222 / 294
第15章 どうやら全面戦争が始まるようです。(開戦)
緊急王レベル会議その1
しおりを挟む
魔王軍との全面戦争まで残り4日。
付喪連盟に所属する付喪人達や冒険者連盟に所属する冒険者達は上層部の決定を待っている最中である。
そんな中行われたのは王レベルの付喪人会議。
この場にいるのは7人+生徒会3人と付喪連盟副会長の計11人の男女。
楕円形の円卓の机の側に10人の王レベルと付喪連盟副会長が椅子に座る。
「さて、数日後に迫った魔王軍との全面戦争だが…。お前達はどう思っている?」
真剣な顔をした付喪連盟副会長は肘を机につけて彼らの顔色を伺う。
「───この場に来たという事は皆決まっているよね? 他の者がどう考えていようとオレは戦うぞ」
三原の発言と共にみんながうなずく。
どうやら、全員考えは決まっているようだ。
「そうか。それではこれより対魔王軍特別会議を始めよう。進行は付喪連盟副会長である私に任せてもらおう」
副会長の会議開催宣言に皆が再びうなずく。
すると、大楠は椅子から立ち上がり、自分の持っている資料を見ながら、調査内容を発表する。
「それでは、情報を整理しましょう。
まず敵の軍勢ですが……。今の状況からはどうとも言えません。相手は未知数。もし戦った場合何処から攻めてくるかも分からず……。ラジオのハッキング先の逆探知は出来ませんでした」
確かに今のままでは情報が少なすぎる。
敵は未知数。
そして敵の懐に我らを誘うという余裕。
このまま策を練らずして懐に飛び込めば全滅という可能性の方が高い。
「この戦いに参加する付喪人連盟の所属達ですが、これは希望制となっております。強制はいけませんから。しかし、王レベルがどう動くかで見極める者もいるようで」
こうして悩ましそうに大楠はそこで情報を伝え終える。
続いて、大楠の伝達を言い終えるのを待っていたのか。待ってましたとでも言うかのように紅葉が冒険者連盟について語り始まる。
「冒険者連盟はこん事態に対処するために我らに共闘ば望んどーようばい。私が名付けて連盟同盟って感じやろう」
紅葉自らが名付けた連盟同盟。
まだ、共闘するかも決めてはいないのだが、名付け親にでもなった気分なのだろうか。
だが、周りは紅葉の名付けアピールを無視して先に会議を進ませる。
次に話を始めたのは真丸。
真丸は自分で集めた情報から推理し、その結果をみんなに伝えるつもりらしい。
「では、次にこれは僕っちの独自調査であるが、数百年前に十悪が封印され八虐となった原因である不睦と内乱を魔王軍が探していたらしい」
「不睦と内乱?」
すると、同じく王レベルで和風侍な装いの『塩見刃(しおみやいば)』という男が聞きなれない単語に耳が引っ掛かったようで、真丸に向かって質問を行った。
真丸は今度はその質問内容について語り始める。
「前に気になる事が“2つ”あって調べた時に見つけたんです。
古文書に記録された物だから信憑性はない伝承ってやつだが。
八虐になる前の組織。幹部は10人だったそうです。
そこに記録されていた外された枠。
不睦と内乱の封印が数年前に解かれたらしい。
この事から不睦と内乱が魔王軍にいることはあり得る話だ。
そして、ラジオ放送に使われた天乃四霊」
ここまで真丸が自らの考察をみんなに伝えると、生徒会長である大台ケ原が天乃四霊について知っている知識を解説してくれた。
「ああ天乃四霊なら聞いたことがある。青龍、白虎、朱雀、玄武の四方の神の事だ。確か方角も司るって聞いたことがある」
「へ~そうなの?
吾輩初耳だぜ。知らなかった」
そう言って大台ケ原の説明を納得するように相槌を打ちながら聞いている男が1人。
塩見と同じく王レベルの巨漢な筋肉の持ち主である男。
名を『乗鞍(のりくら)』という。
そんな乗鞍の無知を嘲笑うかのように八剣は彼を煽る。
「あなたは歴史とか興味無さそうですしね。筋肉以外興味ないんじゃないですか?」
「ガハハハハハハッ!! その通りだぞ八剣さん」
しかし、乗鞍にとっては彼女が言うことは否定するほどでもない真実。
煽られたとも気づかずに乗鞍はテンションが上がっているようで、ただ笑っていた。
付喪連盟に所属する付喪人達や冒険者連盟に所属する冒険者達は上層部の決定を待っている最中である。
そんな中行われたのは王レベルの付喪人会議。
この場にいるのは7人+生徒会3人と付喪連盟副会長の計11人の男女。
楕円形の円卓の机の側に10人の王レベルと付喪連盟副会長が椅子に座る。
「さて、数日後に迫った魔王軍との全面戦争だが…。お前達はどう思っている?」
真剣な顔をした付喪連盟副会長は肘を机につけて彼らの顔色を伺う。
「───この場に来たという事は皆決まっているよね? 他の者がどう考えていようとオレは戦うぞ」
三原の発言と共にみんながうなずく。
どうやら、全員考えは決まっているようだ。
「そうか。それではこれより対魔王軍特別会議を始めよう。進行は付喪連盟副会長である私に任せてもらおう」
副会長の会議開催宣言に皆が再びうなずく。
すると、大楠は椅子から立ち上がり、自分の持っている資料を見ながら、調査内容を発表する。
「それでは、情報を整理しましょう。
まず敵の軍勢ですが……。今の状況からはどうとも言えません。相手は未知数。もし戦った場合何処から攻めてくるかも分からず……。ラジオのハッキング先の逆探知は出来ませんでした」
確かに今のままでは情報が少なすぎる。
敵は未知数。
そして敵の懐に我らを誘うという余裕。
このまま策を練らずして懐に飛び込めば全滅という可能性の方が高い。
「この戦いに参加する付喪人連盟の所属達ですが、これは希望制となっております。強制はいけませんから。しかし、王レベルがどう動くかで見極める者もいるようで」
こうして悩ましそうに大楠はそこで情報を伝え終える。
続いて、大楠の伝達を言い終えるのを待っていたのか。待ってましたとでも言うかのように紅葉が冒険者連盟について語り始まる。
「冒険者連盟はこん事態に対処するために我らに共闘ば望んどーようばい。私が名付けて連盟同盟って感じやろう」
紅葉自らが名付けた連盟同盟。
まだ、共闘するかも決めてはいないのだが、名付け親にでもなった気分なのだろうか。
だが、周りは紅葉の名付けアピールを無視して先に会議を進ませる。
次に話を始めたのは真丸。
真丸は自分で集めた情報から推理し、その結果をみんなに伝えるつもりらしい。
「では、次にこれは僕っちの独自調査であるが、数百年前に十悪が封印され八虐となった原因である不睦と内乱を魔王軍が探していたらしい」
「不睦と内乱?」
すると、同じく王レベルで和風侍な装いの『塩見刃(しおみやいば)』という男が聞きなれない単語に耳が引っ掛かったようで、真丸に向かって質問を行った。
真丸は今度はその質問内容について語り始める。
「前に気になる事が“2つ”あって調べた時に見つけたんです。
古文書に記録された物だから信憑性はない伝承ってやつだが。
八虐になる前の組織。幹部は10人だったそうです。
そこに記録されていた外された枠。
不睦と内乱の封印が数年前に解かれたらしい。
この事から不睦と内乱が魔王軍にいることはあり得る話だ。
そして、ラジオ放送に使われた天乃四霊」
ここまで真丸が自らの考察をみんなに伝えると、生徒会長である大台ケ原が天乃四霊について知っている知識を解説してくれた。
「ああ天乃四霊なら聞いたことがある。青龍、白虎、朱雀、玄武の四方の神の事だ。確か方角も司るって聞いたことがある」
「へ~そうなの?
吾輩初耳だぜ。知らなかった」
そう言って大台ケ原の説明を納得するように相槌を打ちながら聞いている男が1人。
塩見と同じく王レベルの巨漢な筋肉の持ち主である男。
名を『乗鞍(のりくら)』という。
そんな乗鞍の無知を嘲笑うかのように八剣は彼を煽る。
「あなたは歴史とか興味無さそうですしね。筋肉以外興味ないんじゃないですか?」
「ガハハハハハハッ!! その通りだぞ八剣さん」
しかし、乗鞍にとっては彼女が言うことは否定するほどでもない真実。
煽られたとも気づかずに乗鞍はテンションが上がっているようで、ただ笑っていた。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
Sランク冒険者を小指一本で倒せる俺、成り行きで《大邪神》まで倒すことになっちゃいました。
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
黒岩蔵人、二十六歳はテレビ局でアシスタントディレクターとして忙しい日々を送っていた。
そんなある日ディレクターの指示で買い物に出かけたところ、黒岩はトラックに撥ねられて死んでしまう。だがそんな黒岩の前に神様が現れ、地球の十分の一の重力の異世界に生き返らせてやると言い黒岩は事実異世界に飛ばされた。
そこでは黒岩は最強超人だった!
闘え☆桂ちゃん!
くにざゎゆぅ
ファンタジー
壁ドン流し目なんのその! 美形の先輩方に翻弄されながら、今日も闘う女の子!
ピンク色の似合う可愛い女子高生を夢見るわたし、桂(かつら)。
友との平和で楽しい高校生活を、ひっそりと送りたいだけ……。
なのに! なんで、わたしが異能系戦隊ピンクに選ばれたの!?
ピンクが似合う女の子になりたいけれど、闘う戦隊ピンクになりたいわけじゃない。
悩むわたしの周りには、導き、あるいは翻弄させる美形の先輩方が次々と出没。はからずも逆ハーだけれど、いまは楽しむ余裕がない。
闘う?
闘わない?
わたしが向かう未来はどっち!?
夢見るヒロインが巻きこまれた、ちょっぴり異能系成長物語。
※他サイトでも公開中です。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
工芸職人《クラフトマン》はセカンドライフを謳歌する
鈴木竜一
ファンタジー
旧題:工芸職人《クラフトマン》はセカンドライフを謳歌する~ブラック商会をクビになったので独立したら、なぜか超一流の常連さんたちが集まってきました~
【お知らせ】
このたび、本作の書籍化が正式に決定いたしました。
発売は今月(6月)下旬!
詳細は近況ボードにて!
超絶ブラックな労働環境のバーネット商会に所属する工芸職人《クラフトマン》のウィルムは、過労死寸前のところで日本の社畜リーマンだった前世の記憶がよみがえる。その直後、ウィルムは商会の代表からクビを宣告され、石や木片という簡単な素材から付与効果付きの武器やアイテムを生みだせる彼のクラフトスキルを頼りにしてくれる常連の顧客(各分野における超一流たち)のすべてをバカ息子であるラストンに引き継がせると言いだした。どうせ逆らったところで無駄だと悟ったウィルムは、退職金代わりに隠し持っていた激レアアイテムを持ちだし、常連客たちへ退職報告と引き継ぎの挨拶を済ませてから、自由気ままに生きようと隣国であるメルキス王国へと旅立つ。
ウィルムはこれまでのコネクションを駆使し、田舎にある森の中で工房を開くと、そこで畑を耕したり、家畜を飼育したり、川で釣りをしたり、時には町へ行ってクラフトスキルを使って作ったアイテムを売ったりして静かに暮らそうと計画していたのだ。
一方、ウィルムの常連客たちは突然の退職が代表の私情で行われたことと、その後の不誠実な対応、さらには後任であるラストンの無能さに激怒。大貴族、Sランク冒険者パーティーのリーダー、秘境に暮らす希少獣人族集落の長、世界的に有名な鍛冶職人――などなど、有力な顧客はすべて商会との契約を打ち切り、ウィルムをサポートするため次々と森にある彼の工房へと集結する。やがて、そこには多くの人々が移住し、最強クラスの有名人たちが集う村が完成していったのだった。
最強超人は異世界にてスマホを使う
萩場ぬし
ファンタジー
主人公、柏木 和(かしわぎ かず)は「武人」と呼ばれる武術を極めんとする者であり、ある日祖父から自分が世界で最強であることを知らされたのだった。
そして次の瞬間、自宅のコタツにいたはずの和は見知らぬ土地で寝転がっていた――
「……いや草」
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~
柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」
テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。
この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。
誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。
しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。
その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。
だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。
「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」
「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」
これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語
2月28日HOTランキング9位!
3月1日HOTランキング6位!
本当にありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる