183 / 294
第11章 どうやら殺人鬼はスポンジマンのようです。
とある男とスポンジマン
しおりを挟む
そうして、どこからともなく現れたのは、全身に穴が開いた人とは呼べないモノ。
「こいつはね。スポンジの付喪神。
こいつにはスポンジマンとでも呼んであげると嬉しがると思う。
私はね。子供の頃のある日、こいつと契約してスポンジの付喪人になったんだ。
そこから、まさかここまで人生が愉しくなるとは思わなかったよ。
アハハハハハハハハハ!!!」
「なんて奴なの!!!」
困ったな。
彼女の機嫌を良くして落とすつもりだったのに……。
彼女に軽蔑されてしまったようだ。
さすがにそこまで思われたら私だって感情的にはなる。
「あのさ。ここまで打ち明けたのは君の為になんだよ。
今回の事で君は悪いことをしたわけでもない。運が悪かっただけ。だから、私は特別にここまで喋っているんだ。
本当は言わない様に抑えている事まで言っているんだよ」
すると、その発言は更に女性を刺激してしまったようだ。
女性は悲しいことに怒りを露にして私に暴言を吐いてくる。
「それが何よ!!! 今から警備に訴えてやる。
あんたは殺人鬼だってことをね。
一生刑務所暮らしにさせてやるわ!!!」
「そうですか。そうですか。私だって必死に殺したいのを我慢して話していたんですがね」
私はそう言うと立ち上がって、先程の女性の死体の元へ行くと彼女のバックを漁りだした。
その行動に理解が追い付いていない様子で、女性は怪しみながらこちらを見ている。
「ほら、ちょっと汚れていますけど……。
新しい水着を餞別として贈りましょう。
ほら、高級品ですよ。
この女の命という代金で払っているからね」
私はそう言って、死んだ彼女のバックから水着を取り出すと、恐怖と怒りでクシャクシャになった顔をしている女性に投げつけた。
「ヒッ……!?!????」
受け取ったその水着には少し飛び散ったのだろう。あの死体の肉片と血がついていた。
そうして、すべての感情が恐怖の渦に呑み込まれた瞬間。
「それじゃぁな。派手に死にな!!!」
「いやぁぁぁぁぁ………………!?!?!?!?」
綺麗な絶望の顔に断末魔を添えながら、女性の体は内部から破裂した。
「ああああああああああ。気持ちいい~。
あっ、しまったな。二人の頭をコレクションにでも入れようと思っていたのに……。名前を聞き忘れてしまった」
全てが終わって静かになった後、誰もいない道の真ん中に私は突っ立っていた。
「これで今日は心置きなく本当に大切な彼女とデートが出来る」
ここには証拠が残っていない。行為は済ませた。
血は全てスポンジの付喪神が吸収しているから後でどこか適当な場所で排出すればいいし……。
肉片は乾燥しすぎているので時期に砂のように消えてしまうか、モンスターや動物に喰われるだろう。
そう私の行った行為は完全犯罪なのだ。
「さて、そろそろ行くとするか。ん? いや、まさかな」
少し気になった事があったのだが、私はそんな事はどうでも良いだろうという判断に至ったので気にしないでおくことにした。
この後のデートを楽しみに私は、もとの駐車場へと戻っていくのであった。
これが私の今日の一日である。
この後はちゃんとデートに行き、あの人に喜んでもらってデートは終わった。
あの人というのは私が心から愛している女性の事。特別な女性だ。
もちろん、彼女に私の趣味を打ち明けたりなんてしていない。
彼女とは普通の幸せな人生を過ごすつもりなのだから。
そう、これが私の今日の一日。
国市のとある住宅街にある和風な雰囲気のお屋敷住んでいる一般人。
毎日決まった時間に起きて決まった時間に寝ている社会人。
タバコも酒も飲まず、健康的な生活を送っている男。
この国中に恐れられている三大殺戮の一つにして、数年で何人も殺してきた殺人鬼。
魔王軍幹部八虐の不道にして、スポンジの付喪人。
それがこの私なのだ。
「こいつはね。スポンジの付喪神。
こいつにはスポンジマンとでも呼んであげると嬉しがると思う。
私はね。子供の頃のある日、こいつと契約してスポンジの付喪人になったんだ。
そこから、まさかここまで人生が愉しくなるとは思わなかったよ。
アハハハハハハハハハ!!!」
「なんて奴なの!!!」
困ったな。
彼女の機嫌を良くして落とすつもりだったのに……。
彼女に軽蔑されてしまったようだ。
さすがにそこまで思われたら私だって感情的にはなる。
「あのさ。ここまで打ち明けたのは君の為になんだよ。
今回の事で君は悪いことをしたわけでもない。運が悪かっただけ。だから、私は特別にここまで喋っているんだ。
本当は言わない様に抑えている事まで言っているんだよ」
すると、その発言は更に女性を刺激してしまったようだ。
女性は悲しいことに怒りを露にして私に暴言を吐いてくる。
「それが何よ!!! 今から警備に訴えてやる。
あんたは殺人鬼だってことをね。
一生刑務所暮らしにさせてやるわ!!!」
「そうですか。そうですか。私だって必死に殺したいのを我慢して話していたんですがね」
私はそう言うと立ち上がって、先程の女性の死体の元へ行くと彼女のバックを漁りだした。
その行動に理解が追い付いていない様子で、女性は怪しみながらこちらを見ている。
「ほら、ちょっと汚れていますけど……。
新しい水着を餞別として贈りましょう。
ほら、高級品ですよ。
この女の命という代金で払っているからね」
私はそう言って、死んだ彼女のバックから水着を取り出すと、恐怖と怒りでクシャクシャになった顔をしている女性に投げつけた。
「ヒッ……!?!????」
受け取ったその水着には少し飛び散ったのだろう。あの死体の肉片と血がついていた。
そうして、すべての感情が恐怖の渦に呑み込まれた瞬間。
「それじゃぁな。派手に死にな!!!」
「いやぁぁぁぁぁ………………!?!?!?!?」
綺麗な絶望の顔に断末魔を添えながら、女性の体は内部から破裂した。
「ああああああああああ。気持ちいい~。
あっ、しまったな。二人の頭をコレクションにでも入れようと思っていたのに……。名前を聞き忘れてしまった」
全てが終わって静かになった後、誰もいない道の真ん中に私は突っ立っていた。
「これで今日は心置きなく本当に大切な彼女とデートが出来る」
ここには証拠が残っていない。行為は済ませた。
血は全てスポンジの付喪神が吸収しているから後でどこか適当な場所で排出すればいいし……。
肉片は乾燥しすぎているので時期に砂のように消えてしまうか、モンスターや動物に喰われるだろう。
そう私の行った行為は完全犯罪なのだ。
「さて、そろそろ行くとするか。ん? いや、まさかな」
少し気になった事があったのだが、私はそんな事はどうでも良いだろうという判断に至ったので気にしないでおくことにした。
この後のデートを楽しみに私は、もとの駐車場へと戻っていくのであった。
これが私の今日の一日である。
この後はちゃんとデートに行き、あの人に喜んでもらってデートは終わった。
あの人というのは私が心から愛している女性の事。特別な女性だ。
もちろん、彼女に私の趣味を打ち明けたりなんてしていない。
彼女とは普通の幸せな人生を過ごすつもりなのだから。
そう、これが私の今日の一日。
国市のとある住宅街にある和風な雰囲気のお屋敷住んでいる一般人。
毎日決まった時間に起きて決まった時間に寝ている社会人。
タバコも酒も飲まず、健康的な生活を送っている男。
この国中に恐れられている三大殺戮の一つにして、数年で何人も殺してきた殺人鬼。
魔王軍幹部八虐の不道にして、スポンジの付喪人。
それがこの私なのだ。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
死霊術士が暴れたり建国したりするお話
白斎
ファンタジー
日本人がファンタジー異世界にとばされてネクロマンサーになり、暴れたりダラダラしたり命を狙われたりしながら、いずれ建国してなんやかんやするお話です。 ヒロイン登場は遅めです。 ライバルは錬金術師です。
臆病者の転生ヒストリア〜神から授かった力を使うには時間が必要です〜
たいらくん
ファンタジー
サッカー選手として将来を期待された須藤弘樹が大怪我で選手生命を絶たれた。その後様々な不幸が続き、お決まりの交通事故死で暗闇に包まれた...
はずなんだが、六歳児に転生。
しかも貴族っぽい。アレクサンダー帝国の王位後継者第三位のスノウ皇子!
もちろん王子あるあるな陰謀にまき込まれ誘拐されてしまうが、そこで出会った少女が気になる。
しかしそんな誘拐事件後は離れ離れとなり、あれよあれよと事態は進みいつのまにやら近隣国のマクウィリアズ王国に亡命。
新しい人生として平民クライヴ(スノウ)となり王都にある王立学院に入学なのだが! ハーフエルフの女の子、少し腹黒な男の娘、◯塚風のボクっ娘、訛りの強い少年等と個性的な仲間との出会いが待っていた。
帝国にいた時には考えられない程の幸せな学院生活を送る中でも、クライヴは帝国で出会った本名も知らない彼女の事が気になっていた。実は王都内で出会っている事すらお互い気づかずに...
そんな中いつしか事件に巻き込まれていくが、仲間達と共に助け合いながら様々な出来事を解決して行く臆病な少年が、大人になるにつれて少しずつ成長する王道ストーリー。
いつしか彼女と付き合えるような立派な男になる為に!
