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アロンとヨロン
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アロンが
キューロを振り回しV谷兵を薙ぎ倒しながら
背後のヨロンにかけた言葉は
「フールモは
気持ち悪いな 」
いつものアロン将軍の台詞だ
いつものようにヨロン将軍は答える
「そのとおり
フールモは気持ち悪い
フールモは気持ち悪いけど
フールモ軍師が俺らの軍師で
良かったな 」
「まったくだ
フールモ軍師が敵だったらと想像するだけで
気持ち悪い 」
『双竜隊』は双子だけで構成されている
竜Q国では
ある村がフールモ軍師の実験により
双子だらけにされた
との噂が流れている
双竜隊はフールモ軍師の実験の一つなのではないか
との噂が流れている
アロンとヨロンの
噂に対する意見は一致している
「フールモなら
やるだろう 」
71
いつか詩人レイグスクが竜Q国内を旅しているときに
変な男がいた
奥深い山の細い道
しゃがみこんで草を食べながらニヤニヤしている平凡な顔立ちの男だった
男はレイグスクを知っていた
ニヤニヤしながら男が
「詩人レイグスクだな?」
と話しかけてきた
歳がわからない
意外と若いような
意外と長老のような
はっきりしない雰囲気
男と
男の周辺が
なにやら
もやもやとしている
男の存在は
あやふやであった
男は周囲の存在さえあやふやにしてしまうようだ
一言で表すなら
気持ち悪いやつであった
その
気持ち悪い男が訊ねた
「その楽器の名は?」
レイグスクは常に
背中に楽器を背負っている
「酉音弓」
いつもは「名もなき楽器」と答える
だが
この男には「酉音弓」と答えた
真の詩人の嘘は
真実である
では
真の詩人の真実は?
このとき詩人レイグスクが真実を告げた気持ち悪い男が
フールモ軍師であった
72
「すっかり
囲まれてしまったな 」
双竜隊の回りは
V谷兵の真新しい盾の壁である
あまりにもV谷兵の数が多いので
キューロを棒高跳びのように使って飛び越すことができない
「V谷兵のやつら
なんで真新しい武器や防具を こんなに沢山
持ってるんだ 」
「解ってるだろアロン
G牙国が与えている可能性が
高いってことは? 」
「ああ確かに
その可能性が高い
V谷に報償を与える約束をして武器を与え
ある程度
V谷兵をわが国にぶつけ
適当なところでG牙国本隊が出てくる…
ありそうだな 」
「だがアロンよ
V谷人は 好戦的な民族ではない
そのV谷人を戦場に送れるほどの
報償があるのか? 」
「ヨロンよ
動機についてはもう少し暇なときに考えよう
今は地理的憶測を… 」
「確かに
戸R国の高い台地を通ってG牙兵が
この戦場に駆けつけるのは無理だな
戸R国がG牙国に
協力しない限り… 」
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