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「周囲を調べることにする」
金介が同じ感想を抱いたらしくそんなせりふを口にする。
それに了斎、アルメイダもうなずいた。
異論があるような事柄ではないからいいが向後のことを考えると実は不安もある。
了斎とアルメイダ、金介とれんはそれぞれしたがう者が違う。
なにかの決断が必要なときに意見が異なった場合どうするのか、宰領が決まっていないために問題となることも考えられた。それが一刻を争う事態の折であらば致命的な結果を招きかねない。
れんの不条理とは違った次元で心配ではあるが、かといって「宰領を決めよう」と持ち出してお互いの溝を深める結果になるのもわずらわしく了斎は懸念を先送りにしていた。
城を陥とす端緒を求めて了斎たちは城の周辺を一周する。
とはいえ、なんとはいっても領主が外敵から身を守らんと工夫や智恵を凝らした建物だ、そうたやすく弱点が見つかるようにできているはずもなかった。
だが、それでも城の水源となる場所を把握するなど了斎、金介、れんの働きはさすがのものだ。いざ、籠城となったときに水源を断てるかどうかは戦の趨勢を占うほどに重要なものだから大手柄ではある。
しかし、
「さて、いかに攻めたものでしょうね」
森のなかで休憩をとった折にアルメイダがいたずらっぽい口調でつぶやいた。
金介とれんは周囲の警戒に当たってその場をはなれている。
さすがに、次郎丸と司祭(パードレ)の息が少しあがったために休むこととなったのだ。近くを小川が流れ、そこから汲んできた水を次郎丸が音を鳴らして飲んでいる。それが終わると、水面の感触を確かめるように川面をなでたりつかんだりという所作を始めた。つくづく変わっている。
金介が同じ感想を抱いたらしくそんなせりふを口にする。
それに了斎、アルメイダもうなずいた。
異論があるような事柄ではないからいいが向後のことを考えると実は不安もある。
了斎とアルメイダ、金介とれんはそれぞれしたがう者が違う。
なにかの決断が必要なときに意見が異なった場合どうするのか、宰領が決まっていないために問題となることも考えられた。それが一刻を争う事態の折であらば致命的な結果を招きかねない。
れんの不条理とは違った次元で心配ではあるが、かといって「宰領を決めよう」と持ち出してお互いの溝を深める結果になるのもわずらわしく了斎は懸念を先送りにしていた。
城を陥とす端緒を求めて了斎たちは城の周辺を一周する。
とはいえ、なんとはいっても領主が外敵から身を守らんと工夫や智恵を凝らした建物だ、そうたやすく弱点が見つかるようにできているはずもなかった。
だが、それでも城の水源となる場所を把握するなど了斎、金介、れんの働きはさすがのものだ。いざ、籠城となったときに水源を断てるかどうかは戦の趨勢を占うほどに重要なものだから大手柄ではある。
しかし、
「さて、いかに攻めたものでしょうね」
森のなかで休憩をとった折にアルメイダがいたずらっぽい口調でつぶやいた。
金介とれんは周囲の警戒に当たってその場をはなれている。
さすがに、次郎丸と司祭(パードレ)の息が少しあがったために休むこととなったのだ。近くを小川が流れ、そこから汲んできた水を次郎丸が音を鳴らして飲んでいる。それが終わると、水面の感触を確かめるように川面をなでたりつかんだりという所作を始めた。つくづく変わっている。
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