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第四章 過去編Ⅱ
真十八話「集いし者達Ⅱ」
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果敢に飛びかかるイデアルとゼノだったが、難なくガンデスに薙ぎ払われる。
できるだけ傷付けずに捕獲したいという思いがどうしても二人の邪魔をする。
「くそっ!」
「手加減してなんとかなる相手じゃねえぞ!」
「わかってる!」
そうは言ったものの、やはりゼノには目の前のガンデスそっくりのアンドロイドを傷つける事ができない。
イデアルはそんなゼノの気持ちも知らず遠慮なく殴りつけるが、効いている様子が無い。
「邪魔だあああ!」
片手でイデアルを投げ飛ばし、再びそこらじゅうに倒れ込むアンドロイドの一体を必要に殴り続ける。
初めからイデアルやゼノの事など眼中に無いかの如く一心不乱に殴り続ける。
その様子にイデアルとゼノは目を合わせる。
「どういう事だ?」
状況が理解できないイデアル。
「わからん、だが隙だらけだ」
ゼノの提案で、後ろから近づき後頭部からメモリーチップを抜き取る。
「ナー……ファ……」
余りにもあっけなく終わり拍子抜けするイデアル。
「なんだったんだこいつは……」
「ちょっと待ってくれ」
ゼノは機能停止まじかのガンデスの言葉が気になっていた。
聞き間違う筈は無い、彼は間違いなく『ナーファ』と言った。
――いる筈はない、自分自信で死んでいたのを確認したではないか。
心の中で言い聞かせても、確かめずにはいられない。ゼノはアーファルスの中へと向かう。
「おい、待てよゼノ!」
無言で進みだすゼノの後をついていくイデアル。
イデアルは文句の一つも言わずにゼノがしたいようにさせようと思っていた。
---
アーファルスの内部は国と言うより村と言う方が正しかった。それぐらい小規模でとてもノースク程の国と渡り合ったとは思えないほどに。
しばらく……といってもほんの数十秒程でアーファルスの『城』へとたどり着く。
「これ……城か?」
「多分……」
イデアルはノースクがアルビオンに完全に再現されている物だと知っている。
アーファルスもその例外に漏れてはいないだろう……。
だとすればこれは一体どういう事なのだろうか。
二人の目の前に現れた城は他の民家のたった二倍程度の大きさでしかない。
城と言うにはあまりにも役不足だ。
このアーファルスと言う国がよっぽど切り詰めて暮らしていたのかがわかる。
この国に配属されたアンドロイド達も過去の再現だろうか、ノースクに比べ余り裕福な服装をしてはいない。
殆どのアンドロイドが長い布一枚を身に着けているだけである。
「何も無いじゃねえか」
「ああ、だがきっとナーファが……」
ナーファ、おそらく人物名であろう名称を口に出すゼノを特に止める事などせず、イデアルは周りを見渡す。
恐ろしく何もない――。
本当に過去にこんな環境で人間が暮らしていたのだろうか。
イデアルは再び城の方を見る。
国の顔とも言えるその建物は崩壊し、建物と呼ぶには無茶だと思う程悲惨な状況だった。
(この城の状況も再現の一つか?)
