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チャプタ―129

チャプタ―129

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「違う――ので?」
「さよう。奴輩は内部で割れておる、ために一部が突出して攻撃するに至ったのだ」
 義久の言葉に、兼盛の顔にも喜びがきざした。
「ということは……」
「今は攻め時ということだ」
 義久は告げるや立ち上がり、
「みなの者、陣を移すぞ!」
 と声を張り上げる。
 ――そして、高城川の川岸近くまで陣を迅速に移した。

 こうなれば、自重派の大友諸将もこうなっては動かざるを得ない。
 兵力を下手に損ずるわけにもいかず、また味方を見捨てたとあっては士気がいちじるしく下がってしまうため、次々と戦線に加わった。
 足並みは揃わなかったが、大軍の攻撃は凄まじく島津軍の前軍を突き破って奥に進んだ……。
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