【本編完結済】底辺αは箱庭で溺愛される

認認家族

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架向24

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『猪瀬さん、今日何時頃に帰ってくる?』
 1日で必要な材料をそろえた。あとは、猪瀬さんに新鮮な状態で飲ませるだけだ。
『今日は12時を回る』
 …………。仕事、ではないだろう。猪瀬さんがそんな時間になるまで仕事を終えられないはずがないのだから。番候補か
 あらゆる意味で時間がない。
『了解~』
 色々思うところはあるが、呑んで帰ってくるならいい口実になる。二日酔い防止用特製ドリンクだよとでもいえるのだから。

 準備して猪瀬さんの家のリビングで待った。
「架向、いたのか」
「うん」
 頭をクシャッとされた。
 酔ってはいないみたいだけど、僅かにアルコールの臭いがする。あと、Ωのニオイ…。
「酒臭いから風呂入ってくれば?沸いているよ」
「そんなに臭うか?ありがとうな」
「どういたしまして」
 苛立ちを隠して言う。大丈夫、こんなニオイを纏わっているのもあと少しだけだ。Ωになった猪瀬さんに興味なんて誰も持たない。
 俺のモノだ

 風呂から出てきた猪瀬さんにソレをわたす
「二日酔い防止になるよ。けっこう酒臭いから飲んでおいた方が良いよ」
 蓋付きマグカップを渡した。
「そうか?ありがとう」
「あ、蓋はあけない方がいいかも。薬草茶だから、臭うんだよね」
 猪瀬さんが頷いて一口のんだ。苦虫を噛み潰したような顔をした。まぁ、入ってるのは苦虫ではないけれど。
「…………凄まじい味だな」
「効能はバッチリだよ。明日の為にも、飲み干して」
 ヒヤリとした。けれど何気ないフリを装って言う
「そうだな、明日の為に」
 猪瀬さんが柔らかく笑った。柔らかい…こんな笑顔は珍しい。
そのまま一気に飲み干した。
「こんな味だったんだな……くさま…」
猪瀬さんが何かを呟いたけれど、聞き取れ無かった。
やぶ蛇も嫌だしね

その日から、猪瀬さんは疑う事もなく特製ドリンクを飲んでくれた。
猪瀬さんの喉仏が動くのを見るだけで満たされる。
猪瀬さんが俺を受け入れてくれているのだと実感する。
受容体が壊れていく速度の方が修復速度よりも早くて、俺は嬉しくてたまらない。
特製ドリンクを用意できなかったとき、
「今日は無いのか…」と少し残念そうに言われてテンションがあがった。
翌日に持っていくと、猪瀬さんがが嬉しそうに飲み干した。俺のを猪瀬さん自ら受け入れて……。
身体がカッと熱くなった。
慌てて自室に籠もった。
熱を持ったソコに手を伸ばす
「親父の事アホとか言えないじゃん……」
親父はあのビッチが食べたり飲んだりするだけで時折席を外す。
今なら分かる。
タンブラーを掴む猪瀬さんの手、飲み干す為に動く喉。唇に残る液体。それが全て俺の……
「ヤバ……」
まだ、猪瀬さんに気が付かれるわけにはいかないのに

それからは、特製ドリンクをリビングにおいておくことにした。
時折こっそり覗き、ソレをおかずに自室でシコる。自室っていっても猪瀬家にある俺の部屋だ。……最近は京極家には帰ってない。あのビッチを見たくないから。

今日もドリンクをおいておく。
猪瀬さんの手が尊いものに触れるかの様に柔らかく伸ばされる。
ゆっくりと飲み干していくその姿にうっとりした。猪瀬さん……
ふぅ、と猪瀬さんが吐息をつく。タンブラーを押し抱くようにして……
「陸様……」
……!!







~~~~~~~~~~~~~~~~~~
蛙の子は蛙
とはいえ
変態まで引き継がないでくれよぉ……。

そして、猪瀬もへんた……。いや、猪瀬は壊れかけているだけ、という事にしておいて下さい。
陸が体験した事を追体験できるだけで幸せを感じるヘンタ…


…………………………………………………………

BL祭.スタートしましたね……。
投票とは別に、アクセス数とかもランキングの計算に入るらしいのでお時間ある方で、しょうがねぇなぁと思っていただける方、更新がない日も一瞬だけページを開いていただけたら幸いです。
私のような拙い者が賞に食い込めるとは夢にも思いませんが、ただ、ランキングが少しでも上になればブクマが増えてくれるので、素直に嬉しい。
継続(努力)が苦手な私には栞の移動や感想、ブクマ追加連絡がモチベーションに繋がるので……。お時間ある方で、しょうがない子だねぇと思っていただける方、よろしくお願いいたしますm(__)m
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