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第15章 どうやら全面戦争が始まるようです。(開戦)

緊急王レベル会議その1

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 魔王軍との全面戦争まで残り4日。
付喪連盟に所属する付喪人達や冒険者連盟に所属する冒険者達は上層部の決定を待っている最中である。
そんな中行われたのは王レベルの付喪人会議。
この場にいるのは7人+生徒会3人と付喪連盟副会長の計11人の男女。
楕円形の円卓の机の側に10人の王レベルと付喪連盟副会長が椅子に座る。

「さて、数日後に迫った魔王軍との全面戦争だが…。お前達はどう思っている?」

真剣な顔をした付喪連盟副会長は肘を机につけて彼らの顔色を伺う。

「───この場に来たという事は皆決まっているよね?  他の者がどう考えていようとオレは戦うぞ」

三原の発言と共にみんながうなずく。
どうやら、全員考えは決まっているようだ。

「そうか。それではこれより対魔王軍特別会議を始めよう。進行は付喪連盟副会長である私に任せてもらおう」

副会長の会議開催宣言に皆が再びうなずく。
すると、大楠は椅子から立ち上がり、自分の持っている資料を見ながら、調査内容を発表する。

「それでは、情報を整理しましょう。
まず敵の軍勢ですが……。今の状況からはどうとも言えません。相手は未知数。もし戦った場合何処から攻めてくるかも分からず……。ラジオのハッキング先の逆探知は出来ませんでした」

確かに今のままでは情報が少なすぎる。
敵は未知数。
そして敵の懐に我らを誘うという余裕。
このまま策を練らずして懐に飛び込めば全滅という可能性の方が高い。

「この戦いに参加する付喪人連盟の所属達ですが、これは希望制となっております。強制はいけませんから。しかし、王レベルがどう動くかで見極める者もいるようで」

こうして悩ましそうに大楠はそこで情報を伝え終える。
続いて、大楠の伝達を言い終えるのを待っていたのか。待ってましたとでも言うかのように紅葉が冒険者連盟について語り始まる。

「冒険者連盟はこん事態に対処するために我らに共闘ば望んどーようばい。私が名付けて連盟同盟って感じやろう」

紅葉自らが名付けた連盟同盟。
まだ、共闘するかも決めてはいないのだが、名付け親にでもなった気分なのだろうか。
だが、周りは紅葉の名付けアピールを無視して先に会議を進ませる。



 次に話を始めたのは真丸。
真丸は自分で集めた情報から推理し、その結果をみんなに伝えるつもりらしい。

「では、次にこれは僕っちの独自調査であるが、数百年前に十悪が封印され八虐となった原因である不睦と内乱を魔王軍が探していたらしい」

「不睦と内乱?」

すると、同じく王レベルで和風侍な装いの『塩見刃(しおみやいば)』という男が聞きなれない単語に耳が引っ掛かったようで、真丸に向かって質問を行った。
真丸は今度はその質問内容について語り始める。

「前に気になる事が“2つ”あって調べた時に見つけたんです。
古文書に記録された物だから信憑性はない伝承ってやつだが。
八虐になる前の組織。幹部は10人だったそうです。
そこに記録されていた外された枠。
不睦と内乱の封印が数年前に解かれたらしい。
この事から不睦と内乱が魔王軍にいることはあり得る話だ。
そして、ラジオ放送に使われた天乃四霊」

ここまで真丸が自らの考察をみんなに伝えると、生徒会長である大台ケ原が天乃四霊について知っている知識を解説してくれた。

「ああ天乃四霊なら聞いたことがある。青龍、白虎、朱雀、玄武の四方の神の事だ。確か方角も司るって聞いたことがある」

「へ~そうなの?
吾輩初耳だぜ。知らなかった」

そう言って大台ケ原の説明を納得するように相槌を打ちながら聞いている男が1人。
塩見と同じく王レベルの巨漢な筋肉の持ち主である男。
名を『乗鞍(のりくら)』という。
そんな乗鞍の無知を嘲笑うかのように八剣は彼を煽る。

「あなたは歴史とか興味無さそうですしね。筋肉以外興味ないんじゃないですか?」

「ガハハハハハハッ!!  その通りだぞ八剣さん」

しかし、乗鞍にとっては彼女が言うことは否定するほどでもない真実。
煽られたとも気づかずに乗鞍はテンションが上がっているようで、ただ笑っていた。
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