【本編完結済】底辺αは箱庭で溺愛される

認認家族

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架向26

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違う……
そんなんじゃなくて、そう、そんなんじゃなくて。猪瀬さんが了承してくれるまで時間がかかるから同時進行しているだけで、ちゃんと、俺は…。
「猪瀬さんは人気だから。理想を追ってる間に誰かに無理矢理番わされるかもしれないから、だから同時進行しているだけで!そんな事になったら一生後悔するし!」
「まぁ、な」
千葉さんが苦笑した。
そう、αに取って番にしたい相手を横から奪われるかもしれないという恐怖はかなりくるものがある。
「俺も、理想を追いすぎて菫を失う所だったから気持ちはわからんでもない。だから、青島は俺の恩人で一生分の借りがある。俺は青島に頭が上がらない。お前が思っているような関係じゃない」
「……架向、分かったろ。千葉さんに謝罪をして、帰ろう」
ビッチが俺の背中をそっと押す。千葉さんから遠ざけたいのだろう。俺が口を開こうとすると、千葉さんが遮るように言った
「青島への謝罪もな。」
ムカつく。千葉さんとの関係がそうでなかったとしても、ビッチが猪瀬さんを襲ったのは事実だ。
ビッチの手を振り払う。
「ビッチをビッチと事実を言っただけだ。」
「ああそうだな!じゃあおれもお前が目を背けている事実を言ってやる。お前は連続レイプ犯の子供だよ」
はん、このビッチは猪瀬さん以外も襲ってたのか。そうやってαを鞍替えしながら親父に行き着いたのか。ゆるゆるだな
「千葉さん!やめてくれ!」
「青島!いい加減にしろ。この場を納めようとした救済の手を、お前の手を振り切るバカなんてロクなもんじゃねぇ。何より俺の恩人を蔑む輩などお前が許しても俺がゆるさない」
「架向、立って。帰るよ」
千葉さんを無視して連続レイプ犯が俺を強引に立たせて引っ張る。コイツはこの場を一刻も早く去りたいのだ。
「架向!早く」
「京極は青島がΩに覚醒した日にレイプした。けれど青島の首輪を強引に外す事が出来なかった。青島がしていたのは悪名高いあの首輪だ。本人の意思を無視して外せば小型爆弾が頸動脈近くで爆発する首輪。京極は青島に外させるしか無かった。だから……京極は青島に選ばせた。青島が自分自身より大事にしている菫が目の前でレイプされてゲスαの番にされるか、京極の番になるか」
「千葉さん!」
父さんが俺の耳を塞ぐ。けれどその程度では音を拾う。矛盾がない。千葉さん程のαが父さんなんかを恩人というのもそれならば納得してしまう。
「猪瀬と京極は菫、他数名のΩを呼出して首輪を外させて全員ヒート状態にした。Ωをレイプして生計を立てるようなα達も呼び出した上でな」
あの、Ω売春宿の番のα達のような?あの骨と皮の様な状態に菫さんがなる所だった?
『か~な!』
ワシャワシャと俺の髪をかき混ぜる太陽の様な笑顔の菫さんが?
「そこに呼び出された青島が、隠し持っていた抑制剤とネックガードを菫に与えた。誘発剤が充満している部屋でそんな事をすればどうなるか」
「架向!嘘だから!信じるな!」
ウチに遊びに来ても、親父への嫌悪感丸出しの菫さん。
「部屋に閉じ込められてΩが次々に番にされていく中で青島もヒートになった。ネックガードを失った青島は京極にレイプと番契約されるしかなくなった。もともとその為に猪瀬と京極が準備した舞台だからな」
『京極も猪瀬もクズ』
菫さんは親父だけでなく猪瀬さんも嫌っていた。親父ならまだしも穏やかな猪瀬さんを嫌うなんてと不思議に思った記憶がある。
「で、青島は思ったわけだ。京極だけは嫌だと。ゲスαと番った所で上書きされるのがオチ、ならば猪瀬と番って一矢報いてやろうと。猪瀬ならば京極でもそう簡単に上書き出来まいと。実際、ヤツは上書きを試みたけれど不可能だったしな」
「親父はそんな事……」
しないと言えるだろか。目の前で自分以外のαと番われてたら……そう、俺がルカにしたように怒りのままに親父も……



~~~~~~~~~~~~~~~~
おかしいなぁ……
架向編は、さっくり終るはずなのに気づけば25話過ぎてるし、思い浮かんでいる(書きたい)シーンもすぐそこだ~、って思って数日が経過している。
不思議だ…、
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