【本編完結済】底辺αは箱庭で溺愛される

認認家族

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去っていくコンちゃん達を見送った。

…………
人が何かを願う、心の中で願う、これは どこまでが罪になるのだろうか
みんな夢を描くことはあるだろう
俺だって、コンちゃんとの未来を願ったし、コンちゃんのヒートを二人で過ごす夢だって見た。
夢が現実になる、そんな力を持っていたら、あんな風に連れ立って歩いていたのだろうか…


本屋に寄ってから帰ると猪瀬が既に家にいた。俺の首を見ながら呟く
「陸様…何故……」
俺につけている護衛から報告があったのだろう。コンちゃんとのやり取りも報告されているはずだ。京極も暗証番号探りに出るだろうから千葉さんの勝率が上がるな。

「番を解消するからに決まってんだろ」
「おやめください!」
「口調」
「…………やめろ、番解消なんて陸様になんの利益もない」
猪瀬は俺を番様と呼ぶようになってから敬語で話す。同い年に敬語、丁寧語を使われるなんていたたまれなくて、即直させた。
距離を置いた証明なら呼び方だけで十分だろうに、どうした猪瀬。
「あるんだな、これが。猪瀬が去勢しないで済む」
「私の事など!……俺の事なんか気にしなくていい」
…否定しないという事は、やっぱり考えていたな。俺のヒートためにフェロモンは必要だから睾丸は残すだろうけどペニスは必要ない。寧ろ万が一ラットになってしまっときに俺とやれるモノを残している方がこいつにとっては問題なんだろう
「嫌だよ。猪瀬は…俺に関して言うなら被害者だ。被害者が過剰な自衛をしなきゃならないなんて変だろう。本来ならレイプした俺が…」
「必要ありません!!!!」
うん、そう言うだろうと思ったよ。そしてそんな手術をしに行ったところでどこの病院も受け入れたりはしない。京極の権威をそれだけ強い。手術してくれるのは闇医者くらいだろうけど、それでミスがあったら累兄さんもコンちゃんも傷つける。

「俺にだって良心はある。それを守るために必要なんだ。番解除のために一緒に病院に行ってくれ」
「未契約のΩなんて危険が過ぎます!ヒートの周期は乱れることもあります。その時お一人だったらどうなさるつもりですか!」
「どうせ護衛が付いているだろう?」
「番がいるものに守らせてはいます。陸様のフェルモンでラットになることはないでしょう。それでも、多少なりとも誘引作用があるのです!……私が手術をしないと確約すれば…」
「口調」
「…俺が去勢手術をしないと宣誓すれば解除はしないのか」
京極達二人のいつまでかかるか不明の贖罪期間。京極にとってある意味一番安心できるのは俺が猪瀬の番であり続けること。突発的なヒートが起きても、俺が問答無用で誘ってしまうのは去勢済みの猪瀬のみだから。
「いいや?するよ。猪瀬の協力がないのなら、力づくで解除するだけだ」
後遺症の残らない解除は病院で猪瀬の協力を得ながら免疫治療をする事だが、無理矢理番にされたΩが絶望のあまり項をばっくりと切り取って解除できたという例もある。…死亡リスクが高すぎるから国は注意喚起をしているが。
「おやめください!!!協力します!」
「ああ、病院はすでに予約してある。よろしくな」
「…陸様…」
うめくように俺の名をつぶやく。それは、俺の今後を心配してか?京極の心労を思ってか?


『あの子はね、貴嗣に傾倒しすぎなのよね…。普段は常識人なのに』
そういったのは京極の母親だ。京極の為に去勢を考えるくらいだから、そうなんだろうな、残念なαだ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
某歌謡曲を聴きながら、この話を書いていました。音声入力にチャレンジしたら…思考中に曲をひろってしまいました
『君とつないで。いつまでもずっと入れ歯ならかけちゃうくらい。攻めたくて』
……どんな歌詞だよっ
入れ歯が欠けちゃうぐらい攻めたい?
ジジイ×ジジイBL…

結局、音声入力の速度ほど私の頭は早く働かないため、諦めて手入力してます(笑)。
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