イデアルは興味本位で城の中へと入る。
中は予想通り、城とは程遠い内装で所々日差しが差し込むほどに穴だらけだった。
そんな荒廃した城の中でも一部分だけ小奇麗にされている部分を見つける。
人一人分の小さな空間の中に正に姫様の様な扱いで座らせられている一体のアンドロイドがいた。
「ゼノ! こっちに来てくれ!」
未だ城の外で慎重に調査を続けていたゼノを急いで呼ぶ。
ゼノも何かの確信を感じ、いそいでイデアルの元に向かう。
「な、ナーファ……」
それがたどり着いたゼノが発した第一声だった。
---
「よっと」
抱えていたガンデスをソファーの一つに寝かせゼノの方を見る。
ゼノも同じく抱えていたナーファを椅子に座らせる。
「こっちはいいんだが、なんでそいつまで……」
C型のガンデスと違い、ゼノが抱えていたナーファによく似ていたアンドロイドはN型。
はっきり言って戦力外のアンドロイドを持ち帰る理由がイデアルには判らなかった。
「似ているんだ」
「はあ?」
「多分、あのまま成長していたらきっとこんな感じになっていた筈だ」
ゼノはアンドロイドの方を見つめる。
イデアルにはゼノの言いたいことが判らず、状況が呑み込めない。
「なあゼノ、一体何なんだよ……ちゃんと説明してくれ」
イデアルのリクエスト通り、ゼノは過去に何があったのかをイデアルに話す。
「成程な……そのナーファって子によく似ているって事か」
状況を理解したイデアルだったが、やはり納得がいかない。
「おまえ今の状況が判っているのか? こいつならまだしも似てるってだけでただのN型を持って帰っている場合じゃないんだぞ!」
ガンデスを指差しながら言う。
「わかってる! わかってるけど……」
孤独に慣れたつもりだったゼノだったが、いざ知った顔を目の前にするとどうしようも無かった。
考える前に身体が動いてしまっていた。
「はあ、まあいい、持って帰ってきてしまったのはしょうがない」
イデアルはナーファの後頭部に手をかけメモリーチップを取り出す。
「重要なのはこっちなんじゃないのか?」
そう言ってゼノにナーファのメモリーチップを渡す。
「すまん……」
精一杯の返事をして受け取ったそれを見て違和感を覚える。
――形が違う。
「ん? どうした?」
「いや、俺の知っているものと少し違うんだ」
ゼノがネシアに受け取ったメモリーチップの一つをイデアルに見せる。
「それ、旧式だぜ?」
「旧式?」
イデアルがノースクで読み漁った資料の中にはメモリーチップについて纏めてあるものもあった。
ゼノが持っている物は初期の頃、それこそオーと同じプロトタイプアンドロイドの開発と同時期に開発されたもので、思考力・判断力といったものが並の人間以下しか無い。
「成程だからか……」
ゼノは自身が捕えた三体のアンドロイドの方を見る。
どおりで『攻撃しろ』『守れ』『待機しろ』等の単純な命令しかできない訳だ。ゼノは己の無知さに嫌気がさす。
「もしかすると特別な何かがあるかもしれない」
再びゼノからメモリーチップを奪う形でアンドロイドに入れ直す。
起動まで数秒、固唾をのんで見守る二人。
無事起動し、起き上がるアンドロイド。
「ナーファ……?」
違うと分かっていても思わず口に出る。
驚くことにアンドロイドも自分の事だと確信している様に振り向く。
「貴方達は……誰?」
アンドロイドの目は何者かに潰されていた。
できるだけ傷付けずに捕獲したいという思いがどうしても二人の邪魔をする。
「くそっ!」
「手加減してなんとかなる相手じゃねえぞ!」
「わかってる!」
そうは言ったものの、やはりゼノには目の前のガンデスそっくりのアンドロイドを傷つける事ができない。
イデアルはそんなゼノの気持ちも知らず遠慮なく殴りつけるが、効いている様子が無い。
「邪魔だあああ!」
片手でイデアルを投げ飛ばし、再びそこらじゅうに倒れ込むアンドロイドの一体を必要に殴り続ける。
初めからイデアルやゼノの事など眼中に無いかの如く一心不乱に殴り続ける。
その様子にイデアルとゼノは目を合わせる。
「どういう事だ?」
状況が理解できないイデアル。
「わからん、だが隙だらけだ」
ゼノの提案で、後ろから近づき後頭部からメモリーチップを抜き取る。
「ナー……ファ……」
余りにもあっけなく終わり拍子抜けするイデアル。
「なんだったんだこいつは……」
「ちょっと待ってくれ」
ゼノは機能停止まじかのガンデスの言葉が気になっていた。
聞き間違う筈は無い、彼は間違いなく『ナーファ』と言った。
――いる筈はない、自分自信で死んでいたのを確認したではないか。
心の中で言い聞かせても、確かめずにはいられない。ゼノはアーファルスの中へと向かう。
「おい、待てよゼノ!」
無言で進みだすゼノの後をついていくイデアル。
イデアルは文句の一つも言わずにゼノがしたいようにさせようと思っていた。
---
アーファルスの内部は国と言うより村と言う方が正しかった。それぐらい小規模でとてもノースク程の国と渡り合ったとは思えないほどに。
しばらく……といってもほんの数十秒程でアーファルスの『城』へとたどり着く。
「これ……城か?」
「多分……」
イデアルはノースクがアルビオンに完全に再現されている物だと知っている。
アーファルスもその例外に漏れてはいないだろう……。
だとすればこれは一体どういう事なのだろうか。
二人の目の前に現れた城は他の民家のたった二倍程度の大きさでしかない。
城と言うにはあまりにも役不足だ。
このアーファルスと言う国がよっぽど切り詰めて暮らしていたのかがわかる。
この国に配属されたアンドロイド達も過去の再現だろうか、ノースクに比べ余り裕福な服装をしてはいない。
殆どのアンドロイドが長い布一枚を身に着けているだけである。
「何も無いじゃねえか」
「ああ、だがきっとナーファが……」
ナーファ、おそらく人物名であろう名称を口に出すゼノを特に止める事などせず、イデアルは周りを見渡す。
恐ろしく何もない――。
本当に過去にこんな環境で人間が暮らしていたのだろうか。
イデアルは再び城の方を見る。
国の顔とも言えるその建物は崩壊し、建物と呼ぶには無茶だと思う程悲惨な状況だった。
(この城の状況も再現の一つか?)
イデアルは興味本位で城の中へと入る。
中は予想通り、城とは程遠い内装で所々日差しが差し込むほどに穴だらけだった。
そんな荒廃した城の中でも一部分だけ小奇麗にされている部分を見つける。
人一人分の小さな空間の中に正に姫様の様な扱いで座らせられている一体のアンドロイドがいた。
「ゼノ! こっちに来てくれ!」
未だ城の外で慎重に調査を続けていたゼノを急いで呼ぶ。
ゼノも何かの確信を感じ、いそいでイデアルの元に向かう。
「な、ナーファ……」
それがたどり着いたゼノが発した第一声だった。
---
「よっと」
抱えていたガンデスをソファーの一つに寝かせゼノの方を見る。
ゼノも同じく抱えていたナーファを椅子に座らせる。
「こっちはいいんだが、なんでそいつまで……」
C型のガンデスと違い、ゼノが抱えていたナーファによく似ていたアンドロイドはN型。
はっきり言って戦力外のアンドロイドを持ち帰る理由がイデアルには判らなかった。
「似ているんだ」
「はあ?」
「多分、あのまま成長していたらきっとこんな感じになっていた筈だ」
ゼノはアンドロイドの方を見つめる。
イデアルにはゼノの言いたいことが判らず、状況が呑み込めない。
「なあゼノ、一体何なんだよ……ちゃんと説明してくれ」
イデアルのリクエスト通り、ゼノは過去に何があったのかをイデアルに話す。
「成程な……そのナーファって子によく似ているって事か」
状況を理解したイデアルだったが、やはり納得がいかない。
「おまえ今の状況が判っているのか? こいつならまだしも似てるってだけでただのN型を持って帰っている場合じゃないんだぞ!」
ガンデスを指差しながら言う。
「わかってる! わかってるけど……」
孤独に慣れたつもりだったゼノだったが、いざ知った顔を目の前にするとどうしようも無かった。
考える前に身体が動いてしまっていた。
「はあ、まあいい、持って帰ってきてしまったのはしょうがない」
イデアルはナーファの後頭部に手をかけメモリーチップを取り出す。
「重要なのはこっちなんじゃないのか?」
そう言ってゼノにナーファのメモリーチップを渡す。
「すまん……」
精一杯の返事をして受け取ったそれを見て違和感を覚える。
――形が違う。
「ん? どうした?」
「いや、俺の知っているものと少し違うんだ」
ゼノがネシアに受け取ったメモリーチップの一つをイデアルに見せる。
「それ、旧式だぜ?」
「旧式?」
イデアルがノースクで読み漁った資料の中にはメモリーチップについて纏めてあるものもあった。
ゼノが持っている物は初期の頃、それこそオーと同じプロトタイプアンドロイドの開発と同時期に開発されたもので、思考力・判断力といったものが並の人間以下しか無い。
「成程だからか……」
ゼノは自身が捕えた三体のアンドロイドの方を見る。
どおりで『攻撃しろ』『守れ』『待機しろ』等の単純な命令しかできない訳だ。ゼノは己の無知さに嫌気がさす。
「もしかすると特別な何かがあるかもしれない」
再びゼノからメモリーチップを奪う形でアンドロイドに入れ直す。
起動まで数秒、固唾をのんで見守る二人。
無事起動し、起き上がるアンドロイド。
「ナーファ……?」
違うと分かっていても思わず口に出る。
驚くことにアンドロイドも自分の事だと確信している様に振り向く。
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