44 / 46
エクストラエピソード
トゥルーパーについての調査報告書
しおりを挟む
製作者:アルノウス
この文章は、制作者である私、アルノウスが小児の頃、二人の幼馴染と冒険心から入り込んだ古代遺跡にあった壁画に触れた事で発見された『トゥルーパー』という存在について纏めたレポートである。
まず初めにトゥルーパーとは何かという所から始めよう。
トゥルーパーは一言で表すなら思念体である。
普段は物体に触れる事すらできない存在だが、同じく遺跡にあった魂の楔(くさび)というものを人間に刺す事で実態を得る事が出来る。
また、対象者が楔によって命を落とす事は無い。
遺跡の調査を本格的に始め出してから、トゥルーパーについて幾つかの事が分かったので、ここに明記しておく。
・トゥルーパーに『死』という概念は無い。
・しかし、対象者が死んだ場合にはトゥルーパーも消滅する。
上記の事から、本来このトゥルーパーは楔を刺した対象者を守る為の存在だと確認できた。
しかし、ある一定の期間から、トゥルーパー達が、何者かの命令で動いているような素振りを見せ始めた。
私はトゥルーパーの中にも王と呼べる者が存在し、トゥルーパー達を統率しているのはその王なのではないかと考えている。
しかし、その実態は掴めない。
そうしている内に更に遺跡の調査、トゥルーパーの調査は進み、トゥルーパーの能力についても分かった。
これは単純で対象者と同じ能力となる。
対象者の能力が炎なら、トゥルーパーも炎となる。
ここで私は一つの疑問を提示しておく。
――トゥルーパーの王の能力とは何か?
私はその答えの一つとしてトゥルーパーの王の能力は『全てのトゥルーパーの能力を使用する』能力なのではないかと考えている。
馬鹿げている考察だが、他に考えられる可能性も無い。
こういう場合は常に最悪のケースを考えて動く事が重要だ。
さて、次の話題になるのだが、今現在そのトゥルーパーの王は一度として姿を現していない。
故に、今までの考察は私の妄想の範囲を出る事は無い。
なので現状他の者に上記の事は誰にも伝えていない。
だが、もし仮に私の予想通りなら、王の力はとてつもないものになっている筈だ。
現在エデンで確認しているトゥルーパーの数は200を超えている。
その全ての能力を使えるのだとしたら……。
兎に角、もしこれを読んでいる者がいるのなら、王は勿論、トゥルーパーにも近づかない様にすべきだ。
間違っても戦おうとしてはいけない。奴らは間違いなく化け物だ。
私の考察が外れている事を願がっている。
作成日:西暦1008年7月8日
この文章は、制作者である私、アルノウスが小児の頃、二人の幼馴染と冒険心から入り込んだ古代遺跡にあった壁画に触れた事で発見された『トゥルーパー』という存在について纏めたレポートである。
まず初めにトゥルーパーとは何かという所から始めよう。
トゥルーパーは一言で表すなら思念体である。
普段は物体に触れる事すらできない存在だが、同じく遺跡にあった魂の楔(くさび)というものを人間に刺す事で実態を得る事が出来る。
また、対象者が楔によって命を落とす事は無い。
遺跡の調査を本格的に始め出してから、トゥルーパーについて幾つかの事が分かったので、ここに明記しておく。
・トゥルーパーに『死』という概念は無い。
・しかし、対象者が死んだ場合にはトゥルーパーも消滅する。
上記の事から、本来このトゥルーパーは楔を刺した対象者を守る為の存在だと確認できた。
しかし、ある一定の期間から、トゥルーパー達が、何者かの命令で動いているような素振りを見せ始めた。
私はトゥルーパーの中にも王と呼べる者が存在し、トゥルーパー達を統率しているのはその王なのではないかと考えている。
しかし、その実態は掴めない。
そうしている内に更に遺跡の調査、トゥルーパーの調査は進み、トゥルーパーの能力についても分かった。
これは単純で対象者と同じ能力となる。
対象者の能力が炎なら、トゥルーパーも炎となる。
ここで私は一つの疑問を提示しておく。
――トゥルーパーの王の能力とは何か?
私はその答えの一つとしてトゥルーパーの王の能力は『全てのトゥルーパーの能力を使用する』能力なのではないかと考えている。
馬鹿げている考察だが、他に考えられる可能性も無い。
こういう場合は常に最悪のケースを考えて動く事が重要だ。
さて、次の話題になるのだが、今現在そのトゥルーパーの王は一度として姿を現していない。
故に、今までの考察は私の妄想の範囲を出る事は無い。
なので現状他の者に上記の事は誰にも伝えていない。
だが、もし仮に私の予想通りなら、王の力はとてつもないものになっている筈だ。
現在エデンで確認しているトゥルーパーの数は200を超えている。
その全ての能力を使えるのだとしたら……。
兎に角、もしこれを読んでいる者がいるのなら、王は勿論、トゥルーパーにも近づかない様にすべきだ。
間違っても戦おうとしてはいけない。奴らは間違いなく化け物だ。
私の考察が外れている事を願がっている。
作成日:西暦1008年7月8日
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。

「白い結婚の終幕:冷たい約束と偽りの愛」
ゆる
恋愛
「白い結婚――それは幸福ではなく、冷たく縛られた契約だった。」
美しい名門貴族リュミエール家の娘アスカは、公爵家の若き当主レイヴンと政略結婚することになる。しかし、それは夫婦の絆など存在しない“白い結婚”だった。
夫のレイヴンは冷たく、長く屋敷を不在にし、アスカは孤独の中で公爵家の実態を知る――それは、先代から続く莫大な負債と、怪しい商会との闇契約によって破綻寸前に追い込まれた家だったのだ。
さらに、公爵家には謎めいた愛人セシリアが入り込み、家中の権力を掌握しようと暗躍している。使用人たちの不安、アーヴィング商会の差し押さえ圧力、そして消えた夫レイヴンの意図……。次々と押し寄せる困難の中、アスカはただの「飾りの夫人」として終わる人生を拒絶し、自ら未来を切り拓こうと動き始める。
政略結婚の檻の中で、彼女は周囲の陰謀に立ち向かい、少しずつ真実を掴んでいく。そして冷たく突き放していた夫レイヴンとの関係も、思わぬ形で変化していき――。
「私はもう誰の人形にもならない。自分の意志で、この家も未来も守り抜いてみせる!」
果たしてアスカは“白い結婚”という名の冷たい鎖を断ち切り、全てをざまあと思わせる大逆転を成し遂げられるのか?
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

完結 愛のない結婚ですが、何も問題ありません旦那様!
音爽(ネソウ)
恋愛
「私と契約しないか」そう言われた幼い貧乏令嬢14歳は頷く他なかった。
愛人を秘匿してきた公爵は世間を欺くための結婚だと言う、白い結婚を望むのならばそれも由と言われた。
「優遇された契約婚になにを躊躇うことがあるでしょう」令嬢は快く承諾したのである。
ところがいざ結婚してみると令嬢は勤勉で朗らかに笑い、たちまち屋敷の者たちを魅了してしまう。
「奥様はとても素晴らしい、誰彼隔てなく優しくして下さる」
従者たちの噂を耳にした公爵は奥方に興味を持ち始め……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる