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受験勉強ー徹

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学校に進路希望を提出した。

「おお、D大学か。丁度いいんじゃないか」

担任からもお墨付きをもらった。母には『Cラン大も受けてみたら』と言われたけれど、あんまり受験勉強とかしたくないし、まあ、記念受験くらいなら。

家に遊びにきていた翔に尋かれた。

「D大学を受験する」

「え?駄目だよ徹!狼の群れに徹を放つなんて!」

放つってなんだ、放つって。

「D大学なんて行ったら徹は浮気しちゃう!徹は僕のお嫁さんになって専業主夫になるんだから、大学なんて行かなくていいの!」

おい、キラキラオメメの小学生。そろそろ現実を見なさい。
誰が嫁だ。子が出来ない結婚は、この国では認められてないぞ。

「僕が法律変えるからいいの!兎に角浮気禁止!」

………コイツ、将来なりたい職業に総理大臣って書いてたよな。因みに、その前に同性婚が許されるようになったら総理大臣にはならないらしい。
『貧困だの高齢化だのどうでもいいし。徹と僕が楽しく暮らせればいいだけだもん』
コイツが万が一、総理大臣になったとしても同性婚が通りしだい辞職しそうだ。そんなふざけた総理大臣なんていらん。

「兎に角、大学には行く。特技とか何も持ってない以上、大卒位にはなっておかないと」

「………わかった。僕も譲歩はする。帝都大なら行っていいよ」

………いや、それ、不可能だから。Sラン大に入学できるわけないから。だいたい、大学行くのに翔の許可いるか?

「じゃあ、Aランでいい!」

「どちらにしろ、不可能。俺の偏差値で受かるわけないだろ」

「僕が徹の勉強見てあげる!」

小学生に教わってたまるか!
………まあ、俺の宿題で間違っているところとか指摘してくるから、受験勉強すら、カバーできるんだろけど。

「受験勉強する気にもならないし、いいよ」

「………する気になればいいってことだよね?」

「お、おう」

天使が真顔になると怖えな。思わず後ずさると、ベッドにぶつかって倒れた。
ヤバい!
慌てて起き上がろうとしたけど、すでにヤツは馬乗りになってる。
「勉強したいって言わせてあげる。A大学入りたいって言わせてあげる」

ギラギラした目でこっちを見下ろしてくる。いつの間にか、手足拘束されてるし
あ、コレ、死んだ…………。

結論。
A大学目指すことになりました。
トホホ。。




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