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五
その後、小平次たちは、御庭番の襲撃から命からがら逃げてきた定二と合流を果たしていた。
そして、無宿忍び衆ふたりの追跡に真剣な表情で当たっていた。定二にも躊躇のようすはない。猟師が使うのと同じ、無理のない歩みで吟たちは無宿忍び衆の残りのふたりを追った。
足跡は歩幅が大きくなりつま先がまっすぐ前を向いている、と標的が疾走していることを示していた。となると自分たち以外の者たち、おそらくは御庭番の襲撃を受けたか? そうなると、御庭番との再戦は避けられないだろう。だが、悪いことばかりではない。敵にばらばらに逃げられると厄介だが、戦力の分散を避けたのか残された痕跡はふたり分だ。
後ろ向きに歩くなどの小細工をかかとへの窪みの厚さなどから見破り、偽装のために分岐している地点には目印を残して、騙された場合はもどるという具合の手順を根気強くくり返す。
が、そうしているうちに敵は意外な場所へと足を向けた。
進路上最寄りにある集落へと足を向けたのだ。足跡などの痕跡があり、無宿忍び衆の痕跡を見分けることは困難になる。
頼りは主を失ってなお仕事を果たそうとする吉足だ。
村へとたどりついたときには陽が完全に沈み、さらには人々が眠りについている刻限だった。
ひと気が表から絶えた集落を犬に先導されながら吟たちは歩き回る。
が、彼らは村をぐるぐるとまわらされる羽目に陥った。
犬の臭いの追跡は直線でこそ発揮されるを、それを晦ますための手立てが講じられていたのだ。
されど、それをして遠くまで逃げている時の猶予はなかったはず――。
その後、小平次たちは、御庭番の襲撃から命からがら逃げてきた定二と合流を果たしていた。
そして、無宿忍び衆ふたりの追跡に真剣な表情で当たっていた。定二にも躊躇のようすはない。猟師が使うのと同じ、無理のない歩みで吟たちは無宿忍び衆の残りのふたりを追った。
足跡は歩幅が大きくなりつま先がまっすぐ前を向いている、と標的が疾走していることを示していた。となると自分たち以外の者たち、おそらくは御庭番の襲撃を受けたか? そうなると、御庭番との再戦は避けられないだろう。だが、悪いことばかりではない。敵にばらばらに逃げられると厄介だが、戦力の分散を避けたのか残された痕跡はふたり分だ。
後ろ向きに歩くなどの小細工をかかとへの窪みの厚さなどから見破り、偽装のために分岐している地点には目印を残して、騙された場合はもどるという具合の手順を根気強くくり返す。
が、そうしているうちに敵は意外な場所へと足を向けた。
進路上最寄りにある集落へと足を向けたのだ。足跡などの痕跡があり、無宿忍び衆の痕跡を見分けることは困難になる。
頼りは主を失ってなお仕事を果たそうとする吉足だ。
村へとたどりついたときには陽が完全に沈み、さらには人々が眠りについている刻限だった。
ひと気が表から絶えた集落を犬に先導されながら吟たちは歩き回る。
が、彼らは村をぐるぐるとまわらされる羽目に陥った。
犬の臭いの追跡は直線でこそ発揮されるを、それを晦ますための手立てが講じられていたのだ。
されど、それをして遠くまで逃げている時の猶予はなかったはず――。
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