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158-猪瀬

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その後、ヒートになった奴が俺を誘うことはしなかった。ヤツとまたしてしまったら、俺が死を選ぶことがわかっていたからだろう。
青島は底辺αだ。だがこの精神力はどうだろう?本能に負けまいとする誰よりも強い強い精神。青島は強い。

青島のヒートは俺にとっても地獄のような時間だった
番のフェロモンが俺を誘惑するのだ。
『俺にその楔を打ち込みたいだろう?』
『おれがこんなに辛いのにあなたは助けてくれないの?』
『あなただって張ってるそこが辛くないの?』
うたた寝をすれば蝶の標本のように俺に串刺しされている青島が夢に出てくる。
目が覚めれば、青島のフェロモンが俺を誘う。
俺もまた、抑制剤を大量に飲み、それでも張ってしまう下半身を己の手で慰めつづけた

青島のうめき声が聞こえる
番を求めるくぐもった声も。
手で耳を塞ぐ。
逃げ出してしまいたい。けれど、俺がこの家から離れれば青島は更につらくなる。直接でなくても俺のフェロモンを少しでも感知出来るだけでもヒートの助けにはなる。

薬が少し効いてきたのか青島がリビングにやってきた。
抑制剤の効果には波がある。よく効いているうちに身体を清潔に保ったり食事をしたりして、体力を整えなければならない。本来は番のαがベッドで倒れている番のΩにすべきことだ。だが、青島は一人でこなすしかない。寝室に俺が入れば、俺は本能に支配されてしまうから

処理をしたのに、青島を見て下半身が反応した。
「…すまん。」
「いいよ。そんなのは単なる生理現象だ。αなんてもんはΩのヒートフェルモンで反応するもんだ。ましてや俺らは番だしな。……ションベンみたいなもんだ」
くすりと微笑んだ。俺に対してではない。誰かを思い出して?もやもやする…

「いてっ」
青島の声にハッとする。見るとが唇を押さえてた。
「どうした?」
「ああ、いや、口の端がちょっと切れてて…」
……唇の両端が傷ついている。
不自然にくぐもった青島の声…まさか!?
「ばかか!ヒート中に猿轡なんて事故死するかもしれない!」
「お前に声を聴かせたくないんだよ。ここを逃げ出してないお前へのマナーだとでも思ってくれ」
……

『くれよ』
『犯して』
『お前が欲しいんだ』
番に叫ばれたら俺は止まれないだろう。ドアのカギを蹴り壊してラットにまかせて青島を襲う

『お前を守ると言っただろう』
レイプしたんだ、責任は取る、そう言った青島。
これ程にズタボロになりながらも俺と寝る事はしない。俺の精子を取り入れればだいぶ楽にはなるのに。
俺も限界だが、青島はもっと辛いはずだ。なのに……これ以上俺が貴嗣様を裏切らないですむように堪えている……バカ島め。
人の事を気遣う余裕など無いだろう、手足を縛った跡が痛々しい。血の滲んでいる肌に、俺と貴嗣様がしてしまった事の罪深さを実感する。

…………
貴嗣様……





























~~~~~~~~~~~~~~

猪瀬には、貴嗣様の番様だからではなく、ちゃんと陸だから敬う、そうなって欲しくて書きました。
お前らなんかより芯が通ってるんだよ、陸は!


京極様視点、非公開にいたしました。
楽しんでいただけましたか?
こんなの京極じゃない~、という方、スミマセン。私のなかの京極はこれです……。これが、終わってしばらくしたら、蛇足的に京極視点を載せますが……ご覚悟(?)下さい。





皆様、いかがお過ごしですか?
作者は気管支が弱くこの数日の黄砂とPM2.5にヤられております。息をすると喉奥がゴロゴロ鳴っているのが分かる……。猫かいな!!
花粉で荒れた気管支に黄砂という刺客がトドメを刺しにきている……

気管支の弱い同士たちよ!
あと数ヶ月まてば、花粉もないカビもない8月が待っている
それまで頑張ろうぞ!

…………しかし…
夜中に、ヒュコーヒュコーとダース・ベイダーな呼吸音を立てながらニマニマBとLな世界を書いている私、端からみたらかなりシュールなんだろうなあ(笑)

電車の中、咳をしている人を見かけたら、うつらない種類の咳の人もいるんだよな~なんて生暖かい目で見ていただけましたら幸いです。
あ、伝染る咳の人もいるんで、生暖かい目で見つつもそこからは離れて下さいね、ズザザザザと!
自己防衛、大事!
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