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架向27
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父さんはヘテロだ。
そんな父さんが親父と結婚していることに疑問を感じてはいた。
けれど、そう、レイプされて子供が出来たとなればわかる。
父さんなら産むという選択をする。
そして、両親がいた方がいいと判断する
カタカタと身体が震える
「架向!違うから!違うから!」
俺はそんなので出来た子供なんかじゃない。
「お前は俺の宝だ!」
架向、彼方、ではなく架、だ。
親父はそうやって父さんを縛ったのか。俺はその為の道具で…。
「架向、落ち着いて!時系列を考えるんだ!始まりは俺の望む形では無かったけれど、色々あって俺と貴嗣は和解して番ったんだ。そしてお前をさずかった。お前は俺と貴嗣が望んで出来た子供だ!俺が誰よりも大切にしている息子だ!」
父さんが俺を抱きしめる。
「今の俺がアイツを嫌っているように見えるか!?そんな事はないだろ!」
『私に似たな。つまらん』
嫌悪感もあらわに言った親父に、父さんは『お前に似たなら将来有望って事じゃないか。架向、お前はイケメンになるし頭は良いし運動神経だって抜群だしカリスマ性だって約束されてるって事だぞ』と言っていた。ベタ褒めじゃんと思った。ただ、そこに甘さは無かった…。
「大丈夫、大丈夫だから……離して」
おずおずと父さんが俺からはなれる。
「架向…」
グラグラ揺れる地面に引き込まれないよう機械的足を動かして家に着いた。
自分のベッドに倒れ込んだ
なんで…
なんで…
随分なご都合主義だ。
あんなビッチが親だなんてと嫌悪感を抱いてたのに、父さんがレイプされて出来た子供なんかじゃなくて、父さんに望まれて出来た子だと言われたいなんて。父さんの愛情は本物なんだって思いたいだなんて。
親父は……親父は架向なんて名前をつけるくらいだ、俺に愛情なんてない。役目を果たしている間は愛着は持つだろうけど、それだけだ。
『猪瀬さんはなんでウチに帰らないの?』
幼い頃、それこそ子供がどうやって出来るかも親父の執着も分かって無かった頃、ウチではなく隣の家に入っていく猪瀬さんを見て父さんに聞いた事がある。
『猪瀬の家はあっちだよ』
『なんで?僕の父親だよね?』
父さんが真っ青になって否定していた。
『お前は俺と貴嗣の子供だよ。ダッドが傷つくから二度とそんな事を言ってはいけないよ』
『うん……』
幼心ろにも本能的に分かっていたのだ、親父が俺を慈しんでないことを。だから、俺に愛情を向けてくれる父さんと猪瀬さんが両親だと思っていた。
無理矢理番わされた父さん。
逃げ出せない様に楔をうたれた父さん。
親父と父さんが学生時代に出会った事は知っている。でも詳しく教えてくれる人はいなかった。幼稚園の友人が『私のパパとママはね~』と嬉しそうに出会いとかを語っていた。だから、俺も尋ねたけれど、『俺達は大学で出会ったんだよ。それからゆっくり時間をかけて信頼しあう関係になっていったんだ』と答える程度で、俺が求めていた回答とは違った。当然だ。
『時系列を考えろ!』
『ダッドに似たんだから、架向は将来何にでもなれるぞ~』
嘘だって、千葉さんが嘘を言ってるだけだって思いたい。千葉さん程のαなら、寸分の狂いもない完璧な嘘をつける。
そうだよ、千葉さんが嘘をついているだけ。親父に何らかの恨みがあってそれで……
そうだ、ソッチの方が信憑性があるじゃないか。
パソコンを起動して震える指でキーワードを入力する。
千葉…房総半島、夢の国、落花生、ぬれ煎
思いつく限りの言い換えを羅列したけれど、銘菓とか観光ばかりだ。
親父と父さんを示す単語も載せていく。
めぼしい事は書かれていない。スクロールをしていくと……ファイルがあった。なんとなくこれだと思った
ウィルスではない事を確認してダウンロードした。。
???
人の声…
「音声データ??」
…………。
ああ、ああ、なんていう事だ……。
~~~~~~~~~~~~~
皆さ~ん!
デジタルタトゥーは消えません!
気をつけていきましょう!
そんな父さんが親父と結婚していることに疑問を感じてはいた。
けれど、そう、レイプされて子供が出来たとなればわかる。
父さんなら産むという選択をする。
そして、両親がいた方がいいと判断する
カタカタと身体が震える
「架向!違うから!違うから!」
俺はそんなので出来た子供なんかじゃない。
「お前は俺の宝だ!」
架向、彼方、ではなく架、だ。
親父はそうやって父さんを縛ったのか。俺はその為の道具で…。
「架向、落ち着いて!時系列を考えるんだ!始まりは俺の望む形では無かったけれど、色々あって俺と貴嗣は和解して番ったんだ。そしてお前をさずかった。お前は俺と貴嗣が望んで出来た子供だ!俺が誰よりも大切にしている息子だ!」
父さんが俺を抱きしめる。
「今の俺がアイツを嫌っているように見えるか!?そんな事はないだろ!」
『私に似たな。つまらん』
嫌悪感もあらわに言った親父に、父さんは『お前に似たなら将来有望って事じゃないか。架向、お前はイケメンになるし頭は良いし運動神経だって抜群だしカリスマ性だって約束されてるって事だぞ』と言っていた。ベタ褒めじゃんと思った。ただ、そこに甘さは無かった…。
「大丈夫、大丈夫だから……離して」
おずおずと父さんが俺からはなれる。
「架向…」
グラグラ揺れる地面に引き込まれないよう機械的足を動かして家に着いた。
自分のベッドに倒れ込んだ
なんで…
なんで…
随分なご都合主義だ。
あんなビッチが親だなんてと嫌悪感を抱いてたのに、父さんがレイプされて出来た子供なんかじゃなくて、父さんに望まれて出来た子だと言われたいなんて。父さんの愛情は本物なんだって思いたいだなんて。
親父は……親父は架向なんて名前をつけるくらいだ、俺に愛情なんてない。役目を果たしている間は愛着は持つだろうけど、それだけだ。
『猪瀬さんはなんでウチに帰らないの?』
幼い頃、それこそ子供がどうやって出来るかも親父の執着も分かって無かった頃、ウチではなく隣の家に入っていく猪瀬さんを見て父さんに聞いた事がある。
『猪瀬の家はあっちだよ』
『なんで?僕の父親だよね?』
父さんが真っ青になって否定していた。
『お前は俺と貴嗣の子供だよ。ダッドが傷つくから二度とそんな事を言ってはいけないよ』
『うん……』
幼心ろにも本能的に分かっていたのだ、親父が俺を慈しんでないことを。だから、俺に愛情を向けてくれる父さんと猪瀬さんが両親だと思っていた。
無理矢理番わされた父さん。
逃げ出せない様に楔をうたれた父さん。
親父と父さんが学生時代に出会った事は知っている。でも詳しく教えてくれる人はいなかった。幼稚園の友人が『私のパパとママはね~』と嬉しそうに出会いとかを語っていた。だから、俺も尋ねたけれど、『俺達は大学で出会ったんだよ。それからゆっくり時間をかけて信頼しあう関係になっていったんだ』と答える程度で、俺が求めていた回答とは違った。当然だ。
『時系列を考えろ!』
『ダッドに似たんだから、架向は将来何にでもなれるぞ~』
嘘だって、千葉さんが嘘を言ってるだけだって思いたい。千葉さん程のαなら、寸分の狂いもない完璧な嘘をつける。
そうだよ、千葉さんが嘘をついているだけ。親父に何らかの恨みがあってそれで……
そうだ、ソッチの方が信憑性があるじゃないか。
パソコンを起動して震える指でキーワードを入力する。
千葉…房総半島、夢の国、落花生、ぬれ煎
思いつく限りの言い換えを羅列したけれど、銘菓とか観光ばかりだ。
親父と父さんを示す単語も載せていく。
めぼしい事は書かれていない。スクロールをしていくと……ファイルがあった。なんとなくこれだと思った
ウィルスではない事を確認してダウンロードした。。
???
人の声…
「音声データ??」
…………。
ああ、ああ、なんていう事だ……。
~~~~~~~~~~~~~
皆さ~ん!
デジタルタトゥーは消えません!
気をつけていきましょう!
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