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第15章 どうやら全面戦争が始まるようです。(開戦)
6柱の異端
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会議が終わっても会議室は静かにならない。
もうみんなとこれで出会うのが最後になるかもしれないので、塩見と三原以外はそれぞれに別れの挨拶をしてから会議室を出ていく。
塩見と三原はそんな友情などどうでもいいように会議が終わると颯爽とこの部屋から出ていってしまったのだ。
八剣と大楠は互いに握手をしあって再会を約束。
山上と紅葉は、この間のことについて山上が謝罪を行っている所を大台ケ原が見つめ。
紅葉はその後、真丸と連絡先を交換。
その後、真丸は空木と乗鞍のいる場所へと呼ばれて、一緒になんだかよく分からない話をしている。
「───なぁ、真丸」
「どうしたの? 乗鞍さん」
「吾輩、さっきのお前の話の中でちょっと気になってさ。ほら、このまま今生の別れともなると聞けなくなるだろ?
だから、聞いておこうと思ってな」
どうやら乗鞍は真丸に質問したいことがあるらしい。
乗鞍からの質問が珍しいと感じたのだろうか。
真丸は少しだけからかってみようと思ったようだ。
「も~君の口から今生の別れなんて出たら君の筋肉が泣いちゃうぞ?
でも、まぁ、どうしたんだい?
僕っちが言えることならなんでもさ……言ってくれて構わないよ?」
結局、筋肉について指摘したことをツッコむこともなく、乗鞍は自らが疑問に思ったことについて聞きだし始める。
「お前が言ってた調べたいことについてなんだが………。
2つのうちあと1つがどうしても気になってよ。ほら、吾輩は気になることがあると眠れない質でさ」
「ああ~。その事」
乗鞍が言っているのは、古文書に記録された信憑性はない伝承である不睦と内乱の封印の話の時に言っていた事ともう1つの調べものについて……。
何気ない調査だったとしても乗鞍にはそれが気になって仕方がないようだ。
「そのもうひとつの古文書はルイトボルト教についての事さ。
始まりと破壊。人類全ての快楽。ラジーマの楽園。無数の平行世界の存在。ヘルメス計画……などなど。
これらは神話の話で興味があっただけなんだが…………。
その中に調査すべき事が1つだけあってね。とても現実味を帯びていたんだ」
『章名は永乖。
かつてあった6つの思想が外道という呼称を与えられた概念。
ここではその名称を基として階級を騙し6柱。
それは教えであり悪ではない。ただ外されてしまったもの。教えは違えど行き着く先は真理の会得。
ただし、騙る者はその基を守ることはせず己と論を合わせて自らの都合よく動く。
その目的は思想の証明、採用、変換。その世界にすでに根ずく教えの崩壊。
内道を否定しさらに外道を騙るその名付けられし名はヘレシー』
「「ヘレシー……?」」
乗鞍と空木はその初めて聞く階級に、唾をのむほどのめりこみながら彼の話を聞いていた。
「そいつらは魔王とは比べ物にならない。ヘレシーが見ているのは世界の教。
ただし、下手したら今の人類を滅ぼして新しい人類と教えを守ってくかもしれない。
しかも1柱に何体の代表がいるかは分からず、枠に新たに入れる場合もある。
その6柱は、
道徳否定。
決定。
唯物。
七要素説。
開祖。
懐疑。
の6柱からなっていると言われている」
ここまで真丸が説明をし終えると空木はやれやれとホッとした表情を浮かべた。
真丸がここまで言ってきたのは神話や伝承であって事実ではないかもしれないからである。
乗鞍も空木も最初はこれから戦う相手がそんなレベルの怪物だったらと思うと、少し人類滅亡の覚悟と責任を背負っているように感じていたのだが、それが伝承だと分かると少しだけ肩の荷が下りる。
「でも、御前が言うのは伝説や神話の話だろ?」
「──────それでもあの時は気になっちゃったんだよ。
だから、いろいろと神話や伝承について学んでいたら十悪の存在が分かったのさ。それで結果オーライじゃないかな?」
たしかに真丸のおかげで今回の会議で作戦を立てることができたのは確かである。
真丸がこのことを言ってくれなかったら十悪のうち4人と戦うかもしれないという事は分かっていなかったのだ。
もし、いきなり進軍して敵が八虐の2人だけじゃなかった……と驚いたとしてももう遅いのだ。
それならば、あらかじめ軍を分けておき当たっても外れてもよい状況にしておけば最悪の場合は避けられるのだ。
「確かにそう言われればそうだな。いや~ありがとよ。これでようやく決戦の日まで心穏やかに熟睡できるぜ。このまま開戦の日まで気になって眠れないとかなったらたまんねぇからよ!!
