18 / 294
第3章 どうやらこんな日があってもいいようです。
異世界詐欺から始まるバイト生活
しおりを挟む
俺にはこの世界に来てずっと思っていたことが二つあった。
一つ目はどうしてファンタジー感溢れる町とか、魔法とかがないんだと言うこと…。
普通なら異世界の言葉とかあるはずなのに、普通に日本語で話してるし、町の中は都市と田舎の間くらいだし、学校もスーパーもコンビニもある。
あの女神が言っていたように魔法もあると聞いていたのだが…。
まったく見てない。
また、夜に町の外に出ても付喪神とか言うお化けが出てくるのだ。
これでは俺の異世界での生活のイメージが崩れるのも時間の問題である。
二つ目は異世界ならではの生き物を見ないこと…。
例えるならドラゴンとか獣人などである。
また、モンスターも今の所スライムしか見ていない。
この世界には本当に付喪神しかいないのだろうか。
何だか最近ずっと批判しかしてないような気がするが、この二つを合わせて考えられることがある。
…それは異世界転移詐欺だということだ。
異世界と言いながら元いた世界と、少ししか変わっていない世界に送り付けて憧れを抱いた者の夢を壊す詐欺だ。
もうどうせなら、魔王軍がこの世界を滅ぼして、新しく一般的に知られている異世界に作り直すべきだと思うのだが…主人公としてはその様な発言は好ましくない。
「滅べ~この偽物の異世界世界~。」
だが、願わずにはいれらないのだ。
すると、扉の前から一言。
「明山さんトイレに引きこもって何言ってるんですか。早く出てきてください。」
店の修復も終わり無事営業できるようになったある日…。
しかし、お客もいない店内…。
実は、この時間帯になるとお客さんがドンと減るのだ。
そんな時はのんびりと休憩を楽しむ時間…。
そんな時のとある店員の楽しみは、先日俺が出会ったウサギとのふれあいである。
だが、ウサギとふれあっているのは俺ではない。
ほとんどウサギとふれあっているのは、あのウサギの飼い主となった黒である。
黒は最近ここでバイトとして入ったのだが、やはり可愛いものが好きなんだろう。
休憩時間はずっとウサギを抱き抱えている。
ウサギもすっかりなついたようだが、何かが普通のウサギと違う…そんな気がするのだ。
その時するとドアを開けて一人の女性が入ってきた。
妙義さんである。
「すまない遅…。あれ明山何で?
今日は火曜…曜日を間違えた?
いや、何でもない。
いやー、しかしあれだな。いつもこいつはペットを連れてきているな。」
「今日は金曜日のはずだけど…。曜日を間違えたの妙義さん?」
すると妙義さんは少し恥ずかしがったような顔をしてこう言ってきた。
「なっ…。私が曜日を間違えるようなバカに見えるか?
近っ近くを通ったから少し寄ってみただけだ。」
明らかに曜日間違ったって言っていたよな…。
すると、ウサギとふれ合っていた黒が、
「私はね。こういった生き物とずっとふれ合いたかったんだけど…。そういう機会がなかったの。でも明山さんがこの子を連れて帰ってきて、私にくれたお陰で、こうしてふれ合えているのよ。本当にありがとうございます。明山さん。」
いきなり明山さんと言われたが、さん付けされう事に慣れてないので少し戸惑ってしまう。
すると、黒は口調を変えて、
「でっ、相談何ですけど…。」
…と言ってきたがこういう事は既に予想済みだったので、
「駄目だ。どうせ他の生き物も飼いたいから拾ってきて…って言うんだろ。そしてその次は駄々をこねるつもりだろ。そうはいかないぞ。」
これには黒も驚いたようで少し駄々をこね、
「そこまで私の考えを読んでいたなんて…。
でも、いいじゃない。ここの看板キャラクターになるかもしれない有能な存在を発掘できるチャンスじゃないの。
明山はいいの? このままでは客がいない時間が多くなったら、このお店が潰れちゃうわ。」
「なっ…。」
明山は何も言い返せなくなってしまった。
数日後…。
扉を開けて入ってきた英彦は、まず驚くことから始めた。
猪や竜、馬などの十二支の動物達が店内にいたのだ。
「竜!! いや竜なんて連れてこれるわけがない。そんなわけ…。」
すると、英彦が入ってきたことに気付いた黒が話しかけてきた。
「あっ、英彦おはよう。ねぇどう?
私頑張って捜してきたのよ。これでこの中からこの店の看板ペットを発掘すれば、この店は人気が出るわよ。」
黒はとても上機嫌な様子だった。
だが、これはやりすぎだろう。
英彦は少し引きぎみになりながらも、
「へぇ…。すっ…すっ…すっ…ごいね…。そういえば明山さんに話があるんだけど、今いる?」
「実はね。さっき店に入るなり頭痛がするって言って今日は帰っちゃったのよ。心配よね。後でお見舞いにでも行ってあげたほうがいいかしら? 皆で。」
いやそれは明山さんに止めを指すことになるよ…と英彦は心の中でも思った。
一つ目はどうしてファンタジー感溢れる町とか、魔法とかがないんだと言うこと…。
普通なら異世界の言葉とかあるはずなのに、普通に日本語で話してるし、町の中は都市と田舎の間くらいだし、学校もスーパーもコンビニもある。
あの女神が言っていたように魔法もあると聞いていたのだが…。
まったく見てない。
また、夜に町の外に出ても付喪神とか言うお化けが出てくるのだ。
これでは俺の異世界での生活のイメージが崩れるのも時間の問題である。
二つ目は異世界ならではの生き物を見ないこと…。
例えるならドラゴンとか獣人などである。
また、モンスターも今の所スライムしか見ていない。
この世界には本当に付喪神しかいないのだろうか。
何だか最近ずっと批判しかしてないような気がするが、この二つを合わせて考えられることがある。
…それは異世界転移詐欺だということだ。
異世界と言いながら元いた世界と、少ししか変わっていない世界に送り付けて憧れを抱いた者の夢を壊す詐欺だ。
もうどうせなら、魔王軍がこの世界を滅ぼして、新しく一般的に知られている異世界に作り直すべきだと思うのだが…主人公としてはその様な発言は好ましくない。
「滅べ~この偽物の異世界世界~。」
だが、願わずにはいれらないのだ。
すると、扉の前から一言。
「明山さんトイレに引きこもって何言ってるんですか。早く出てきてください。」
店の修復も終わり無事営業できるようになったある日…。
しかし、お客もいない店内…。
実は、この時間帯になるとお客さんがドンと減るのだ。
そんな時はのんびりと休憩を楽しむ時間…。
そんな時のとある店員の楽しみは、先日俺が出会ったウサギとのふれあいである。
だが、ウサギとふれあっているのは俺ではない。
ほとんどウサギとふれあっているのは、あのウサギの飼い主となった黒である。
黒は最近ここでバイトとして入ったのだが、やはり可愛いものが好きなんだろう。
休憩時間はずっとウサギを抱き抱えている。
ウサギもすっかりなついたようだが、何かが普通のウサギと違う…そんな気がするのだ。
その時するとドアを開けて一人の女性が入ってきた。
妙義さんである。
「すまない遅…。あれ明山何で?
今日は火曜…曜日を間違えた?
いや、何でもない。
いやー、しかしあれだな。いつもこいつはペットを連れてきているな。」
「今日は金曜日のはずだけど…。曜日を間違えたの妙義さん?」
すると妙義さんは少し恥ずかしがったような顔をしてこう言ってきた。
「なっ…。私が曜日を間違えるようなバカに見えるか?
近っ近くを通ったから少し寄ってみただけだ。」
明らかに曜日間違ったって言っていたよな…。
すると、ウサギとふれ合っていた黒が、
「私はね。こういった生き物とずっとふれ合いたかったんだけど…。そういう機会がなかったの。でも明山さんがこの子を連れて帰ってきて、私にくれたお陰で、こうしてふれ合えているのよ。本当にありがとうございます。明山さん。」
いきなり明山さんと言われたが、さん付けされう事に慣れてないので少し戸惑ってしまう。
すると、黒は口調を変えて、
「でっ、相談何ですけど…。」
…と言ってきたがこういう事は既に予想済みだったので、
「駄目だ。どうせ他の生き物も飼いたいから拾ってきて…って言うんだろ。そしてその次は駄々をこねるつもりだろ。そうはいかないぞ。」
これには黒も驚いたようで少し駄々をこね、
「そこまで私の考えを読んでいたなんて…。
でも、いいじゃない。ここの看板キャラクターになるかもしれない有能な存在を発掘できるチャンスじゃないの。
明山はいいの? このままでは客がいない時間が多くなったら、このお店が潰れちゃうわ。」
「なっ…。」
明山は何も言い返せなくなってしまった。
数日後…。
扉を開けて入ってきた英彦は、まず驚くことから始めた。
猪や竜、馬などの十二支の動物達が店内にいたのだ。
「竜!! いや竜なんて連れてこれるわけがない。そんなわけ…。」
すると、英彦が入ってきたことに気付いた黒が話しかけてきた。
「あっ、英彦おはよう。ねぇどう?
私頑張って捜してきたのよ。これでこの中からこの店の看板ペットを発掘すれば、この店は人気が出るわよ。」
黒はとても上機嫌な様子だった。
だが、これはやりすぎだろう。
英彦は少し引きぎみになりながらも、
「へぇ…。すっ…すっ…すっ…ごいね…。そういえば明山さんに話があるんだけど、今いる?」
「実はね。さっき店に入るなり頭痛がするって言って今日は帰っちゃったのよ。心配よね。後でお見舞いにでも行ってあげたほうがいいかしら? 皆で。」
いやそれは明山さんに止めを指すことになるよ…と英彦は心の中でも思った。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
ブラック・スワン ~『無能』な兄は、優美な黒鳥の皮を被る~
碧
ファンタジー
「詰んだ…」遠い眼をして呟いた4歳の夏、カイザーはここが乙女ゲーム『亡国のレガリアと王国の秘宝』の世界だと思い出す。ゲームの俺様攻略対象者と我儘悪役令嬢の兄として転生した『無能』なモブが、ブラコン&シスコンへと華麗なるジョブチェンジを遂げモブの壁を愛と努力でぶち破る!これは優雅な白鳥ならぬ黒鳥の皮を被った彼が、無自覚に周りを誑しこんだりしながら奮闘しつつ総愛され(慕われ)する物語。生まれ持った美貌と頭脳・身体能力に努力を重ね、財力・身分と全てを活かし悪役令嬢ルート阻止に励むカイザーだがある日謎の能力が覚醒して…?!更にはそのミステリアス超絶美形っぷりから隠しキャラ扱いされたり、様々な勘違いにも拍車がかかり…。鉄壁の微笑みの裏で心の中の独り言と突っ込みが炸裂する彼の日常。(一話は短め設定です)
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
麗紗ちゃんは最狂メンヘラ
吉野かぼす
ファンタジー
現代から少し先の未来。
『特色者』という異能力者が忽然と現れていた。
その中の一人、平均的な能力の特色者である女子高生弥栄琥珀は、ある日同じ高校の女の後輩、桜月麗紗をその能力で助ける。
すると琥珀はなぜか麗紗に性別の壁を超えて惚れられた。そこまでは良かった。
……が、大問題があった!
なんと麗紗はとんでもないメンヘラであった上、反則的に強力な能力を隠し持っていたのである!
一方的に愛され、出会って一週間も経たずに監禁されてしまう琥珀。
絶望的な状況の中で、琥珀はどう動くのか……!
この小説は小説になろうにも投稿しています。
死霊術士が暴れたり建国したりするお話
白斎
ファンタジー
日本人がファンタジー異世界にとばされてネクロマンサーになり、暴れたりダラダラしたり命を狙われたりしながら、いずれ建国してなんやかんやするお話です。 ヒロイン登場は遅めです。 ライバルは錬金術師です。
Keep Yourself Alive 第六感の場合
東山統星
キャラ文芸
超能力者の超能力者による超能力者のための学園である
「創成学園横浜校」は、超能力者の中でも別格の存在である第六感ことイリイチというロシア人の殺し屋の獲得に成功する。
学園を中心にした陰謀と茶番、蠢く欲望と惨めで薄っぺらい自己愛。悲劇と喜劇。意地の悪い自己保身とそれを包み込む偽善。
何もかもが狂っている世界で生き延びていくために、超能力者たちは今日も闘っていく。
女神の代わりに異世界漫遊 ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~
大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。
麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。
使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。
厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒!
忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪
13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください!
最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^
※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!
(なかなかお返事書けなくてごめんなさい)
※小説家になろう様にも投稿しています
臆病者の転生ヒストリア〜神から授かった力を使うには時間が必要です〜
たいらくん
ファンタジー
サッカー選手として将来を期待された須藤弘樹が大怪我で選手生命を絶たれた。その後様々な不幸が続き、お決まりの交通事故死で暗闇に包まれた...
はずなんだが、六歳児に転生。
しかも貴族っぽい。アレクサンダー帝国の王位後継者第三位のスノウ皇子!
もちろん王子あるあるな陰謀にまき込まれ誘拐されてしまうが、そこで出会った少女が気になる。
しかしそんな誘拐事件後は離れ離れとなり、あれよあれよと事態は進みいつのまにやら近隣国のマクウィリアズ王国に亡命。
新しい人生として平民クライヴ(スノウ)となり王都にある王立学院に入学なのだが! ハーフエルフの女の子、少し腹黒な男の娘、◯塚風のボクっ娘、訛りの強い少年等と個性的な仲間との出会いが待っていた。
帝国にいた時には考えられない程の幸せな学院生活を送る中でも、クライヴは帝国で出会った本名も知らない彼女の事が気になっていた。実は王都内で出会っている事すらお互い気づかずに...
そんな中いつしか事件に巻き込まれていくが、仲間達と共に助け合いながら様々な出来事を解決して行く臆病な少年が、大人になるにつれて少しずつ成長する王道ストーリー。
いつしか彼女と付き合えるような立派な男になる為に!
【小説家になろう、カクヨムにも投稿してます】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる