【本編完結済】底辺αは箱庭で溺愛される

認認家族

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「夫によるビッチングではないと信じてもらえたかしら?」

頷くしかない。
アルファ女性の妊娠率は低い。有名な話だから。おそらく結婚してすぐに不妊治療を始めたに違いない。けれど効果はなかった。
αの執着は強い。妊娠できないことで彼女が苦しんでいるのなら、彼女がΩになることを望んだのなら自身のオメガへの嫌悪など無視してピッチングをしたはずだ。おそらく試みもしただろう。けれどトラウマの方が強かった。

妊活を諦めた彼女は、より仕事へと傾倒したのだろう。この先も妊娠できないのであれば、仕事に生きてやると。居場所を会社に求めた。その結果、幼い京極は寂しさを覚え、そして…

「貴嗣のおかげで、どれだけ私が幸せになれたか、とにかく言い聞かせたわ。それで貴嗣やっと眠るようになった。ただ、本人が納得したわけではないの。いちいち口に出してくる私がうざったかっただけなのよね。あの子は望まなければいいとわかった。本気で臨まなければ夢にも見ない。そうすればビッチングも行われない。誰も不幸にしない。だから自分の感情を切り離すようになった。欲しいものを欲しいと思わなで済むように無感動な人間になった。五歳児よ?」

「……」

『行かないで…』初めて図書館であったときに手を伸ばしかけてやめた京極。
母親を作り変えてしまったから、そばにいてほしいなんて願えない。
直ぐに、二人目を妊娠したといった。母親はどうしても乳幼児にかかりっきりになりがちだ。そして、父親は…妻が他のαと寝る原因となった息子に対してどうしたか。上位αだ、決まっている。

「私はオメガになりたかったのよ。そう何度も言ったけれど、貴嗣は信じなかったわね。」

……
『行かないで…』
兄弟に母親とられて手を伸ばしかけてやめた京極と、傷つけた自覚もないままに兄に甘えきっていた俺。累兄さんをさらに傷つけて追い詰めていった俺。

「何も欲しがらなくなった。違うわね。欲しいものを口に出さなくなった貴嗣を見て、なら、与えればいいと思ったわ。少しでも心が動くものを渡したら、この子は少しは前向きに生きてくれるのではないかと思ったわ。少しでも貴嗣の心が動いたと察知したら私は与えていった。そのせいね。本気で欲しいと思う前に、与えられるということに慣れてしまった。欲しいと思った場合、何をどうすればいいか考える機会を貴嗣から私は奪ってしまったの。欲しいと思う感情を理解する機会すら奪っていたのかもしれない」

「………」

「貴嗣は成人したアルファ。それはそのとうりだけれど、でも一方でまだまだ子供なの。欲しいという感情を初めて知った子供。なのに武器ばかりは装備しているから、タチ悪いわね。貴嗣の母親として謝罪させてください。…貴嗣を許してほしいとは申しません。アレが行ったことは言い訳の余地もない事ですから」

そう言い残して京極の母親は出ていった

「………まじか…。」

願うだけで?誰もそんな突拍子もないことを信じやしない。
けれど、事実なのだろう。
上位アルファーの執着を考えれば、彼女の証言が嘘でないことくらいわかる。
そして、いくら京極が優秀なαだとしても、幼児がフェルモンなんて出せやしない
そこにもう一つの要素を足せばすべて納得がいく。
なぜ京極が五歳の時に母親がオメガになったのか?
先代オメガの運命の人がアルファのままだったのか?
『陸、君にはΩ因子があったんだ』京極の言葉
『あれ?陸はΩ因子持っているんだね~。ん?大丈夫大丈夫。代々α×αの家系の子供だとΩ因子は皆無らしいけど、そんな家なかなかないしね。珍しい事ではないよ。まぁ、ちょっと多めだけど後天性Ωになるほどじゃないと思うよ』試験紙を見ていったコンちゃん


願うだけ。
そして、願われた者がΩ因子を持っていれば、Ω化する。
全く持っていなければ、Ω化しない。
京極の母親は優秀なαだった。。
子供が母親を恋しがるなんて5歳になってからのわけがない。もっと幼いうちから京極は慕っていたはずだ。そして、幼い子供の欲というものはかなり強い。だが、それだけの時間がかかった。恐らくΩ因子は微量だったのだろう
そして…
『あれ?陸はΩ因子多めだね~』
…そういう事だ。



































































































~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
…チョロイン陸
嘘をつくポイントって知ってるかなぁ~?
(意味深?詳細は京極視点にて)
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