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αフェロモン感応薬
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慌てて翔の部屋を逃げ出した。
自分の家に帰ってきて、少し落ち着いた。
何だったんだろうか、あれは。
冷蔵庫から麦茶を取り出して自室に戻ると、自室にも翔の香水の匂いが充満していた。慌てて窓を全開にするが、取れない。
匂いの元を探すと、ベッドだった。シーツやカバーを取り払うと、少し落ち着いたのでそのまま洗濯した。洗濯したが落ちない。家庭用洗濯機では限界のものなのかもしれない。近所のコインランドリーに持って行って洗ってみると臭いがとれた
母親に洗濯が終わった洋服を渡された。これも翔の香水の匂いがした。って事は、今俺が着ている服もそうなのか?
とりあえずタンスを開けるとタンスからブワッと翔の香水の匂いが染み出してきた。慌てて服を突っ込んで引き出しを閉めてリビングに逃げると、母が父親の服をたたんでいた。
父の服は匂わない!
とりあえず、父の服を借りて着替えると人心地ついた。
ど~すっかなあ。持っている服は、翔がくれた高い物ばかりで手洗い表示だ。コインランドリーでガラガラ洗ったら多分ダメになる。全部クリーニングに出すと結構な金額になる。
とりあえず、父親の服を借りて登校した。
「あれ?有賀どうしたの?」
「え?何が?」
普段は話しかけてこないα達が声をかけてきた。むしろ、お前らがどうした?だ。
「いや、その……恋人と別れた?」
香水かけ過ぎなαが尋ねてきた。お前、臭いぞ。しかも、恋人ってなんだよ、リア充め
「元々、恋人なんていないけど?」
教室がどよめく。
え?俺そんなにリア充に見えてた?
「まじか~。あんだけついてりゃ売約済だと思うじゃんか。え?じゃあ、有賀って童貞処女?」
男に処女ってなんだよ!童貞……自分を模した人形はセーフかアウトか!?
「黙秘する!」
「いや、それ認めたようなもんだろ……嬉しいな。だったら良いよな?」
高橋が、俺を抱きしめて何かを言ったが聞き取れなかった。香りが更に強くなる
「高橋、やめとけ。相手相当だぞ。手放したとは思えん」
周囲のαも何かを言っているが聞き取れん。匂いでくらくらする
「は~な~せ。お前、匂いがきついんだよっ」
「え?有賀、俺の香り分かるの?」
「??いや、そんだけコロンつけてたらわかるだろ。っつうか、今日、皆香水つけ過ぎじゃない?くらくらしそうだ。」
「え?有賀、Ωになったの?やった!いつヒート?俺とつがおう!」
「イヤイヤ、バースが、そうそう変わってたまるかっ俺はβ!大体、俺は香水かけ過ぎなヤツは苦手だ!」
「高橋、匂いきついって、笑える」
「逆に誰の匂いがきつくないのかね?Ωは教えてくれないから、ちょっと聞いてみたい」
「有賀有賀、匂いきつくない順に名前よみあげて?」
「和田、佐藤、青木、山崎、黒田……」
頼まれたので、きつくない順に読み上げるとα達が、へぇ~だの、なんでオレ?とか色々ちゃちゃを入れてきた。
「序列関係ないんだね」
「番ってるかどうかかぁ」
「和田は運命だしな」
「…井上、んで、ラストが高橋」
全員読み上げたぞ。
「高橋、ラストでウケる」
「いや、考えようでは、俺の香りを最も強く感じてくれてるってことだ!な~オレと番おう?Ωじゃなくてもいいよ」
項をすりすりされる。
「高橋、やめておけ、クラスメイトが収容所行きにされるのは流石に寝覚めが悪い」
「でも有賀、童貞処女でマーキングもされてないならリリースされたってことだろ?」
「うん?リリース?ってか、βの男に処女ってなんだよ!」
α連中が顔を見合わせる。
「……大丈夫そうな気もするが、高橋、一週間位、様子見とけよ。相手がどんなレベルか分かんねぇし。上位なことだけはたしかだからな。というか、有賀、お前恋人でなくても、今迄毎朝会ってたαいるだろ、そいつの名前は?」
「毎朝会ってるαなんかいねぇよ?あ、いや、お前ら?」
「え?毎朝ヤッてきているんだと思ってた」
ナニを?
「どういう事?」
また、α連中がザワザワする。いい加減、こっちにもわかるように話して欲しい。
「そういうんじゃなくて……親しいαっていって思い浮かぶヤツの名前教えてくれ」
親しい?翔?
「小早川…」
「うわっまじかぁ」
「高橋、撃沈」
「いや、待て、小早川違いじゃね?あそこ番婚したばかりだぞ」
「愛人?」
「にしてはそれまでの執着が……」
「有賀、小早川匠って知ってるか?」
「翔のお兄さん?何回かはあった事あるけど……」
「……まじか。そっちか」
??
そっちってどっち?
「有賀、項拭いておけ。あと、翔さん紹介してくれ」
ボディシートをわたされて、よくわからんが、拭いた。確かに高橋のコロンが移ってくさい。それにしても、翔さんて
「翔はパス。まだ小学生だそ。保護者もなしに子供を急に大人と合わせるなんて駄目に決まってるだろ。」
黒田、何考えてんだ?小学生に合わせろって怪しくない?ショタ?
「………βの認識って……」
「だから、童貞処女なのか」
「翔さん、気の毒…」
なんか、色々失礼じゃね?
