変態天才αに掴まったチョロβの話

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引っ越し祝い会ー徹

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『翔が暫く我が家で過ごすことになったので、歓迎会をするのですが、徹さんも参加していただけますか?先日のお礼もさせて下さい』

翔のばあちゃんからお誘いメールが来た。
ってか、俺、翔と一回しかあったことないんだけど、既に子守認定?う~ん、けれど、お祝い会ってなると断れないよなぁ…。
母さんに相談したら、「行け」の一言で終わった。

迷子のーーというか、あれ、家出だったんだろうなーーの翔を保護しただけだったんだけど、翔宅のあのカオスな朝食後、爺さんが車で家まで送ってくれて、母さんに手土産と共にお礼言ってくれて。この手土産が半端なく高級品で母さんのテンション爆上がり。
『ウチの孫が徹君に懐きましてね。孫にも兄はいるのですが………』爺さんのしんみりに母さん、『こんなんで良ければいくらでも!!』
こんなんってなんだよ。

まあ、兎に角、そういう訳でまたも翔の爺さん家にお邪魔した。黒塗りの高そうな車で執事さん?が迎えに来てくれた。ご近所さんにびっくりされたぞ。

爺さんのでっかいでっかい家に着くと、翔が飛び込んできた。
「徹~」
うんうん、翔君。大歓迎は嬉しいけれど、身長差があるからソレやめようね。徹徹ってソコで口を動かされるとお兄さんは困るから。俺は犯罪者になりたくない。ああ、ジーパンとか硬いズボンにしときゃよかった。

翔の肩に手をかけて引きはがしながら、しゃがんで視線を合わせて言う
「お招きありがとう」
「徹!」
また、抱きつかれた。まぁ、これなら問題ない。そして前回同様、首をかぷかぷされる。赤ちゃん返りらしい。親と離れて暮らす不安や不満が翔にはあって、そのせいでこうなっているようだ。
家出するくらいだもんなぁ。
頭を撫でてあげていると、翔のばあちゃんがやってきて翔を叱った。
「スミマセンね。徹君」
「いえいえ、赤ちゃん返りみたいですね。」
腕の中の翔がピクリとした。あ、しまった。プライドを傷つけたか?
大丈夫のようだ。まだかぷかぷを続けているからな。
ばあちゃんは困ったような何とも言えない顔をした。

歓迎会のメニューはちょっと不思議だった。
「翔の好物で揃えてみたの」
なるほど。だから前菜?にソフトクリーム。あれ、でも翔にはなし?
「翔が好きになりそうなものも用意したんです。この子は想像力がない。だから、好きなものが少なさすぎる。昨日もソフトクリームをあげたんだが、好きにはならなかった」
「え?こんな美味しい物を?」
「徹、好きなの?じゃあ、僕も好きになる」
対抗意識?
でも好き嫌いってそういう問題でもないんだけどなあ。
とりあえず、とけるからさっさと先端からばくりといく。
「とととととおる!く、くち、口の端からクリームが」
ああ、ちょっとついた。ペロっと舐め取る。うん、美味い。
とおるがとおるがとおるが……って翔がブツブツ呟いている。何か、目がギラギラしてないか。
「どうですか?ウチの料理人の自慢の一品です」
「いや!美味しいです!こんな美味しいソフトクリーム、初めて食べました!クリームが濃厚で、口の中にねっとりと残るのに、食べやすいからとまらない。」

クリームが濃厚クリームが濃厚……
翔がぶつぶつと呟いている。無視してペロペロするとぶほっと変な音が聞こえた。翔がソフトクリームを凝視している。
「食うか?」
差し出すと、恐る恐るペロリとして、満面の笑みになった。
うん。ホントにソフトクリーム好きになったっぽい
いや、だってこのソフトクリーム、マジ美味い。欠点は市販のより溶けやすいこと。今もだけど、クリームがコーンから溢れて手についちゃうんだよ。もったいないから舐め取るけど
「徹が徹が徹が…………悪魔」
「??」
「ううん。チュー○ットより白いね」
「おう、こっちはミルクだからな。」
ミルクが徹にミルクが徹にミルクが……
「?おう。」
徹がミルク徹がミルク徹のミルク…
翔呟きが何かだんだん誤変換されてってる。
とりあえず、無視して食べる。とけるとける。
市販のって、コーンの周りを紙でつつんでいる。今回のはそれがない。やっぱりあれは意味があるんだな。
「手がミルクでベタベタ。濃厚だからですね」
手を洗いに行かねば…と席を立つ直前に手を取られた。翔がペロペロ俺の手を舐める
「こら、ばっちいでしょ。手を洗ってくるから。今度、作ってもらいなさい」
そんなに気に入ったのか~。まぁ、ソフトクリームは美味いからな!

お手伝いさんが、おしぼりを持ってきてくれた。それで手を拭く。
「濃厚なミルクで徹の手がベタベタ……」
翔がぼんやりという。なんだろう?目が虚ろ?

「翔、分かったか?お前に不足しているのは想像力だ。何も考えずに興味を持たずにいるとどうなる?今回、私がソフトクリームを用意しなかったらどうなっていた?昨日、ヒントをやったのにお前は気がつかず、私に先をこされた。それで良いのか?」

「??」
爺さんが翔に小言を言っているが、よくわからん。けれど、思わず背筋がピシッとなる。何か重要な事なのだろう。翔もハッとして爺さんを見る

「いいえ。反省しました。僕はもっと色々なものを見るべきです。」

「そうだ。全てに興味をもて。物には二面性がある。用途は一つじゃない。意外な使用方法があるかもしれない、今後はそういう発想が大切なのだ。」

??
よくわからん。
けど、歓迎会でそんなに重々しく幼児に言わなくてもよくないか?
まぁ、翔も頷いてるし、翔がいいならいいけど……。これじゃ家出もしたくなるよな。また、遊びにきてやんないとなぁ…………











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副題
こうして変態αが生まれた。
もしくは
変態の祖父はやはり変態



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お気に入り登録、ありがとうございます!
80人も!
108人いったら、ぼんのー企画な作品上げたいけど、このシリーズ自体が煩悩まみれだから、違いが出ないような…………
ま、私でこの作品で100人行く可能性は低いから、近くなったら、考えますか!
私の拙い作品を読んで頂き、いつもありがとうございます!



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