【本編完結済】底辺αは箱庭で溺愛される

認認家族

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架向11

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気分を変えよう
うん。
さっきスマホが鳴ってたよな

「あれ?」
確認してみるが、更新通知とはかいていない。
「どうした?」
「いや、さっきスマホが鳴ったから、誰かから連絡きたのかなって思ったんだけど、なんの通知もきてないからさ。」
俺の言葉に猪瀬さんが、懐かしいな、といった。
「陸様も、スマホを駆使されていたよ。貴嗣様が暗示をかけようとして催眠状態にするたびにスマホに邪魔されて……って、架向、あの程度で酩酊状態になったってことか?」
軽く熱を持った下半身をみられて、顔が真っ赤になる
「いやいや、だって……!」
「童貞でもあるまいし、お前の指南役の技術はどうなってるんだ。この程度で反応するなんて変更しないと……」
「……デス」
「え?」
俺の声が小さすぎたみたいで猪瀬さんが聞き返してきた。
「だから!童貞です!なんならファーストキスです!」
なんの羞恥プレイデスカ?
「え……」
それ、絶句するほどの事?俺、まだ中学生よ?
「う~ん、何で閨教育受けてないんだ?もう精通はしてんだろ?まだか?」
「してるよっ」
だから、なんの罰ゲーム!?
「貴嗣様は何故、架向に行わないんだ?」
猪瀬さんが不思議そうに言う。からかい要素は全くないから俺も真面目に返した
「親父は手配していたらしいけど、父さんがそれは虐待だって言って……」
そう、そしたら、親父は『陸が言うなら』ってすぐ折れた。
「そういうのは好きな人とするべきだって 父さんが言っていた。俺もそう思う」
父さんに触れるだけで幸せそうになる親父。父さんのヒートを心待ちにしている親父
「陸様の気持ちも分かるが、受けておけ。架向は京極だ。β家系の陸様には受け入れ難い風習だろうが、上位αには必要な事だ。俺からも貴嗣様に進言しておく。京極が好きなΩとだけできるというわけじゃない」
「………父さん以外、全く興味ない親父ですら他のΩを抱いてるの」
親父の立ち場的にそういう接待をされそうだけど、トップの義務だとしても想像がつかない……。
「ああ、そういう意味じゃない。ただ上位αともなればΩによるフェロモンレイプなんて日常茶飯事だ。セックスがどういうものか体験しておかないと勘違いをするし……なにより運命に出会ってしまった時に童貞だと性衝動を押さえるのに苦労するだろう。陸様は上位種の執着がどんなものかわかってない」
「……親父の執着はわかっているけど?」
寧ろ完璧に理解して飴と鞭で調教してるように思えるけど?
「ああ…そうじゃなくて…。陸様は、上位種がどれだけ苦しみながら執着しているのかがわからないんだ。不安恐怖焦燥感…」
猪瀬さんが頭を抱えながら言う。
………
ねぇ、それは上位種の事?それとも自分の事?
でも、貴方の運命は父さんではない。
「……取り敢えず、着替えたら?コーヒー容易するからさ。」

なんか色々衝撃的過ぎて……取り敢えず、リビングに移動したい。こんな事を考えてしまう状況からも逃げ出したい


リビングでコーヒーを淹れていると、シャワーを浴び終えた猪瀬さんが先程の話を蒸し返してきた。
「貴嗣様には伝えておいた。受け入れろよ?」
………。
陸が反対するから、俺には必要だと思いつつも折れた親父
陸様が反対でも、俺には必要だからと俺を諭す猪瀬さん。
陸様にどう思われようとも俺の為に動いてくれる……。
「あれほど強烈な抑制剤を持っていても、架向が使用出来る余裕がなければ意味がないだろ。その為には必要な事だ」
……父さんはどうして今日抑制剤を持たせたのか。普段、俺の意志を優先してくれる父さんが強引に持たせた。
「父さんは何を考えていたんだろうか……」
「守るモノがある時の陸様は最凶だからなぁ。」
「あのポケポケ父さんが最凶?」
「ああ、架向に性指南を受けさせたくはない、でも、護衛をつけてもヒートレイプをゼロにはできないから、昏倒するくらい強い抑制剤を持たせているんだろ。下手に意識があると噛ませるまで誘発剤で煽り続けられる可能性があるから、失神させてどうやってもたたない状態にしておいて救出までももたせる。目が覚めたらかなたも恐怖だろうけど…その程度は耐えろってところだろうな。…相変わらず手段を選ばない捨て身の方法というか…懐かしいな…俺らは青島に振り回されたっけ…」

……
むかっ
なんでそんなに優しい顔をしているんだよ!
昔の父さんってそんな感じ…あれ?
今、猪瀬さん、父さんの事を青島って言った…。
父さんの学生時代の友人は、父さんの事を青島と呼ぶ。
猪瀬さんだけは、父さんを陸様と呼ぶ。昔は青島とと呼んでいたのに?何故?
親父の部下は父さんの事を番様と呼ぶ。姓が変わったから?なら他の人同様に番様でいいんじゃないの、なんで…

「二重三重の防衛体制を取るからな、青島は…」
目を細めて言う猪瀬さんの後頭部を思わず叩いた
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