俺、親しくもないけど呼び捨て。
翔は、翔さん。
………
自分の家に帰ってきて、少し落ち着いた。
何だったんだろうか、あれは。
冷蔵庫から麦茶を取り出して自室に戻ると、自室にも翔の香水の匂いが充満していた。慌てて窓を全開にするが、取れない。
匂いの元を探すと、ベッドだった。シーツやカバーを取り払うと、少し落ち着いたのでそのまま洗濯した。洗濯したが落ちない。家庭用洗濯機では限界のものなのかもしれない。近所のコインランドリーに持って行って洗ってみると臭いがとれた
母親に洗濯が終わった洋服を渡された。これも翔の香水の匂いがした。って事は、今俺が着ている服もそうなのか?
とりあえずタンスを開けるとタンスからブワッと翔の香水の匂いが染み出してきた。慌てて服を突っ込んで引き出しを閉めてリビングに逃げると、母が父親の服をたたんでいた。
父の服は匂わない!
とりあえず、父の服を借りて着替えると人心地ついた。
ど~すっかなあ。持っている服は、翔がくれた高い物ばかりで手洗い表示だ。コインランドリーでガラガラ洗ったら多分ダメになる。全部クリーニングに出すと結構な金額になる。
とりあえず、父親の服を借りて登校した。
「あれ?有賀どうしたの?」
「え?何が?」
普段は話しかけてこないα達が声をかけてきた。むしろ、お前らがどうした?だ。
「いや、その……恋人と別れた?」
香水かけ過ぎなαが尋ねてきた。お前、臭いぞ。しかも、恋人ってなんだよ、リア充め
「元々、恋人なんていないけど?」
教室がどよめく。
え?俺そんなにリア充に見えてた?
「まじか~。あんだけついてりゃ売約済だと思うじゃんか。え?じゃあ、有賀って童貞処女?」
男に処女ってなんだよ!童貞……自分を模した人形はセーフかアウトか!?
「黙秘する!」
「いや、それ認めたようなもんだろ……嬉しいな。だったら良いよな?」
高橋が、俺を抱きしめて何かを言ったが聞き取れなかった。香りが更に強くなる
「高橋、やめとけ。相手相当だぞ。手放したとは思えん」
周囲のαも何かを言っているが聞き取れん。匂いでくらくらする
「は~な~せ。お前、匂いがきついんだよっ」
「え?有賀、俺の香り分かるの?」
「??いや、そんだけコロンつけてたらわかるだろ。っつうか、今日、皆香水つけ過ぎじゃない?くらくらしそうだ。」
「え?有賀、Ωになったの?やった!いつヒート?俺とつがおう!」
「イヤイヤ、バースが、そうそう変わってたまるかっ俺はβ!大体、俺は香水かけ過ぎなヤツは苦手だ!」
「高橋、匂いきついって、笑える」
「逆に誰の匂いがきつくないのかね?Ωは教えてくれないから、ちょっと聞いてみたい」
「有賀有賀、匂いきつくない順に名前よみあげて?」
「和田、佐藤、青木、山崎、黒田……」
頼まれたので、きつくない順に読み上げるとα達が、へぇ~だの、なんでオレ?とか色々ちゃちゃを入れてきた。
「序列関係ないんだね」
「番ってるかどうかかぁ」
「和田は運命だしな」
「…井上、んで、ラストが高橋」
全員読み上げたぞ。
「高橋、ラストでウケる」
「いや、考えようでは、俺の香りを最も強く感じてくれてるってことだ!な~オレと番おう?Ωじゃなくてもいいよ」
項をすりすりされる。
「高橋、やめておけ、クラスメイトが収容所行きにされるのは流石に寝覚めが悪い」
「でも有賀、童貞処女でマーキングもされてないならリリースされたってことだろ?」
「うん?リリース?ってか、βの男に処女ってなんだよ!」
α連中が顔を見合わせる。
「……大丈夫そうな気もするが、高橋、一週間位、様子見とけよ。相手がどんなレベルか分かんねぇし。上位なことだけはたしかだからな。というか、有賀、お前恋人でなくても、今迄毎朝会ってたαいるだろ、そいつの名前は?」
「毎朝会ってるαなんかいねぇよ?あ、いや、お前ら?」
「え?毎朝ヤッてきているんだと思ってた」
ナニを?
「どういう事?」
また、α連中がザワザワする。いい加減、こっちにもわかるように話して欲しい。
「そういうんじゃなくて……親しいαっていって思い浮かぶヤツの名前教えてくれ」
親しい?翔?
「小早川…」
「うわっまじかぁ」
「高橋、撃沈」
「いや、待て、小早川違いじゃね?あそこ番婚したばかりだぞ」
「愛人?」
「にしてはそれまでの執着が……」
「有賀、小早川匠って知ってるか?」
「翔のお兄さん?何回かはあった事あるけど……」
「……まじか。そっちか」
??
そっちってどっち?
「有賀、項拭いておけ。あと、翔さん紹介してくれ」
ボディシートをわたされて、よくわからんが、拭いた。確かに高橋のコロンが移ってくさい。それにしても、翔さんて
「翔はパス。まだ小学生だそ。保護者もなしに子供を急に大人と合わせるなんて駄目に決まってるだろ。」
黒田、何考えてんだ?小学生に合わせろって怪しくない?ショタ?
「………βの認識って……」
「だから、童貞処女なのか」
「翔さん、気の毒…」
なんか、色々失礼じゃね?
俺、親しくもないけど呼び捨て。
翔は、翔さん。
………
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