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島が近づく
陸が興奮して叫んだ
「うわぁ、空から見る景色がこんなに美しいなんて!志摩の離島って本当にすごい。」
「そうだろう?何度来てもこの景色には感動するよ。特にこの時間帯は光が柔らかくて最高なんだ。」
猪瀬が以前にセフレに言っていた言葉が自然に出た。
陸が大きく頷く。
当時は光なんて単なる波長で柔らかいも何もないだろうと思って聞いていたが…陸といると何もかもが違う。
モノトーンの世界が色とりどりの鮮やかな世界になった
「海の色がグラデーションになってる。あ、あれが目的地の島かな?」
単なる色の濃淡ですら陸と見れば自然が織り成すグラデーションだ
「そうだよ。もう少しで着くよ。島の周りの珊瑚礁も見えるかな?」
「ほんとだ!三重でも珊瑚が生息しているんですね!なんだか冒険に出てる気分だ……」
思わず笑みが溢れた。
冒険、そうだね。この旅行は陸にとって冒険になるだろう。
「ヘリコプターならではの特権だね。普通の船じゃ味わえない景色を楽しめるから。」
だから、今回のみだなんていわないで。
…………いや、言えなくするから。
離島に到着した。
陸がストレッチをしている。
…………体、柔らかいんだな。他のオスの前でそんなに胸を突き出さないで。
「やっと着いた!ヘリコプターの旅もすごく良かったけど、この島の空気も気持ちいい。」
「そうだろう?この島の自然は本当に素晴らしいんだ。海風も心地よいし、ここでしか感じられないものがたくさんある。」
猪瀬が胡乱げな表情で私をみた。
『俺のパクリですか』
以前、猪瀬が先頭に立ってセフレどもとこの島にきた。性欲の処理など態々別荘に来なくても出来るのに連れ出されたあの時の対価くらい貰っても良かろう?
何度もここに来ているのに感動もしなかったつまらないオスだと陸に思われたくない。
「あ、見て下さい!砂浜がすごくきれい。人も全くいないし、まるでプライベートビーチみたい。」
「この島自体が京極のものなんだ。観光客もいないから、静かに過ごせるのが魅力なんだ。あのビーチは特におすすめだ」
陸と二人っきりだったら…生まれたままの姿で…
猪瀬がコホン「と咳払いする。
…うるさいぞ、猪瀬
「うわぁ、凄いなぁ」
陸が目をキラキラさせて別荘を見る。
上気した頬
あぁ、愛おしい。
陸がスマホを取り出してパシャパシャと写真を撮る
皆の視線が青島のスマホに向かう。千葉以外は皆寝落ちしていたから、陸の機種変に初めて気が付いたのだ。
「え?あれ?写真取ったら駄目でした?」
「あ、いや、青島スマホ……」
宮下のつぶやきに、陸がまた警戒心をもった。
バカかこのαは
無防備だった陸がササッと携帯を隠した。また、私との間に距離ができる。ヘリの中での笑顔が…
「宮下、君が眠っていたから伝えそびれたのだけど、親御さんから連絡あって、直ぐに帰ってこいと。今ならまだ……」
この男はクビだ。
直ぐにここから出て行けと。直ぐに出るなら、家族には手を出さない、他言無用だと暗に伝える。
「は、はい…。」
宮下がガクガクと震えながら、返事をした。私の怒りが伝わったのだろう。
事態を理解していない陸以外、皆青褪めた。そうだ、これくらいの緊張感は持て。
上位αの番との関係構築を邪魔すればどうなるか分からない愚か者など不要だ。
ゴクリ。
誰が唾を飲み込んだ音がした。
「宮下、帰るのか?ご両親なんて?一息つく時間もないのか?宮下の好きな茶葉も持ってきてるんだし、ちょっと休んでからじゃ間に合わないのか?」
陸、何故君は宮下を庇うの。
私より優先される者がこの世に存在してはならない。
私の怒気に宮下は虫の息だ。
「皆の好きな茶葉をもってきたんだよ。」
柔らかい笑みを浮かべて陸が言う。
皆……
「…………私にもか?」
「はい。いちごジャムも持ってきてます。俺のお気に入りの農園から取り寄せたいちごで作ったジャムですよ。宮下が持って来てくれって……」
何故か不明だが、陸は私がイチゴジャムを好きとだと認識している。
そして、私の為にお気に入りの農園からイチゴを取り寄せて手作りしてしてくれたのだ。私の為に!私への手づくりプレゼントだ。私に食べてと言っているのだ!
「そうか。宮下。ご両親に確認しろ。もしかしたら、状況が変わって旅行後でも間に合うかもしれないし」
「わ、わかりました。」
首の皮一枚で繋がった宮下が、コクコクと頷く。
~~~~~~~~~
15,16歳の頃は少しヤンチャ(?)だった猪瀬さん。
後腐れ無いお姉さん達と共に別荘で楽しんでました。
京極は単なる処理って感じですね
~~~~~~~~~~~
~~~~~~~
エール、ありがとうございます♪
~~~~~~~~~~~
陸が興奮して叫んだ
「うわぁ、空から見る景色がこんなに美しいなんて!志摩の離島って本当にすごい。」
「そうだろう?何度来てもこの景色には感動するよ。特にこの時間帯は光が柔らかくて最高なんだ。」
猪瀬が以前にセフレに言っていた言葉が自然に出た。
陸が大きく頷く。
当時は光なんて単なる波長で柔らかいも何もないだろうと思って聞いていたが…陸といると何もかもが違う。
モノトーンの世界が色とりどりの鮮やかな世界になった
「海の色がグラデーションになってる。あ、あれが目的地の島かな?」
単なる色の濃淡ですら陸と見れば自然が織り成すグラデーションだ
「そうだよ。もう少しで着くよ。島の周りの珊瑚礁も見えるかな?」
「ほんとだ!三重でも珊瑚が生息しているんですね!なんだか冒険に出てる気分だ……」
思わず笑みが溢れた。
冒険、そうだね。この旅行は陸にとって冒険になるだろう。
「ヘリコプターならではの特権だね。普通の船じゃ味わえない景色を楽しめるから。」
だから、今回のみだなんていわないで。
…………いや、言えなくするから。
離島に到着した。
陸がストレッチをしている。
…………体、柔らかいんだな。他のオスの前でそんなに胸を突き出さないで。
「やっと着いた!ヘリコプターの旅もすごく良かったけど、この島の空気も気持ちいい。」
「そうだろう?この島の自然は本当に素晴らしいんだ。海風も心地よいし、ここでしか感じられないものがたくさんある。」
猪瀬が胡乱げな表情で私をみた。
『俺のパクリですか』
以前、猪瀬が先頭に立ってセフレどもとこの島にきた。性欲の処理など態々別荘に来なくても出来るのに連れ出されたあの時の対価くらい貰っても良かろう?
何度もここに来ているのに感動もしなかったつまらないオスだと陸に思われたくない。
「あ、見て下さい!砂浜がすごくきれい。人も全くいないし、まるでプライベートビーチみたい。」
「この島自体が京極のものなんだ。観光客もいないから、静かに過ごせるのが魅力なんだ。あのビーチは特におすすめだ」
陸と二人っきりだったら…生まれたままの姿で…
猪瀬がコホン「と咳払いする。
…うるさいぞ、猪瀬
「うわぁ、凄いなぁ」
陸が目をキラキラさせて別荘を見る。
上気した頬
あぁ、愛おしい。
陸がスマホを取り出してパシャパシャと写真を撮る
皆の視線が青島のスマホに向かう。千葉以外は皆寝落ちしていたから、陸の機種変に初めて気が付いたのだ。
「え?あれ?写真取ったら駄目でした?」
「あ、いや、青島スマホ……」
宮下のつぶやきに、陸がまた警戒心をもった。
バカかこのαは
無防備だった陸がササッと携帯を隠した。また、私との間に距離ができる。ヘリの中での笑顔が…
「宮下、君が眠っていたから伝えそびれたのだけど、親御さんから連絡あって、直ぐに帰ってこいと。今ならまだ……」
この男はクビだ。
直ぐにここから出て行けと。直ぐに出るなら、家族には手を出さない、他言無用だと暗に伝える。
「は、はい…。」
宮下がガクガクと震えながら、返事をした。私の怒りが伝わったのだろう。
事態を理解していない陸以外、皆青褪めた。そうだ、これくらいの緊張感は持て。
上位αの番との関係構築を邪魔すればどうなるか分からない愚か者など不要だ。
ゴクリ。
誰が唾を飲み込んだ音がした。
「宮下、帰るのか?ご両親なんて?一息つく時間もないのか?宮下の好きな茶葉も持ってきてるんだし、ちょっと休んでからじゃ間に合わないのか?」
陸、何故君は宮下を庇うの。
私より優先される者がこの世に存在してはならない。
私の怒気に宮下は虫の息だ。
「皆の好きな茶葉をもってきたんだよ。」
柔らかい笑みを浮かべて陸が言う。
皆……
「…………私にもか?」
「はい。いちごジャムも持ってきてます。俺のお気に入りの農園から取り寄せたいちごで作ったジャムですよ。宮下が持って来てくれって……」
何故か不明だが、陸は私がイチゴジャムを好きとだと認識している。
そして、私の為にお気に入りの農園からイチゴを取り寄せて手作りしてしてくれたのだ。私の為に!私への手づくりプレゼントだ。私に食べてと言っているのだ!
「そうか。宮下。ご両親に確認しろ。もしかしたら、状況が変わって旅行後でも間に合うかもしれないし」
「わ、わかりました。」
首の皮一枚で繋がった宮下が、コクコクと頷く。
~~~~~~~~~
15,16歳の頃は少しヤンチャ(?)だった猪瀬さん。
後腐れ無いお姉さん達と共に別荘で楽しんでました。
京極は単なる処理って感じですね
~~~~~~~~~~~
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エール、ありがとうございます♪
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