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第13章 どうやら犯人は八虐の不道のようです。
紅葉と絶望への道
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『中野紅葉(なかのもみじ)』は折り紙の付喪人である。
彼女が作った折り紙の作品は本物ソックリになるという能力を持っているのだ。
そんな紅葉と戦うことになった犯人。
その犯人は焦ることもなく、むしろ感動しているようだ。
「私のスポンジマンに傷をつけた……素晴らしい君に敬意を評するよ。クククハハハハハハハッ!!
あとで頭ナデナデしてあげよう。君の肉体を破裂させてからね~」
犯人はもう紅葉を破裂させる気満々のようだ。
完璧に勝てると思っているのだろう。
だが、紅葉にだって負けるつもりは一切ない。
「調子にのって、後悔したっちゃ知らんばい。どげん相手やろうと、うちん折り紙ん恐ろしさば見せつけてやるわ!!!」
「ハァ…時間がないから早く来いよ。相手になってやるからさ」
犯人がそう呟くと、スポンジマンは山上のいる方から移動して紅葉の方へ向かってくる。
「『折紙享楽・鬼猛狛犬(きもうこまいぬ)』」
紅葉が次に放ってきたのは、折り紙で作られた狛犬。
4匹の狛犬は二手に別れて、スポンジマンと犯人に狙いを定めているようだ。
その狛犬がスポンジマンの腕と足。犯人の腕と足に噛みついてくる。
「これはマズイッ!?」
スポンジマンは向かってくる足を止め、犯人の噛みつかれた部分からは血が流れ出ている。
とても痛そうだ。
「う゛ぐ が゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!゛!゛痛い。
血が滝のように………このクソ犬がァァ!!」
噛みついてきた狛犬の首を掴み、無理やり接がすと、犯人はその狛犬を地面に叩きつけた。
すると、2匹の狛犬は悲痛そうな声をあげて、そのまま動かなくなってしまった。
「痛いな。大量に血が出てる。涙で周りが見えないなぁ。だが、私は負けるわけにはいかないのだ」
眼に涙を浮かべながら、犯人はフラフラと立ち上がる。
紅葉には何故彼がそこまでして諦めないのかが分からない。
「なしてそこまで?」
「私の愛する彼女が帰りを待っているんだ。私のやっと見つけた安心する居場所が待っているんだ。
例え、ここで私が死ぬとしても、別れを言わずに勝手に死ねるわけがないだろ?
違うかい?」
流血している場所に持っていたタオルを傷口に当てながら紅葉の質問に答えた。
「そう……やったらあんたば殺さんばい。ただし、真実ば白日ん元にさらす。それくらいはせな、あんたにただん趣味で殺されてきた被害者たちがあん世で報われんばい」
どうやら紅葉は犯人の生け捕りを行うつもりのようだ。
紅葉は自分のポケットに手を突っ込むと、別の折り紙を使って攻撃をする準備を行っている。
しかし、犯人は怯えることもなく興味本位でその行動を見ていた。
「『折紙享楽・針刃件桜(はりばくだりざくら)』」
紅葉がそう言って作り出したのは剣。
その剣は針のようにとても細長く、桜色の刀身であった。
その刀身は太陽光を受けてキラキラと明るい桃色の光を反射している。
「喰らいんさい。
『乱れ夜桜(みだれよざくら)』」
紅葉は自分の手に構えた剣をまるでフェンシングの選手のように持ち、鋭い針のような剣先を連続で突き刺そうとする。
無数のミシンが動くように針は向かってきていた。
しかし、犯人には対策する方法があったようだ。
「なるほど、私自身を穴の空いたスポンジのようにするつもりのようだが……無意味だよ。来いスポンジマン!!」
犯人がそう告げると、スポンジマンが妙義からの技からの身代わりになってくれている。
次々とスポンジマンに突き刺さっていく剣先。
「ほぉ~突き刺さるか。だが、残念だったな。もう少し力をいれて押し込めば、簡単に私に刃が届いただろうに」
スポンジマンに身代わりになってもらって安心しきっている犯人。
それでも紅葉は必死にスポンジマンに攻撃を与えている。
もう犯人にその刃は届かないのに、諦めずにスポンジマンを攻撃しているのだ。
「実に面白いね。攻撃は当たらない。君は自分の実力を理解できていなかったようだね。君は今絶望への道を突き進んでいる。哀れだよ。かわいそうだ」
だが、その油断が彼の運命を……勝利への道を変えてしまった。
妙義はひたすらスポンジマンに連撃を与えながら、犯人に語りかける。
「絶望へん道ば突き進んでるのはうちやなかばい。あんたこそ自分が今どん道ば進みよーか把握するべきやわ」
「なに!?」
犯人が紅葉の言うとおり、警戒してスポンジマンを見ていると…。
犯人側からはスポンジマンの体になにやらポツポツと小さな穴が空いているようにしか見えない。
「これはまさか!?」
犯人は急に焦りはじめてその場から離れようと振り返る。
しかし、一瞬のうちに犯人の体を紐が縛り上げて、彼は身動きが取れなくなってしまった。
山上が遠くから紐を伸ばして、犯人に気づかれないように縛っていたのだ。
これでは犯人は逃げることができない。
このまま時間が経てば、スポンジマンに空いた穴から剣先が雨のように飛び出し、犯人の身体を貫いてしまうのだ。
「───クソ野郎共がァァァァァァ!!!」
犯人の悲痛な叫びと同時に、スポンジマンの体にポッカリとたくさんの穴が空いてしまった。
彼女が作った折り紙の作品は本物ソックリになるという能力を持っているのだ。
そんな紅葉と戦うことになった犯人。
その犯人は焦ることもなく、むしろ感動しているようだ。
「私のスポンジマンに傷をつけた……素晴らしい君に敬意を評するよ。クククハハハハハハハッ!!
