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第四章 過去編Ⅱ
真二十二話「変わらない運命」
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もう何度目だろうか。
ゼノとリリーはマーロウと対峙している。
もはや見慣れてしまった生気の無い顔は、やはり何度見ても不気味で、視線が合う事は無い。
油断は一切無かった。マーロウの剣筋や癖、戦い方にも慣れ、反撃する事も多くなった。
が、二人は又殺された。
――何故?自分達には何が足りない?
痛みと共に倒れ行く自身の身体をコントロールすることなく、今回もまた地面に倒れ込む。
今回も駄目だったと感じる二人。いつもの様に眩い光が発せられるのを待つが、来ない。
いつもならもうリセットが始まっている筈。
一向に始まる気配を感じないまま、次第に意識が薄れていく――
---
次に目を覚ました時、ゼノはやはりアジトのベットで寝ていた。
「結局変わらないのか……」
まだ蘇りの回数が残っていた嬉しさと、何も進展しない状況の悲しさでどう考えていいのか頭が回らない。
ゼノはベットから起き上がり、リビングへと向かう。
またいつもの様に椅子に座っているリリー、朝食の準備をしているガンデスとナーファ。
しかし、イデアルとベルの姿が無い。
こんなことは今まで一度も無かった。
「ガンデス、イデアルとベルは?」
「ん? ああ、さっきノースクの兵士達を掻き分けて外に行ったよ。そのノースクの兵士達も帰ったけどなっておい!」
気づけばゼノは外に飛び出していた。
明らかに『何か』が変わった瞬間だった。
それが、イデアルが来なかったからなのかはわからない。そんな事はどうでもよかった。
自然と足は速くなる。今はただ、一秒でも早く変化を実感したかったのだ。
結局、どこかですれ違ったのだろう。イデアルと出会う事は無く、ゼノがアジトに戻るよりも先にイデアルとベルは戻っていた。
少し落胆するゼノだったが、これも変化の一つだと前向きに考える事にした。
だが、そんなゼノの気持ちとは裏腹に、世界の変化はゼノが望む形では訪れなかった。
元の月第5日、今までこの日に現れなかったガーネア姫が現れる。
元の月第7日、巨大なアンドロイドが現れ結果的にナーファとガーネアが死ぬ。
元の月第9日、ベルとイデアルを部屋に残してリリーとゼノは廊下で話し始める。
「おかしい、おかしすぎる! 何から何まで違いすぎる!」
「そう大声を出さないで! 私だって混乱してるの!」
二人が動揺しているのも仕方ない。
今迄のループ通りに進んでいないのだ。そもそもマーロウと戦ってすらいない。
更にもう一つ分からない事がある。
それは、自身を西の国の王ネイガスと名乗るアンドロイドの存在だ。
二人はそもそも西側に国などない事を知っている。
その存在しない国から王が来ているというのが更に二人を混乱させる要因となっていた。
今はどうしようもない、不安だが二人は流れに身をまかせるしかなかった。
重い足取りで、扉の外にまで響いているボルネクスの声を聞きながら扉らを開ける。
---
「くそっくそっ、くそっ! なんなんだよ!」
ゼノは全速力で走る。
ボルネクスの一言で牙を剥く兵士達。
ガンデスがその身一つで自分達を逃がしてくれたお陰で、ノースクから無事に脱出した。
「森に逃げよう」
イデアルの提案で森に身を隠しゼノ達。
辺りはすっかり暗くなっていた。
暫くして、我慢出来なくなったゼノはガンデスを助けに行くと言い出した。
当然仲間達からは反対されるが、それなら一人で行くと立ち上がるがそれも止められる。
そのやりとりで、ノースクの兵士達と戦う羽目になり、なんとか勝つ事が出来た。
ゼノは自分が強くなっているのを実感する。
その後ベルの口から語られた出来事を聞き、自身の経験と照らし合わせいくつか納得出来る部分があったからこそ、ゼノはベルの言っている事が信用出来た。
リリーも「私も」とゼノに同意する。
――次はこちらの事も話さなければならない。
ゼノとリリーが初めて自分達の事をベルに話す。
その内容にはイデアルが知らない事も含まれていた。
今迄誰を信じれば良かったのかもわからない、自分すら信じられなかった二人が初めて信用すると決めたのがベルだった。
ゼノとリリーはマーロウと対峙している。
もはや見慣れてしまった生気の無い顔は、やはり何度見ても不気味で、視線が合う事は無い。
油断は一切無かった。マーロウの剣筋や癖、戦い方にも慣れ、反撃する事も多くなった。
が、二人は又殺された。
――何故?自分達には何が足りない?
痛みと共に倒れ行く自身の身体をコントロールすることなく、今回もまた地面に倒れ込む。
今回も駄目だったと感じる二人。いつもの様に眩い光が発せられるのを待つが、来ない。
いつもならもうリセットが始まっている筈。
一向に始まる気配を感じないまま、次第に意識が薄れていく――
---
次に目を覚ました時、ゼノはやはりアジトのベットで寝ていた。
「結局変わらないのか……」
まだ蘇りの回数が残っていた嬉しさと、何も進展しない状況の悲しさでどう考えていいのか頭が回らない。
ゼノはベットから起き上がり、リビングへと向かう。
またいつもの様に椅子に座っているリリー、朝食の準備をしているガンデスとナーファ。
しかし、イデアルとベルの姿が無い。
こんなことは今まで一度も無かった。
「ガンデス、イデアルとベルは?」
「ん? ああ、さっきノースクの兵士達を掻き分けて外に行ったよ。そのノースクの兵士達も帰ったけどなっておい!」
気づけばゼノは外に飛び出していた。
明らかに『何か』が変わった瞬間だった。
それが、イデアルが来なかったからなのかはわからない。そんな事はどうでもよかった。
自然と足は速くなる。今はただ、一秒でも早く変化を実感したかったのだ。
結局、どこかですれ違ったのだろう。イデアルと出会う事は無く、ゼノがアジトに戻るよりも先にイデアルとベルは戻っていた。
少し落胆するゼノだったが、これも変化の一つだと前向きに考える事にした。
だが、そんなゼノの気持ちとは裏腹に、世界の変化はゼノが望む形では訪れなかった。
元の月第5日、今までこの日に現れなかったガーネア姫が現れる。
元の月第7日、巨大なアンドロイドが現れ結果的にナーファとガーネアが死ぬ。
元の月第9日、ベルとイデアルを部屋に残してリリーとゼノは廊下で話し始める。
「おかしい、おかしすぎる! 何から何まで違いすぎる!」
「そう大声を出さないで! 私だって混乱してるの!」
二人が動揺しているのも仕方ない。
今迄のループ通りに進んでいないのだ。そもそもマーロウと戦ってすらいない。
更にもう一つ分からない事がある。
それは、自身を西の国の王ネイガスと名乗るアンドロイドの存在だ。
二人はそもそも西側に国などない事を知っている。
その存在しない国から王が来ているというのが更に二人を混乱させる要因となっていた。
今はどうしようもない、不安だが二人は流れに身をまかせるしかなかった。
重い足取りで、扉の外にまで響いているボルネクスの声を聞きながら扉らを開ける。
---
「くそっくそっ、くそっ! なんなんだよ!」
ゼノは全速力で走る。
ボルネクスの一言で牙を剥く兵士達。
ガンデスがその身一つで自分達を逃がしてくれたお陰で、ノースクから無事に脱出した。
「森に逃げよう」
イデアルの提案で森に身を隠しゼノ達。
辺りはすっかり暗くなっていた。
暫くして、我慢出来なくなったゼノはガンデスを助けに行くと言い出した。
当然仲間達からは反対されるが、それなら一人で行くと立ち上がるがそれも止められる。
そのやりとりで、ノースクの兵士達と戦う羽目になり、なんとか勝つ事が出来た。
ゼノは自分が強くなっているのを実感する。
その後ベルの口から語られた出来事を聞き、自身の経験と照らし合わせいくつか納得出来る部分があったからこそ、ゼノはベルの言っている事が信用出来た。
リリーも「私も」とゼノに同意する。
――次はこちらの事も話さなければならない。
ゼノとリリーが初めて自分達の事をベルに話す。
その内容にはイデアルが知らない事も含まれていた。
今迄誰を信じれば良かったのかもわからない、自分すら信じられなかった二人が初めて信用すると決めたのがベルだった。
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