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第8章 どうやらエトナとセンテネルは謀叛と悪逆のようです。
空木への依頼
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「やめろォォォォ!!!」
俺はセンテネルに向けて叫ぶ。
黒は今、身動きが取れない状態でトドメをさされようとしているのだ。
俺は彼女を助けたかったが、自分の能力相手に勝てる気がしない。
しかし、動かねばならないと、身体を動かす代わりに声を上げた。
「おやおやおやおや~?
今のあなたに何ができるのですか?
とっとと隠れていれば良いものを……」
センテネルはそう言うと、今度は俺の方向へ向かって来る。
動けない黒は後で始末する気なのだろう。
「………ッ」
だが、俺には戦う術がない。
「鍵の獲得候補者を私が殺るのです」
センテネルはそう言うと、今度は俺に向かって10円玉を投げようとしてくる。
奴の本気で10円玉を投げてしまったら、能力の分も追撃となり、大ケガをしてしまうかもしれない。
今回はさすがに死を覚悟する俺であったが……。
カキンッ。
投げられた10円玉が弾かれる音が聞こえる。
俺に当たっていないということは、俺はまだ生きているようだ。
黒が無事に脱出して助けに来てくれたのだろうか。
それとも、死神さんや妙義が助けてくれたのだろうか。
俺がそう思い、目を開けてみると。
「もう安心しろ。時間稼ぎはしてやる」
そう言って俺の目の前に現れたのは、いつか見たことがある男。
王レベルの会議の時に黒を助けてくれた空木であった。
センテネルは突然現れた乱入者に驚いてはいたが、すぐに彼を敵と判断し攻撃し始める。
「邪魔をしないでいただきたい!!!
『100円連続ショット』」
センテネルはマシンガンのようにして1円玉100枚連続射撃を行う。
しかし、空木はそれらから俺達を庇うために頑張って鉤爪を使いながら弾き返す。
そのおかげで俺と黒には攻撃が来ていないのだが、空木には時折流れ弾が当たっていく。
「なんで……逃げてくれ。王レベルのあなたがこれ以上身体を張るなんて……」
俺はさすがに空木の身体を心配していたのだが。
空木は必死に小銭を弾き返しながら、答える。
「鍵の獲得候補者を守らなければ、俺達の負けになる。それに加えて、俺は王女様を守らなければいけない。それが俺に課せられた依頼だからな」
そんな事を言ってくれてはいるが、それでも流れ弾は空木の身体を貫く。
地面に落ちる貫通した小銭には彼の血が着いている。
下手をしたらもう死んでしまうかもしれないレベルの怪我だ。
もう自分の技で他人が傷つくのを見たくはない。
「そんな……でもこれ以上防いだら、流れ弾によってあんたの身体が……。もうやめてくれ」
俺はもう見たくない。
自分の能力で他人が傷つくのを見たくはない。
「────俺に同情などするな!!
自分の能力のせいで他者を傷つけるのがそんなに嫌か?
甘ったれるな!!
どんな武器を敵が使ってきたとしても対処しなければいけないのは分かっているはずだぞ。
今までそうして来たはずだろ?
だったらそうしろ!!!
俺に助けられている御前が今するべきことはなんだ?」
空木に諭される。
そうだ。今する必要があることはただ1つ。
それは黒を助けることだ。
「黒を……助ける事……」
俺は考えを纏めると、すぐさま行動に取りかかる。
「堕落 堕落 堕落 堕落 堕落 堕落」
センテネルは何度も何度も顔を掻いている。
すでに傷ができているのだろう。顔の皮膚から血が出ている。
「ダァァァァァ。何故倒れない?
やはりあのような罪人は即刑にすべし、あいつは審判には除外されるべき。
速攻で殺すべし。堕落しきっている。
許さない 許さない 許さない 許さない。
懺悔しても許せぇぇぇないィ」
そう言うとセンテネルは掻いていた手についた血を舐める。
そして、更に100円分の小銭で100円玉連続ショットを発動させる。
「ッ!?」
さすがに空木もここまで続くとは予想していなかったらしい。
だが、それでも彼は飛んでくる小銭を必死に弾き返す。
もうすでに腕はボロボロになり、腹には何発も小銭が貫通している。
しかし、それでも彼は俺と黒を守るために弾き返してくれている。
その時、俺は黒に貼り付いたセロハンテープを剥がしている。
「明山、早くして。そろそろ空木がヤバイわ」
黒は焦りを隠せていなかった。
もう空木は限界に近い。
普通に戦えば、ここまで怪我が酷くはならないのだろう。
だが、今は2人を庇うのに集中している。
「もう少しだけ待って。これは意外と粘着力が強いんだ」
そう言いながら俺は次々と剥がしている。
「ヤバイわ」
しかし、センテネルは自分のセロハンテープの能力を使い、こちらを攻撃しようとしてくる。
もちろん、空木には気づかれていたが、今の彼にはどうすることも出来ない。
「待ってろ。あと数枚」
「明山さぁぁぁぁぁぁん。後ろ後ろ!!」
センテネルの操っていたセロハンテープが遂に俺たちを一斉に叩いてくる。
そして、土煙が巻き上がった。
「やった。勝ったァ」
勝利に今度こそ喜んでいる様子のセンテネルと少し絶望してしまう空木。
「守りきれなかった…」
その瞬間、小銭を銃弾のように撃たれ続けても倒れなかった彼の足が地面に着く。
しかし、運命とはそれほど優しいものでも無かったようだ。
「──まったく。何でここまで時間がかかるのよ」
「なんだと!! お前。今、俺がテープを剥がしてやらなかったら死んでたんだぞ」
黒は大きな盾を出し、それで体を守っていたのだ。
これで更にセンテネルの敵が増えてしまった。
「そんな…こうなったら…」
センテネルは振り返ると、森の出口に向かっていった。
「……………」
それを俺達は静かに見守っていたのだが。
「「あっ、逃げてたのか」」
…と気がつくのに遅れてしまった。
「──あとはあいつを頼むぞ」
空木は身体がもう限界の状態で、今にも息を引き取りそうになっている。
そして、彼は側にあった木を背もたれにしてもたれ掛かると、ゆっくりと目を閉じそうになる。
「これはお礼よ。この前のね…」
黒はそう言うと、空木に回復魔法をかけてあげる。
傷口は癒え始めているので、ギリギリ間に合ったみたいだ。
おそらく、このまま時間が経てば、傷も完璧に治るはずだ。
「明山、行くわよ。あいつを倒さないと…」
「そうだな。すまない空木、ここで休息していてくれ」
俺たちはそう彼に呟くと、センテネルを追ってその場から走り去っていく。
空木は虚ろな意識の中で、2人の立ち去っていくのを眺めていた。
俺はセンテネルに向けて叫ぶ。
黒は今、身動きが取れない状態でトドメをさされようとしているのだ。
俺は彼女を助けたかったが、自分の能力相手に勝てる気がしない。
しかし、動かねばならないと、身体を動かす代わりに声を上げた。
「おやおやおやおや~?
今のあなたに何ができるのですか?
とっとと隠れていれば良いものを……」
センテネルはそう言うと、今度は俺の方向へ向かって来る。
動けない黒は後で始末する気なのだろう。
「………ッ」
だが、俺には戦う術がない。
「鍵の獲得候補者を私が殺るのです」
センテネルはそう言うと、今度は俺に向かって10円玉を投げようとしてくる。
奴の本気で10円玉を投げてしまったら、能力の分も追撃となり、大ケガをしてしまうかもしれない。
今回はさすがに死を覚悟する俺であったが……。
カキンッ。
投げられた10円玉が弾かれる音が聞こえる。
俺に当たっていないということは、俺はまだ生きているようだ。
黒が無事に脱出して助けに来てくれたのだろうか。
それとも、死神さんや妙義が助けてくれたのだろうか。
俺がそう思い、目を開けてみると。
「もう安心しろ。時間稼ぎはしてやる」
そう言って俺の目の前に現れたのは、いつか見たことがある男。
王レベルの会議の時に黒を助けてくれた空木であった。
センテネルは突然現れた乱入者に驚いてはいたが、すぐに彼を敵と判断し攻撃し始める。
「邪魔をしないでいただきたい!!!
『100円連続ショット』」
センテネルはマシンガンのようにして1円玉100枚連続射撃を行う。
しかし、空木はそれらから俺達を庇うために頑張って鉤爪を使いながら弾き返す。
そのおかげで俺と黒には攻撃が来ていないのだが、空木には時折流れ弾が当たっていく。
「なんで……逃げてくれ。王レベルのあなたがこれ以上身体を張るなんて……」
俺はさすがに空木の身体を心配していたのだが。
空木は必死に小銭を弾き返しながら、答える。
「鍵の獲得候補者を守らなければ、俺達の負けになる。それに加えて、俺は王女様を守らなければいけない。それが俺に課せられた依頼だからな」
そんな事を言ってくれてはいるが、それでも流れ弾は空木の身体を貫く。
地面に落ちる貫通した小銭には彼の血が着いている。
下手をしたらもう死んでしまうかもしれないレベルの怪我だ。
もう自分の技で他人が傷つくのを見たくはない。
「そんな……でもこれ以上防いだら、流れ弾によってあんたの身体が……。もうやめてくれ」
俺はもう見たくない。
自分の能力で他人が傷つくのを見たくはない。
「────俺に同情などするな!!
自分の能力のせいで他者を傷つけるのがそんなに嫌か?
甘ったれるな!!
どんな武器を敵が使ってきたとしても対処しなければいけないのは分かっているはずだぞ。
今までそうして来たはずだろ?
だったらそうしろ!!!
俺に助けられている御前が今するべきことはなんだ?」
空木に諭される。
そうだ。今する必要があることはただ1つ。
それは黒を助けることだ。
「黒を……助ける事……」
俺は考えを纏めると、すぐさま行動に取りかかる。
「堕落 堕落 堕落 堕落 堕落 堕落」
センテネルは何度も何度も顔を掻いている。
すでに傷ができているのだろう。顔の皮膚から血が出ている。
「ダァァァァァ。何故倒れない?
やはりあのような罪人は即刑にすべし、あいつは審判には除外されるべき。
速攻で殺すべし。堕落しきっている。
許さない 許さない 許さない 許さない。
懺悔しても許せぇぇぇないィ」
そう言うとセンテネルは掻いていた手についた血を舐める。
そして、更に100円分の小銭で100円玉連続ショットを発動させる。
「ッ!?」
さすがに空木もここまで続くとは予想していなかったらしい。
だが、それでも彼は飛んでくる小銭を必死に弾き返す。
もうすでに腕はボロボロになり、腹には何発も小銭が貫通している。
しかし、それでも彼は俺と黒を守るために弾き返してくれている。
その時、俺は黒に貼り付いたセロハンテープを剥がしている。
「明山、早くして。そろそろ空木がヤバイわ」
黒は焦りを隠せていなかった。
もう空木は限界に近い。
普通に戦えば、ここまで怪我が酷くはならないのだろう。
だが、今は2人を庇うのに集中している。
「もう少しだけ待って。これは意外と粘着力が強いんだ」
そう言いながら俺は次々と剥がしている。
「ヤバイわ」
しかし、センテネルは自分のセロハンテープの能力を使い、こちらを攻撃しようとしてくる。
もちろん、空木には気づかれていたが、今の彼にはどうすることも出来ない。
「待ってろ。あと数枚」
「明山さぁぁぁぁぁぁん。後ろ後ろ!!」
センテネルの操っていたセロハンテープが遂に俺たちを一斉に叩いてくる。
そして、土煙が巻き上がった。
「やった。勝ったァ」
勝利に今度こそ喜んでいる様子のセンテネルと少し絶望してしまう空木。
「守りきれなかった…」
その瞬間、小銭を銃弾のように撃たれ続けても倒れなかった彼の足が地面に着く。
しかし、運命とはそれほど優しいものでも無かったようだ。
「──まったく。何でここまで時間がかかるのよ」
「なんだと!! お前。今、俺がテープを剥がしてやらなかったら死んでたんだぞ」
黒は大きな盾を出し、それで体を守っていたのだ。
これで更にセンテネルの敵が増えてしまった。
「そんな…こうなったら…」
センテネルは振り返ると、森の出口に向かっていった。
「……………」
それを俺達は静かに見守っていたのだが。
「「あっ、逃げてたのか」」
…と気がつくのに遅れてしまった。
「──あとはあいつを頼むぞ」
空木は身体がもう限界の状態で、今にも息を引き取りそうになっている。
そして、彼は側にあった木を背もたれにしてもたれ掛かると、ゆっくりと目を閉じそうになる。
「これはお礼よ。この前のね…」
黒はそう言うと、空木に回復魔法をかけてあげる。
傷口は癒え始めているので、ギリギリ間に合ったみたいだ。
おそらく、このまま時間が経てば、傷も完璧に治るはずだ。
「明山、行くわよ。あいつを倒さないと…」
「そうだな。すまない空木、ここで休息していてくれ」
俺たちはそう彼に呟くと、センテネルを追ってその場から走り去っていく。
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