるよね!


「そうね。じゃあまずはステータスの確認からかしら。『ステータス』って言ってごらん。」

「『ステータス』!」


 すると私の目の前に、半透明のウインドウが現れた。おお!ファンタジー、ゲームみたい!ゲームの世界だったわ…。どれどれ?






名前:アシュリィ
性別:女
職業:無し
Lv.10

HP   8500/8500
MP   25000/25000
ATK 1062
DEF 550
INT 8600
AGI 2304
LUK 9999


スキル:ーー
称号:ーー



 すごい!読めないけど頭の中に入ってくる!
 えーと、体力魔力に攻撃、防御。知力、素早さ、運か…。運カンストしてない?知力もたっかい。前世の記憶があるおかげ?レベルは低いな。こんなモンかな。
 …あれ?あのゲームのステータスってどんなだっけ?って違うわ。ノベルゲームだったからそもそもレベルとかそういうの無いんだったわ。
 実際はこんなモンがあったのねー。




「どう?わかったかしら?」

「うん!」

 このステータスは、本人にしか分からないらしい。他人が知る術はないんだって。よくある鑑定とかで見る…なんてことも出来ないらしい。
 さて、なかなかいいステータスじゃないかな!?こりゃー期待できますなあ。



「一般的な魔力量は20前後よ。多くて1000も持ってる人もいるらしいわ!まあそんな人、ほとんど伝説だけどねえ。
 あと、噂では魔族は平均5000もあるらしいわ。流石よねえ。」


 おぼあぁーーー!!!


 シスターの説明に、私は床にぶっ倒れた。
 私25000だけど!?伝説も魔族もあっさり越して神じゃないかな!?チートって次元じゃねえーよ!!!


「どうしたの!?そんなめり込んじゃって!あ、もしかして一桁だった?
 大丈夫!そんな人も結構多いから!ほら、肉屋のおじさんいるじゃない?あの人6しかないって自分で笑ってたわ!それでも生活には不便してないし、安心なさい!」

 初老のシスターは懸命に私を励まそうとしてくれている。違う、違うんだよシスター…。
 おい世界よ、こんなモブにチート授けるんじゃないよ…。私はステータスを一生隠すと心にきめた








 まあそんなこんなあったが、生活魔法は簡単に覚えられた。
 元々難易度はそう高くないのだが、私は高い知力のおかげか一度覚えた事は忘れないし理解力も高い。これなら将来はいい職に就けそう。
 そうして私が教会に来て、半年ほど過ぎた。


 さてさてリリーは大体週に一度やってくる。なんとなく観察していたが、相変わらず無愛想ね~。
 
 だがある日、事件は起きた。

しおりを挟む
感想 172

あなたにおすすめの小説

逃げて、追われて、捕まって

あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。 この世界で王妃として生きてきた記憶。 過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。 人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。 だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。 2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ 2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。 **********お知らせ*********** 2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。 それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。 ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。

嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜

𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。 だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。 「もっと早く癒せよ! このグズが!」 「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」 「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」 また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、 「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」 「チッ。あの能無しのせいで……」 頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。 もう我慢ならない! 聖女さんは、とうとう怒った。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

【完結】竜人が番と出会ったのに、誰も幸せにならなかった

凛蓮月
恋愛
【感想をお寄せ頂きありがとうございました(*^^*)】  竜人のスオウと、酒場の看板娘のリーゼは仲睦まじい恋人同士だった。  竜人には一生かけて出会えるか分からないとされる番がいるが、二人は番では無かった。  だがそんな事関係無いくらいに誰から見ても愛し合う二人だったのだ。 ──ある日、スオウに番が現れるまでは。 全8話。 ※他サイトで同時公開しています。 ※カクヨム版より若干加筆修正し、ラストを変更しています。

交換された花嫁

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」 お姉さんなんだから…お姉さんなんだから… 我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。 「お姉様の婚約者頂戴」 妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。 「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」 流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。 結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。 そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。

完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。

音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。 だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。 そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。 そこには匿われていた美少年が棲んでいて……

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒― 私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。 「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」 その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。 ※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

処理中です...