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チャプタ―149

チャプタ―149

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 豊臣家の介入や指南を受け入れて大名権力の強化を図るべきだとする“改革派”と、従来通りの大名と国人領主の連合による分散的な在地支配に固執し豊臣政権から相対的に独立した領主支配を維持したい“守旧派”に分岐しているのだ。
 そこに、治部少輔と介して豊臣政権と直結していた“改革派”の旗頭、伊集院幸侃(いじゅういんこうかん)が斬殺されるという事件が起こり大きな政治的混乱を生むことになる。国許では幸侃の嫡男忠真(ただざね)が庄内を中心とする十二の外城(とじょう)に立てこもって挙兵した。これを後世では庄内の乱と呼んだ。
 結局、島津家は庄内の乱を一年近い時間をついやしても自力で鎮圧できず、内府(徳川家康)の“御瞹(あつかい)(調停)”によりようやく忠真と和解することができた――これがのちに、兵庫頭が徳川方につこうとした理由の一つでもある。
 ……とにもかくにも、影響を残していても庄内の乱そのものは“終わっている”のだ。
「――八九郎、内府(ないふ)様の骨折りにより既に和解がなっておる」
「なにを申しております、若?」
 八九郎は目を丸くする――渠に“事実”を思い出させるまでに、半刻近くの時間が必要だった……。
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