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第15章 どうやら全面戦争が始まるようです。(開戦)
生徒会フォーエバー
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商店街に着いた山上は、側にあったゴミ箱の裏に屈んで隠れる。
しばらく、ゴミ箱の裏に隠れていたのだが、彼を追いかけてくる足音も声も聞こえてこない。
もしかして、撒いたのだろうか?
「ふ~あぶねぇ。俺は相談にのってあげれる程のアイディアなんて浮かばないのにな~」
相談事なんて頭のいい真丸にでも聞いておけばいいのだ。
彼がホッと安心してゴミ箱から出ていこうとした時、
「ゴミ箱の側に猫でもいると思ったら、やっぱりただのゴミだったか」
…と山上をゴミでも見るような目で見下してくる視線。
方言ではないため、紅葉ではない。
しゃがんだ山上が恐る恐るゴミ箱の側から見上げると、
そこにいたのは飲食店の制服を着た八剣であった。
久しぶりに登場する八剣。
彼女は山上と同じ国市高等学校に通っている生徒会書記であり、『王レベル生徒会』のメンバーの1人です。
同じ王レベルの大楠さんとは仲良しの蛇口の付喪人であります。
ちなみに山上とは犬猿の仲です。
「よッ!!
久しぶりだな八剣」
「よッ…じゃないです。何してるんですか?」
「いや、ちょっと依頼先でいろいろとあってな。今は些細なことで仲間に追われてる」
「ふーん。で?どうだったんです任務は?」
「捜索対象の占い師かその子供は行方不明のまま、あの魔王幹部の殺人鬼との戦闘。家族の仇は取ったがその後に決定事項失敗で対象者を見逃し、仲間からはアドバイスを依頼されて逃げ回ってた」
今回の任務の結果を正確に伝える。
仲間同士での情報のホウレンソウは大事なのだ。
いや、山上にはソウはいらない。
とにかく、言い方はどうであれ山上は八剣に伝えた。
すると、彼の説明で理解したのか、八剣が彼が言うことを自分なりにまとめてみる。
「なるほど、つまり副会長は国家転覆罪で死刑ってわけですね?」
違う。
「う~ん、ほとんど間違ってて殺意しか感じないが…………。それよりお前なにしてんだ?」
山上は八剣の殺意には気づかないフリをして彼女がなぜこんな飲食店の制服を着ているのかを問いただす。
すると、八剣は自分の制服を山上に見せつけながら言う。
「何って。副会長がいない間にツピキクドリンク店を開いたんだ」
「へぇードリンク店ねぇ。そりゃ………ハァ!?
お前ら店やってるの?」
初耳である。
山上がいない間にそんなことになっていたとは、彼は何も聞かされていなかった。
「ああ、文化委員長のうちが飲食店らしく、生徒会長が宣伝したツピキクドリンクが大ヒット。お客さんの長蛇の列でお店は大儲け。ついでに私らもバイトで大儲け」
「お前ら、俺が死ぬ気で任務遂行してた時にドリンク店って………嘘だろ?」
仲間との壁。
自分だけ知らされていないとなんだか嫌われているんじゃないかと勘違いしてしまう。
その時、彼らに近づく1人の男。
情けなくもあり頼りやすいような声で彼は山上達がたむろっている所に声をかけてきた。
「おーい八剣、そろそろ帰るぞ……って山上じゃないか!! ひさしぶりだな」
山上にもその声は聞き覚えがある。
彼は振り向き、仲間はずれにされた事で助けを求めるように返事をした。
「その声は生徒会長の大台ケ原。なぁ…聞いてくれよ俺がいない間にこいつら………」
口が閉じる。
大台ケ原も聞かされていないと信じた山上がバカだったのだ。
大台ケ原の飲食店制服を夕焼けが優しく照らしている。
「おう? どうした?
命の恩人に自分だけ借りを返し、まだ借りを返せていない紅葉に何かいいアイディアを求められたが、返事ができずに逃げてきたような顔だな?」
「当たってるよ!! バ会長なのに当たってるのがムカつくなァァ」
「おいおい、拗ねるなよ。お店のこと教えなかったのは悪かった。帰りに3人でラーメンでも食いに行こうぜ」
彼らは本当に生徒会副会長には何も誘わずに飲食店でバイトしていた。
正直、ガッカリする山上だったが
「───てか、お前らそんな呑気でいいのかよ!? 戦争だぞ戦争」
「はい、知ってますよ?
カチコミに来るんですよね?」
別に戦争については問題でもないかのように答える八剣。
これは頼もしい。
生徒会書記は働いていたとしても、きちんとこの戦争のことを考えていたのだ。
きっと、生徒会長も今後の話をするために場所を変えてラーメン屋で会議でもするつもりなのだろう。
まぁ…ラーメン屋でなくてもいいとは思うが、バ会長にしては考えている。
これなら話は早い、さっそく王レベルとしての生徒会の今後を話し合うためにも……。
「えっ、戦争始まるの!?」
バ会長はバ会長であった。
「~で、~してきたんです」
ただいま、八剣は大台ケ原に魔王軍からの宣戦布告について説明を行っている。
その間に山上は携帯で紅葉宛のメールを打ち込んでいた。
悪いが相談ごとは他を当たってくれ…というメッセージを打ち込むと、彼女宛に送信。
これで彼女からアドバイスを求められる心配もなくなる。
ホッと一息ついた後、山上がふと2人の様子を伺ってみる。
「どうです? 分かりましたか?」
「ああ、しっかりきっかり完璧に理解したぜ」
生徒会長のふざけたような返事が気になるが、どうやら説明は終わったらしい。
「しかし、戦争か。もう向こうの要求に従った方が早くない?」
「「ッ!?」」
「だって、あちらさんは獲得候補者って奴を求めてるんだよ? そいつを突き出せば血も流さない。平和的交渉じゃないですか?」
「それはそうだが………」
数人を見捨てれば数万人を救う。
八剣の言うことは正しい。
だが、山上はその意見に賛成することができない。
返答に悩む山上の代わりに大台ケ原が返答する。
「その話はやめてやれ八剣。お前の言うことは正しいが、決めるのはここじゃない」
「そうですが。じゃあ生徒会長はどう思っているんですか?」
八剣から大台ケ原への質問。
答えのない自分の考えを答える題材。
大台ケ原はしばらく夕焼けを見ながら考えると、そっと口を開いた。
「確かに俺だって戦いは嫌だよ。でも、人間ってのは必ず小さな事でも争う生き物だ。人との差を比べたがる。頂点……上に立ちたがる。
みんな自分の存在理由を証明したがっている。
みんな小さくても自分の価値がほしいんだ。
じゃなきゃ自分がいる意味がない。そう思う人が多い。
だが、人間は上に行く度に下にも目は行かなくなる。
そこで上だけを見るか下も見るかで印象は変わる。幸せは変わる。
上だけを見てたらいつか下に驚かされる。下克上ってやつだ」
その発言は上を求める八剣の心に深く響く。
姉が死ぬことで上に立てた彼女の心を少し動揺させたが、彼女は冷静を装い大台ケ原の説明を聞いていた。
「───つまり、“魔王軍に勝つ”という“上”にも、“鍵の獲得候補者を見捨てない”という“下”にも対処しなければならないと?」
「そう、勝利するなら全て上も下も対処する方法だ」
八剣の質問に大台ケ原はうなずき、山上が付け加えて今まで悩んでいた自分の意見を答える。
「なぁ、これは俺の意見だが……。みんなのために死ぬなんてかわいそうだ。まるで死ぬことが仕方がないことみたいに……。こういうのは答えが見つかる問題じゃないよ。トロッコ問題ってやつだ」
「いいこと言うな~。なら、俺は傲慢かもしれないが皆が幸せな結果になることを祈る。俺たちは絶対生還する」
大台ケ原の考えを聞いた八剣は少し顔を俯かせる。
「みんなで生還できるでしょうか。可能性低いですよ」
「不安になるのは分かるが、夢は大きく志も大きくだろ?
