ヌーバニア

ヌーバス

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人形兵士

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94


「固いぞ こいつら! 」

グシャリと音がして影が闇に沈む

「これ以上敵の数が増えたら対処できない
なんとかしてくれ
ジュスズ 」

「…どうやら…
こいつら……
カラクリ人形だね…

戸R国の道具技術を過小評価していた…

カラクリ人形が人間を凌ぐスピードを持たされたら… 
恐ろしい兵器になる…

確かにアラコルト…あんたが考えていることは
正解のようね 」

アラコルトに何体もの敵が同時に襲い掛かる

アラコルトの手足は非常識な角度を得て奔放に飛動する

「ジュスズおれの考えばか り読んでないで
レイリョクで
なんとかしてくれ 」

「もう少し頑張って 
あんたの思考に攻略の鍵が眠っている
ような 気がする… 」

ゴトリ ゴトリ

アラコルトはいつの間にか カラクリ人形どもの首を取る技を身に付けている



95


「どうなってるんだジュスズおれは
いつの間にカラクリ人形の首を取る技を
身に付けたんだ? 」

「だから…アラコルト…
あんたの思考を読みながら
あんたとわたしの知恵… 
両方をレイリョクで
練り込む

ひとりの思考よりも
数倍複雑な問題解決能力を発揮することが… 
できる

わたしも初めての経験なのよ

師匠から理論は習ったけど 実践は初めて

よっぽど気の合う者どうしじゃないと絶対無理な
高度な技

アラコルトあんた
惚れてるでしょ? 」

「冗談言ってる場合じゃないぞジュスズ
まだまだカラクリ人形は増え続けている
なんとかしてくれ 」

「なんとかしてくれなんと かしてくれって
さっきからわたしに頼ってるのが惚れてる証拠じゃないの? 
しかたないわね
だいぶ休ませて
もらったから… 」

ジュスズは懐から御座を取り出して地面に広げた

「乗ってアラコルト
早く  」



96


アラコルトとジュスズが乗った御座は
素早く浮き上がった

御座のすぐ下で
突進してきたカラクリ人形どもが
激しくぶつかり合って倒れる音がした

「こんな便利な御座があるなら早く使えよ
ジュスズ 」

「簡単に言わないで…
この戸R国の頂上に来るまで
草履で飛空してきた…

戸R国の
はてしない断崖を上がるレイリョクは
わたしにはない

師匠がレイリョクで編んだ
特殊な草鞋を
レイリョクで浮かせて
やっとたどり着いた

草履には頂上に着くまでのレイリョクを練り込んであったけれど……今は……

この御座にもレイリョクを練り込んである

体力の回復を待って
今やっと御座を操縦することができるの……

あんたのように無尽蔵な体力なんて
わたしには無い

あんたには朱雀大陸から青龍大陸まで泳いで渡るほどの体力が
あるでしょ  」

「そこまで読むのかレイリョクで… よし
じゃあおれのあんな経験やこんな経験も
読んでもらおうか  」

ジュスズの頬が染まるのがアラコルトにも伝わった

グラリ

アラコルトが乗っている部分だけ御座が下方に曲がったので
危うくアラコルトは落ちそうになる








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