あとで頭ナデナデしてあげよう。君の肉体を破裂させてからね~」
犯人はもう紅葉を破裂させる気満々のようだ。
完璧に勝てると思っているのだろう。
だが、紅葉にだって負けるつもりは一切ない。
「調子にのって、後悔したっちゃ知らんばい。どげん相手やろうと、うちん折り紙ん恐ろしさば見せつけてやるわ!!!」
「ハァ…時間がないから早く来いよ。相手になってやるからさ」
犯人がそう呟くと、スポンジマンは山上のいる方から移動して紅葉の方へ向かってくる。
「『折紙享楽・鬼猛狛犬(きもうこまいぬ)』」
紅葉が次に放ってきたのは、折り紙で作られた狛犬。
4匹の狛犬は二手に別れて、スポンジマンと犯人に狙いを定めているようだ。
その狛犬がスポンジマンの腕と足。犯人の腕と足に噛みついてくる。
「これはマズイッ!?」
スポンジマンは向かってくる足を止め、犯人の噛みつかれた部分からは血が流れ出ている。
とても痛そうだ。
「う゛ぐ が゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!゛!゛痛い。
血が滝のように………このクソ犬がァァ!!」
噛みついてきた狛犬の首を掴み、無理やり接がすと、犯人はその狛犬を地面に叩きつけた。
すると、2匹の狛犬は悲痛そうな声をあげて、そのまま動かなくなってしまった。
「痛いな。大量に血が出てる。涙で周りが見えないなぁ。だが、私は負けるわけにはいかないのだ」
眼に涙を浮かべながら、犯人はフラフラと立ち上がる。
紅葉には何故彼がそこまでして諦めないのかが分からない。
「なしてそこまで?」
「私の愛する彼女が帰りを待っているんだ。私のやっと見つけた安心する居場所が待っているんだ。
例え、ここで私が死ぬとしても、別れを言わずに勝手に死ねるわけがないだろ?
違うかい?」
流血している場所に持っていたタオルを傷口に当てながら紅葉の質問に答えた。
「そう……やったらあんたば殺さんばい。ただし、真実ば白日ん元にさらす。それくらいはせな、あんたにただん趣味で殺されてきた被害者たちがあん世で報われんばい」
どうやら紅葉は犯人の生け捕りを行うつもりのようだ。
紅葉は自分のポケットに手を突っ込むと、別の折り紙を使って攻撃をする準備を行っている。
しかし、犯人は怯えることもなく興味本位でその行動を見ていた。
「『折紙享楽・針刃件桜(はりばくだりざくら)』」
紅葉がそう言って作り出したのは剣。
その剣は針のようにとても細長く、桜色の刀身であった。
その刀身は太陽光を受けてキラキラと明るい桃色の光を反射している。
「喰らいんさい。
『乱れ夜桜(みだれよざくら)』」
紅葉は自分の手に構えた剣をまるでフェンシングの選手のように持ち、鋭い針のような剣先を連続で突き刺そうとする。
無数のミシンが動くように針は向かってきていた。
しかし、犯人には対策する方法があったようだ。
「なるほど、私自身を穴の空いたスポンジのようにするつもりのようだが……無意味だよ。来いスポンジマン!!」
犯人がそう告げると、スポンジマンが妙義からの技からの身代わりになってくれている。
次々とスポンジマンに突き刺さっていく剣先。
「ほぉ~突き刺さるか。だが、残念だったな。もう少し力をいれて押し込めば、簡単に私に刃が届いただろうに」
スポンジマンに身代わりになってもらって安心しきっている犯人。
それでも紅葉は必死にスポンジマンに攻撃を与えている。
もう犯人にその刃は届かないのに、諦めずにスポンジマンを攻撃しているのだ。
「実に面白いね。攻撃は当たらない。君は自分の実力を理解できていなかったようだね。君は今絶望への道を突き進んでいる。哀れだよ。かわいそうだ」
だが、その油断が彼の運命を……勝利への道を変えてしまった。
妙義はひたすらスポンジマンに連撃を与えながら、犯人に語りかける。
「絶望へん道ば突き進んでるのはうちやなかばい。あんたこそ自分が今どん道ば進みよーか把握するべきやわ」
「なに!?」
犯人が紅葉の言うとおり、警戒してスポンジマンを見ていると…。
犯人側からはスポンジマンの体になにやらポツポツと小さな穴が空いているようにしか見えない。
「これはまさか!?」
犯人は急に焦りはじめてその場から離れようと振り返る。
しかし、一瞬のうちに犯人の体を紐が縛り上げて、彼は身動きが取れなくなってしまった。
山上が遠くから紐を伸ばして、犯人に気づかれないように縛っていたのだ。
これでは犯人は逃げることができない。
このまま時間が経てば、スポンジマンに空いた穴から剣先が雨のように飛び出し、犯人の身体を貫いてしまうのだ。
「───クソ野郎共がァァァァァァ!!!」
犯人の悲痛な叫びと同時に、スポンジマンの体にポッカリとたくさんの穴が空いてしまった。
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