ガハハハハハ八ッ!!!!!」
大笑いしながら真丸に礼を言う乗鞍。
戦争が始まろうとしてもこいつの性格は変わらないだろう。
それはそれで心強い。
誰しも魔王軍との戦争は不安なのだ。
そんな中でいつも通りの者がいるとなんだか安心する。
そんなことを彼から考えていた真丸であったが、その思考を遮るように彼の耳に紅葉からの提案の声が入ってくる。
「みんなー。
もう会議終わったし、みんなでこれから食事会でもしぇん~?」
ワクワクと期待を胸に紅葉がこちらの3人に手を振ってきているのだ。
彼女の周りにはその食事会に賛同したのか、生徒会の3人と大楠も真丸たちを待つように立っている。
こうしちゃいられないと彼女らの方を向く3人。
「よし、吾輩たちも行くか。おーい、おまえら吾輩たちも食事会に行っても構わんか?」
「何食べに行くんですか? 僕っちもうお腹がペコペコなんですよ~」
「御前たち、ちょっと待ってくれないか。今、持ち合わせているお金の確認をするから……」
そう言って彼女らの元に駆け寄る乗鞍と真丸と空木の3人。
彼らが駆け寄ると、紅葉たちは一緒に会議室外へと歩き始める。
「わたし、おすすめん料理屋しゃん知っとーっちゃけどどうばい?
そこしゃぃしぇん?」
今から夕食を食べに行くおすすめの店があると紅葉がウキウキしながら提案すると、大台ケ原が反論する。
「ここはラーメン屋に行くのがいいと思うのだがどうだろう?
そうだ、俺のおすすめであるツピキクドリンクも買っていこう。」
「ラーメンはやめてほしいんですが……。行くなら生徒会副会長である山上(生贄)に聞いてください。私は紅葉ちゃんのところ行くんで……」
「おい、八剣。バ会………生徒会長を俺に押し付けんな。
なぁ~、生徒会長悪いが今回はその提案は無しだ。
ほら、口臭気になる人もいるだろうし、分かってあきらめてくれないか?
───あと、八剣。おまえ( )の中身なんて言った?」
いつも通り生徒会副会長と生徒会書記による口喧嘩が始まりそうだ。
これに気付いたのは紅葉の横に立って歩いていた大楠である。
彼女の後ろでは今にも山上と八剣の間で一触即発起こりそうな雰囲気であったが、起こらないように慌てて彼らの話に乗っかる。
「紅葉さんが前に言っていた場所ですね?