【小説家になろう、カクヨムにも投稿してます】
「サボってるだろう?」と追い出された最強の龍脈衆~救ってくれた幼馴染と一緒に実力主義の帝国へ行き、実力が認められて龍騎士に~
土偶の友
ファンタジー
龍を狩る者、龍脈衆のセレットは危険な龍が湧く場所――龍脈で毎日何十体と龍を狩り、国と城の安全を守っていた。
しかし「サボっているのだろう?」と彼は私利私欲のために龍脈を利用したい者達に無実の罪を着せられて追放されてしまう。
絶望に暮れて追放されている時に助けてくれたのは幼馴染のアイシャだった。「私と一緒に帝国に亡命しない?」彼女に助けられ請われる形で実力主義の帝国に行く。
今まで人前に晒されていなかったセレットの力が人の目に見られ、その実力が評価される。何十人と集まり、連携を深め、時間をかけて倒す龍を一撃で切り裂いていくセレットの実力は規格外だった。
亡命初日に上級騎士、そして、彼のために作られた龍騎士という称号も得て人々から頼りにされていく。
その一方でセレットを追放した前の国は、龍脈から龍が溢れて大事件に。首謀者たちはその責任を取らされて落ちぶれていくのだった。
これはいいように使われていた最強の龍脈衆が、最高最強の龍騎士になる物語。
小説家になろう様でも投稿しています。
みそっかすちびっ子転生王女は死にたくない!
沢野 りお
ファンタジー
【書籍化します!】2022年12月下旬にレジーナブックス様から刊行されることになりました!
定番の転生しました、前世アラサー女子です。
前世の記憶が戻ったのは、7歳のとき。
・・・なんか、病的に痩せていて体力ナシでみすぼらしいんだけど・・・、え?王女なの?これで?
どうやら亡くなった母の身分が低かったため、血の繋がった家族からは存在を無視された、みそっかすの王女が私。
しかも、使用人から虐げられていじめられている?お世話も満足にされずに、衰弱死寸前?
ええーっ!
まだ7歳の体では自立するのも無理だし、ぐぬぬぬ。
しっかーし、奴隷の亜人と手を組んで、こんなクソ王宮や国なんか出て行ってやる!
家出ならぬ、王宮出を企てる間に、なにやら王位継承を巡ってキナ臭い感じが・・・。
えっ?私には関係ないんだから巻き込まないでよ!ちょっと、王族暗殺?継承争い勃発?亜人奴隷解放運動?
そんなの知らなーい!
みそっかすちびっ子転生王女の私が、城出・出国して、安全な地でチート能力を駆使して、ワハハハハな生活を手に入れる、そんな立身出世のお話でぇーす!
え?違う?
とりあえず、家族になった亜人たちと、あっちのトラブル、こっちの騒動に巻き込まれながら、旅をしていきます。
R15は保険です。
更新は不定期です。
「みそっかすちびっ子王女の転生冒険ものがたり」を改訂、再up。
2021/8/21 改めて投稿し直しました。
元勇者で神に近い存在になった男、勇者パーティに混じって魔王討伐参加してたら追い出されました。
明石 清志郎
ファンタジー
昔とある世界で勇者として召喚され、神に近い存在になった男ジン。
新人研修の一環として同胞の先輩から、適当に世界を一つ選んでどんな方法でもいいから救えと言われ、自分の昔行った異世界とは別の世界を選び、勇者四人の選定も行った。
自分もそこで勇者として潜入し、能力を隠しつつ、勇者達にアドバイスなんかを行い後方支援を行い、勇者を育てながら魔王討伐の旅にでていた。
だがある日の事だ。
「お前うるさいし、全然使えないからクビで」
「前に出ないくせに、いちいちうぜぇ」
等と言われ、ショックと同時にムカつきを覚えた。
俺は何をミスった……上手くいってる思ったのは勘違いだったのか……
そんな想いを抱き決別を決意。
だったらこいつらは捨ててるわ。
旅に出て仲間を見つけることを決意。
魔王討伐?一瞬でできるわ。
欲しかった仲間との真の絆を掴む為にまだよく知らない異世界を旅することに。
勇者?そんな奴知らんな。
美女を仲間にして異世界を旅する話です。気が向いたら魔王も倒すし、勇者も報復します。
異世界から帰ってきた勇者は既に擦り切れている。
暁月ライト
ファンタジー
魔王を倒し、邪神を滅ぼし、五年の冒険の果てに役割を終えた勇者は地球へと帰還する。 しかし、遂に帰還した地球では何故か三十年が過ぎており……しかも、何故か普通に魔術が使われており……とはいえ最強な勇者がちょっとおかしな現代日本で無双するお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる