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第7章 どうやら四阿は八虐の謀大逆のようです。
はじめまして鈴木さん
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「なッなんでだよ」
バイト中、俺は数少ない客の中からとある人物達を見つけた。
一人は金髪の大人びた女性、そしてもう一人は仮面を着けた剣士。
「おはよう明山。今日は客として来たんだよ。気にしなくていいから。仕事をしてて……」
「おう、明山。ほら他の客が待ってるぞ!」
何故、人が少ないのに相席なのかは分からないがあの二人には共通点がある。
それは俺を知っているということだ。
「お前ら何してんだよ。駒ヶと妙義なんて珍しい組み合わせだな!!」
そんな二人を俺は物珍しそうに見つめていた。
しかし、この2人に聞いておきたい事があったのだ。
「そういえば……お前ら英彦知らないか?
昨日から見ていないんだよ」
俺は2人に質問してみる。
お客の人数も二人以外は誰もいなくなり、一通り仕事も終わらせたから出来ることだ。
そのまま、俺は二人の席の前に座らせてもらうことができた。
「うーん、すまない。英彦の居場所は分からないよ。
あっ……そう言えば黒はどうした?」
英彦の居場所は知らないと答えた妙義は黒を探して店内を見渡す。
俺は黒の様子を思い出してため息をつくと、
「ああ、黒なら今もウサギと触れ合ってる最中だ。なぁ、駒ヶ、お前はどうだ?」
あの戦い以降、行方不明になってしまった英彦の手がかりが欲しいと思って二人に聞いていくつもりだったのだが。
「ああ、その事でだな。ちょっといいか?」
どうやら駒ヶは何かを知っているらしい。
駒ヶがいつもとは違う重い表情で答える。
俺は駒ヶの返答によって何かあったという確信を持った。
その後、店内に妙義を残して俺と駒ヶは裏口に移動した。
おそらく、駒ヶの言いたい事はあの場所では言えないことなのだろう。
そうでなければこんな所に移動する訳もないのだ。
「何だよ。勿体ぶらずに言ってく・・・・・・」
「英彦君なら俺の家に泊めている」
駒ヶの家に泊まっているということは命に別状はないようだ。
あいつなら危なくなったら逃げ出すだろうが、あれから何日も誰も何も教えてくれなかったので心配していたのだ。
「よかった~。無事なんだな」
しかし、その安心もつかの間の出来事であった。
真面目な表情を浮かべた駒ヶは俯いたまま話を始める。
「まぁ、心配するな。それよりも……。
先日、山の中で沢山の付喪神達と戦っている英彦君を見たんだ。彼は暴走していた。
だが、普通の付喪神の暴走ではなかった。肉体を乗っ取られていなかったんだ。
付喪神は関係なかった。ただ、性格が異常だった。戦い方もいつもとは違う……普通じゃなかった。
悪魔だ。あいつはまるで悪魔だった。
目を見開いて、満面の笑顔で殺しまくっていたよ」
駒ヶからの衝撃の一言に、俺の額から流れ落ちる汗が止まらなかった。
英彦はそんな笑顔で戦う奴ではないのだ。
いつもヘタレていてビビリで不安症で……でも、自分の想いだけは曲げない。正義感の強い男のはずだ。
俺には駒ヶの言うことを信じる事が出来ない。
「なぁ、なにを言ってるんだよ。お前もあいつの性格を知ってるだろ。あいつはそんな殺しを喜ぶような奴じゃないって」
そう言い返して駒ヶの顔を見るが、彼の顔は嘘を言っていない顔だった。
「その時はたまたま、とある男が英彦君を止めてくれたから俺は助かったんだが…俺も殺されかけた。あいつは最終奥義を連続で打ってやがったんだ」
その話を聞くと、英彦じゃない気がしてくる。
あいつはこの前も最終奥義を1発放てるかも分からない状態だった。
それを何発も放てるなんて英彦ではないと思う。
だが、英彦に殺されかけたと駒ヶは言った。
俺はどちらを信じればいいのか、どちらが本物か分からなくなった。
いつもの英彦か、駒ヶの話にある英彦か。
「とにかく、英彦君には気を付けろよ。また何時あのような異様な暴走をするか分からないからな。話は以上だ。
まぁ、深く気にすることはないさ」
そう言って肩を叩いてきた駒ヶに俺は頷いて答えたのだが、やはり英彦の事は心配になる。
俺と出会う前のあいつはどうだったのだろう。
そんな想いで頭がいっぱいになっていく。
「くっ……」
俺は下唇を噛み締めて、俺達は妙義の元へ戻っていった。
「店長いますか? じつは、相談があるのですが」
俺たちが店内に戻ると同時に入り口から一人の男が入店してきた。
「客だろうか」と俺はいつもの接客術を行う。
「いらっしゃいませ。こちらのお席に」
「いえいえ、客じゃないです。」
男は少し恥ずかしそうにしながら首を横に振ると、俺の顔色をじっと伺っている。
「ふ~む…そうか!!!
つまり君は今日のバイトさん…?
私は『鈴木(すずき)』と言います。よろしくお願いします」
その銀髪の男はバイトリーダーの俺に向かって頭を下げた。
「…と言うわけで新しい仕事が決まるまで、ここで働かせて頂くことになったんです」
俺達は四人で席に座り、鈴木の話を聞いていた。
客足がパッタリと途絶え、閉店時間にもなったので暇なのだ。
店長が来るまでということで鈴木の成り行きを聞いていたのだが。
「大変だったんだな」
駒ヶ達は同情しているようだが、俺にはさっぱりであった。
専門用語というか、元の世界で聞いたことがない言葉ばかりであった。
ヤバい。この空間で話が通じていないのは俺だけだ。
「それは社長が悪い。ーーーーがーーーーーでーーーなのは常識だ。ーーーからーーーを通せば会社のーーーが悪くなり倒産してしまう。
それを止めたんだろ。それは社員には喜ばれただろうな」
えっ、妙義何て言った?
えっ、ちょっ…ついていけねぇぇぇぇ。
俺には謎の名称の言葉が飛び交って会話に集中することが出来ない。
俺の脳はフル回転し始め、今にも壊れそうだ。
その時、更に追い討ちをかけるかのように俺へ意見を求め始めた。
「なぁ、明山。お前はーーーの部分をどう思う?」
名指しからの疑問文。
ここはやりきるしかない。このまま隠し通すしかないのだ。
こんな会話に入れなかったら今後、絶対バカにされてしまう。
頭を回転させて考えているので、額から汗が止まらない。
心臓も焦って激しく動いている。
「おっ…俺の考えはお前のと一緒だ」
俺は下を向きながら答えると、三人の顔色を伺った。
じっと、俺に向けて集まる視線。
「やっちまったか」と俺はそう思って、この後に来る衝撃に備えて覚悟を決める。
「──そうだよな。明山もそう思うのだろう?
ほら、やっぱり普通、ここはこうなんだよ」
そう言いながら妙義は話を続けた。
あれ? もしかして話が繋がった?
成功するとも思わなかった賭けだったが、どうやら成功したらしい。
そのまま話は続き、俺も意見を聞かれていった。
しかし、先程の方法で通り抜ける。
これぞ話が分からない時の突破術、相手と同じ意見アピールだ。
そうやって四人仲良く討論していると、店長が戻ってきた。
「おや、君たちもう知り合ったのか。そう言えば、私に話があると聞いたがどうかしたかい?」
「あっ、店長。それは私です。すみません。ちょっといいですか?」
そう言いながら鈴木は店長を連れて裏口に向かっていた。
「あの……鈴木さん。今日はお疲れ様でした」
妙義が席を立ち鈴木に向かって頭を下げる。
「こちらこそ、こんな私の話を聞いてくれてありがとうございました。それでは……」
そう言うと鈴木は裏口から出ていった。
俺達は閉店時間も過ぎたのでカフェを後にした。
「しかし、二人はよかったのか? バイトでもないのに……。しかも駒ヶはバイトでもないし……」
外はもう夜なので真っ暗である。
「ああ、俺は英彦君の事を伝えに来ただけだ」
「私は今日は暇だったからな」
カフェからの帰り道、俺達はもう静かになった道を歩いていく。
明るい雰囲気の三人が夜道で話ながら歩いていくその姿はまるで、暗闇に光るロウソクの炎のように辺りを照らしていた。
そんな三人も知らない所で……。
「私だけ置いていかれたんですけどぉぉぉ!!!」
慌ててカフェから出ていく黒。
気づけば、もう既に店は営業を終えていたのだ。
周囲を見渡しても三人の姿は見つからない。
「──みんな。もう帰っちゃったのね。む~」
頬を膨らませた後、黒はため息をつくと、静かに帰宅していった。
「じゃあ。俺はここで」
「ああ、おやすみ」
「じゃあな、駒ヶ」
それぞれの自宅へ分かれて、数分後。
駒ヶは先日の事を思い出していた。
山で出会った英彦の事を……。
バイト中、俺は数少ない客の中からとある人物達を見つけた。
一人は金髪の大人びた女性、そしてもう一人は仮面を着けた剣士。
「おはよう明山。今日は客として来たんだよ。気にしなくていいから。仕事をしてて……」
「おう、明山。ほら他の客が待ってるぞ!」
何故、人が少ないのに相席なのかは分からないがあの二人には共通点がある。
それは俺を知っているということだ。
「お前ら何してんだよ。駒ヶと妙義なんて珍しい組み合わせだな!!」
そんな二人を俺は物珍しそうに見つめていた。
しかし、この2人に聞いておきたい事があったのだ。
「そういえば……お前ら英彦知らないか?
昨日から見ていないんだよ」
俺は2人に質問してみる。
お客の人数も二人以外は誰もいなくなり、一通り仕事も終わらせたから出来ることだ。
そのまま、俺は二人の席の前に座らせてもらうことができた。
「うーん、すまない。英彦の居場所は分からないよ。
あっ……そう言えば黒はどうした?」
英彦の居場所は知らないと答えた妙義は黒を探して店内を見渡す。
俺は黒の様子を思い出してため息をつくと、
「ああ、黒なら今もウサギと触れ合ってる最中だ。なぁ、駒ヶ、お前はどうだ?」
あの戦い以降、行方不明になってしまった英彦の手がかりが欲しいと思って二人に聞いていくつもりだったのだが。
「ああ、その事でだな。ちょっといいか?」
どうやら駒ヶは何かを知っているらしい。
駒ヶがいつもとは違う重い表情で答える。
俺は駒ヶの返答によって何かあったという確信を持った。
その後、店内に妙義を残して俺と駒ヶは裏口に移動した。
おそらく、駒ヶの言いたい事はあの場所では言えないことなのだろう。
そうでなければこんな所に移動する訳もないのだ。
「何だよ。勿体ぶらずに言ってく・・・・・・」
「英彦君なら俺の家に泊めている」
駒ヶの家に泊まっているということは命に別状はないようだ。
あいつなら危なくなったら逃げ出すだろうが、あれから何日も誰も何も教えてくれなかったので心配していたのだ。
「よかった~。無事なんだな」
しかし、その安心もつかの間の出来事であった。
真面目な表情を浮かべた駒ヶは俯いたまま話を始める。
「まぁ、心配するな。それよりも……。
先日、山の中で沢山の付喪神達と戦っている英彦君を見たんだ。彼は暴走していた。
だが、普通の付喪神の暴走ではなかった。肉体を乗っ取られていなかったんだ。
付喪神は関係なかった。ただ、性格が異常だった。戦い方もいつもとは違う……普通じゃなかった。
悪魔だ。あいつはまるで悪魔だった。
目を見開いて、満面の笑顔で殺しまくっていたよ」
駒ヶからの衝撃の一言に、俺の額から流れ落ちる汗が止まらなかった。
英彦はそんな笑顔で戦う奴ではないのだ。
いつもヘタレていてビビリで不安症で……でも、自分の想いだけは曲げない。正義感の強い男のはずだ。
俺には駒ヶの言うことを信じる事が出来ない。
「なぁ、なにを言ってるんだよ。お前もあいつの性格を知ってるだろ。あいつはそんな殺しを喜ぶような奴じゃないって」
そう言い返して駒ヶの顔を見るが、彼の顔は嘘を言っていない顔だった。
「その時はたまたま、とある男が英彦君を止めてくれたから俺は助かったんだが…俺も殺されかけた。あいつは最終奥義を連続で打ってやがったんだ」
その話を聞くと、英彦じゃない気がしてくる。
あいつはこの前も最終奥義を1発放てるかも分からない状態だった。
それを何発も放てるなんて英彦ではないと思う。
だが、英彦に殺されかけたと駒ヶは言った。
俺はどちらを信じればいいのか、どちらが本物か分からなくなった。
いつもの英彦か、駒ヶの話にある英彦か。
「とにかく、英彦君には気を付けろよ。また何時あのような異様な暴走をするか分からないからな。話は以上だ。
まぁ、深く気にすることはないさ」
そう言って肩を叩いてきた駒ヶに俺は頷いて答えたのだが、やはり英彦の事は心配になる。
俺と出会う前のあいつはどうだったのだろう。
そんな想いで頭がいっぱいになっていく。
「くっ……」
俺は下唇を噛み締めて、俺達は妙義の元へ戻っていった。
「店長いますか? じつは、相談があるのですが」
俺たちが店内に戻ると同時に入り口から一人の男が入店してきた。
「客だろうか」と俺はいつもの接客術を行う。
「いらっしゃいませ。こちらのお席に」
「いえいえ、客じゃないです。」
男は少し恥ずかしそうにしながら首を横に振ると、俺の顔色をじっと伺っている。
「ふ~む…そうか!!!
つまり君は今日のバイトさん…?
私は『鈴木(すずき)』と言います。よろしくお願いします」
その銀髪の男はバイトリーダーの俺に向かって頭を下げた。
「…と言うわけで新しい仕事が決まるまで、ここで働かせて頂くことになったんです」
俺達は四人で席に座り、鈴木の話を聞いていた。
客足がパッタリと途絶え、閉店時間にもなったので暇なのだ。
店長が来るまでということで鈴木の成り行きを聞いていたのだが。
「大変だったんだな」
駒ヶ達は同情しているようだが、俺にはさっぱりであった。
専門用語というか、元の世界で聞いたことがない言葉ばかりであった。
ヤバい。この空間で話が通じていないのは俺だけだ。
「それは社長が悪い。ーーーーがーーーーーでーーーなのは常識だ。ーーーからーーーを通せば会社のーーーが悪くなり倒産してしまう。
それを止めたんだろ。それは社員には喜ばれただろうな」
えっ、妙義何て言った?
えっ、ちょっ…ついていけねぇぇぇぇ。
俺には謎の名称の言葉が飛び交って会話に集中することが出来ない。
俺の脳はフル回転し始め、今にも壊れそうだ。
その時、更に追い討ちをかけるかのように俺へ意見を求め始めた。
「なぁ、明山。お前はーーーの部分をどう思う?」
名指しからの疑問文。
ここはやりきるしかない。このまま隠し通すしかないのだ。
こんな会話に入れなかったら今後、絶対バカにされてしまう。
頭を回転させて考えているので、額から汗が止まらない。
心臓も焦って激しく動いている。
「おっ…俺の考えはお前のと一緒だ」
俺は下を向きながら答えると、三人の顔色を伺った。
じっと、俺に向けて集まる視線。
「やっちまったか」と俺はそう思って、この後に来る衝撃に備えて覚悟を決める。
「──そうだよな。明山もそう思うのだろう?
ほら、やっぱり普通、ここはこうなんだよ」
そう言いながら妙義は話を続けた。
あれ? もしかして話が繋がった?
成功するとも思わなかった賭けだったが、どうやら成功したらしい。
そのまま話は続き、俺も意見を聞かれていった。
しかし、先程の方法で通り抜ける。
これぞ話が分からない時の突破術、相手と同じ意見アピールだ。
そうやって四人仲良く討論していると、店長が戻ってきた。
「おや、君たちもう知り合ったのか。そう言えば、私に話があると聞いたがどうかしたかい?」
「あっ、店長。それは私です。すみません。ちょっといいですか?」
そう言いながら鈴木は店長を連れて裏口に向かっていた。
「あの……鈴木さん。今日はお疲れ様でした」
妙義が席を立ち鈴木に向かって頭を下げる。
「こちらこそ、こんな私の話を聞いてくれてありがとうございました。それでは……」
そう言うと鈴木は裏口から出ていった。
俺達は閉店時間も過ぎたのでカフェを後にした。
「しかし、二人はよかったのか? バイトでもないのに……。しかも駒ヶはバイトでもないし……」
外はもう夜なので真っ暗である。
「ああ、俺は英彦君の事を伝えに来ただけだ」
「私は今日は暇だったからな」
カフェからの帰り道、俺達はもう静かになった道を歩いていく。
明るい雰囲気の三人が夜道で話ながら歩いていくその姿はまるで、暗闇に光るロウソクの炎のように辺りを照らしていた。
そんな三人も知らない所で……。
「私だけ置いていかれたんですけどぉぉぉ!!!」
慌ててカフェから出ていく黒。
気づけば、もう既に店は営業を終えていたのだ。
周囲を見渡しても三人の姿は見つからない。
「──みんな。もう帰っちゃったのね。む~」
頬を膨らませた後、黒はため息をつくと、静かに帰宅していった。
「じゃあ。俺はここで」
「ああ、おやすみ」
「じゃあな、駒ヶ」
それぞれの自宅へ分かれて、数分後。
駒ヶは先日の事を思い出していた。
山で出会った英彦の事を……。
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●自分の持ち物にも付喪神が宿っているのかも…と想像しながら楽しんでください。
2024.03.12 完結しました。
神の業(わざ)を背負うもの
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「神の業(わざ)」……かつて人々は魔法の力をそう呼んだ。
しかし、今はもうその言葉を知るものはいない。
力を持つものたちは自らの存在を隠し、この世界の歴史から魔法の力そのものを忘れさせた。
そして現代……彼らは、自分たちの存在を隠したまま社会に溶け込んでいる。その力によって起きた災いが起きぬように、同じ過ちを犯さぬように。
《第1章》
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同僚たちとの交流は最低限に、ただただ業務をこなす毎日を繰り返していた。
そんなある時、原因不明の瀕死状態だった女性の命を救う。
目を覚ました彼女は自分のことを「エルフの母体」であると口にした。
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そして彼の周りにいる人々もまた、如月 灯真という男との交流により
目の前に現れた新たな道に足を踏み入れていく。
その先が、世界の大きな変革の渦であるとも知らずに……
《第2章》
世界的な企業でもある「ネフロラ」……
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稲葉 光秀(イナバ ミツヒデ)は失った視力を魔法の力で補いながら日々仕事に励んでした。
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《第3章》
15年前……世界各地に現れた謎の光の柱。
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半年間誰も見つけることのできなかった被害者たちは、一体何を見たのか……。
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