初めから全滅を考えて行動するわけにはいかない。目標はハッピーエンドだぜ」
大台ケ原は何も不安などないような笑顔で八剣に返事をする。
「まったく、何事も楽観的に考えるんだから」
そんな彼の楽観的な発言に頭を抱える山上。
そんな山上を見て頭を抱えている理由が自分だと理解していない生徒会長は、八剣と山上の肩に手を当てて肩を組む。
「よし、それじゃあ、そろそろこの話題は終わり。ラーメン食いにいこうぜ!!!」
この人は最初からまったく変わっていない。
まるで、先程の台詞が嘘のようだ。
八剣はそんな変わらない男の名前を口に出す。
「──生徒会長」
「ん? どうした八剣」
山上は八剣から呼ばれた事で彼女の目を見る。
「今日は3人で行ってあげますが、次行くときはみんなで行きましょうね」
肩に組んでいた手を外し、その手で彼は親指を立ててサムズアップを行いながら彼女に返事をする。
「当たり前だ。次は生徒会で宴会でも開いて楽しくバカやろうな。約束だぞ?八剣、山上」
爽やかな笑顔と共に彼は言葉を発したのだが、その言葉について山上がツッコミをいれた。
「ああ、ただし店に迷惑かけない程度だがな」
このようにして、3人で横並びに夕焼けの中を歩く生徒たち。
彼らがこれからどうなるかは彼らは分からない。
ラーメン屋に向かって歩く少年たちの笑顔が消えてしまう日が来るかもしれない。
ただ、今はこの幸せを噛みしめ、ラーメンを噛みしめるのを楽しみに待つ。
彼らは約束したのだ。
今度はみんなでラーメンを食べようと……。
彼らの生還する理由はそれでも充分。
これから何が起きようと、生徒会は残り続けるだろう。
いつも通り、夕日は優しく3人の影を地面に写していた。
しばらく、ゴミ箱の裏に隠れていたのだが、彼を追いかけてくる足音も声も聞こえてこない。
もしかして、撒いたのだろうか?
「ふ~あぶねぇ。俺は相談にのってあげれる程のアイディアなんて浮かばないのにな~」
相談事なんて頭のいい真丸にでも聞いておけばいいのだ。
彼がホッと安心してゴミ箱から出ていこうとした時、
「ゴミ箱の側に猫でもいると思ったら、やっぱりただのゴミだったか」
…と山上をゴミでも見るような目で見下してくる視線。
方言ではないため、紅葉ではない。
しゃがんだ山上が恐る恐るゴミ箱の側から見上げると、
そこにいたのは飲食店の制服を着た八剣であった。
久しぶりに登場する八剣。
彼女は山上と同じ国市高等学校に通っている生徒会書記であり、『王レベル生徒会』のメンバーの1人です。
同じ王レベルの大楠さんとは仲良しの蛇口の付喪人であります。
ちなみに山上とは犬猿の仲です。
「よッ!!
久しぶりだな八剣」
「よッ…じゃないです。何してるんですか?」
「いや、ちょっと依頼先でいろいろとあってな。今は些細なことで仲間に追われてる」
「ふーん。で?どうだったんです任務は?」
「捜索対象の占い師かその子供は行方不明のまま、あの魔王幹部の殺人鬼との戦闘。家族の仇は取ったがその後に決定事項失敗で対象者を見逃し、仲間からはアドバイスを依頼されて逃げ回ってた」
今回の任務の結果を正確に伝える。
仲間同士での情報のホウレンソウは大事なのだ。
いや、山上にはソウはいらない。
とにかく、言い方はどうであれ山上は八剣に伝えた。
すると、彼の説明で理解したのか、八剣が彼が言うことを自分なりにまとめてみる。
「なるほど、つまり副会長は国家転覆罪で死刑ってわけですね?」
違う。
「う~ん、ほとんど間違ってて殺意しか感じないが…………。それよりお前なにしてんだ?」
山上は八剣の殺意には気づかないフリをして彼女がなぜこんな飲食店の制服を着ているのかを問いただす。
すると、八剣は自分の制服を山上に見せつけながら言う。
「何って。副会長がいない間にツピキクドリンク店を開いたんだ」
「へぇードリンク店ねぇ。そりゃ………ハァ!?
お前ら店やってるの?」
初耳である。
山上がいない間にそんなことになっていたとは、彼は何も聞かされていなかった。
「ああ、文化委員長のうちが飲食店らしく、生徒会長が宣伝したツピキクドリンクが大ヒット。お客さんの長蛇の列でお店は大儲け。ついでに私らもバイトで大儲け」
「お前ら、俺が死ぬ気で任務遂行してた時にドリンク店って………嘘だろ?」
仲間との壁。
自分だけ知らされていないとなんだか嫌われているんじゃないかと勘違いしてしまう。
その時、彼らに近づく1人の男。
情けなくもあり頼りやすいような声で彼は山上達がたむろっている所に声をかけてきた。
「おーい八剣、そろそろ帰るぞ……って山上じゃないか!! ひさしぶりだな」
山上にもその声は聞き覚えがある。
彼は振り向き、仲間はずれにされた事で助けを求めるように返事をした。
「その声は生徒会長の大台ケ原。なぁ…聞いてくれよ俺がいない間にこいつら………」
口が閉じる。
大台ケ原も聞かされていないと信じた山上がバカだったのだ。
大台ケ原の飲食店制服を夕焼けが優しく照らしている。
「おう? どうした?
命の恩人に自分だけ借りを返し、まだ借りを返せていない紅葉に何かいいアイディアを求められたが、返事ができずに逃げてきたような顔だな?」
「当たってるよ!! バ会長なのに当たってるのがムカつくなァァ」
「おいおい、拗ねるなよ。お店のこと教えなかったのは悪かった。帰りに3人でラーメンでも食いに行こうぜ」
彼らは本当に生徒会副会長には何も誘わずに飲食店でバイトしていた。
正直、ガッカリする山上だったが
「───てか、お前らそんな呑気でいいのかよ!? 戦争だぞ戦争」
「はい、知ってますよ?
カチコミに来るんですよね?」
別に戦争については問題でもないかのように答える八剣。
これは頼もしい。
生徒会書記は働いていたとしても、きちんとこの戦争のことを考えていたのだ。
きっと、生徒会長も今後の話をするために場所を変えてラーメン屋で会議でもするつもりなのだろう。
まぁ…ラーメン屋でなくてもいいとは思うが、バ会長にしては考えている。
これなら話は早い、さっそく王レベルとしての生徒会の今後を話し合うためにも……。
「えっ、戦争始まるの!?」
バ会長はバ会長であった。
「~で、~してきたんです」
ただいま、八剣は大台ケ原に魔王軍からの宣戦布告について説明を行っている。
その間に山上は携帯で紅葉宛のメールを打ち込んでいた。
悪いが相談ごとは他を当たってくれ…というメッセージを打ち込むと、彼女宛に送信。
これで彼女からアドバイスを求められる心配もなくなる。
ホッと一息ついた後、山上がふと2人の様子を伺ってみる。
「どうです? 分かりましたか?」
「ああ、しっかりきっかり完璧に理解したぜ」
生徒会長のふざけたような返事が気になるが、どうやら説明は終わったらしい。
「しかし、戦争か。もう向こうの要求に従った方が早くない?」
「「ッ!?」」
「だって、あちらさんは獲得候補者って奴を求めてるんだよ? そいつを突き出せば血も流さない。平和的交渉じゃないですか?」
「それはそうだが………」
数人を見捨てれば数万人を救う。
八剣の言うことは正しい。
だが、山上はその意見に賛成することができない。
返答に悩む山上の代わりに大台ケ原が返答する。
「その話はやめてやれ八剣。お前の言うことは正しいが、決めるのはここじゃない」
「そうですが。じゃあ生徒会長はどう思っているんですか?」
八剣から大台ケ原への質問。
答えのない自分の考えを答える題材。
大台ケ原はしばらく夕焼けを見ながら考えると、そっと口を開いた。
「確かに俺だって戦いは嫌だよ。でも、人間ってのは必ず小さな事でも争う生き物だ。人との差を比べたがる。頂点……上に立ちたがる。
みんな自分の存在理由を証明したがっている。
みんな小さくても自分の価値がほしいんだ。
じゃなきゃ自分がいる意味がない。そう思う人が多い。
だが、人間は上に行く度に下にも目は行かなくなる。
そこで上だけを見るか下も見るかで印象は変わる。幸せは変わる。
上だけを見てたらいつか下に驚かされる。下克上ってやつだ」
その発言は上を求める八剣の心に深く響く。
姉が死ぬことで上に立てた彼女の心を少し動揺させたが、彼女は冷静を装い大台ケ原の説明を聞いていた。
「───つまり、“魔王軍に勝つ”という“上”にも、“鍵の獲得候補者を見捨てない”という“下”にも対処しなければならないと?」
「そう、勝利するなら全て上も下も対処する方法だ」
八剣の質問に大台ケ原はうなずき、山上が付け加えて今まで悩んでいた自分の意見を答える。
「なぁ、これは俺の意見だが……。みんなのために死ぬなんてかわいそうだ。まるで死ぬことが仕方がないことみたいに……。こういうのは答えが見つかる問題じゃないよ。トロッコ問題ってやつだ」
「いいこと言うな~。なら、俺は傲慢かもしれないが皆が幸せな結果になることを祈る。俺たちは絶対生還する」
大台ケ原の考えを聞いた八剣は少し顔を俯かせる。
「みんなで生還できるでしょうか。可能性低いですよ」
「不安になるのは分かるが、夢は大きく志も大きくだろ?
初めから全滅を考えて行動するわけにはいかない。目標はハッピーエンドだぜ」
大台ケ原は何も不安などないような笑顔で八剣に返事をする。
「まったく、何事も楽観的に考えるんだから」
そんな彼の楽観的な発言に頭を抱える山上。
そんな山上を見て頭を抱えている理由が自分だと理解していない生徒会長は、八剣と山上の肩に手を当てて肩を組む。
「よし、それじゃあ、そろそろこの話題は終わり。ラーメン食いにいこうぜ!!!」
この人は最初からまったく変わっていない。
まるで、先程の台詞が嘘のようだ。
八剣はそんな変わらない男の名前を口に出す。
「──生徒会長」
「ん? どうした八剣」
山上は八剣から呼ばれた事で彼女の目を見る。
「今日は3人で行ってあげますが、次行くときはみんなで行きましょうね」
肩に組んでいた手を外し、その手で彼は親指を立ててサムズアップを行いながら彼女に返事をする。
「当たり前だ。次は生徒会で宴会でも開いて楽しくバカやろうな。約束だぞ?八剣、山上」
爽やかな笑顔と共に彼は言葉を発したのだが、その言葉について山上がツッコミをいれた。
「ああ、ただし店に迷惑かけない程度だがな」
このようにして、3人で横並びに夕焼けの中を歩く生徒たち。
彼らがこれからどうなるかは彼らは分からない。
ラーメン屋に向かって歩く少年たちの笑顔が消えてしまう日が来るかもしれない。
ただ、今はこの幸せを噛みしめ、ラーメンを噛みしめるのを楽しみに待つ。
彼らは約束したのだ。
今度はみんなでラーメンを食べようと……。
彼らの生還する理由はそれでも充分。
これから何が起きようと、生徒会は残り続けるだろう。
いつも通り、夕日は優しく3人の影を地面に写していた。
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