笑う死霊家臣団 (別名義、別作品で時代小説新人賞最終選考落選歴あり)

牛馬走

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チャプタ―125

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 そんな宗麟にとって、伊留満(いるまん)マルコを死なせたことは、免罪符となるはずの切支丹の教えに疵をつけられたような気分になった。
 そこで、渠は考える――この償いはいかようにすれば為せる?
 脳裏にひらめくものがあった。
 端緒となったのは、姻戚の伊東義祐の旧領回復の懇願だ。これを成功させれば、日向の半分を譲るという。
 だったら、かの地に切支丹の理想郷を築くのはどうだろうか?
 切支丹の教えが国の隅々まで行き届いた、切支丹が安らかに住まうことのできる土地をつくってはどうだろうか?
「……よい、よいではないか」
 己の思いつきに、宗麟は思わず笑みを浮かべた。
「は?」
 側近のひとりがそれを聞きつけ怪訝な表情を浮かべる。
 そんな渠を憑かれたような顔つきで見やり、
「島津の奴輩に鉄槌を加えるのだ!」
 と声を高くして告げた。
 ――こうして、大友家の日向侵攻は開始されることとなる。
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