一度、行ってみたかったんですよ。ね? 八剣ちゃんと男2人。いいじゃないですか。
みんなで行きましょう? ね?」
これ以上問題を起こすなよ……と怒りを抑えながら笑顔で仲裁してくる大楠。
もう笑顔で口喧嘩の仲裁をしてくれているが、その顔が笑顔なのが怖い。
これ以上、反論すれば首を取られてしまうかもしれない。
そう考えた生徒会長と生徒会副会長は素直に、
「「そうですね。行きますか」」
……と言ってこの日は彼女らの跡をついていくしかなかった。
──────────────────
こうして、王レベル会議は幕を閉じた。
そして、この食事会の次の日の昼。
付喪連盟と冒険者連盟の同盟組織である連盟同盟の発表や、付喪人や冒険者やその他の戦士へのクエスト募集依頼と説明。
そして、会議では決定されなかった国民の他国避難が発表されることとなった。
もうみんなとこれで出会うのが最後になるかもしれないので、塩見と三原以外はそれぞれに別れの挨拶をしてから会議室を出ていく。
塩見と三原はそんな友情などどうでもいいように会議が終わると颯爽とこの部屋から出ていってしまったのだ。
八剣と大楠は互いに握手をしあって再会を約束。
山上と紅葉は、この間のことについて山上が謝罪を行っている所を大台ケ原が見つめ。
紅葉はその後、真丸と連絡先を交換。
その後、真丸は空木と乗鞍のいる場所へと呼ばれて、一緒になんだかよく分からない話をしている。
「───なぁ、真丸」
「どうしたの? 乗鞍さん」
「吾輩、さっきのお前の話の中でちょっと気になってさ。ほら、このまま今生の別れともなると聞けなくなるだろ?
だから、聞いておこうと思ってな」
どうやら乗鞍は真丸に質問したいことがあるらしい。
乗鞍からの質問が珍しいと感じたのだろうか。
真丸は少しだけからかってみようと思ったようだ。
「も~君の口から今生の別れなんて出たら君の筋肉が泣いちゃうぞ?
でも、まぁ、どうしたんだい?
僕っちが言えることならなんでもさ……言ってくれて構わないよ?」
結局、筋肉について指摘したことをツッコむこともなく、乗鞍は自らが疑問に思ったことについて聞きだし始める。
「お前が言ってた調べたいことについてなんだが………。
2つのうちあと1つがどうしても気になってよ。ほら、吾輩は気になることがあると眠れない質でさ」
「ああ~。その事」
乗鞍が言っているのは、古文書に記録された信憑性はない伝承である不睦と内乱の封印の話の時に言っていた事ともう1つの調べものについて……。
何気ない調査だったとしても乗鞍にはそれが気になって仕方がないようだ。
「そのもうひとつの古文書はルイトボルト教についての事さ。
始まりと破壊。人類全ての快楽。ラジーマの楽園。無数の平行世界の存在。ヘルメス計画……などなど。
これらは神話の話で興味があっただけなんだが…………。
その中に調査すべき事が1つだけあってね。とても現実味を帯びていたんだ」
『章名は永乖。
かつてあった6つの思想が外道という呼称を与えられた概念。
ここではその名称を基として階級を騙し6柱。
それは教えであり悪ではない。ただ外されてしまったもの。教えは違えど行き着く先は真理の会得。
ただし、騙る者はその基を守ることはせず己と論を合わせて自らの都合よく動く。
その目的は思想の証明、採用、変換。その世界にすでに根ずく教えの崩壊。
内道を否定しさらに外道を騙るその名付けられし名はヘレシー』
「「ヘレシー……?」」
乗鞍と空木はその初めて聞く階級に、唾をのむほどのめりこみながら彼の話を聞いていた。
「そいつらは魔王とは比べ物にならない。ヘレシーが見ているのは世界の教。
ただし、下手したら今の人類を滅ぼして新しい人類と教えを守ってくかもしれない。
しかも1柱に何体の代表がいるかは分からず、枠に新たに入れる場合もある。
その6柱は、
道徳否定。
決定。
唯物。
七要素説。
開祖。
懐疑。
の6柱からなっていると言われている」
ここまで真丸が説明をし終えると空木はやれやれとホッとした表情を浮かべた。
真丸がここまで言ってきたのは神話や伝承であって事実ではないかもしれないからである。
乗鞍も空木も最初はこれから戦う相手がそんなレベルの怪物だったらと思うと、少し人類滅亡の覚悟と責任を背負っているように感じていたのだが、それが伝承だと分かると少しだけ肩の荷が下りる。
「でも、御前が言うのは伝説や神話の話だろ?」
「──────それでもあの時は気になっちゃったんだよ。
だから、いろいろと神話や伝承について学んでいたら十悪の存在が分かったのさ。それで結果オーライじゃないかな?」
たしかに真丸のおかげで今回の会議で作戦を立てることができたのは確かである。
真丸がこのことを言ってくれなかったら十悪のうち4人と戦うかもしれないという事は分かっていなかったのだ。
もし、いきなり進軍して敵が八虐の2人だけじゃなかった……と驚いたとしてももう遅いのだ。
それならば、あらかじめ軍を分けておき当たっても外れてもよい状況にしておけば最悪の場合は避けられるのだ。
「確かにそう言われればそうだな。いや~ありがとよ。これでようやく決戦の日まで心穏やかに熟睡できるぜ。このまま開戦の日まで気になって眠れないとかなったらたまんねぇからよ!!
ガハハハハハ八ッ!!!!!」
大笑いしながら真丸に礼を言う乗鞍。
戦争が始まろうとしてもこいつの性格は変わらないだろう。
それはそれで心強い。
誰しも魔王軍との戦争は不安なのだ。
そんな中でいつも通りの者がいるとなんだか安心する。
そんなことを彼から考えていた真丸であったが、その思考を遮るように彼の耳に紅葉からの提案の声が入ってくる。
「みんなー。
もう会議終わったし、みんなでこれから食事会でもしぇん~?」
ワクワクと期待を胸に紅葉がこちらの3人に手を振ってきているのだ。
彼女の周りにはその食事会に賛同したのか、生徒会の3人と大楠も真丸たちを待つように立っている。
こうしちゃいられないと彼女らの方を向く3人。
「よし、吾輩たちも行くか。おーい、おまえら吾輩たちも食事会に行っても構わんか?」
「何食べに行くんですか? 僕っちもうお腹がペコペコなんですよ~」
「御前たち、ちょっと待ってくれないか。今、持ち合わせているお金の確認をするから……」
そう言って彼女らの元に駆け寄る乗鞍と真丸と空木の3人。
彼らが駆け寄ると、紅葉たちは一緒に会議室外へと歩き始める。
「わたし、おすすめん料理屋しゃん知っとーっちゃけどどうばい?
そこしゃぃしぇん?」
今から夕食を食べに行くおすすめの店があると紅葉がウキウキしながら提案すると、大台ケ原が反論する。
「ここはラーメン屋に行くのがいいと思うのだがどうだろう?
そうだ、俺のおすすめであるツピキクドリンクも買っていこう。」
「ラーメンはやめてほしいんですが……。行くなら生徒会副会長である山上(生贄)に聞いてください。私は紅葉ちゃんのところ行くんで……」
「おい、八剣。バ会………生徒会長を俺に押し付けんな。
なぁ~、生徒会長悪いが今回はその提案は無しだ。
ほら、口臭気になる人もいるだろうし、分かってあきらめてくれないか?
───あと、八剣。おまえ( )の中身なんて言った?」
いつも通り生徒会副会長と生徒会書記による口喧嘩が始まりそうだ。
これに気付いたのは紅葉の横に立って歩いていた大楠である。
彼女の後ろでは今にも山上と八剣の間で一触即発起こりそうな雰囲気であったが、起こらないように慌てて彼らの話に乗っかる。
「紅葉さんが前に言っていた場所ですね?
一度、行ってみたかったんですよ。ね? 八剣ちゃんと男2人。いいじゃないですか。
みんなで行きましょう? ね?」
これ以上問題を起こすなよ……と怒りを抑えながら笑顔で仲裁してくる大楠。
もう笑顔で口喧嘩の仲裁をしてくれているが、その顔が笑顔なのが怖い。
これ以上、反論すれば首を取られてしまうかもしれない。
そう考えた生徒会長と生徒会副会長は素直に、
「「そうですね。行きますか」」
……と言ってこの日は彼女らの跡をついていくしかなかった。
──────────────────
こうして、王レベル会議は幕を閉じた。
そして、この食事会の次の日の昼。
付喪連盟と冒険者連盟の同盟組織である連盟同盟の発表や、付喪人や冒険者やその他の戦士へのクエスト募集依頼と説明。
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