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チャプタ―20

チャプタ―20

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 痙攣、まばたき、という身体反応を示したあと、
「おお」
「ううむ」
「いかさま、な」
 とそれぞれ憑依の成功を確信した。それぞれ偶然か、意図してか、子供の身体を乗っ取っている。
「それでは、参るぞ」
 右京亮の声を受け、家臣たちは子供の身体で太刀や槍を構えた。
 ――ただの地下とは思えない隙のない立ち居だ。
「ひ、え……」
 難をのがれた老いた地下の口から何とも言えない声が漏れる。
 それを合図に、憑依をまぬがれた地下人はその場から一散に逃げ出した。
「ふん、たあいない」
 右京亮が鼻息荒くそんな言葉を吐く。そしてこちらに向き直り、
「若、再びお目にかかれて嬉しゅうござる」
 と臣下の礼をとりながら仰々しい顔をした。
「え――」
 えぇぇぇぇぇぇ……!? 
 市右衛門はただただ戸惑うばかりだ。目の前の現実とどう折り合いをつければよいか分からない。
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