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1章 異世界のようです。
初じめての調合
しおりを挟むさて、昨日早く寝たせいで早く目覚めてしまったので、採ってきた素材を使って作れるものを作ってみよう。
いや、その前に採取した物の整理か…。
場所がないから、部屋を増やそう…。
作業用に作った部屋の大きな作業机に昨日採取したものをズラッと並べる。
「たくさん…」
自分でビックリしているとガチャっと扉の開く音がする。
「…ママ?」
リオンがそっと覗き込んでいる。
「おはよう、リオン。どうしたの?」
「ママの部屋に新しい扉が急にできたからびっくりしちゃったよ!」
そういえば誰にも言わずにいきなり増やしちゃった。
そりゃ驚くよね。
「あー、ごめんね。リオン!」
「次からは教えてから増やしてよ!」
「はーい」
「それで、ママは何してるの?」
大量の薬草を不思議そうに見るリオン。
「調合をやってみようかなと思って…。まずは採取した物の確認と仕分けをやろうかと準備してたの」
そういって目の前の薬草の山の仕分け作業を始める。
まだ低級のダンジョン産なのでほとんど2種類に分けられる。
ロナ草と魔力草。
鑑定で見たから合ってるはず。
もくもくと仕分けを続けること1時間。
やっと半分くらいの仕分けが終わった。
休憩がてら朝ごはんを食べて作業を再開する。
ノエル達は3人ともコントロール室にいるそうだ。
ホーンラビットが殺られたのが相当嫌だったみたい、リリスが。
見張るんだって。
もくもくと作業を続け、1時間ほどで終わった。
種類ごとに布袋にいれるとロナ草が8袋、魔力草が5袋になった。
あとは少しずつだったから束にしてからインベントリに収納する。
「よし!やってみよう……リオン、道具は何を用意すればいいのかな?」
「あ、やっと気づいた!?えーっと、ショップの中に調合スターターセットがあるはずなんだけど…ある?」
「スターターセットね」
ポチポチとダンジョン製作の画面を操作し、ショップの中に調合関係のページを発見する。
「あ、ありそう。……あったよ!」
「じゃあ、それと乳鉢とポーション用のビンを追加で多めに買っとけばいいと思う!」
「わかった!」
スターターセットと乳鉢、ビンを購入。
ポンっと目の前に箱が2つ出てきた。
中を覗くと1つはデジタルの計りとか乳鉢、すりこぎ、小さいナイフ、包丁、まな板みたいな木の板が2つ、ビンが10個、ピンセットのセット、皮の手袋、漏斗、白い布が5枚。
もう一つは乳鉢が20個、ビンが50個。
「買いすぎたかな?」
「少ないよりはいいんじゃない!?」
「計り…デジタルなんだけど、この世界にデジタルの計りなんてあるの?」
「ないと思うよ!!」
無いのか、ということはここでしか使えないじゃん。
うっかりこの世界の人に見られないように気を付けよう。
「ママ、道具は1回浄化のスキルかけてから使ってね!」
「浄化?」
「薬師のスキルにあるから、綺麗にするイメージで浄化したいものに手をかざして[浄化]って言ってみて!」
「むぅ…」
なんか恥ずかしいが…やるしかないのか…?
「ママ!」
「…分かったよ…はぁ…[浄化]」
なんか手のひらがポワンと暖かくなり、手をかざしていた物たちが淡く光った…気がした。
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